下記こたつぬこ(木下ちがや)氏のツイートだが、明らかに順番が逆だろう。
総選挙の敗北を受けて、まず立憲の組織がガタガタなことが露呈し、参院選の敗北を受けて共産党の組織がガタガタなことが露呈した。そこから右往左往しながらも、組織改革に乗り出した立憲はまだマシ。共産党はむしろ逆行している。共産党は立憲よりもより抜本改革をやらないと先はない。 https://t.co/TlEL1P4tOr
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2023年2月22日
2021年の衆院選では野党共闘が(多少の軋みがあったとはいえ)それなりに機能して野党は得票率では善戦したが小選挙区制の壁に阻まれて議席は伸びなかった。
それで立民党内の政局になり、枝野幸男が辞意を表明して代表選挙になった。代表戦は旧立民の2人と旧希望の党の2人の4人で争われたが、旧希望の泉健太が勝った。4人の候補者の中で枝野前代表の責任をもっとも厳しく追及したのは泉だった。
一方共産党は、志位和夫が野党共闘を含むそれまでやってきたことは間違いではなかったとして敗北の責任を認めなかった。これによって志位委員長から党員のうちのアーリーアダプターたちの気持ちが離れた。松竹伸幸氏が党首公選を主旨とする本を出そうと思ったのも確かこの一昨年の衆院選敗北で執行部が責任を認めなかったことがきっかけになったのではなかったか。私の見るところ、醍醐聰氏が共産党への批判へ傾いたのもこのあたりからだったように思われる。
立民の泉執行部が発足して、泉健太と連合会長の芳野友子の2人の強い意向を受けて野党共闘は大きく後退したが、それに対して共産党の志位執行部は打つ手なしだった。立民の泉執行部は「提案型野党」路線へと舵を切った。
そして迎えた昨年の参院選は、三春充希氏の指摘を待つまでもなく、比例区の得票率においてはほぼ立民の「一人負け」だった。前年の衆院選と比較すると、他の党と比較して突出して得票率を大きく減らしたのが「提案型野党」路線を実践した立民だったのだ。当然ながら選挙後の総括で立民党自身が「『提案型野党』路線が敗因」だと総括したが、泉代表はそれを了承しながらなぜか責任をとらなかった。
つまり、一昨年の衆院選の敗北のダメージが大きかったのは立民以上に共産党の方だったのに対し、昨年の参院選でとんでもない大惨敗を喫したのは立民であって、共産はさほど得票率を減らさなかった。ところがこたつぬこ氏のツイートを見るとあたかも逆の順番だったかのような印象を受けてしまう。
そこに泉健太の責任問題をぼかそうとする意図があるのではないかと勘繰ってしまうのは私だけだろうか。