一昔前に反原連で有名になり、某元号新選組の支持者としても知られるMisao Redwolfが下記のツイートを発した。
戦争してる片方の国、即ちゼレンスキーが来る意味わかってますか? ゼレンスキーが来るならプーチンも呼ぶのが平和国家としての筋。しかも一部では宇への武器供与の話しがあるわけで…広島への侮辱です。上っ面だけでは外交の岸田は演出できません。本質を見抜く人々も少なくない事を肝に銘じなさい。 https://t.co/ASiy5JRtpp
— Misao Redwolf (@MisaoRedwolf) 2023年5月20日
一瞥して、侵略された側のウクライナと侵略した側のロシアという非対称性を無視した、いかにも新選組支持者らしいDD(どっちもどっち)論だと思った。
上記ツイートに対しては下記の反応が正しい。
プーチン被疑者が行く場所はハーグの国際司法裁判所です。
— 上野 良樹@新型コロナワクチン×4 (@letssaga3) 2023年5月21日
広島ではありません。
ところで、私がRedwolfのツイートを知ったのは、今年の統一地方選に含まれる愛知県の瀬戸市議選に共産党公認で初当選したはらまこと(原誠)市議によるRedwolfへの下記の反論ツイートによってだった。
まったく同意できません。一方的に侵略された側と一方的に侵略した側を並列に置いてしまったら、結局は侵略戦争をした側を免罪することにつながります。侵略を受けた側が軍事力も含めてやむなく反撃するのは当然であって、侵略した側が用いる軍事力とは厳密に区別すべきです。 https://t.co/BsYa7XqJUS
— はら まこと(日本共産党瀬戸市議会議員) (@mt_sanage629) 2023年5月21日
ベトナム反戦運動の時にこんな議論はなかったのでは。あれは米国にベトナム侵略をやめさせるための運動であって、侵略された側のベトナムに「抵抗をやめろ」などという議論は、あったとしても歯牙にもかけられなかったはずです。当時は侵略された側と侵略した側をきちんと区別することができていた。
— はら まこと(日本共産党瀬戸市議会議員) (@mt_sanage629) 2023年5月21日
上記1件目のツイートは記事を書いている時点で「6.9万件の表示」とのことで、Redwolfの元ツイートの29.5万回には及ばないものの多くの人にアクセスされている。
中には共産党市議による上記のツイートを意外に思う人もいるようだ。
共産党内にもまともな判断できる方がいることに驚愕…w
— SIN4281 (@sinichi4181) 2023年5月22日
思い込みや先入観の危険性を再確認しました…w
いや、それは大いなる勘違いであって、Redwolfのような主張をするのは、あの人が応援する某元号新選組くらいのものだ。あとは維新の鈴木宗男とか故安倍晋三などの右翼に若干の割合でプーチンびいきがいる。政界以外の大物としては前記宗男の盟友たる佐藤優あたりが代表的人士だが、佐藤も右か左かといえば明確な右の人士だろう。新選組についても右翼政党だとする意見もある。
れいわを左派とか極左と呼ぶのは左翼にとって侮辱的なので止めて欲しいんですよね。だってさ左翼が「れいわ」だの「新選組」だの名乗るわけがないでしょ。
— まつもと🇫🇷 (@matsuwitter) 2023年5月22日
まあ上記は弊ブログもずっと言い続けてきたことだ。
党名だけでみれば、おもいっきり右翼ですよねw
— 異ソ人 (@stakdbkyr) 2023年5月22日
中身も反米民族右派だと思うんですよね。皇道派みたいなのの末裔じゃないですかね。
— まつもと🇫🇷 (@matsuwitter) 2023年5月22日
そういうことだ。そもそも親玉の山本太郎は「保守どまん中」を自認している。だからこそ党名に元号を関するし、帝政ロシアの再興を夢見て、「小ロシア」(ウクライナの蔑称)と「白ロシア」(ベラルーシの蔑称)はロシアの一部だと信じて疑わない独裁権力者のプーチンなんかに尻尾を振る。山本太郎と新選組はまさしく皇道派の再来だ。
一方、共産党は自党の主張が世間一般に全然理解されていないようだ。内向きの組織防衛にばかりかまけている暇などないだろう。
なお、Redwolfと同様の意見はさる有名リベラルブログのコメント欄でも見かけたが、コメント主がリンクしていたのは今春の統一地方選に新選組推薦で立候補した人のブログ記事だった。
どうやらRedwolfのツイートはほぼ新選組の総意を反映しているのではないかとも疑われるから、この論点に関して新選組と共産党とが公開論戦をやってはどうか。そうすれば両党への注目度が高まるのではないかと思う。
いや両党に限らず、野党は下手に同調圧力をかけて「大きな塊」になろうとするから支持が増えないのではなかろうかと私は最近思っている。その悪例の最たるものが現在の立憲民主党だろう。
もっと開かれた論戦を!と声を大にして言いたい。野党同士、反政権同士のオープンかつあとくされのない議論が普通に行われる気風がなければ野党に未来はないと思う今日この頃だ。