kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

サンデーモーニング、突如極右ネオリベ番組に豹変(呆)

 今朝(3/29)のTBS「サンデーモーニング」を見て、目を剥いた視聴者は少なくないのではないか。

 御用学者というべき堀賢(さとし)を出して、日本の検査数の少なさを「ドイツとはポリシーが違う」などと正当化させていたし、何より日本の感染者数に関して、番組が示したパネル及び出演者のコメントに混乱があった。その混乱とは何かについて、以下に説明する。

 それは日本における死亡者数の件だ。番組のパネルには、日本における新型コロナウイルスによる死亡者数を、クルーズ船を含めて63人としていた。これは昨日(3/28)にパネルを作成した時点での死亡者数であって、間違いはない。

 ところが番組に出演していた寺島実郎は、クルーズ船を除いた国内の死亡者数は44人であって、致死率は2%ちょっとだと言っていた。そして、パネルにも死亡者数44人との数字が表示されていた。

 おい待てよ、クルーズ船の死者って確か10人だろ、それがいつの間に19人になったんだよと思って調べてみた。

 朝日新聞のサイト*1では、3/28の23:00時点で、クルーズ船を除いた死者55人(国内の感染者1680人)となっている。御用新聞として悪名高い読売*2も同様で、朝日と同じ28日午後11時の時点で、クルーズ船を除いて死者55人(感染者1681人)となっている。朝日とは感染者数が1人違うだけだ。

 そこで厚生労働省のサイト*3を見ると、朝日・読売より少し古い28日正午現在で死亡者49人となっていた。

 結局、寺島の発言及び番組のパネルが示した、クルーズ船を除く国内の死亡者44人という数字の根拠はわからなかった。

 番組では、寺島が口走った44人という数字が過少ではないかと疑念を抱いたキャスターの橋谷能理子が「国内の死者は63人です」と、クルーズ船の10人を含む数字を言ったところ、寺島は「クルーズ船を除いた死者」だとしてはねつけた。今週は番組の出演者間の意思疎通もできていないようだなあと呆れたが、実際にはクルーズ船での死者は読売でも厚労省でも10人であって、63から10を引くと53だ。寺島の言葉とTBSのパネルの44人という数字は明らかにおかしい。そして、朝日及び読売の数字をもとに国内のコロナウイルスによる致死率を計算すると3.3%になる。全員が検査を受けたはずのクルーズ船では感染者712人に対して死亡者10人だから致死率は1.4%であり、国内の致死率はその2.3倍になる。少し前には日本での致死率は3.7%と、中国の4%に迫る数字だったがようやく少し下がるとともに、感染者数自体は急増した。しかし、それだけ本来の値に少し近づいたとも考えられる。単純に考えれば、国内の真の感染者数は、朝日や読売の数字(1680人あるいは1681人)に2.3を掛けた4千人弱と見積もられる。ここ数日、検査結果の陽性率が異常に高い数字で推移している東京都では、感染者数が十分把握できていない可能性が高いから、これを考慮すればもう少し多い数字になるだろうが、それでもまだ万のオーダーには達していないのではないかと私は考えている。

 それにしてもいったい、何を根拠に「44人」なる数字が出てきたのか。

 番組の終わりの方では、各国のコロナウイルスへの対応策として「スタグフレーションを招く」などとして視聴者の危機感を新自由主義的な方向へと煽る論外の番組作りまでしていた。

 「サンデーモーニング」はいったいなぜ、突如こんなにひどい極右ネオリベ番組に豹変したのか。

 TBSが官邸からの強い圧力でも受けたのかと勘繰ってしまった。