NHKでやった「日曜討論」での立民代表選4候補の論戦は、私もテレビのチャンネルを合わせていたが、なぜかゲストで出演した室橋祐貴とかいう「日本若者協議会」代表理事とやらの政治的スタンスが極端に偏向していたのでまともに見る気が失せた。あれでは室橋が、というよりNHKが、旧希望系の2人、その中でも泉健太が選ばれるように視聴者を誘導しているようなものではないか。頭にきたので途中から松本清張のミステリ本(今年はまだ2冊目)を読み始めてしまった。
そんなところに、suterakuso氏から下記記事にコメントをいただいていることに気づいた。
補足ですが、上のコメントは頼りない短期・中期記憶を頼りに書いたものなので、正確ではないかもしれません。生放送が終わった時点で確認した方がよいなと思っています。
https://plus.nhk.jp/watch/ch/g1?cid=jp-GG149Z2M64
ちなみに、それぞれの党首候補者の話も、ながら見なので、見ていません。運営がダメそうなので、気が向かなければ見直しもしないと思います。
あと、プラットフォームにひたすら順応するのに長けているというのは、論理的に考えたり自らの価値観で決めたり資料を吟味したりするのは時間の無駄という態度に繋がります。今のテクノロジーは、社会心理にとって、あまりよくないのかもと思います。
最初のコメント中に張られた朝日新聞デジタルの記事へのリンクを再掲する。
小川氏「日本政治許せない。代わりうる選択肢を」 立憲代表選出陣式
2021年11月19日 12時57分
立憲民主党の小川淳也元総務政務官は国会内で開いた出陣式で、「わたしこの間の日本政治が許せない。非常に国家主義的で権威主義的な政策が随分と強行的に押し通されてきた」と訴えた。その上で、「なんとしてもこれに代わりうる選択肢を皆様と一緒に全党を挙げて作り上げたい。その先頭に立たせてもらいたい」と語った。
目指す党のありようとしては、「枝野さんが打ち立てたリベラルの立ち位置、国民の自由や人権、そして公平公正な社会を志向する立ち位置を皆様と再確認をし、さらに支持層、ウィングを広げて政権の受け皿として、認知される野党第1党を何としても作っていきたい」と語った。
(朝日新聞デジタルより)
記事についた「はてなブックマーク」の人気コメントから以下に悪例ばかりを選んだ。
小川氏「日本政治許せない。代わりうる選択肢を」 立憲代表選出陣式:朝日新聞デジタル
一発目から「許せない」系の発言をしていく時点でもうダメ。この人が代表なら次も負け確です。
2021/11/19 15:42
小川氏「日本政治許せない。代わりうる選択肢を」 立憲代表選出陣式:朝日新聞デジタル
批判ばかりでよくない…からの「日本政治許せない(今までの政治を全否定)」だからなぁ。ウイングを広げるのは難しいように思えてしまうところ。
2021/11/19 14:58
小川氏「日本政治許せない。代わりうる選択肢を」 立憲代表選出陣式:朝日新聞デジタル
だから「反対しか言わない野党はダメ」って言われるんだよ。いいから新型コロナと経済を勉強してくれ。
2021/11/19 17:47
確かに「批判ばかりでよくない」というのは小川淳也の言葉ではなく、小川を含む立民を指してブコメ主が書いた言葉だ。
自民党の今井絵理子が参院選に立候補した時に「批判なき政治」というキャッチフレーズを掲げた時には驚き呆れたものだが、今調べてみたら今井の初当選は2016年だった。この頃にはもう「批判=悪」という刷り込みが、当時の今井の年代である30台前半や、その前後の世代の人たちには強く刷り込まれていたということだろう。現在、もっとも強く維新を支持している年齢層でもある。
前記の室橋は、この世代からの立民への支持が維新に及ばないとして、暗に立民はもっと維新寄りのスタンスを取れ、そうでないとこの年齢層からの支持は調達できないぞ、との圧力をかけていた。しかしそれよりさらに下の世代では、維新よりも立民に投票した人の方が多いことをNHKのグラフは示していた。
彼らより下の世代になると、団塊の世代のリタイアが始まって、就職氷河期の人たちと比較すると就職難がやや緩和された世代ということになる。
suterakusoさんの仰る
うんざりする状況が、維新の「躍進」によって広がっていますね。もはや「批判ばかりはよくない」というのは社会生活を送る上でのプラットフォームとなったのです。今の若者は、それはもう、プラットフォームにひたすら順応するのにはとても長けていますよ。
という指摘はその通りだろうけれども、誰が「批判ばかりはよくない」というのを社会生活を送る上でのプラットフォーム」に仕立て上げてそれを就職氷河期の人たちの生徒・学生時代に押しつけたかというと、それは彼らよりずっと上の世代の、年長では竹中平蔵、それより若い人間としては橋下徹に代表される新自由主義者たちだろう。
戦争中に若い世代の人たちほど純粋な「軍国少年」「軍国少女」であったことからも明らかな通り、俗説には真っ向から反するけれども、若い世代ほど自由な考え方ができず、年長者に言われたことを鵜呑みにする傾向が強い。自由な物の考え方をするためには不断の努力が必要だ。学者になった私の友人がある時、「大学とは自由な物の考え方を学ぶところだ」と言ったことが忘れられない。
リベラル・左派にもっとも強く求められるのは、今回の衆院選で維新に多く投票した世代への刷り込みを行った政治勢力や経済思想の勢力を打倒することだと考える、というより強く確信する次第。
だからたとえば立民代表選でも、維新にすり寄ろうとする候補者を批判したり「排除」しようとしたりするなという主張には、私は断固として反対する。だから、たとえば下記のツイートには大いに引っ掛かる。
4人とも良い候補なんだから、推し以外の候補を不当に貶めるのは無しだと、有り難いんだけどな。
— 埼玉八区_底辺選挙情報収集者 (@EastIrumaEW) 2021年11月18日
特に、泉や小川にそういう攻撃が多く感じるし、段々悲しくなってくる。
もちろん、泉や小川に「対する」攻撃の意味です。無くても通じると思うけど、念のため。
— 埼玉八区_底辺選挙情報収集者 (@EastIrumaEW) 2021年11月18日
引用した最初のツイートに「不当に」と書かれており、これがあるから間違ったことは言っていないとはいえるが、こういう文章は往々にして「不当に」が飛ばされて伝わりやすく、「批判=悪」の間違った刷り込みを強めることが懸念される。
一方、神子島慶洋氏は旧希望の2人を「断固拒否する」と明言している。
以下ブログ記事の後半部分を引用する。
小川淳也陣営の顔ぶれをざっと眺め渡してみると、なるほどなという感じがする。「直諫の会」勢に旧「みんな」の面々に手塚に寺田と、見事なまでにフワフワしたメンツが集まったものだと思う。こんな連中が執行部に名を連ねることを想像するだけで、ゾッとする。
— 神子島慶洋⊿ (@kgssazen) 2021年11月19日
わが東京5区選出の手塚仁雄氏も小川陣営に名を連ねているが、衆院選の東京8区騒動であれだけの反党行為をやらかしておきながら、よくもまあ、シレっと推薦人になれるものだ。小川氏が勝利したら、手塚氏の発言力が増すのは間違いない。
泉氏同様、小川氏もまた、絶対に勝たせてはいけない候補だと思う。
しかし、立憲支持者の間で「いずれも素晴らしい候補なのだから、温かく見守ろう」といった空気というか同調圧力がかかっていることに危うさを感じずにはいられない。
この雰囲気は、前原氏を勝たせた2017年民進党代表選のときのそれに酷似している。危険な徴候だ。
わたしは逢坂氏を推しているが、許容できるのは同氏に加えて西村氏までだ。残りの2候補は、断固として拒否する。
(『神子島慶洋のブログ』 2021年11月20日)
「残りの2候補は、断固として拒否する」と率直に物を言って何が悪い、と私も思う。ただ、線引きの位置が神子島氏と私としては少し違っていて、私は小川淳也は今回の代表選では認められないが、党内で雑巾がけをした後なら、というより十分な土台ができあがった上でなら許容しても構わないと考えている。一方、泉代表は将来的にも受け入れられない。
この手の議論で一番いけないのは、「批判=悪」みたいな刷り込みを行って同調圧力をかけることだ。このことを強調したい。
なんか、今、NHK討論をやっていますが、「若者」の専門家枠っぽい室橋祐貴とかいうのが酷いですね。自分は若者の声を聞いているけど、立民に若者が投票しない理由は、立民の
・批判ばかり
・(安保防衛などの国家観が云々?)
・共産党との距離感
な部分が敬遠されるのだと。
また、自民党はネオリベ的な政策で批判されているが、それを補う政策でバランスをとっているが、立民は社会主義的な政策ばかりとも言いました。
ちょうど昨日、ちょっとだけバズっていた、小川淳也の発言についての朝日の記事に、次のようにブコメをつけたところでした。
小川氏「日本政治許せない。代わりうる選択肢を」 立憲代表選出陣式:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASPCM45W7PCMUTFK00P.html
>批判ばかりはよくない…随分と立派な社会になったね。そうやって正誤善悪をなあなあにしていけば、結局、カネとコネでやりたい放題な者(維新はその尖兵)得の社会だよ。オリンピックの医療崩壊程度じゃ懲りないの?
これは小川の言葉へのレスでなく、うんざりするコメ欄へのレスです。ほんと、うんざりする状況が、維新の「躍進」によって広がっていますね。もはや「批判ばかりはよくない」というのは社会生活を送る上でのプラットフォームとなったのです。今の若者は、それはもう、プラットフォームにひたすら順応するのにはとても長けていますよ。
反吐が出る。