緊縮財政やデフレを容認するどころかそれらに積極的な評価を与える、戦前でいえば立憲民政党に相当するような括弧付き「リベラル」がこの界隈で影響力を持っている間は、安倍政権あるいはそれを後継する自民党政権を反政権側の勢力が倒すことなど夢のまた夢だと私は確信しているが、その括弧付き「リベラル」の典型例を示すツイートを下記に晒す。
「悪夢のような旧民主党政権」by 安倍晋三
— Dr.ナイフ (@knife9000) February 10, 2019
正直まったく記憶にないです。
地震は民主党関係ないし、リーマンショック後で株下がってたけど買い時だったし、幸い給料は安定して円高だったので生活は楽だった。ほとんどの公務員と会社員はそうじゃない?
悪夢ってマジ何?
安倍政権は悪夢しか無いけど
どうやらこの御仁にはご自身が「経済強者」の側に立っていて、そんな人たちに反感を持つ多数の庶民層が「消去法」で自民党に投票してしまうことなど夢想だにしないかのようだ。
上記「リベラル」のツイートに対する批判的なツイートをいくつか示す。まず一人目の方。上記ツイート主とのやり取りがあるので2件示す。
若い人は記憶にないでしょうね。私は良く覚えてますが、悪夢は言い過ぎだとしても今よりひどかった事は確かです。世の中を悪くするのは、モラルのない現実主義者よりも、能力のない理想主義者である事が良くわかりました。
— soarer (@takaodash) February 10, 2019
具体的には仕事が激減しました。私はフリーランスだけに景気を直接感じます。この時期、仕事が激減した自営業者はものすごく多いと思いますよ(統計的には調べてないけど)。「公共事業から人へ」というから人にお金かけたり建設以外の産業を育成するのかと期待したが、彼らは何もしなかった。
— soarer (@takaodash) February 10, 2019
さらに、この2人のやり取りに突っ込みが入った。
横から失礼。
— kuku@シロ組でパブリックエネミーらしいw (@wannwannkuku) February 10, 2019
サラリーマンは一流企業でも無い限り、相当給料減りましたよ?
また、自分達の事しか~と言う方いますが、相対的にそういう方が多いのはご理解を。
あれだけ株価下がったら何処が買場かも判らないから、手出しする人は少なかったですが?
当時仕込まれました?
最初のツイートに対して同様の反応を示した方もおられた。
公務員はそうかもしれんが、会社員は給料減るか、最悪解雇されて失業増えたんですがね。失業率の数値見てくださいよ。それもリーマンショックのせいと反論するかもしれませんが、それから何年経っても改善できませんでしたよ。他の国が次々と立ち直ってたのに。
— 一人勝ちと憲法放置は許さない (@gonorego_14) February 10, 2019
そうだね、私も給料は相当減った。それどころか事業の先が怪しくなったので転職に追い込まれた。それで80年代から前世紀末まで住んでいた首都圏(東京)に舞い戻ってきたわけだ。なお、給料の頭打ちは何も民主党政権に限らず、村山富市政権時代に発表された日経連(その後経団連に吸収合併)の「新時代の日本的経営」(1995年)の頃からの新自由主義全盛期を通じてのことだった。それもあって、私は新自由主義に対してきわめて強い反感を持っている。
ところが、安倍政権になってからは給料が下がらなくなった。金融緩和の効果だったと思っている。安倍政権の経済政策が効いたのは最初だけで、以後は消費増税や「庶民に対しては緊縮(お友達と軍事と原発と外国にはバラマキだけど)」の財政政策が金融緩和の効果を打ち消したおかげで、安倍政権の経済政策を総合的に見れば全然ダメだはと思っているけど、それでも多くの人が民主党政権と比較して安倍政権の経済政策を選んでしまうのは止むを得ない、そう考えている。
だから、いま野党陣営に求められるのは、民主党政権時代の失敗を認め、どこに誤りがあったか、どうすればそれを正して、かつ安倍政権よりも優れた経済政策を有権者にアピールできるかということだろう。もちろんそれは実現可能なものでなければならないことはいうまでもないが。
このエントリで批判しているツイートは、その私の認識とは真っ向から反する意見の発信なので、ここにエントリを立ち上げて強く批判する次第だ。
そのツイートに対するさらに他の方の反応の例を示す。最初、このブログにも時折コメントをいただく知り合いの方かと一瞬思ったが、別人であることはすぐにわかった。
個人的な話ですが私自身は最悪でしたよ。2009年大学卒業ですが正規の仕事も非正規の仕事もなくて(あるのは介護くらい)無職の期間が1年以上続きました。その後辛うじて非正規の仕事に就けましたが、安月給だったし民主党政権が法律を改正したせいで3年でクビ切られ、自殺まで考えた位でした。
— ぽむ (@pompomz1124) February 10, 2019
こちらは、ツイート主ではなく他の方とのやり取りを記録しておく。
失礼ですが派遣法じゃありません。労働契約法です。私は当時派遣社員ではなく契約社員でした。
— ぽむ (@pompomz1124) February 10, 2019
そうですよ。2012年改正の2013年施行。そして私がクビ切られたのは2016年です。余計なザル法のせいで私のキャリアをぶち壊してくれました。まだ何かおかしいですか?
— ぽむ (@pompomz1124) February 10, 2019
また別の方の反応。
民主党政権時代に就職率が激減(私が以前いってたことと違うがその後大学の先生に直接聞いて激減したと分かった)したっていう恨みを持つ方が少なからずいたそうです。おそらくこの頃、大学とか専門学校に通う方々だと思います。私はクソウヨ認定パヨクですがコレに関してはもう何もいえないです。
— 田嶋 詠美 (@Eimi_Tajima) February 10, 2019
きりがないのでこれくらいで止めておくが、呟きの主の主張がリベラル界隈内でも全く支持されていないことは以上に挙げた例だけでも明らかだろう。
なお、呟きの主はデフレを歓迎するツイートを過去に発信していた。
アベノミクスを批判しているのでボクが理想とする経済施策
— Dr.ナイフ (@knife9000) November 4, 2018
・円高、デフレターゲット
・有り余ったお金を海外に投資
・高くても売れる商品・サービスの開発
円高でも商品は世界で売れる。
海外投資先の利益が日本に還元、それを原資にベーシックインカム。日本人は世界からいいものを安く買う。
開いた口がふさがらない妄論だが、おそらくこの呟きの主は熱心な立憲民主党支持者なのであろう。立民がこういう人たちの声に耳を傾けるようなことがあるなら、同党の未来は限りなく暗いと思われる。