「K値」をめぐる話題についてかけたネット検索で、宮沢孝幸という京都大学ウイルス・再生医科学研究書の准教授が「K値」を応援する旗を振っていることを知った。宮沢准教授の最近のツイートの中で、ことに反応が多いのは下記のツイートだった。
もう一つ強くお願いしたいのは、このような予測を出されている中野教授を守っていただきたく思います。現実的な予測を出すことすら、とても勇気が必要なのです。勇気を出して発表して下さっている中野教授を責めることは筋違いです。他の先生に対してでも同様です。直接責めることはやめていただきたい
— Takayuki Miyazawa(宮沢 孝幸) (@takavet1) 2020年7月18日
これだけを取り上げてみるとまっとうな呟きのようにも見えるが、上記ツイートに対する反応は決して芳しくない。
西浦先生を嬉しそーうに攻撃していた方の台詞とは思えないですね、、
— aimai_moco (@ai_aimai) 2020年7月19日
それは西浦先生にも言えることです。
— これはもつ鍋の写真です。 (@Shishi_Yasu) 2020年7月24日
フェアにやってください。
西浦先生に暴言を吐く輩を見て悲しく見ていたのと同じ感じですね。
— 業 (@aotan_n) 2020年7月18日
勇気ある行動をとって、警鐘を鳴らし続けた先人を責めることは筋違いです。お分かりいただけましたか?
大ブーメランですね。
先人に敬意もって、日本の未来のために、今後もどうかご活躍ください。
西浦教授を「騙した」という半ば人格攻撃を越えた中傷を伴い不確実な数値を影響力のある政策決定者(大阪府知事)の前で出されることに勇気が必要だったなら蛮勇と申すほかありません。あるいはいま必要な勇気は間違った予測を最小限の被害に留める為の説明や収拾撤回の為のものではないでしょうか。
— アイコ製薬 (@acrylicite) 2020年7月18日
醜いですね。https://t.co/UMCt3WkgN4
— iamsachimih (@iamsachimih) 2020年7月20日
最後にリンクしたツイートからリンクされた「リテラ」の記事に目を通してみた。すると……
以下引用する。
(前略)頭が悪すぎてどこから突っ込めばいいのか。“PCR検査が必要なら他の専門家も言えばいいのに言わなかった”、のだとしたら、論理的に考えれば、批判されるべきは、言うべきことを言わなかった他の専門家のはずだが、そうではないらしい。しかも「この人だけがコロナの情報持ってるみたいな感じで喋りまくってた」「なんなんや、この人」って、ようするにせいじは、岡田教授の主張の内容ではなく、ただただ存在が気に食わないだけではないか。
リンゴも「言われたら、そうですけど。この人がやっぱりいちばんコロナに詳しい?」などと同調し、宮沢准教授に投げかける。
すると、宮沢准教授は芸人ばりの大げさな顔芸で「まさか、まさか、まさか」と答えてスタジオを爆笑させ、せいじも、我が意を得たりと「でしょー! 俺、思うてた、この人、怪しいなあて」と一際大きな声で叫ぶ、という具合だ。
(中略)「どうなんやろうね、結局、いろんな経済活動が止まったりとか、医療現場がパニックになったりとか、いろんなことの発端の一部は、この人が、俺、担っていると思うの。テレビで、あんだけセンセーショナルにばあっとしゃべったから。まあーまあー、罪やと思うんやけどね、俺、この人」「この人が扇動したとこ、俺、あると思うんですよね」
これに、宮沢准教授が「あー、煽った……まあ本人は正義感でやってると思うんでしょうけども、間違ってたことはたくさんあって、私もけっこう叫んでましたけど」と答えると、せいじは「でしょ! でしょ!」「でしょ! 思うてたんや!」と大はしゃぎするのだ。
(中略)しかも、せいじと宮沢准教授は、その後も名誉毀損としは思えないような誹謗中傷を繰り広げた。
宮沢准教授はなんの具体的事実も示さないまま「昔、いろいろトラブって、不誠実な研究者やなと思ってたんで」「まあ、やってんなあって話ですよね」「いろいろやらかしてましたから」などと、せいじは「岡田、やらかしてんなあ」と、あたかも不正でも犯していたかのように決めつけてしまったのだ。
岡田教授に対しては、冒頭で指摘したように、御用ジャーナリストやネトウヨが苛烈なバッシングを繰り広げていたが、そのなかには、悪質なデマもたくさんあった。たとえば、上念司氏は3月に『AbemaPrime』(AbemaTV)で「薬剤師さんなのに医者のフリをした人」などと述べ、ネトウヨたちが「岡田晴恵は薬剤師で医師ではない」「ただの薬剤師だから感染症の専門家じゃない」「岡田薬剤師」などと罵倒。しかし、岡田教授は薬学修士でもあるが医学博士でもあり、れっきとした感染症の専門家であり、これは完全にデマだった。
今回の千原せいじ、宮沢孝幸教授も同様で、結局、岡田教授の実際の発言内容がどういうもので、何がどう間違っていたのかなどは一切説明していない。とにかく、岡田教授のことが気に入らず、誹謗中傷を繰り広げていただけなのである。
それにしてもいったいなぜ、ネトウヨ安倍応援団、維新支持の新自由主義者たちは、ここまで岡田教授を目の敵にするのか。
『あさパラ!』のセクハラ的な番組内容をみれば、「女のくせにしゃしゃり出てきやがって」というミソジニーが大きく影響しているのは間違いない。しかし、もうひとつ大きいのは彼らが「国民の健康や公共の福祉より大事なのは金儲け」「病気の予防なんて国に頼らず、自分でなんとかしろ」という経済至上主義、自己責任論に骨の髄まで侵されているからだ。
だから、行政の徹底した感染対策を求める岡田教授が目障りでしようがないのである。
しかし、トランプ大統領の支持派の州やボルソナロ大統領のブラジルの状況を見れば、新自由主義と自己責任論がコロナ感染をさらに悪化させることにしかならないことは明らかだ。周回遅れの新自由主義者やネトウヨこそ、とっととメディアから退場すべきだろう。
(リテラより)
これまでに何度も書いてきた通り、私はリテラなんか大嫌いだし、岡田晴恵教授に対しても一定の批判を持っているが、宮沢孝幸准教授は論外というほかない。また、同准教授からは強烈な政治性が感じられる。
このことをもって、同准教授が応援する阪大の中野貴志教授も同准教授と同類だと決めつけることはもちろんできないが、心証が極めて悪くなったことは確かだ。
少なくとも、宮沢孝幸准教授はネオリベ的(または右翼的)心情を持つとんでもない俗物だとしかいいようがあるまい*1。
*1:ネット検索をかけたら、宮沢准教授が大阪維新の会所属の極右参院議員・柳ヶ瀬裕文のインタビューを受けているYouTube動画がみつかった。https://www.youtube.com/watch?v=TC2JFprCqxc