kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

宏池会の世襲候補に敗れた衆院長崎4区の立民候補は小沢一郎の元秘書だった

 昨日の衆参補選は自公と野党の1勝1敗だったが、衆院長崎4区補選の立民候補だった末次精一氏は小沢一郎の元秘書だったらしい。なるほど、だから負けたのかと思ってしまった(笑)。なおこの情報は、なぜかかなりの岸田文雄びいきである都会保守氏のブログ『日本がアブナイ!』にて知った。

 

mewrun7.exblog.jp

 

 さて、22日には、衆参院補選の投開票が行われ、徳島・高知の参院補選は野党系候補が、長崎4区の衆院補選は自民党候補が勝利し、1勝1敗の結果だった。(・・)

 

 また、昨日は奈良県橿原市長選も行われ、現職の自民党系市長が維新公認の元職を破り、再選した。<維新は奈良県知事選に続く金星はあげられなかった。^^;>

 

 徳島・高知の参院補選は、開票が始まった20時過ぎに、すぐに野党系無所属の広田一氏(55)の当選確実が出て、自民新人の西内健氏(56・公明推薦)を破った。

 広田氏は、元立民党の衆参院議員。立民党、共産党が支持したほか地元の国民・社民党の支援も受けており、野党共闘で戦っていた。"^_^"

 

 昨日も書いたが、この参院補選は自民党前職が秘書への暴力行為で辞職したのを受けて行われたものゆえ、自民党側はマイナス・イメージが強かった上、元自民党主運議員だった徳島の後藤田県知事が広田氏を支持するなど、自民候補に不利な面が目立った。

 

 しかも、岸田自民党への支持が弱くなっていることから、逆転することは難しかったようだ。^^;

 

 自民党北村誠吾議員(元地方創生担当相)の死去に伴う長崎4区の衆院補選は、自民党の新人・金子容三氏(40・公明推薦)が、立民党元職の末次精一氏(60・社民推薦)を破り、初当選した。

 

 この補選はいわゆる弔い選。しかも金子容三氏は祖父も父も自民党宏池会(現岸田派)の国会議員ということで、自民党は「ここは絶対に落とせない」と岸田首相を含め、次々と閣僚や党幹部を応援に送り込んで、選挙活動を展開。

 元・小沢一郎氏の秘書だった末次氏は、元職の知名度を活かして接戦を演じていたのだが。野党の「世襲批判」「岸田国政批判」が思ったほど効果がなく、最後に突き放された感じがあった。^^;

 

* * *

 

 岸田首相&自民党は、もし長崎4区の衆院補選を落として2敗したら、あまりにもダメージが大きく、岸田おろしも起きかねなかっただけに、ほっと一息というところだろう。<あと小渕優子選対委員長もね。(~_~;)>

 

 もちろん、徳島・高知で自民党議席を落としたのは痛いのであるが。ここは「前任者の不祥事というマイナスからのスタートで、大変厳しい戦いだった(by世耕)」という言い訳ができる。<ちなみに暴力行為で辞職した高野光二郎氏は、麻生派の議員。>

 

 とはいえ、長崎でも「物価高」「増税(めがね?)」などへの批判は強かったとのことで、党内での求心力には影響しそうだ。

 解散のタイミングをはかるのも難しくなったかも知れない。(-"-)

 

<ただし、一部には「岸田おろし」をされるぐらいなら、思い切って11月or年内に解散する手を選ぶかも、という観測も出ている。^^;>

 

* * *

 

 立民党は、とりあえず徳島・参院補選で勝利できて、小さなガッツポーズが出たかも。

 立民党の大串選対委員長も、手ごたえをつかんだようだ。(・・)

 

『2つの衆参補欠選挙について立憲民主党の大串選対委員長は「戦いがいのある選挙だった」とし、「結果を糧に臨時国会での論戦や党勢拡大につなげていきたい」との考えを示しました。

 また、2つの補選で野党候補の一本化が実現したことについて、「こうした関係性を次期衆院選に向けても整えていけるように頑張っていきたい」と述べました。(TBS23年10月22日)』

 

 ホンネを言うと、mewは今回、1勝1敗でよかったかなと思っているのだ。ここで2敗したら士気がダウンするのでダメだけど。下手に2勝すると、泉体制が固まってしまう&全体的に調子に乗るおそれがあるからだ。(~_~;)

<あと長崎4区では、小沢一郎氏が元秘書のためにかなり動いていたので、ここで当選すると党内での発言権が強くなるのではないか、と懸念していた。。^^;>

 

 また何より今回、よかったのは、徳島・高知でも、長崎でも、元立民党議員の候補を地元レベルも含め、共産、社民、国民などが支援してくれて、野党共闘ができたことだ。

 泉代表や連合には、野党共闘の重要性を改めて認識して欲しいと思う。(++)

 

URL: https://mewrun7.exblog.jp/30474015/

 

 引用文の最後、青字ボールドにした部分には笑ってしまった。なぜなら私もひそかに同じ思いだからだ。今年の衆参補選は、4月の4戦全敗と合わせてこれで1勝5敗になった。今回の2戦は、野球にたとえれば四国が10対1の圧勝だったのに長崎では2対3で競り負けたようなものであって、泉や小沢が勝負弱さを露呈した以外の何物でもない。やはり泉は一日も早く立民代表を辞任すべきだろう。

 なお「野党共闘」については昨夜遅くに公開した記事に書いた通り、長崎では明らかに連合会長・芳野友子の発言がボディーブローのように効いたし、民民の動きも鈍かったと認識している。芳野と民民代表・玉木雄一郎は本音では自民党とくっつきたいのだろう。民民と玉木はもう本当にどうしようもないけれども、連合内の反芳野系の人たちの奮起を期待したい。

 昨日は東京・立川市で旧保守(岸田自民・公明)と新保守(維新、都ファ減税日本など+自民・菅義偉ら)と立憲野党+α(立共社+「組」)の支持層の比がおよそ2:3:2と推測されることを見た。ただ、新保守には未だ十分に組織されていない弱点がある。いわゆる「立憲野党+α」はそこを厳しく突く必要があることに加えて、維新などの新保守から支持層を引き剥がして自らへの支持に転向させることが絶対に必要だ。

 最後の部分の理由として、今回の補選での維新支持層の投票行動が挙げられる。

 現在では新選組系の政治家の卵といえるさとうしゅういち氏のブログに、昨日のNHK出口調査の結果が引用されている。

 

https://youtu.be/EzOofdHLHqw?si=t4Ui5hT_m3r9qGqv

参院徳島高知補選は野党系の広田さんが圧勝の勢い。ゼロ打ち当確。

一方で衆院長崎四区は自民と立憲が激しく競り合っています。

維新の支持層は大半が野党候補に。やはり、維新が立候補すると野党に打撃になるということですね。

東京などの大都市部でそのあたりが野党に懸念材料になる。

自民や公明の支持層でもそれなりに野党へ流出。選挙結果の如何を問わず、与党支持層は揺らいでいます。

 

https://www3.nhk.or.jp/・・・/20231022/k10014233711000.html

与野党対決の構図となった参議院徳島高知選挙区の補欠選挙は、無所属の元参議院議員で野党4党が支援した広田一氏(55)の3回目の当選が確実になりました。

衆議院補欠選挙2023 長崎4区 自民新人と立民前議員が激しく競る | NHK | 選挙

 

《支持政党別クロス》

自民党の新人の金子さんは、

自民党の支持層の70%台半ば、

日本維新の会の支持層の20%台後半、

公明党の支持層の80%台半ば、

無党派層の30%台半ばから支持を得ました。

立憲民主党の前議員の末次さんは、

立憲民主党の支持層の90%台半ば、

自民党の支持層の20%台半ば、

日本維新の会の支持層のおよそ70%、

公明党の支持層の10%台半ば、

無党派層の60%台半ばから支持を得ました。

(後略)

 

URL: https://mewrun7.exblog.jp/30474015/

 

 ご覧の通り、長崎4区補選で維新支持層の70%が立民候補に投票し、自民候補には20%しか投票しなかった。

 昨日、弊ブログが持ち上げたりこき下ろしたりしたマストドンのシゲ氏も下記のように発信している。

 

toot.blue

 

 私はシゲ氏のあるマストドンを見て、今の立民支持層はここまで富の再分配に対する意識が低下しているのかと愕然とするとともに(いつものように)激怒して、下記記事を書いて公開したのだった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 その一部を以下に再掲する。

 

 最近のネットでは、一方にむき出しの資本主義を事実上あと押しする「減税真理教」、他方に消費税のメリットばかりを力説して消費税の逆進性を指摘することさえ忌避する「消費税真理教」の両極端ならぬ同じ穴の狢の二つの論陣による不毛の論戦ばかりが目立つように思われる。前者は弱肉強食を肯定していることによって論外だし、後者は消費税の逆進性(課税後に貧富の差が拡大する問題)を考慮していない観点から論外だ。私から見ればどちらも同じくらいひどい。

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2023/10/22/140522

 

 私が批判の対象としたシゲ氏には、富の再分配に対する意識があまりにも低いのではないかと思われた。そんなことくらいは、実はまだ目を通してもいなかった「枝野ビジョン2023」にもきっと書いてあるに違いないと思うのに、と思って見てみたら案の定書いてあった。

 

 パワーポイントのプレゼン資料の9頁(10枚目)には「応分の負担をしていない富裕層や超大企業への公正な課税で、所得再分配機能を強化する」と書かれている。

 また11-2頁(13枚目)には「中間層・低所得層の所得税や消費税の増税社会保険料率の引き上げなどは行わず、原則として20.315%しか課税されない金融所得への課税を強化するなど、富裕層・超大企業への課税で公正な再分配機能を取り戻す」とも書かれている。この件はたまたま昨日、別々の方によるコメントに取り上げられた件なので以下に紹介する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 suterakuso

嫌われ者として、いちおう突っ込んでおきますか。(迷惑なら、承認しないでください。)

>典型的な「統計の罠」

政策によって社会が変わらないことを前提とすれば、ですね。てのも、ところで物価上昇の話なしですか?てのを置いといて、と言わなければならない話ですが。

>消費税を一律高くとり、再分配するのが最適なんですよ

へー、再分配するんだ。日本政府。(棒)

>20%から55%に引き上げたばかり

誰?って思ったけど、昨日、こんな記事があがったのですね。

日本の税制は「富裕層も厳しい」エイベックス松浦会長が苦言「まるで日本は島国という牢獄」
https://news.yahoo.co.jp/articles/567ee3ba2785fbdce44728614760610b035730a7

っで、これ、明確に嘘ですよね。幸いスポニチやヤフーに取り上げられながら、今のところ大して相手にもされてないようですが。

 

 上記コメントに私は下記の通り返信した。

 

 kojitaken

id:suterakusoさん>

その記事は昨日Yahoo! JAPANでタイトルだけ見ましたが、今見たら結構な数のヤフコメがついていて、松浦とかいう奴に味方する人間の方が多かったですよ。さすがはヤフコメ、腐り切っています。

ところで55%の税率ってこれのことですかね。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC295H10Z20C23A5000000/

そんなもん、所得税最高税率である45%より10ポイント税率が高いだけじゃないですか。何をわがまま言ってんですかね、その松浦とかいう奴は。さっさとこの国から出ていけば良いじゃないですか。

 

 コメントからリンクした日経記事を以下に示す。

 

www.nikkei.com

 

新型株式報酬は「給与」 国税庁が説明、税率最大55%に

2023年5月29日 17:19 (2023年5月29日 19:32更新)

 

国税庁は29日、信託型と呼ばれるストックオプション(株式購入権)について、給与としての税務処理が必要だとの見解を示した。企業は権利行使で得た株式の売却に対して20%の税金がかかると認識していたが、給与として最大で55%の税金が課され、想定より税負担が増えることになる。

 

URL: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC295H10Z20C23A5000000/

 

 ブコメの大半は「そんなの妥当な措置に決まってるだろ」というものだった。

 

新型株式報酬は「給与」 国税庁が説明、税率最大55%に - 日本経済新聞

これは妥当だと思う。これが給与扱いにならないままだったら、実質、給与賞与を株式報酬の形で出すことによる所得税・住民税の脱税状態になってしまう。

2023/05/29 17:50

b.hatena.ne.jp

 

新型株式報酬は「給与」 国税庁が説明、税率最大55%に - 日本経済新聞

極めて妥当な判断。今まで給与所得扱いされなかったことが、あまりに例外的で異常ですね。制度の穴をついたスキームは課税の公平の観点でこのようにどんどん潰されればよいですね。

2023/05/29 18:13

b.hatena.ne.jp

 

 しかし中には下記のような新自由主義者によるふざけたブコメもある。

 

新型株式報酬は「給与」 国税庁が説明、税率最大55%に - 日本経済新聞

税収を増やすには2つしかない。税率を上げるか、経済を成長させるか。前者は今あるものから搾り取ろうというもの。この施策は前者。スタートアップを育て経済を成長させる意味も合ったのに、よくもまあ、やるよね。

2023/05/29 17:40

b.hatena.ne.jp

 

 下記はsuterakuso氏によるさらなる返信。

 

 suterakuso

(前略)実際にほぼ例外なく20%から55%になるわけでもないどころか、その「最大」って、実際にいるのかよ?そうした例やそれに近い例のボリュームってどのくらいあるのかよ?って話を、こんな風に言うのは嘘つきとしか言いようがないですね。

このフリーライダーが、盗っ人猛々しい、って話ですね。

 

 結局、「原則として20.315%しか課税されない金融所得への課税」が一律に税率55%に強化されたわけでもなんでもないのだ。「原則として20.315%」には手がつけられていない。だからシゲ氏を批判した記事でも金融所得への分離課税の問題点も書いた。

 すると、そのエントリ(下記リンク)に対して下記のコメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 門真

消費税だけを税金にするなら駄目なのは分かりますが、だからこそ所得税相続税贈与税、あとはこれらよりも度は緩いものの社会保険料などは応能負担となっています。

私も減税には反対。減税どころか、各種更に増税した上で最も大きい社会保障費の歳出改革すべきである。これらのおかげでOECD加盟国の中でも格差が小さい訳で。


「それから論外なのは金融所得が分離課税になっていることに起因する富裕層への逆再分配だ。これは所得が1億円を超える超富裕層で税金の負担率が下がる問題を引き起こしており、ずっと前から指摘され続けているが今に至るも解決されていない」

これも最近改正され、松浦が喚くように富裕層へは増税され続け、海外逃亡にも厳格化されています。彼のように「企業の3%以上の大株主」にのみ厳格化したのは、万遍なく投資しているリスクを負っている投資家ら(庶民も多数)の投資意欲が激減するからです。株式売買があるから庶民から成り上がったり、企業側も銀行や社債よりも安い費用でお金を借りられ、企業の成長があるわけで。

日本政府が松浦のようにリスクは取らない、単に配当貰うだけの既に金持(企業の大株主)にのみ大幅税率上げたのは良手です。(後略)

 

 コメントの冒頭にも「所得税などが応能負担」なのは当たり前だろ、こっちは消費税万能論者がそんなことも無視した議論をしているのを批判してるだけじゃないかとか、社会保険料なんかは応能負担よりむしろ人頭税に近いんじゃないか等々の突っ込みどころがあるが、金融所得の原則20.315%に手がつけられていない件には頬かむりしている。

 問題は、このような新自由主義者たちの主張を煎じ詰めたのが、昨年秋から今年初めにかけて泉健太が維新にすり寄って「大部分協調できる」と抜かした「維新八策」だったことだ。

 このことから言えるのは、そのように維新にすり寄る泉には、少なくとも外形的にはビジョンがないようにしか見えないということだ。

 2017年衆院選の旧立民は、旧みんなの党支持層や維新支持層からもかなりの票を奪った。それは有権者が旧立民にビジョンをみてとったからに他ならない。

 だが泉健太にはそれができなかった。少なくとも「枝野ビジョン2023」くらいはベースにして、立民という政党のビジョンを示すことができるリベラル系のリーダーに取って代わられる必要があると今日も強調しつつ記事を締めたい。