kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「野党共闘」は2012年の「日本未来の党」の再現か

 衆院大阪12区の補選で「野党共闘」の無所属候補・宮本岳志(ついこの間まで共産党衆院議員)が樽床伸二(ついこの間まで無所属衆院議員、その前は希望の党比例代表近畿ブロック選出議員)に無党派層への浸透で大差をつけられている世論調査を見て、ああ、「野党共闘」は2012年の衆院選前の「日本未来の党」に似てきたなあとつくづく思う。

 これは何も私だけの感想ではなく、その実態が「小沢と共産の共闘」であることがはっきりしてきた「野党共闘」について、「2012年の脱原発運動と似てきた」と指摘された方がいた。これは本当にその通りだ。あの年に実質的に小沢一郎に率いられた「日本未来の党」は、脱原発のシングルイシューで選挙に勝とうとして、東京新聞(や日刊ゲンダイ)の全面的な応援を得るなどして衆院選に臨んだものの無党派層の支持が全く得られず獲得議席わずか9議席の惨敗に終わった。

 では、現時点において当時の「脱原発」に代わるものは何かというと、それは「本気の野党共闘」とかいうものであって、「野党共闘」陣営においては「いかに『野党共闘』を本気でやっているか」が価値基準になっている。これでは、何のための「野党共闘」なのかが「野党共闘」陣営の外部である無党派層にはさっぱりわからず、「野党共闘」のための「野党共闘」のようにしか見えない。「野党共闘」が自己目的化している。この現状は「脱原発」という明確な理念だけはあった2012年よりもさらにずっとひどいというほかなく、無党派層宮本岳志への支持が全くといって得られていないのはあまりにも当然だ。樽床伸二は、これまた小沢一郎が大きく絡んだ「希望の党」設立劇に乗っかって衆院議員の座を実質的にただで手に入れたどうしようもない政治家であって、そもそもこの男は2010年6月の民主党代表選で小沢一派に担がれたこともあるゴリゴリの新自由主義者なのだが、補選前には泡沫候補になるかとも予想されていたこんな候補にまで無党派層の票を持っていかれそうな「野党共闘」とはいったい何かと思わずにはいられない。

 衆院補選でも沖縄3区では自由党(小沢系)の候補の優勢が伝えられる。そうなると「野党共闘」とは、小沢一郎共産党を食い物にして「崩壊の時代」の「異議を唱えるものが絶え果てた」状態を極限にまで推し進める以外の何の効果ももたらさなかった、そのように総括せざるを得なくなるのではないか。