まずは下記記事にいただいたコメントのご紹介から。
帆船
「橋下ヒトラー騒動」に関しては、立民支持ないしシンパ層のうち自称中道及び右派は全然ダメなのだが、そのダメさは馬淵だのジンジンジンだのはもとより、去年の立民代表選で泉健太を支援した小沢一郎にも代表される。
また某新選組も、大石晃子に代表される(?)新選組の部分は良くてもその上にくっついている元号の部分、つまり山本太郎はさっぱりダメだ。そして新選組の政治家や支持者を「大石色の強い人」と「山本色の強い人」に分けると、おそらく9割以上は後者だろう。しかし後者は肝心な局面では全く信用ならないというのが私の認識だ。
実は私も今回の「橋下ヒトラー騒動」に関して小沢なり山本なりが何かコメントしてないかと思って調べたが、案の定何も出てこなかった。
それで思い出したのだが、谷垣禎一やナベツネが橋下をヒトラーになぞらえていた2012年の小沢の口癖は「私の考えは橋下市長と同じ」だった。これでは小沢のコメントを期待するだけ無駄だろう。
なお、これが麻生太郎が発した橋下と同種の発言になると、「考えが同じ」はずの小沢は、橋下とは対照的なコメントを出していたりする。
麻生は同種の発言を何度も発しているが、下記リンク先には2013年の毎日新聞記事(現在はリンク切れで読めない)が引用されている。以下に孫引きする。
http://mainichi.jp/select/news/20130802k0000e010207000c.html
毎日新聞 2013年08月02日
【ロサンゼルス堀山明子】麻生氏の発言に抗議していた米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副所長は1日、毎日新聞との電話インタビューに応じた。麻生氏の発言撤回コメントについて「民主主義プロセスの重要性を話すなら、なぜナチスを例示したのか、今もまだ不可思議だ」と述べ、追加説明を促した。
「麻生氏の発言撤回は妥当であり、安倍政権が内閣として(ナチスを肯定しないと)公式見解を示したことは非常に重要だ」と一定の評価をしたうえで語った。
麻生氏がコメントで、国民的議論が欠落した「悪(あ)しき例」としてナチスに言及したとする説明について副所長は「(講演で)正反対のことを話そうとした。もう少し説明してもらいたい」と割り切れない心情を示した。
また、日本維新の会の橋下徹共同代表が1日、麻生氏を擁護する文脈で「行きすぎたブラックジョーク」との認識を示したことに対し「到底受け入れられない。広島、長崎、ナチス、大虐殺でジョークが入り込む余地はない」と批判した。
同団体は1977年設立。反ユダヤ主義を監視し、ホロコースト(ナチスによるユダヤ人大虐殺)の教訓を伝える活動を続けている。95年には文芸春秋の月刊誌「マルコポーロ」がホロコーストを否定する記事を掲載したとして抗議し、同誌は廃刊となった。
榛葉賀津也の謎の発言を垂れ流すだけの今の毎日新聞とはまるで別の媒体の記事かと思わせるが、それはともかく橋下が「国際的に御法度」の意見を発していた証拠はこの記事にも示されている。
一方、麻生の同じ発言を小沢一郎は批判していた。かつて存在した「生活の党」のサイトに記録されていたようだが、こちらも現在はリンク切れなので、同サイトにリンクを張った陰謀論系で悪名高い阿修羅掲示板の投稿をさらにリンクしたブログ記事へのリンクを張る。つまり曾孫引きする。
http://www.seikatsu1.jp/activity/diet/20130802ryouin.html
2013年8月2日 生活の党
生活の党は8月2日、臨時国会開会にあたり両院議員総会を開き、党の新役員人事を決定しました。
【2013年8月2日】小沢一郎代表 両院議員総会あいさつ
以下、総会の冒頭、小沢一郎代表が述べた挨拶です。
【小沢一郎代表挨拶】
短期のとはいえ、国会が召集されました。この間、今いろいろ話題になっておりますが、麻生(太郎)さんのナチスについての発言等がありました。非常に大きな、多分本質的な、体質的なところからくる発言だと思いますけれども、民主主義にとりまして、また国際社会の中の日本ということを考えてみましても、ちょっと言い過ぎた、ということでは済まされないことでもあります。なのでこれは幹事長、あるいは国対委員長等で、各党協力して、この会期中にきちんとけじめをつける、ということが必要であろうと思います。(後略)
麻生に対してなら言えることを橋下には言えない小沢。この政治家はやはりどうしようもなく腐敗している。
小沢に右に倣えの山本太郎も同じだ。山本の場合は、党員である大石晃子衆院議員が奮戦しているのに党首がほとんど役に立っていない。不甲斐ない限りだ。
また立民支持層の自称中道及びそれより右もひどい。たとえば、昨日佐渡金山の件で肯定的にリンクした「日本がアブナイ!」はこの件をスルーしたとばかり思っていたが、それは私の勘違いで1月25日付記事で取り上げてはいた。しかし、その記事はやはり腰が引けている。
(前略)当の橋下氏本人のツイート(1月23日)が一番、さらっとしていたかも。
『ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度。こういうことを平気でやるのは京都大学の藤井聡氏のような非常識な学者。まあ今回は弁舌の巧みさということでお褒めの言葉と受けっておくが。それよりも強い野党を本気で作る気があるなら、大阪では自民に圧勝している維新政治を謙虚に研究すべき。』
<ここで、わざわざ藤井聡氏の名を出すのも、どうなのかなと。(橋下維新に警戒するように呼びかけてる京大の都市工学の教授)・・・一瞬、将棋の藤井聡太くんと見間違えそうになったし。^^;>
* * * * *
う~ん。まず、確かにヒットラーも橋下氏も「巧みな弁舌で人を惹き込んで、ある種の刷り込みをしちゃう」という点では共通しているかも知れないけど。ヒットラーは、橋下氏みたいに「立て板に水」っぽくベラバラと話したり、「ああ言えば、こう言う」みたいに詭弁で言い返したりするタイプではなかった気もして。個人的に菅氏の見解には疑問を覚えるところがある。
それに、率直な話、維新がひどい言葉で立民党を非難しているのを見ていると、「それぐらいのこと言ってやってもいいんだよ(by知人)」と言いたくなったりもするのだけど。
ただ、客観的に考えて、国会議員が特定の人の名を挙げて、ヒットラーにたとえるのは、好ましいとは思えず。「言葉が過ぎた」と反省を示すぐらいはした方がいいかなと思う。<それ以前に、ニュースを見た時には、「立民が大変な時に、足を引っ張る発言をしないでよ~」と思ったです。^^;>(後略)
(「日本がアブナイ!」 2022年1月25日)
うーん、なんというへっぴり腰。氏のロジックだと、2012年の谷垣禎一の発言は「好ましくなく、『言葉が過ぎた』と反省を示すぐらいはした方がいい」ことになってしまうのではなかろうか。それに橋下の反応のどこが「一番さらっとしていた」んだよ。その後も橋下はこの件に粘着しまくりじゃないか。25日の時点ではそんなことは予測できなかったというのなら、それは橋下の性格を知らないとしか言いようがない。
著名人では江川紹子のツイートもいただけなかったが、例の「ログインしなければアクセスできない」壁に阻まれたのでリンクは省略する。
そういえば、2012年に主筆のナベツネが橋下をヒトラー呼ばわりした読売はこの件をどう報じているのだろうか。調べる気も起きないが。
[追記]
本件に関して、オザシンの代表格たる堀茂樹の行状について、suterakusoさんから昨日の記事のコメント欄にて教えていただいた。
帆船さま
小沢の熱烈な信奉者である堀茂樹なら、橋下への反論を一切することもなく、菅叩きに勤しんでいる最中ですよ。あと、反フェミとか反(昔でいうところの)アファーマティブアクションとかに。まあ、上野千鶴子は叩くべきという認識は、私も同じですが。堀は勝手連で、小沢の指揮系統の部外者でしょうけどね。
これはあまりにも想像通り。
小沢とか山本太郎とかこういう時にコメント出さないし、コメントを求めに行く奴もいないのが駄目なんだよ。どうでも良い時だけ無駄に騒ぐのにジャーナリストって全く使えない連中だな。