kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岸田文雄内閣支持率はなぜここまで急落したか/山本太郎の「減税真理教」の危うさ【前編】

 立民・愛知10区の藤原規眞候補予定者をめぐる某氏の「謎のXポスト」に関する件について書いた下記記事に、読者の方から丁寧な解説のコメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 やまやま

 

藤原氏は一宮なのですね。愛知なのは認識していましたがもっと南の方だと思っていました。一宮だとトヨタなどの民間労組の力はさほどないので連合王国の愛知と言えどさして当てにできないなどの事情もあるでしょうが、名鉄沿線なので私鉄総連辺りとギスギスしているのでしょうか。総評系なのでイデオロギー的嫌悪と言うよりは「義理は通せ」という信義上の問題かもしれませんが。

さて問題のpostを確認してきましたが、ツリーの大元は以下のnaoko氏のpostでした。
https://twitter.com/konahiyo/status/1727541148619858057
>何がダメなんですか。
>立憲だから注意で済んでるんじゃないですか。
>共産党ならもっと強い処分が出たかもしれませんよ。

このpost自体は盛田隆二氏の以下のpostへの引用repostです。
https://twitter.com/product1954/status/1727477852793405709
>共産党と“共闘しすぎ”で…立憲民主党衆議院愛知10区の新人を注意
>オイオイ、もう立憲はダメだな😩 岡田克也氏が藤原規眞候補(45)を口頭注意。藤原さんが「野党統一候補」として共産候補と共に街宣車で街頭演説したからだと。立派じゃないか。社民候補も一緒だ。頑張って!
>(東海テレビのニュースのmsn配信のURL)

そして、対話相手であるyamabinbou4氏のpostなのですが、naoko氏の言う通り、確かに主語がなくて何を言いたいのかつかみづらいのですが、一通り引用します。

https://twitter.com/yamabinbou4/status/1727618688017416687
>明確は分派行動と見なされる。
>だから奈良や鹿児島を批判している。

https://twitter.com/yamabinbou4/status/1727650561116528953
>もちろんワラ氏。
>たぶん、甘く見ていたんだろうと推測しています。

https://twitter.com/yamabinbou4/status/1727663233522405524
>奈良や鹿児島の方はれいわ支援に入ったりしているのをどう考えるのかと。
>むしろ、れいわ支援の方が問題では無いのか?という発想です。
>ややこしく成りそうな予感がするので宜しくお願いします。

以下、個人的な解釈ですが、
yamabinbou4氏は鹿児島(他のpostから推測するにこれは川内博史前議員のことのようです)、奈良(不明……馬淵澄夫?)の立憲立候補予定者がれ新に親和的であることを問題視しており、明確な分派行動として批判に値する、そしてそのロジックは共産党藤原氏にも当てはまる、藤原氏は認識が甘かったのではないか、と主張しているのですが、naoko氏の質問や問いかけにほとんど応じずに一方的に自分の主張を語っており、
「(藤原氏の行動は)明確な分派行動と見なされる(ので批判、処分に値する)。だから(藤原氏と同様な行為をれ新に対して行っている)奈良や鹿児島を(私は)批判している。」

「誰に対する意見なのか? 誰が(奈良や鹿児島を)批判しているのか?」

「もちろんワラ氏(に対する意見)」

「奈良や鹿児島をワラ氏が批判してるのですか。なぜ?」

「(私が批判する理由は)奈良や鹿児島の方はれいわ支援に入ったりしているのをどう考えるのかと……」
といった具合で、会話が全くかみ合っていないままnaoko氏が「藤原氏共産党よりれいわの方がやばいと言っている」と誤解してしまっただけなのではないかと思います。

余談ですが、X世界、というか、立民の党内ロジック、というか、の世界では、「共産党と一緒に街頭演説したことではなく、既に立民の候補者が内定している選挙区で立候補する共産党の候補と一緒だったことが問題である」(これはよく読んだら時事の最後のほうにちょろっと書いてありましたね)から「立民は野党共闘で処分したわけじゃない!」と言い合っていました。地元の選挙区ではなく、他の選挙区からクレームが入ったのなら、冒頭の私鉄総連云々は的外れということになりますね。しかし仲間内でそんな傷の舐め合いをしてどうするの、と思います。

 

 どうもありがとうございました。

 結局、何を言っているかわからない人を相手にした対話でnaoko氏が一人合点しただけの話だったのですね。

 私はnaoko氏のポストを見ながら、鹿児島が川内博史氏(あの人、前回の衆院選で落選してたんですね。ものすごいオザシンだった悪印象しかありません)を指すのだろうとはわかりましたが、奈良とは馬淵澄夫のことですか。馬淵の名前すら思い浮かびませんでした。

 コメント最後の「X世界、というか、立民の党内ロジック、というか、の世界」、「仲間内でそんな傷の舐め合いをしてどうするの」などには大いにウケました。そうなんですよねえ、仲間内でしか通用しない閉じた世界。それは彼らが(私もですが)激しく忌み嫌っているはずの某元号新選組支持者または信者の世界とクリソツだと思います。

 

 藤原氏は結局何を言ったわけでもないことがわかったので、以下は現在の与野党の政局に関する私の見立てを少し書いてみる。

 新選組といえば消費税減税のワンフレーズポリティクスだが、山本太郎が言い出した当初には富裕層や大企業からの増税をセットにしていた。しかしいつしかそれを言わなくなったことによって、2010年頃に減税減税と言い募っていた現名古屋市長にして日本保守党の共同代表である河村たかしと質的に何も変わらなくなった。だから私は河村に対して2010年から用いてきた「減税真理教」との罵倒語を、現在では山本太郎及び元号新選組に対しても用いている。そもそも河村はかつて小沢一郎一派に属していた人間であり、そのルーツも山本太郎と共通している。

 日本保守党は支持層が高年齢層に著しく偏っているという大きな特徴があり、その点で右寄りの若者の心をつかんだらしい参政党とは大きく異なる。それに百田尚樹河村たかしも両方とも我が強すぎるので、たとえば高市早苗のような彼らと同様に我がきわめて強い人間は最初から近づかない。そんなのは岸田文雄のみならず、安倍派内で高市を批判している世耕や塩谷にせよ、この間高市に対してすさまじい悪意を込めた記事を書いた読売の記者にせよ、誰もが知っていることだ。どんなに罵倒しても高市自民党を離れるはずもないことは百も承知だからこそ、高圧的に高市を非難することができるのだ。

 このことを違った観点から見れば、日本保守党など恐るるに足らずという結論が容易に出てくる。平河エリ氏などは2010年代の感覚で保守党を軽視すべきではないと言っているようだが、私から見れば平河氏の方が若くして老成してしまった人のように思われる。

 ところで最近の一番の関心事は、なぜ岸田内閣支持率が今回のように一気に急激に崩れ落ちたかということだ。

 少し前に弊ブログは自民党をめぐる状況は第1次安倍内閣当時に自民党参院選で惨敗した2007年を思い出させると書いたが、最近は翌2008年から2009年にかけての麻生太郎内閣時代と比較する論調がマスメディアからも出てきた。

 岸田内閣支持率のグラフは三春充希氏がマストドン等で各メディアの世論調査をもとにまとめたグラフを適宜発信している。

 

mstdn.jp

 

 上記グラフを見ると、昨年の参院選当時(安倍晋三が射殺された頃)には約55%あった内閣支持率が、安倍の死をきっかけに噴出した統一教会(協会)の問題などによって年末には30%程度に低下したのが、今年5月後半までに43%ほどにまで反転上昇した。ところがそれに浮かれた岸田が解散風を吹かせ始めるやにわかに岸田批判が巻き起こった。これによって岸田は解散を断念したが、これが岸田の命取りになりつつある。

 当時私はしきりに「次に内閣支持率の低下が起きたら今度はなかなか上がらない」と書いたものだが、それが現実になっている。三春氏によると現在の岸田内閣支持率の平均値は23.7%。半年前の半分に落ち、昨年の参院選当時と比較すると実に4割。

 今回の激落は、直接的には「増税メガネ」批判に岸田文雄が過剰反応したことがきっかけになっているが、その原因をさらに遡ると、昨年岸田が発したドラスティックな軍事費増強があると私は確信している。

 この、必ずや社会保障のみならず現在の日本のインフラを維持するために、さらには教育や学問や文化(芸術など)のための政府支出などに大きな支障をもたらすトンデモ政策であるとして、平和に関するイデオロギーよりもそちらに重点を置いた批判を弊ブログはずっと行ってきたが、残念ながら蟷螂の斧なのでほとんど賛同は得られなかった。右翼は手放しで軍事費大増強を歓迎していたし、立民や山本太郎も軍事費増加そのものには理解を示した。共産などの反対は平和イデオロギーに重点を置いたいつものものだった。

 しかし、それには必ずや増税が伴うことを岸田は昨年示していた。それも財源には所得税法人税を求めた。

 それが富裕層や大企業などに代表されるエスタブリッシュメント層からの強い批判を招いた。それを象徴的に示す言葉が「増税メガネ」だったと私は考えている。

 このように考えると、山本太郎がそれに乗っかって街宣で「増税メガネ」を声高に叫んだらしいことには強く危惧せずにはいられない。

 つまり、エスタブリッシュメント層と右派ポピュリズムとが手を組む可能性が無視できなくなってきたといえる。また極右と結びつく可能性は以前からポテンシャルとしてはずっとある。現に極右の馬淵澄夫山本太郎を応援し、山本太郎はくにもりの安藤裕に色目を使うなどした。山本は三橋貴明との親和性が高いとの指摘もある。このあたりは非常に危うい。

 今日は時間的制約があるので、記事の途中だがここまででいったん切り上げる。