kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

アガサ・クリスティ『杉の柩』(1940)にエリザベス現女王が10代前半時の「未来の良人(おっと)選び」の話題が出ていた

 読書ブログに書くべき話かもしれないが、アガサ・クリスティの『杉の柩』(1940)を読んでいたら、エリザベス現英女王への言及が出てきたのでびっくりした。

 

www.hayakawa-online.co.jp

 

 以下引用する。

 

 たちまち彼女とポアロ氏は、まことにおもしろい問題 ほかならぬプリンセス・エリザベスの未来の良人(おっと)選びを話題に、たのしく話をつづけた。

 

アガサ・クリスティー(恩地三保子訳)『杉の柩』(ハヤカワ文庫,2004)213頁)

 

 ネットでエリザベス女王の生年を調べたら1926年だった。イギリスの少なくとも中流以上の階級ではエリザベス氏が14歳の頃から彼女の結婚相手について話題になっていたようだ。

 この小説はまだ半分ほどしか読んでいないが、ネタバレがないかどうか気にしながら解説に目を通すと、イギリス社会の変化に応じてクリスティの作風が変化したことが指摘されていた。クリスティは政治的にはガチガチの保守派だったが、そんな人の作風を変えてしまうくらいに社会の変化は大きかった。私は今年初めからほぼ作品成立順にクリスティのミステリを読み続けているから、その変化の大きさにはかなり驚いている。

 ここらへんについては本書を読み終えたあとに読書ブログで改めて取り上げたい。