kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

柿沢に区長選買収の疑い&維新出陣か(ブログ『日本がアブナイ!』)

 今日も柿沢未途の一件の話を続ける。

 昨日公開した下記記事にいただいたコメントより。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 かきかき

>この記事で指摘しておきたいのは、萩生田が「柿沢未途反党行為をなした」と言うのなら、野田聖子稲田朋美反党行為をやったことになるという、それだけのことだ。

野田議員も稲田議員も萩生田議員からすればそもそも「反党政治家」なのでしょう(野田議員のwikipedia見たら「自民党内きってのリベラル政治家と評される」と書いてあってもんどり打ちました)。柿沢議員は谷垣Gだそうですが、清和会勢力は岸田政権がレームダック化しつつあるのを幸いに、このまま宏池会勢力を自民党から排除しようとするのだと思います。「岸田と宏池会が野田と民主党(引用註:これは当然野田佳彦のこと)と重なって見える。また使い捨てか」としきりに呟いている某アカウントの言葉を思い出しました。かつての民主党の半分が小沢氏率いる元平成研勢力で出来ていたと考えれば、今回仮に自民党が選挙で何らかの痛手を受けたとしても、それは(前回と同様に)清和会勢力の伸長と更なる自民党の右翼的「純化」、そしてまた長期政権による右派ヘゲモニーの再来を結果するのでしょう。ある意味、米共和党に起こっていることに近いのかもしれません(あるいはイスラエルのネタニヤフ政権、トルコのエルドアン政権、ポーランドのPiS政権……右派が強い力を持つ国は色々ありますが、彼らと我らを隔てるのは、市民からの強い抵抗の意思表示のありやなしやですね。と、これは長くなるのでまた別の機会に)。もちろん、だからといって柿沢氏や木原氏を養護せよとか、岸田政権を支持するとか言うつもりはありませんが。

まあそんな自民党宏池会の行く末などは今回はどうでもよくて、小西洋之参議院議員のpostによると、柿沢議員の法務副大臣の辞表提出は法務大臣、総理大臣らへの事前の相談や報告なしに行われた(との答弁があった)ようです。

https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1719170384959013125
>柿沢法務副大臣の辞表提出を予算委出席中の法務大臣は「今、初めて知った」と答弁しました。
>辞表を受理する際には、当然法務大臣とも相談して内閣として職務代行者を決めるなどの対応をとらないといけません。
>前代未聞の行政投げ出しです。
>岸田内閣は学級崩壊です。

https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1719207629355196828
>岸田総理も法務大臣も、予算委開催中の柿沢法務副大臣による内閣総務官室への辞表提出を全く知りませんでした。
>法務行政の投げだしにも等しい大事件です。
>柿沢副大臣は午後の予算委で質問通告を受けており、それから逃れるためであれば国会を否定する暴挙です。
>いずれにしても、前代未聞です。

このblogで知った柿沢議員の言動からして、公選法違反程度で上司に言われる前に辞めたりするのかな? 読売の記事の通り贈収賄の疑いがかかっているなら、国会で袋叩きにされる前に議員のイスを守るために全力で逃げることもあるのかな? と思っていましたが、今回の時事や朝日の記事を読むと、党内の派閥闘争の影響もあったのでしょうか。辞める速さからして、派閥からの圧力はまだだったろうと思いますが、柿沢氏自身の、あるいは岸田総理の判断に影響したかもしれません。

他にもXで気になったpostが……と思ったら東スポが炬燵記事を書いておりましたのでそちらを。
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/281659
Xでは左派のアカウントが「ぜひ維新から出てもらおう」「応援しよう」などと笑って反応しており、もうなんと言っていいものやら分かりません。確かに怒るのもバカバカしいですし、戦術上怒れば彼らの思うツボというのも分かりますが(東スポですら記事のジャンルを「政治」ではなく「エンタメ」にしているという……)、その茶番に棹差した結果がN党なんじゃないの、というか……僕がナイーブすぎるんでしょうかね?

 

 野田聖子といえば私が思い出すのは2005年の郵政解散・総選挙ですが、あの頃朝日新聞で読んだ政局記事から、この野田という人はずいぶん勇ましいタカ派の議員なんだなあとの印象を受けました。その野田がいつの間にか「自民党きってのリベラル政治家と評される」ですか。この18年間における自民党の右傾化のすさまじさには言葉もありません。岸田の経済政策にしたって、弊ブログもレーガンになぞらえる記事を書きましたし、その記事を公開したあとネットを見渡したらいろんな人が岸田をレーガンになぞらえているのを見かけましたけど、それにもかかわらず岸田の経済政策を「立民党と同じ」と評した、弊ブログが「都会保守」と認定している方のブログに典型的に見られる通り、リベラル派からの批判はごく弱いと思われます。

 それに対して萩生田光一に代表される自民党の極右たちが右翼的「純化」を狙っているとのご指摘はその通りだと私も思いますけど、彼らの(邪悪な)狙いが成功するだろうとは私は全く考えていません。そのあたりは、おそらく「かきかき」さんとは見解が異なります。

 というのは、日本には他国に見られない大きな特徴があるからです。それは急激な労働人口の縮小に必然的に伴う経済の縮小であって、そういう社会では過酷なサバイバル競争が必ず起き、その必然的帰結として何もしないでノホホンとしていていられたご身分の人間、たとえば自民党に数多いる「世襲貴族」たちが国民の怨嗟の的になることは避けられないからです。私は岸田内閣支持率低下の最大の原因はその「世襲貴族」たちへに対する人民の怒りではないかと思っています。だからブログに「松川ルイ16世」という、あの百田尚樹命名したともされるあだ名を持ち出した次第です。つまり、もしかしたら日本史上初の「市民革命」が起きる可能性があるのではないか。もちろんそれは極端な場合かもしれませんが、今の世相はそういう可能性をはらんでいるのではないかと思っています。

 その際、世襲貴族たちの「既得権益」に対抗するかのような旗を掲げ(てい)る維新が台頭することは避けられません。維新は実は2012年に安倍晋三をスカウトしようとしたことからも明らかな通り、またかつてのレーガンサッチャーとも同様に、極右と市場原理主義とが合体した、手垢がつき過ぎるくらいにつきまくった古いタイプの「ネオコン」に過ぎないと思うのですが、日本では未だに彼らに「新しさ」を見る人が後を絶たないらしく、それにも私は目がクラクラします。なぜって、そんな人たちが今の30〜50代、つまり私よりは若い人たちの主流をなしている(ようにしか見えない)のですから。さすがに彼らよりもっと若い世代は維新に新しさなど見出していないように思われますが。なお、例のたかまつななは今年30歳を迎えたそうですが、彼女などは彼女より年下の若者よりは、自身と同じかそれより年上の世代の人たちの代弁者なんだろうなと思っています。

 しかしコメント最後の「ぜひ維新から出てもらおう」とか「応援しよう」とか言い出しているらしい「左派」とやらには本当に空いた口が塞がりませんでした。彼らに比べれば、今日も下記記事を公開した「都会保守」氏の方がよほどまともでしょう。

 

mewrun7.exblog.jp

 

 以下、柿沢未途に関する部分のみ引用する。

 

 そして、1日の『柿沢辞任のウラに萩生田とのバトルあり。21年衆院選、萩生田都連が柿沢に敗北』、2日の『江東区長選でも萩生田vs.柿沢のバトル。柿沢が支援した木村が勝つも、ドンデン返しが』の続報を・・・。

 

 江東区木村弥生区長(辞職)が選挙中にネット広告を出した行為に関して、東京地検特捜部が公選法違反で家宅捜索にはいった。

 

 そのニュースを見た時に、「何でわざわざ東京地検特捜部が?」「そんな大げさな~。もっと上が絡んでいるのか」と話していたのだが・・・。

 

 案の定、このネット広告を勧めたのは、自民党衆院議員&法務副大臣の柿沢末途氏だったことが判明。さらに、柿沢末途氏が江東区の区議に現金を渡していたことが発覚し、さらなる公選法違反(買収)の行為を行なった疑いが出て来た。(@@)

 

江東区 鬼頭達也 区議「柿沢本人がきて事務所の家内かな、事務員からもらったよ。金額はちゃんとした1万円です。政治資金(収支報告書)にちゃんと載せています」

 

 この区議はカネは同時期に行われた区議選への「陣中見舞い」として渡されたとしています。

 

 柿沢氏側からは今年3月ごろ、「木村氏をよろしく」などと言われたものの、4月にカネをもらった際には区長選に関する働きかけはなかったということで、区議は買収の疑いにあたるものではないと説明しています。(TBS23年11月3日)』

 

『東京都江東区木村弥生区長が当選した区長選の公選法違反事件を巡り、東京地検特捜部が区議らへの事情聴取を開始し、柿沢未途衆院議員からの現金受領の有無を確認していることが3日、関係者への取材で分かった。(共同通信23年11月3日)』

 

 ふと19年参院選(広島選挙区)で、河井克行法務大臣&妻の案里氏が、自民党から1億5千万円(+友人の安倍首相からも1億円以上?)をもらって、地元の首長や議員94人に現金を配布した買収事件を思い出したのだけど・・・。

<判明した買収額は2570万円。競馬になぞらえるのも何だけど、やっぱ衆院選と区長選ではケタが違うのね。^^;>

 

 この時も、背景に安倍vs.溝手のバトルがあったのだ。安倍首相(当時)はかつて自分を批判した現職の溝手顕正氏を落選させたいと考え、広島選挙区に河井克行氏の妻・案里を参院選の候補に擁立するように要望。

 

『克行は3月下旬から三原市長の天満祥典や県議(当時)の児玉浩など多数の公職者に現金をばらまき始めた』『案里と河井は、自民党から支給された多額の資金(のちに1億5千万円と判明)を元手に、5期現職の溝手顕正を追い落とすための選挙戦を展開。克行はインターネットとコンサルティングの業者に、溝手のイメージを悪くするよう依頼。業者は架空の人物を名乗り、溝手や自民党県連が案里をいじめるようなことをしているとブログに投稿した。克行は記事の具体的な内容まで指示する一方、無所属の森本真治に対してはネガティブ・キャンペーンなどの工作は講じなかった。(wikipediaより)』

 

 結局、河井氏が当選し、溝手氏は落選。河井側の現金配布は、溝手氏を支援していた地方議員から情報が出たと言われている。^^;

 

 尚、東京15区のバトルで萩生田都連の支援を受けながら柿沢氏に負けた今村氏は、東京15区でのリベンジは狙わず。次の衆院選は東京9区から立候補することが決まっているという。<今村洋文氏は、超保守のドン・平沼武夫*1氏が立ち上げた「たちあがれ日本」にいた議員なので、安倍&萩生田氏が大切にしていたのね。(~_~;)>

 

* * * * *

 

 木村弥生氏が辞職を表明したことから、12月には江東区長選も行われるのだが。「チャンス!」とばかりに飛びついて来たのが、維新の会だ。(@@)

 

『維新は、東京をはじめ都圏での勢力拡大を目指しており、馬場氏は「最大のチャンス。擁立に向けて頑張りたい」と述べた。(略)

 

 維新は次期衆院選江東区を含む東京15区に、前回2021年衆院選でも同区から立候補した金澤ゆい氏(33)の擁立をすでに決めている。また、維新の音喜多駿政調会長の妻、三次由梨香氏(38)は、地域政党「あたらしい党」で江東区議として活動している。(日刊スポーツ23年11月1日)』

 

 自民党の都連は、4月に木村氏に敗れた山崎一輝氏をもう一度立てるのだろうか。

 

 立民党をはじめ他の野党にとっても大きなチャンスなのだから、維新の動きに後れず、頑張って欲しいと思うmewなのだった。(@_@。

 

(『日本がアブナイ!』 2023年11月4日)

 

URL: https://mewrun7.exblog.jp/30483061/

 

 立民の泉健太支持者ないし「信者」の中には立憲民主党の略称に「立民」を用いると「立民呼ばわり」などと言って反発する人間が少なからずいるが、上記引用文のブログ主は私よりも半年早くブログを立ち上げた、かつて菅直人を最大のごひいきにしていた方だが、引用文に見られる通り「立民党」と書いている。立民こそNHKなども用いている立憲民主党の普通の略称なのであって、それに目くじらを立てる方が間違っていると改めて強く訴える次第。この略称を批判する人たちの狭量さには空いた口が塞がらない。

 『日本がアブナイ!』の記事で初めて知ったのは、愛知に帰ったとばかり思っていたあの極右候補の今村洋史が東京9区の自民党候補者に内定しているとの情報だが、東京9区の現職は立民の山岸一生であって、彼は2019年の参院選では彼の古巣・朝日新聞が「塩村文夏危うし」とする情勢調査記事を載せたことによって塩村に同情票が集まったであろう経緯から落選したものの*2、その選挙で知名度を得て挑んだ2021年衆院選で勝った。40代前半の現職(次回衆院選の時点では前職になる)の山岸と、東京15区でも柿沢未途の3分の1しか得票できずに惨敗した60代にしてアナクロ極右の今村とでは勝負になるはずもないから、自民党としてはこの選挙区での当選は捨て、それでも前回無所属で「汗をかいた」ご褒美として、せいぜい難しい選挙区で比例復活でも目指してくれ、というお情けの人事なのだろう。難しい選挙区に微妙な人選をすることは立民でもよくあり、たとえば岡山3区*3のはたともこがその代表的な事例だ。東京9区は菅直人が前回まで頑張っていた東京18区に隣接していて、山岸一生と親しいXアカウントの「もんくま」氏が、冗談半分だろうと思うが山岸に東京18区公認候補になってほしいなどとポストしていたような記憶がある。そういえば東京18区の立民公認は松下玲子・現武蔵野市長で決まりなのだろうか。

 柿沢未途といえば、それこそ柿沢自身がかつて「維新の党」所属の衆院議員だった。といっても大阪維新の会系ではなく、柿沢自身が以前属していたみんなの党から分かれた江田憲司の「結いの党」を経由して松井一郎の維新とくっついた経歴ではあるが、そうはいっても維新的な地盤は江東区にもある。なにしろ隅田川を越えればもう都心なのだから。とはいえ当地は「本所・深川」として墨田区と一括りにされて歴史的にも「川向こう」として下に見られてきた「場末」であって、かなり明確な「左寄り」の作家だったと思われる石川淳の「普賢」(1936)でも深川はそういう扱いだし、現代でもおそらく一時期江東区に在住した経歴でもあろうかと思われる東野圭吾(私と同じく大阪府の出身)は、江東区で極悪人がホームレスを虐殺しておきながら、その登場人物を御涙頂戴ものの「献身」劇のヒーローに仕立て上げてしまうというとんでもない極悪小説*4を書いた。なおこのトンデモミステリは小泉純一郎が仕掛けた郵政総選挙の直前に刊行されている。そういえば山本太郎も一時期母親と一緒に江東区に住んでいたことがあるらしい。それにもかかわらず彼の元号新選組は東京15区では立民と同様に全くふるわない。

 そういう、住んでみればごく普通の地域であるにも関わらず、知れば知るほど興味津々の土地柄だ。過去には東京大震災(1923)や東京大空襲(1945)ですさまじい大ダメージを受けた地域でもあるのだが、変革はこういう土地柄の地域から起きてもらいたいものだとも思うのである。

 それなのに「ぜひ維新から出てもらおう」とか「(維新の候補者を)応援しよう」には、何を言うか!と激怒してしまった。こういう物言いが立民系、特にその中でも右側に位置する人たちにはよく見られる。これは本当に鼻持ちならない。彼らのこの冷笑的なあり方こそ、私が彼らををどうしても好きになれない最大の理由だ。

 それと比較したら、下記『日本がアブナイ!」の結びは本当に良い。以下再掲する。

 

 立民党をはじめ他の野党にとっても大きなチャンスなのだから、維新の動きに後れず、頑張って欲しいと思う(後略)

 

 本当にその通りだし、そういう愚直さが立民や他の野党に求められると私も思う。でも立民が泉健太の執行部のままだと真面目に動きそうもないのではないかと思えてならない。そもそも泉は柿沢未途と同じ「希望の党」に属する衆院議員だった。

*1:原文ママ。「平沼赳夫」の誤記。

*2:この選挙では私は山岸に投票した。

*3:それこそ『日本がアブナイ!』の記事にも言及されている極右の親玉・平沼赳夫の地元・津山市を含む選挙区で、次回の衆院選から旧5区の大部分と合併して、県北部及び西部の大部分を占める大きな選挙区となった。もちろん典型的な保守王国である。

*4:容疑者Xの献身』(2005)