kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本シリーズ第2戦、ヤクルトがオリックスに雪辱。高橋奎二が133球5安打完封

 タイトルの通り。第1戦に続いて第2戦も両チームの二本柱の2人目同士が投げ合って投手戦になり、序盤はオリックスが押していたものの第1戦では4回から、今日の第2戦では6回から流れがヤクルトに傾き、第1戦では6回表、第2戦では8回表にヤクルトが先制した。違うのは、第1戦では先発の奥川が7回裏に同点に追いつかれ、8回に村上の2ランで勝ちこしたものの9回裏にマクガフが打たれて逆転サヨナラ負けしたのに対し、第2戦の高橋奎二は最後まで投げ切って完封したこと。

 2年目の奥川も6年目の高橋も今季に限らずレギュラーシーズンでの完封はおろか完投もない。それがクライマックスシリーズ第1戦での奥川の完封に続いて、日本シリーズ第2戦では高橋が完封した。短期間でこのような態勢を作り上げた高津臣吾監督の功績は大きい。日本シリーズの結果いかんに関わらず高く評価されるべきだろう。

 一方、オリックスの宮城大弥は運がなかった。5回までパーフェクトで、8回二死での降板時でも被安打5、自責点1だったから素晴らしい好投だった。第1戦での山本由伸よりも球数が少なく、面白いようにヤクルト打線に内野ゴロの山を築かせていたが、打線が5回まで毎回安打を放ちながら得点できなかった。

 今シリーズ開幕前から私がしきりに思い出していたのは、ヤクルトが西武と3度目の対戦をした1997年の日本シリーズだった。あの年は、西武の西口文也とヤクルトの石井一久西武ライオンズ球場(当時)で対戦し、8回表に伏兵・テータムが西口のスライダーをとらえてソロ本塁打を打って勝った。数年前にYouTubeで確認したのだが、この試合のテレビ中継で解説していたのが北別府学だった。彼は1991年の日本シリーズ第3戦で、やはり0対0で迎えた8回表に、この回の先頭打者だった秋山幸二にスライダーを左翼席に運ばれて敗戦投手になっていたのだった。北別府はテレビの解説で「私も経験あるんですけどね」と言ったが、北別府の被弾は彼の日本シリーズでの最後の黒星で、西口の被弾は彼の日本シリーズでの最初の黒星、しかも2人の日本シリーズの生涯成績はともに0勝5敗だった。8回表の1点だけというスコアは全く同じだから、北別府の呪いを西口が引き継いだ形だ。

 1991年の第3戦は平日だったので生中継ではなくNHK日本シリーズハイライトで見たが、解説が1971年の第3戦で王貞治に逆転サヨナラ3ランを浴びた元阪急の山田久志だった。1997年の第1戦はテレビの生中継で見た。この試合の経過はNPBのサイトで確認できる。

 

npb.jp

 

 西口の投球は素晴らしく、特に3回表から5回表までは1人の走者も許さなかった。一方の石井も好投したが、4回裏に無死二、三塁のピンチを招くなど、前半は西武の方が押していた。しかし石井は6回裏以降は西武に1人の走者も許さず、ヤクルトの方がランナーを出すようになり、0対0のまま迎えた8回表にテータムのラッキーパンチが飛び出したのだった。この1997年の第1戦が、これまでにテレビの生中継で見た日本シリーズの投手戦の中でもっとも印象に強く残っている試合だ。

 今年の第1戦は、相手が山本由伸だったので、この1997年の第1戦のような展開にならない限り勝てないだろうなと思った。しかし実際には1997年より2イニング早い6回表にヤクルトが先制点を挙げたものの奥川が同点ホームランを打たれたりその後勝ち越しながらマクガフが打たれるなどしてサヨナラ負けした。

 ところがどっこい、第2戦の方が1997年の第1戦の再現かと思わせる試合展開になったのだった。違うのは、ホームランではなく青木の渋いタイムリーヒット(昔でいう「テキサスヒット」というやつだろうか)で勝ち越し、9回表にダメ押し点を挙げたことだ。

 普段は先発投手、特に奥川や高橋の投球数や投球間隔を神経質なまでに厳格に管理する高津監督も、第1戦での清水やマクガフの投球を見ていたら、高橋に続投させるしかなかったのだろう。高橋は監督の期待に応え、133球を投げて完封勝利を収めた。5回までは毎回安打されながら、6回裏以降は四球の走者を1人許しただけという、1997年に既にチームの大エースになっていた石井一久(彼は横浜との首位攻防戦でノーヒットノーランを記録していた)に匹敵する投球だった。

 これでヤクルトは日本シリーズでのセ・リーグ球団の連敗を13で、同パ・リーグ本拠地での連敗を20でそれぞれ止めた。もっともこれらの記録の主犯は読売(次いで広島)であり、ヤクルトは13連敗のうち1敗分、また敵地20連敗のうち3敗分しかそれぞれ寄与していない。

 これでシリーズは少なくとも第5戦までは行われることが確定した。但し、ヤクルトはホームゲームなのに苦手の東京ドームを使う羽目になっているので、まだまだ前途は多難だ。何より東京ドームでの3試合は先発投手に大きな不安がある。