kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

前原誠司が民民を離党し、維新への合流を露骨に狙う新党の結成を発表

 現在は非常な多忙期にあるのでブログの更新は思うに任せない。

 だから巨額ぶりが突出する安倍晋三派をはじめとする自民党5派閥の裏金問題や前原誠司が民民を離党して新党結成を発表した件にも触れられずにいた。

 後者は前原自身の他には参院滋賀選挙区選出の嘉田由紀子、それに比例選出の3議員で、うち2人が民民、もう1人が少し前に立民を除籍された人とのこと。もう少し調べると、斎藤アレックスという民民の衆院議員は前原の元秘書で、これには大いに納得なのだが、民民のもう一人の鈴木敦という34歳の若い人は大学中退、予備自衛官、非正規公用職員などを経て小沢一郎一派の樋高剛事務所で働いた縁から自由党を経て2021年衆院選で民民から立候補し、選挙区での得票率は11%そこそこだったにもかかわらず比例復活した人だった。こういう経歴の人があからさまに維新との合流を目指す政党に加わることには「なんだかなあ」と思ってしまう。なぜなら、現在のように貧富の差が拡大した時期にもっともとってはならない政策が、維新の掲げるような規制緩和を軸とした過激否新自由主義政策であることはあまりにも自明だと私は考えているからだ。なお立民を除籍された徳永久志は立民とはいっても旧希望の党で、やはり希望系は立民代表の泉健太を筆頭にろくでもない人ばかりだよなあと改めて思った。

 前述の通り、前原らの狙いが維新との合流であることはあまりにもあからさまであって、学者の中にも希望の党騒動を思い出すだの、はたまたちょうど10年前の2013年12月に起きた結いの党結成を思い出すだのの声があったのは当然だが、それらと今回とで違うのは、もともと少数政党である民民からの3人を含む5人が結成するしょぼい政党だということだろう。

 私が17年前にブログを始めた、さらにその前年に開設されたブログ『日本がアブナイ!』はずっと前原を批判し続けてきた。同ブログは当然ながらこの件を取り上げている。

 

mewrun7.exblog.jp

 

 以下、長くなるが記事の途中から最後までを引用する。

 

 前原誠司氏(61)は、京大卒後、松下政経塾京都府議を経て、93年に細川・日本新党から出馬し、衆院選に当選。以来、10期連続当選を果たしている。<初当選同期に安倍晋三氏、岸田文雄氏、小池百合子氏、野田佳彦氏、枝野幸男氏らがいる。>

 

 96年に元祖民主党の結党に参加。当初から、保守二大政党制を築くため、民主党保守系勢力の拡大に尽力。<自民党石破茂氏らの防衛族(兼鉄道族?)とも仲がよかった。>

 若い頃から、自民党に移った方がいいと言われていたのだが。本人は「非自民、非共産」で自民党と対峙して政権交代を競う政党を作りたいと言い続けていた。

<共産系だけでなく、改憲などに慎重な社会系の左派もあまり好んでいない。> 

 

 05年、民主党が郵政総選挙で惨敗した直後、41歳で代表選に当選する。この時に、英国のブレア首相(当時)になぞらえて「日本のブレア」ともてはやされたりした。<小泉首相に挨拶に行った時に、首相が評価&激励。横にいた安倍晋三氏と「同期」だという話が出て、チョット悔しそうな顔をしていた。^^;>

 

 ちなみに、05年9月に立てた当ブログの3つめの記事は「民主党代表・前原じゃアブナイ」だった。当時から、前原氏&周辺を危険視していたのだ。(~_~;)

 

* * *

 

 前原氏は何とか民主党内の左派を押さえて、同党を保守化しようとしたのだが。いわゆる永田メール事件の対応に失敗し、半年ほどで辞任することに。民主党政権時代は、国交大臣や外務大臣を務めるも、だった11年の代表選にも敗れ、首相にはなれなかった。

 民主党が下野した後、保守系の大政党を作るため「橋下維新と300%合流する」などと宣言していたのだが、結局、実現できず。気付けば「言うだけ番長」(or口先番長)と呼ばれるようになっていた。(~_~;)

 

 17年夏に民進党の代表選に勝った前原氏は、9月に民進党を解体して小池百合子氏が率いる希望の党との合流を試みる。衆院選安倍自民党に勝ち、維新や自民の一部と組んで、政権交代を起こそうと企てたのだ。

 しかし、小池氏の「排除発言」などもあり、希望の党は惨敗。実質的に解党となり、前原氏は玉木氏らと国民民主党を作ることになった。

 20年に国民党の議員の多くが立憲民主党に合流したが、前原氏は国民党に残り、改めて維新と合流するチャンスを待っていたのだ。(~_~;) 

 

 前原氏は今年9月、国民党の代表選に出馬したものの、玉木氏に惨敗することに。おそらくその頃から、離党や新党づくり、維新との合流の準備を進めていたのではないかと察する。

 

 そんな中、11月22日に玉木代表が、トリガー条項凍結解除の検討を条件に、政府の補正予算案に賛成する意向を示した。

 これを受けて、前原氏の地元の京都新聞が24日に『国民・前原代表代行、離党の意向 党が補正予算案賛成なら 新党設立も視野』という記事を出したのだが。前原氏は、不意打ちをくらったからなのか、自らのXに「補正予算の賛否を理由に、重大な政治決断をすることはありません。本人に確認することなく、この様な記事を書くとは。誤報です!」と反論した。(・o・) <前原氏も補正予算案に賛成票を投じ、記者に「賛成したでしょ」と噛みついてたりもしてたし~。^^;>

 

 ところが、その投稿から1週間も立たないうちに、離党&新党結成を発表したわけで。それで、ついには「ただの嘘つき」呼ばわりされることになってしまった。(>_<)

 

『前原氏は会見で、国民民主執行部がガソリン税の一部を軽減する「トリガー条項」の凍結解除を巡って与党と協議している点を挙げ「凍結解除に体重をほとんど乗せ、極めて支持率の低い岸田政権との協力を模索する路線にある」と批判。「失われた30年を取り戻すために、少ない人数ながら新たな道を歩んでいきたい」と語った。

 

 新党は教育無償化を旗印に「改革勢力の結集を進める」としており、高校授業料の「完全無償化」に力を入れる日本維新の会との連携も視野に入れる。前原氏は会見で他党との連携について「今のところは全く白紙だが、野党連携を進め、政権交代への道筋をつけていきたい」と述べた。(毎日新聞23年12月1日)』

 

* * *  

 

 今回の発表を受けて、国民党はかなり怒っていた様子。榛葉賀津也幹事長は「仲間を裏切る政治家は一般国民も裏切る」と批判し、除名も含めて対応を検討する意向を示した』という。(共同12.1)

 

 一方、維新の馬場代表は、完全にウェルカムモードだ。(@@)

 

『前原氏とは国家像、あるべき国の姿を議論、調査、研究してきた。昨年の参院選京都選挙区では維新と(前原氏が会長を務めていた)国民民主京都府連が協調し、政策面、政治活動面でお付き合いしてきた。

 

 「教育無償化を実現する会」とは、協調できるところは積極的に協調する。いつとは言えないが、そういうことを考えているということは(前原氏から)事前に話は聞かせていただいていた。教育無償化が非常に有効というのは徐々に広がっていると思うので、日本全国で行われるように、前原氏が率いる新党としっかりとスクラムを組んでやっていきたい。(記者会見で)(朝日新聞23年12月1日)』

 

まあ、前原氏も60歳を過ぎて、最後の賭けに出たのかも知れないが。果たして、スンナリと維新と合流できるのか。合流したとして維新の他のメンバーとうまくやれるのか。正直、かつてほどには危険性を感じていないmewなのだった。(@_@。

 

URL: https://mewrun7.exblog.jp/30502679/

 

 記事を引用した理由は、結びの赤字ボールドの部分にウケたからだ。私も同感だ。

 但し、私が「かつてほど危険を感じていない」のは前原誠司に対してであって、維新に対しては警戒しすぎることはないくらい警戒している。

 なお、前原については2005年の代表就任と同時に「対案路線」を掲げたことが真っ先に思い出される。その証拠は下記「民主党アーカイブ」で確認できる

 

2005/10/04

前原代表が対案路線強調、幹事長が党内日程提示 常任委員会

 

 10月4日午後、国会内で第347回常任幹事会が開催され、前原代表が総選挙の結果を踏まえた対案提示路線を強調し、鳩山幹事長が党機構改革および総選挙総括の日程を提示した。

 川端達夫常任幹事会議長の司会下に、冒頭前原誠司代表が挨拶に立った。代表は、岡田克也前代表が東海ブロック選出の常任幹事として常幹に参加することを紹介した後、明後日からの参議院神奈川補欠選挙の闘い方について次のように語った。

 第一に、総選挙における国民の審判を受け止めて、郵政の対案が出せなかったこと、および政権を担うという意識が欠けていたことを反省し、対案路線に転じた。第二に、谷垣財務相の選挙後の発言のように水ぶくれした政府をそのままにして増税するのか、われわれのように徹底して無駄を省いて安易な増税路線をとらないのか、財政問題を争点として訴えていく。自民党マニフェストサラリーマン増税を行わないと言いながら、それをやろうとしている点も問題だ。最後に、川口前外相がどのような外相であったかについても厳しく問っていく。

 続いて鳩山幹事長が報告を行った。幹事長は、ブロック選出常任幹事を中心にブロック国会議員団会議を定期的に開催すべきこと、シンクタンク設立準備委員会が仙谷委員長および松井事務局長の構成で決定したこと、参院神奈川補選対策本部が鳩山本部長、玄葉事務総長、笠事務局長その他の役員構成で決定したこと、を報告した。

 野田佳彦国対委員長は、衆議院予算委員会では代表を先頭に特別会計の問題を取り上げたこと、今後の各委員会の一般質問においてもこの問題を取り上げていく方針を述べた。また、6日には郵政法案に関する代表質問が、7日からは郵政特別委員会が始まるなどの国会日程を報告した。

 輿石参院幹事長は、今後の参院役員の選挙については、会長及び幹事長の選挙から会長のみの選挙への移行を検討すると語り、また参院からの選挙対策委員会への代表者を選考中であること、参院独自での選挙対策が必要であることなどを報告した。

 平田健二参院国対委員長は、今後の参院の国会運営について報告した。
松本剛明政調会長は、次の内閣における民主党議員立法および政府・与党提出法案についての審議状況を報告した。

 次に、報告・承認事項に移り、幹事長が12月17および18日に行われる党大会の実行委員会の委員長に山岡賢次副代表、事務局長に平野博文総務局長を任命したこと、党改革案は10月26日までに取りまとめ11月15日に決定すること、総選挙総括は11月4日予定の全国幹事長会議を経て、11月8日に取りまとめることを報告し、承認された。

 武正公一選対委員長代理は、宮城県議補選候補者での公認および候補予定者が岡山市長選に出馬するために参院岡山選挙区における公認内定を取り消すことを報告し、了承された。

 大畠章宏組織委員長は、新たな総支部の設立について報告し、了承された。
会議では、党としての政策決定のあり方と支援団体との関係について、活発な論議が行われ、友好関係を尊重しつつ、政策決定においては独自性を保つという原則が確認された。

 

 上記がかつて存在した民主党の公式文書として今でもネットで簡単に参照できるわけだ。前原民主党とは、小泉純一郎自民党と張り合う堂々たる新自由主義政党だったと断定して良い。

 この前原のあり方は、立民で2021年に枝野幸男退陣の後を受けて成立した泉健太体制を私には連想させる。

 しかし当時と今とで大きく違うのは、当時は維新という極右でもあるけれどもそれよりも新自由主義の色合いが強い政党は存在しなかったことだ。現在の自民党新自由主義的な傾向もかなり強いが、それよりも極右色の方がさらに強い。新自由主義的傾向については維新ほど極端でないともいえる。

 Xの政治議論界隈でバズったらしい下記oricquen氏のポスト(私は例によって泉健太支持者・naoko氏のTwilog経由で知った)は、それを念頭に置いて読まれるべきだろう。

 

 

 上記ポストの中で「国民民主党に玉木色と前原色が混在していたので、国民と立憲の違いがわかり難かった」という指摘はよくわかるが、泉健太が「維新×」という評価はよくわからない。昨年の今頃に泉が発した「『維新八策』には大部分協調できる」という妄言はいったい何だったんだろうか。

 

 

 これはどうかな。少なくとも「芳野会長は組織防衛で産別の平均値的スタンスを取っているだけで、会長交代で路線が変わる話ではない」との主張には全く同意できない。芳野友子は神津前会長と比較して政党間の関係に容喙しすぎているようにしか私には見えない。たとえ思想信条が同じであっても政党間の関係にに干渉するしないで選挙結果は大きく変わる。現に連合関係者で芳野と同じ産別に属する人の間からも、2021年衆院選の直前に連合会長になった芳野の口出しが立民の選挙結果に悪影響を与えた可能性があるとの批判が出ている。あの選挙では立民候補が小選挙区で惜敗した例が多かった。立民が大幅に比例票を減らした翌2022年の参院選(泉代表下最初の国政選挙)とでは立民の比例票の出方が全く違う。

 

 

 この最後のポストには異論はない。特に「維新より自民の方がマシ感覚」については「多くの労組で共有されている」というのもその通りだろうが、ほかならぬ私も同じ感覚を持っている。

 自民と維新はどちらもきわめて強く忌避したい対象だが、どうしても片方だけにせよと言われたら、迷わず維新を忌避する方を選ぶ。

 それくらい、維新が体現する新自由主義は今後の日本にとってもっとも大きなリスクだと考えている。