kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「K値による予測を使うべきでない理由」(勝川俊雄公式サイト, 7/13)

 K値だが、感染の縮小局面では仮説と実際の陽性者の減少が結構合っていたらしい。そのためかどうか、神奈川県(知事・黒岩祐治)も感染状況の把握に使用しているようだ。

 

www.m3.com

 

 ところが、感染縮小局面では現実とよく合っていたこのモデルが、感染拡大局面では使い物にならないのだと指摘するサイトを見つけた。

 

www.ep-coat.com

 

www.ep-coat.com

 

 後者のリンクから記事の書き出しを引用する。

 

一部界隈で大変支持を得ていて、新型コロナの感染予測にも使えると人気だったK値が危機を迎えている。この所の感染急増に、予測が全く合わない事態に遭遇しているようです。

K値による予測を使うべきでない理由

これまでは行動変容が起こって縮小局面に良く合致していた為、大変重宝してきたが、ここに来て、感染拡大しても政府が全く感染対策を呼び掛けず放置した為、縮小反転が起きず、拡大急増して予測値が全く役に立たなくなってしまっているようです。

これは政府筋でもK値の信奉者がいて、放って置いても縮小反転するから大丈夫と奢った見方をする人が有ったのではないかと見られているようだ。

これまではあくまで、人々が感染対策に努め広げないよう行動したから順次縮小していったのです。所が今回は経済再開局面で人々の接触機会が倍加し、イベント再開、観客入場、大型施設再開と矢継ぎ早に緩和を進める中で、前提条件が次々の変わる中において、K値は意味を為さなくなったのです。(後略)

 

出典:https://www.ep-coat.com/newlife/post-580/

 

 上記記事からリンクを張られている記事がまた興味深い。著者の勝川俊雄氏は水産資源学を専攻する三重大学准教授の方とのこと。

 

katukawa.com

 

 以下引用する。

 

K値というものが物理学者によって提唱されて、大阪などでは利用されているようです。7/6のテレビ東京ワールドビジネスサテライトでは、K値によるコロナ感染者の予測が紹介されていました。

 

K値予測では今週がピーク!?


コロナとの共存を進める中、大事なのが今後の予測です。
https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/wbs/newsl/post_205596/

 

番組では、7/9には、感染者は減少に転じるという予測が示されました。これを見た人は、コロナがすぐに勝手に減るから、心配はいらないという誤った印象を持ったことでしょう。行動変容もしていないのに、コロナ感染者がひとりでに減ることは無いというのは、その後も感染者は着々と増えて、現在に至っていることからも明らかでしょう。こういった楽観的な予測が一人歩きをすると、本当に必要なコロナ対策の妨げになりかねないので、K値による予測を使うべきでない理由を解説します。

 

(以下、グラフを使った説明なので大幅に省略。省略した部分が記事の核心部に当たりますが、ご面倒でもリンク先をご参照下さい=引用者註)

 

今後のコロナ感染者の推移は、行動変容によって、感染拡大をいかに抑えていくかが鍵になります。感染拡大がいつ止まるかは、我々が行動変容をいつ行うかにかかっています。人間社会を無視して、これまでの感染者の推移だけをみて、将来を予測しようというK値による予測の考え方には、そもそも無理があると思います。人間社会に目を向けていれば、行動変容もしていない7/6の時点で、7/9にピークアウトするという素っ頓狂な予測はしないでしょう。


このような予測がメディアによって広められるのは、望ましいことではありません。何もしなくても、勝手に新規感染者が減少するという根拠のない楽観論を植え付けて、本当に必要な感染症対策を難しくするからです。このような情報を提供した研究者にも、十分な検証をせずに放送したテレビ局にも責任があると思います。テレビ番組のウェブサイトには、今でもこの予測が表示されているのですが、ミスリードしっぱなしで良いのでしょうか。

アカデミアの中に、いろんなことを考える人がいるのは悪くないことです。そのような多様性こそが長い目で見て科学の進歩に繫がるものです。しかしながら、K値とそれを用いた将来予測は、十分な検証がされておらず、現状で予測に使えるようなものではありません。また、実績がある疫学モデルに対する代替案として取り上げるようなものでもありません。そういった良識を、政治や報道に関わる人には、もっていただきたいものです。

 

出典:http://katukawa.com/?p=6228

 

 ところが、このような「K値」の信奉者が、大阪府や神奈川県にとどまらず、おそらく政府内(経産省内ではないかと私は疑っている)にいて、経済の再拡大を請求に進めさせた。その際、邪魔な西浦博がいる専門家会議も廃止した。その結果、現在の感染再拡大が進んだ。このような経緯ではないだろうか。

 最後にリンクした記事についた「はてなブックマーク」の人気コメントより。

 

b.hatena.ne.jp

 

K値による予測を使うべきでない理由 - 勝川俊雄公式サイト

「K値」とその周辺、別に仮説を提唱するだけならともかく、実証されてない仮説をさも実証済みみたいに触れ回ったり地方自治体へ食い込んだりしてる印象が強くてなあ…

2020/07/13 11:25

b.hatena.ne.jp

 

K値による予測を使うべきでない理由 - 勝川俊雄公式サイト

「根拠のない楽観論が広まれば、本当に必要な感染症対策が難しくなる」 本当に必要な感染症対策をしたくないって欲求が切実で、K値みたいな変な理屈への追い風になってるのよな。

2020/07/13 11:20

b.hatena.ne.jp

 

K値による予測を使うべきでない理由 - 勝川俊雄公式サイト

K値とかアンジェスとかあの界隈の醜さは半端ない。大阪大学に関係する人たちがこぞって推しまくっていたけど、恥ずかしくないのかねぇ。

2020/07/13 12:19

b.hatena.ne.jp

 

K値による予測を使うべきでない理由 - 勝川俊雄公式サイト

大阪の吉村や神奈川の黒岩が食いつくものはだいたい怪しいと覚えておくべき。彼らの共通点は首長なのに根拠を軽視して新しい(根拠が怪しいから誰も手を出していないだけ)ものに飛びつくところ。

2020/07/13 19:18

b.hatena.ne.jp

 

 大阪大といえば、塀ブログの下記記事にいただいたコメントでも疑念が呈されているのでご紹介する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

id:suterakuso

 

ここまでだと多くの人にとって言わずもがなの話なのではないかと思いますが、大阪大って、ガバナンス大丈夫か?って話ですよね。つまり、専門外にしゃしゃり出て無駄に物議を醸し、恥をさらす教授が、なんでこうも出てくるの?と。つまり、この2人と菊池誠ですが、さすがにこれで打ち止めでよいのでしょうかね。

高校生だったら行きたくねー。きっと努力して高偏差値とって、こんなんに学ぶなんて、とっても嫌ですよね。

ところで、メジャーリベラルブロガーの宮武嶺さんが、ニューヨークの死者数の減少と、超積極的なPCR検査とのことを記事にしていますよね。

https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/3f69ba9cabd9d9d723bb1178e5bdb3cc

私見としては、PCR検査だけでなく、厳しい経済活動の制限との関連性の方にももっと注目すべきだと思いますが、少なくとも、検査数を増やせば即医療崩壊ではないということが、導き出せますよね。日本の医療体制がアメリカより劣るものでなければ、という条件は付くでしょうが。

 

 「厳しい経済活動の制限」といえば、北欧諸国の中で唯一これを行わずに経済重視の路線を採ったスウェーデンと、ノルウェーなどの他の国の間で、どちらにも経済指標の低下が見られて、かつスウェーデンとそれ以外のノルウェー他の国とで低下の度合いがほとんど変わらない一方、重症者や死亡者の発生率においては当然ながらスウェーデンが群を抜いて悪い、という話をどこかで見たことがあります。

 「経済優先」路線を採っても、結局経済はうまく回らないということでしょう。日本の現状を考えても、そりゃそうだろうなと私なんかは思います。