下記に木下ちがや(こたつぬこ)氏のツイートを示すが、安倍晋三と山本太郎の2人が「忖度」に支えられた偶像だ、とは私も最近よく思うことだ。
しっかし安倍さんと山本太郎、ますます似てきましたねえ。二人ともまわりが忖度するから、いまどういう状況なのかまったくみえてないんでしょう。安倍さんは毎夜ホテルで飯を食い、太郎は毎日野党に刺客を擁立と。 https://t.co/LUkS6JcuTv
— こたつぬこ (@sangituyama) 2020年2月21日
このうち山本太郎への「忖度」は、小沢一郎の取り巻きや「小沢信者」(オザシン)たちによる小沢一郎への「忖度」がルーツになっている。2011年とか12年頃、「ソンタクズ」という政治系掲示板などでの隠語があったが、これは小沢を忖度する小沢の取り巻きやオザシンを揶揄する言葉だった。
ただ、小沢一郎や安倍晋三が自律的に行動しているのに対して、山本太郎の場合は一部の側近にいいように操られているのではないかと思う。そのことも木下氏は指摘している。
山本太郎を説得しても無意味ですよ。山本太郎に指示している人を説得しないと。でも指示してる人は、野党に打撃を与えて一花咲かせたいから、徹底的にやるでしょう。僕は最初から山本太郎ではなく指示してる人をみながら批判してましたので想定内ですが。 https://t.co/tvBZPQYiuf
— こたつぬこ (@sangituyama) 2020年2月21日
ここで木下氏が言っているのは斎藤まさしのことだろう。私は斎藤氏についてはよく知らないが、山本太郎のような人を利用して一旗揚げようと考える人たちが次々とすり寄ってきて、一部はうまい具合にブレーンに加わったことは間違いない。その代表格が陰謀論者・中田安彦だ。エコノミスト・植草一秀の影響がどれほどあるかは知らない。おそらく一定の影響力はあるものの、斎藤・中田両氏ほど大きな力は持っていないのではないか。他にも、山本太郎にすり寄ろうとする怪しげな人たちが少なからずいて、そのうちの一定の人たちが山本太郎への影響力を持っていると思われる。田中龍作などは外部のシンパとして宣伝しているに過ぎまい。
いずれにせよ、民主的な党規約を持たずに党代表の独裁条項を持つ山本元号党が、多くの支持者やシンパ、あるいは「信者」たちの想像もしくは妄想とは異なり、同党が「賢い山本太郎が自律的に善政を敷く」理想郷などでは全くなく、一部の取り巻きが山本を思うがままに操る「寡頭制」になっていることは絶対に間違いないと断言できる。これが山本元号党の危険性の核心部だ。なぜこのことを理解できない人たちが多いのだろうか。不思議でならない。
あともう一つ、昨年の参院選で見られた「当事者主義」という山本元号党のコンセプト(これには当時、私も一定の、というよりかなり高い評価を与えたものだ)がすっかり影を潜めていることも指摘しておかなければならない。神子島慶洋氏が下記ツイートで指摘する通りだ。
参院選のときの「れいわ」は、元派遣社員にコンビニオーナー、難病患者と、かたちの上では「声なき声」の代弁者を揃え、政党色も薄いように感じていた。それが今度の衆院選候補予定者になると、一転して第3極に出自のある人物が目立つ。候補者選びで迷走しているとしか思えない。
— 神子島慶洋⊿ (@kgssazen) 2020年2月21日
神子島氏の下記ブログ記事も面白い。
以下、氏のブログ記事を引用する。
れいわ新選組の山本太郎代表が、衆院愛知10区に安井美沙子氏を擁立することを発表した。安井氏もまた希望の党から出馬した経歴があり、これでれいわの希望系候補予定者は3人目になる。
しかし安井氏の場合、民主党時代には「チャーターメンバー」として希望入りした長島昭久氏のグループに所属していたのだから、どちらかというと進んで入った人物だったのではないか。実際、あいちトリエンナーレの件では攻撃する側に回っていたようなので、極右色が強い人物と推察される。もちろん、改憲派だから極右と決めつけるわけにはいかないかもしれない。とはいえ、櫛渕氏は2017年衆院選で千葉3区に擁立され、立憲民主党候補への「刺客」の役割をはたしたのだから、その立ち位置は推して知るべしだろう。同じく希望系の太田和美氏は思想云々よりも、当選できるならどんな政党からでも良いといった節操のなさが目立つ。それが一転して、次期衆院選の候補予定者には第3極に出自のある人物が目立ち、れいわの左派的政策との整合性に疑問が出てくる。あるいはひょっとすると、未来どころか希望の党の再来なのかもしれない。
安井美沙子なんて人を私は全然知らなかったが、民主党時代から「国軸の会」という名の長島昭久のグループに入り、極右政治家として鳴らした人らしい。そんな人を擁立するのが山本太郎だ。これに小池百合子は拍手喝采するのか、それとも憮然とするのか。
擁立した候補といい、野党に対立候補をぶつける手法といい、山本元号党は、完全に2012年の衆院選における日本未来の党と2017年衆院選における希望の党の両党の再来だ。この両方に関与していたのが小沢一郎であることはいうまでもない。そう、山本太郎に強い影響力を与えている人間として小沢一郎の名前も上げておかなければならない。今回の衆院選候補予定者の人選に「小沢の影」を見ることは容易であり、このブログにもそれを指摘するコメントをいくつかいただいている。
下記記事(2/18)のコメント欄より。
また、下記記事(2/20)のコメント欄より。
ならぽん
その通りで、小沢は「野党共闘」と山本元号党の二股かけている。これはいつもの小沢の手口であって、希望の党の騒動の時にも、小沢は明らかに関与しながら、小池百合子に切られるやちゃっかり「野党共闘」側に復帰して野党各党の選挙協力を取り付け、楽々と選挙区(新岩手3区)で当選した。古くは2012年に小沢が橋下徹と石原慎太郎の二股をかけたところ、それを石原に知られてしまい、怒った石原が橋下と手を組んでしまったこともあった。この件を暴露したのは、確か佐高信と故岸井成格の対談だったはずだ。
最後に、現在の山本元号党の惨状について、ひところ「山本太郎がおかしな言動をとったらそれをきっちり批判する」と公言していた人たちが現在沈黙を続けていることを厳しく論難しておく。彼らが山本太郎と彼の政党をスポイルしているとしか言いようがない。
結局彼らは2012年の「日本未来の党」の失敗の総括がまだ全然できていないのだ。総括ができていないのは、あの総選挙で日本未来の党と潰し合いを演じた当時の民主党主流派とその支持者たちも同様だ。小沢系・反小沢系を問わず、民主党政権時代の失敗の総括ができていないことが現在の惨状を招いている。
候補者を見る限り、この党の運営には小沢一郎の意向が働いているとみていい。
今後選挙が行われた場合、立憲民主党はともかく、
小沢が所属する国民民主党とは何らかの選挙調整をするだろう。
要は、小沢遊撃隊だ。