kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

成田悠輔よりも山本太郎の方がより強く批判されるべきだと考える理由

 弊ブログにはしばらく前からカーマインスパイダーさんという、はっきり言ってネトウヨにきわめて近い思考様式をお持ちの方から陰謀論的なコメントをいただく機会が少なくないが、このような方とも切れずに対話したいと思っている。

 氏はたとえば下記記事に対して下記のようなコメントをお書きになる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 カーマインスパイダー

グラスノスチ」やったらソヴィエト共産党同様に崩壊しますよ。

 

 日本共産党が情報公開をやったら崩壊するような政党であるならば、それはソ連共産党と同様に歴史の審判に耐えられない政党であることを意味するのだから、そんな党は崩壊してしまえば良いとしか思わない。いったいソ連共産党がいかに多くの人間を殺してきたかをコメント主は考えないのだろうか*1。私は、ソ連や中国や北朝鮮共産党と袂を分かって独自路線を歩んできた日本共産党に対する期待が(幾分は)残っているから上記の記事を書いたのだ。

 

 コメント主は山本太郎に対する弊ブログの批判も気に食わないようだ。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 カーマインスパイダー

山本太郎なんか放っておいて良いかと思いますよ。

マスメディア、特に地上波テレビ局の報道に投票行動を左右される国民性が日本人の特性ですから、マスメディアに無視される傾向にある山本太郎が政権取ったりキャスティング・ボート握ったり、なんか絶対にないです。

反米脱米、反緊縮、消費税廃止、脱グローバリズム、反ネオリベの傾向にある山本太郎はマスメディアにスルーされますから。

 

 山本の党(組)が国政選挙の選挙区に立てる候補は、かつての日本未来の党希望の党などと同様、自らは政権を取れなくても反自公票を割る「刺客」の機能を果たすことが大問題だ。山本は2021年にはそれを利用して自らの選挙区である東京5区から新選組の候補を下ろしてもらいたかった立民の手塚仁雄と手打ちをして東京8区で野党共闘候補になろうとしたと言われている。

 この行動からわかる通り、山本は自らの手八丁口八丁で権力の階段をのし上がろうとする人間だ。彼の言動は典型的な新自由主義者のそれであって、だからこそ新選組の組内統治の原理は徹底的な新自由主義だ。組の規約には独裁条項があり、組長の権限は途方もなく強い。だから上記コメントに「反ネオリベの傾向のある山本太郎」と書かれているのは大きな誤りであって、下記ツイッター政治おじいちゃんお化け氏のツイートが正しい。

 

 

 

 もともとが役者だから演技はお手のものというわけだ。しかし幸か不幸か山本には組織を運営する能力がない。

 

 

 山本は仲間割れや近い立場の人間の離反を日常茶飯事にしている。例えば座間宮ガレイはもともとオザシンだった人だから山本側に立っても不思議はないのに山本と敵対関係にある。また今回の×××ローテーションの件のように派閥抗争で仲裁するのではなく、片方の側に(今回の例だと長谷川羽衣子と緑の党の側に)一方的に立つ。これでは組は痩せ細るばかりだし、組内にはろくでもない人間ばかりが残る。

 しかし山本が組内の情報を徹底的に統制している点では共産党顔負けというより、明らかに共産党以上だ。何しろ組のブレーンが誰かは、松尾匡を例外として全然わからない。今でも斎藤まさしとは切れていないという説も根強くある。緑の党グリーンズジャパンとのつながりもそれに由来するというのだ。

 とにかく新選組の組運営は不透明きわまりない。いつまでもこんな「組」に自公政権の補完を続けられたのではたまったものではない。

 ところで、前述のネトウヨ陰謀論者の気があるカーマインスパイダー氏は、山本太郎よりも「集団自決」発言をやらかした成田某を叩けという。

 

 カーマインスパイダー

連投すみませんが、山本太郎よりも遥かに問題なのが成田悠輔ですよ。
海外マスメディアから老人集団自決強要が問題視され、バッシングされてるようですが日本のマスメディアはスルーどころかTBS N23では成田悠輔を持ち上げてるとか?

日本のリベラル派が成田悠輔を殆ど批判しないところをみると、こたつぬこ氏らを筆頭に、成田悠輔の思想や発言は日本のリベラル派の本音かも知れませんね。

 

 氏は上記コメントの前に別記事にも記事の主題とは全然関係ない成田発言についてコメントしてきた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 カーマインスパイダー

記事とは関係ないですが、リベラル界隈がこの話題に静か過ぎます。

#成田悠輔をテレビに出すな

https://video.twimg.com/ext_tw_video/1626918438718558209/pu/vid/1280x720/jR05mJne4D_kFGEk.mp4?tag=12

騒いでるのは共産党支持者系の人ばかりで、こたつぬこ氏のように共産党バッシング系のリベラル派は異様に静かです。

 

 そうかぁ? 別に共産系でなくても成田の暴言を批判しているリベラル人士などいくらでもいるし(例えば前述のツイッター政治おじいちゃんお化け氏など)、むしろ共産系で成田発言を批判している人を見る頻度が少ないくらいだとの印象を私は持っている。なぜかというと現在の共産系は松竹伸幸氏の除名問題で大揺れで、そちらの方がよほど大問題だからだ。それに支持層の高齢化に関しては共産系も立民系も同じだから、成田発言に不快感を持つ割合も似たようなものだろう。逆に、支持層が共産や立民よりも若い民民や維新の支持層から成田批判が出てくる割合が少ないとはいえるかもしれない。

 そもそも成田なんて政治家じゃないし、彼の位置づけは既に斜陽になった三浦瑠麗と同じようなものだし、言ってることは去年たかまつななとやらが提唱なさった「余命投票制度」と似たようなものじゃん、あんなの単なる「電波芸者」だろうとしか思わない。私が成田の名前を知ったのは、成田と池戸万作を比較して「わからないことはわからないと言う成田の方が学者らしい態度だ」として成田を持ち上げた(というより池戸をけなした)こたつぬこ(木下ちがや)氏のツイートによってだったが、ネット検索で成田について調べてみたら「ひろゆき」と並び称される形で一部から持ち上げられている人だと知って、なんだ、いかものじゃないのかと思った。それから間もなく成田の「集団自決」発言が報じられたので、やはりその程度の人間だったかと思った次第。おそらくその経緯があるためだと思うが、こたつぬこ氏が成田をほとんど批判していないことはその通りだ。だがかつては共産系、現在はなぜか泉健太に大甘のこたつぬこ氏をもって非共産系のリベラル全般を代表させるのは筋が通らない。だからカーマインスパイダー氏のコメントに私は全く同意できなかった。

 なお弊ブログは成田が問題発言をした少しあとの1月22日に下記記事を公開したが、成田に関して書いたのはこの記事だけだ。それもお読みいただければわかる通り、記事に全く力が入っていない。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 本当に権力者と結託して権力の階段を上り詰めようとする人間なら成田みたいなおバカな発言をするはずがないし、竹中平蔵は「全く成田的ではない」手法で自身が権力者の座にのし上がった人間だった。その過程をライターの佐々木実氏が本にしている。そう思っていたところに、タイミング良く下記のコメントをいただいた。下記コメントはナベツネに関する記事の方でのカーマインスパイダー氏のコメントに対するものだ。

 

 匿名意見

>カーマインスパイダーさん
竹中平蔵氏は日本開発銀行の研究員時代に有力な大蔵官僚との間にコネクションをつくっておりそれが政界への影響力と政商的ビジネスの実現に寄与したという趣旨の指摘があります(ブログ主さんもたまに番組紹介記事を引用するビデオニュースの2023年1月7日回における佐々木実氏の発言。氏は竹中平蔵を取り上げた書籍も執筆しているようですが、僕は未読です)。

成田氏が竹中氏のような動きをしているとすれば、政界あるいは官界との間に実効的なコネクションをつくっているはずですから、その点につきしっかりとした確認が必要です。たしかに、日本のアカデミズムは窮乏していますから(端的に言ってお金がない)、成田氏がアメリカ合衆国でしっかりとしたポストを得ていない場合、非学問的な動きをして日本の官界・財界がもっている利権につながろうとする可能性も否定できません。しかし、仮にそうだとしてもそれだけでは「政治学者」の三浦瑠璃氏程度の影響力をもつにとどまるでしょう。カーマインスパイダーさんのご指摘は成田氏の学者としての評価にとっても重大な影響を及ぼしうるものですから、報道等で具体的な根拠・資料を集積したうえでおこなうべきものであると思われます。

もっとも、「姥捨て山」に対する恐怖は僕も共有しております。ドイツ刑法史を紐解くと、今日の遺棄罪にあたる行為は長らく父親・母親の嬰児遺棄のみが処罰される時代が続いていましたが、1813年のバイエルン刑法典になってようやく保護責任者による疾病者・身体障碍者の遺棄もふくめて犯罪とされるようになったという趣旨の指摘があります(内田文昭『刑法各論〔第3版〕』(1995年)82頁以下参照)。経済史をきちんと調べずにこのようなことを申し上げるのは恐縮ですが敢えて推測を述べるなら、窮乏に直面した場合、人間というものは弱者を切り捨てて生き延びようとする抜き難い性向をもっているのであって、犯罪としての遺棄すら生産力が一定の充実を見た19世紀になってようやくその違法性が認識されるようになったということです。

だからこそ、所得の再分配、充実した社会保障が大切なのだと僕は思います。これらの意義を無視する新自由主義的経済政策は、最低限度の人間性を支える経済的基盤を破壊して人びとの倫理性を前近代のものへと頽落させる側面をもっていると考えられます。その意味で、現代日本において成田氏のような人物が持て囃されるようになるのは必然的な現象でもあるのでしょう。

ですので、カーマインスパイダーさんが抱く成田氏への危惧を見たとき、僕は常連コメンテータさんが常々仰っている「格差を世代間対立におきかえるな」という主張を思い出し、これを支持すべきだと確信したのでした。感謝しております。

「リベラル」の問題については僕も現段階ではよくわかりません。ただ、一人一人がもつアイデア・能力・技能を十分に発揮できるような社会が実現されていないこと、そしてそのような社会に苛立ちを抱える人びとが沢山いるのだということだけはわかります。その点に対する解答が見えないことが危機の本質かもしれません。愚見ですが。

 

 私は上記コメントの冒頭に言及されている佐々木実氏の下記書籍を年末年始に読んだ。

 

bookclub.kodansha.co.jp

 

 この本はかつて月刊誌『現代』が休刊した2009年1月号までだったかに連載されていた内容に加筆したもので、正直言ってそんなに面白い本ではない。しかし竹中がいかに権力機構に食い込むべく交錯したかについて、これでもかこれでもかとばかりに具体的に書かれている。私はそれを読んだから、上記「匿名意見」さんの下記の指摘に全面的に共感する。

 

成田氏が竹中氏のような動きをしているとすれば、政界あるいは官界との間に実効的なコネクションをつくっているはずですから、その点につきしっかりとした確認が必要です。たしかに、日本のアカデミズムは窮乏していますから(端的に言ってお金がない)、成田氏がアメリカ合衆国でしっかりとしたポストを得ていない場合、非学問的な動きをして日本の官界・財界がもっている利権につながろうとする可能性も否定できません。しかし、仮にそうだとしてもそれだけでは「政治学者」の三浦瑠璃氏程度の影響力をもつにとどまるでしょう。カーマインスパイダーさんのご指摘は成田氏の学者としての評価にとっても重大な影響を及ぼしうるものですから、報道等で具体的な根拠・資料を集積したうえでおこなうべきものであると思われます。

 

 身も蓋もない言い方をすると、カーマインスパイダー氏のコメントは単なる陰謀論の落書きに過ぎず、実際には成田は三浦瑠麗やたかまつななひろゆきらと同程度の人物でしかない可能性が高いということだ。その成田よりは現実に国政の世界で政党要件を満たす組織の組長もとい代表を務める紛れもない権力者である山本太郎を批判のターゲットにすることは、私にとっては当然の行為だ。

 本記事を書いている最中にいただいたsuterakusoさんのコメントに強く同意するので、以下に紹介する。

 

 suterakuso

本来すぐに釣られる質なんで、失礼させてください。

成田をマスコミやリベラルがスルーって、このことではじめて成田を知ったし、今もわざわざ成田の言葉とかこの騒動の記事とか、この知った経緯から時間の無駄なんで見ようとも思わない身としては、全然ピンとこないんですけど、どうなんでしょうか。マスコミがゴシップ記事ネタの炎上商法に反応が鈍いのはいつものことですし、結構リベラルは反応しているし、だから、ネットでは十分に、もともと知らんかった成田の名前であふれているし…という感じなんですが。

…っで、アメリカガーって、なんか、「風太」という言葉を思い出して、そこはかとなく懐かしさまで感じてしまいました。

 

 「風太」ですか。いましたねえ、そんなオザシンにして植草一秀の信者の御仁が。今でも「植草事件の真相掲示板」でご活躍だろうかと思って見に行ったら、いました。最新の投稿は2023年2月5日でした。

 ついでに、千葉市動物公園レッサーパンダ風太」くんはまだ健在だろうか、流石にもう亡くなったに違いないよなあと思ってネット検索をかけたら、なんとご健在でした。昨年7月5日に19歳の誕生日を迎えられたようです。訃報の類は検索されませんでした。

 

www.sponichi.co.jp

 

 なんか、10年ほど前に高田がん(2021年死去)の健在を知った時と似た感慨に襲われたのでした。

*1:もちろん最悪なのはスターリンだったが、下手人は何もスターリンだけではなかった。