kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小沢一郎衆議院議員は「国民民主党や日本維新の会と連携できるリーダーが望ましい」と訴えました。(テレ朝news, 8/26)

 立民代表選について、泉健太は実は推薦人を十分集めているとの噂もある。私としてはその可能性はかなり高いと思う。仮にそれが正しいと仮定し、なおかつ毎日新聞や読売新聞の世論調査にが報じられたで泉が無党派層の間でも立民支持層の間でも支持率が低い、特に同じ右派系政治家である野田佳彦無党派層でも立民支持層でも大差をつけられている(枝野幸男に対しても立民支持層で大差をつけられている)という傾向が正しいと仮定した場合、泉は「数は足りているけれども出るかどうかを決めかねている」のか、それとも「後出しジャンケンにしたほうが得策だ」と考えているかのいずれかになる。

 泉が出るかどうか、数合わせに苦労しているとの推測が本当かどうかなどなどわからないことが多いが、そんなことは時がくればわかることではある。

 

 

 立民代表選で自らのビジョンを明確に打ち出しているのは枝野幸男だけで、それは昨年の「枝野ビジョン2023」の時からずっとそうだ。その間右往左往していた泉健太とはたいへんな違いである。その枝野のビジョンは愚直なまでに伝統的な福祉国家論であって、ネオリベ界隈にも「ジャパニーズMMT」界隈にも嫌われる性格のものだから、たとえば「ななしさん」とかいう泉健太支持のネオリベラリストには大意「枝野には『カイカク』がない」との批判を浴びているが、かつて「再分配」を銘打った共用ブログを立ち上げた(現在は開店休業状態)私としては、今回の候補者の中から選ぶとしたら枝野しかあり得ないのは当然のことだ。なお枝野は「保守本流」を自認しているが、本家の宏池会は一貫して再分配重視の派閥ではなかったことに留意されたい。1970年代末に「小さな政府」を標榜したのは大平正芳だった。当時の自民党では福田赳夫派(のちの安倍派)と大平派が代表的な「小さな政府」志向の派閥で、田中派はボスでだった田中角栄福祉国家を志向したが、その田中派の「鬼っ子」として新自由主義を信奉したのが小沢一郎だった。

 政治おじいちゃん氏が書く、泉の「支持率を再上昇させた」実績とやらには全面的に不同意だ。なぜなら代表就任から2年ほど、立民の政党支持率を大きく下げた(特に2022年参院選で比例票を3分の1以上も減らしたことが大きかった)のも泉であって、泉はいわばマッチポンプをやったに過ぎないからだ。春の補選は島根や長崎では自民と維新の自滅であり、東京15区だけは能動的な要因が認められるがそれに主に貢献したのは泉Gでもリベラル系でもなく野田Gだった。それも手塚仁雄なんかではなく本当に風を呼んだのは高野勇斗江東区議だったと考えるのは、江東区在住者の身贔屓に過ぎると言われるかもしれないが。手塚は功罪相半ばするというよりは「罪」の方がずっと大きいと思う。結果的にみれば、負けた江東区長選での酒井菜摘立候補に始まり、江東区議会の立民会は独立など、道を開いたのに最大の貢献があるのは高野区議だ。ある意味、旧民主を立ち上げた枝野幸男に相通じるものがある。そして、その野田Gが都知事選で大きくこけたために立民代表選がガチンコ勝負になった。弊ブログはこれまで何度指摘したかわからないが、今年春から夏にかけて立民支持率を大きく上げ下げしたのは野田Gであって泉健太ではない。

 しかしそれ以上に強く同意するのは、政治おじいちゃん氏がリポストしたOricquen氏の下記ポスト。投稿者は泉健太寄りのスタンスを自認していたと記憶するが、小沢一郎一派に対する下記の評価には全面的に同意する。

 

 

 これは本当にそうで、オザシンたちも彼らにスポイルされたも同然の小沢一郎自身も、未だに「日本未来の党」の総括ができていない。「日本未来の党」が「存在してはいけない政党だった」というのは本当にその通りだ。

 なお2012年早々に公開した弊ブログの下記記事の一部を以下に引用する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 小沢の政局展望もめちゃくちゃだ。

 

そんな時に選挙になったら、民主党はほぼ全滅ですよ。かといって、自民党過半数を得られない。

 

 何言ってんだこの馬鹿。今の小選挙区制で民主党がほぼ全滅したら、自民党が前回総選挙の民主党並みに圧勝するに決まってるじゃないか。それとも、「みんなの党」が2003年総選挙における民主党と同程度の議席数を確保するとでも言ってるのだろうか。そうでもなければ「民主党ほぼ全滅」と「自民党過半数確保ならず」という事態は同時には起こり得ない。それとも、「維新の会」の国政進出か何かか?

 

 ネットのブログ記事などを見ていると、いわゆる「小沢信者」のみならず、必ずしもそうではない人たちも含めて、この「小沢予言」のおかしさを誰も指摘しないが、いったいどうしてなのだろうか。

 

 一つだけ確かに予言できることは、世界が「カオス」になるよりも先に、こんな支離滅裂な「予言」をする教祖様の方が滅亡してしまうだろうということだ。

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20120109/1326073559

 

 これはどういう話かというと、2012年初め頃に小沢一郎が「衆院選になったら民主党はほぼ全滅だが、かと言って自民党過半数を得られない」と言っていたのに対し、弊ブログは「小選挙区制で行われる衆院選ではそんな結果にはなり得ない。民主党がほぼ全滅するなら自民党が2009年の政権交代選挙並みに圧勝するに決まってるじゃないか」と指摘したのだ。

 つまり、2012年12月の衆院選の結果を、弊ブログはそのほぼ1年前に正確に言い当てていたということだ*1。これは別に自慢でもなんでもなく、小選挙区制の性質を理解していれば中学生にでもわかる話だ。だがネットの政治談義はもちろん、国会議員たちの世界でもこんな常識が通用しない。だから、民主党内での代表戦に勝ち抜くつもりだったに違いない小沢一郎の意思に反して「新党きづな」の連中の大量離党劇を、選挙の勝ち目の薄い議員たちが引き起こして、小沢の党内多数派工作の計算を狂わせた。結局、「新党きづな」の正式バージョンが「日本未来の党」だったのであり、最初から負けるべくして負け、刺客の送り合いによって民主党にも大ダメージを与え、その後の安倍晋三の「悪夢の民主党政権」というフレーズに強い説得力を与えることになった。

 その「日本未来の党」の総括が未だにできていない。

 だから「軍畑先輩」にこんなXをポストされてしまう。

 

 

 「アークタイムズ」の2人とは望月衣塑子と尾形聡彦(元朝日新聞記者)のことだろうが、小沢はもともと2006年頃までは消費税増税論者であり、その後も政局のために消費税の議論を利用しようとしていただけの人物だから、今さら本心でもない消費税減税の話なんかに乗っからなかっただけのことだ。

 そもそも消費税減税の話は、山本太郎が持ち出した最初の頃には直接税の増税とセットになっていたけれども、その後「消費税減税」だけが一人歩きして河村たかし的な「減税真理教」と化して以来、有害無益な議論と化したと私は認定している。

 

 

 立民(右派)支持層には「ななしさん」のような原理的ネオリベラリストが少なからずいるから仕方ないが、社民党にまで

「減税、減税」を唱える人達が少なくない。

というのは本当に由々しき問題だ。社民党はまず「社会民主主義政党」としての旗をしっかり立てなければ再建の話にならない。「減税真理教」イコール「無修正資本主義」であって、究極のネオリベラリズムだとしかいいようがあるまい。

 

 

 そうは言っても、社民党は2010年代前半には「小沢一郎衛星政党」そのものだったし(あの頃には本当に絶望しました)、今に至るも社民主義の旗すらまともに立てられてませんからね。だから私も国政選挙の比例区や比例リベラルで社民党に投票するくらいしかやることがなくなっているわけで。

 

 Oqicquen氏のXに嘉田は、維新に行こうとしている云々と書いてあったの見て思い出したけど、そういや前原誠司一派はついに維新に行くんだったっけ。

 あの落ち目の維新にねえ。

 でもそんな維新に今なおラブコールを送り続け、立民党内では「維新とやっていける人でなければダメ」と言い続けているのが、元祖新自由主義者小沢一郎だ。以下テレビ朝日のニュースより。

 

 

news.tv-asahi.co.jp

 

立憲代表選 小沢一郎氏「他の野党と連携できるリーダーを」

[2024/08/26 22:30]

 

 立憲民主党の代表選挙を巡り、ベテランの小沢一郎衆議院議員は「国民民主党日本維新の会と連携できるリーダーが望ましい」と訴えました。

 

立憲民主党 小沢一郎衆議院議員

「選挙間近ということを考えると、やはり国民民主党あるいは維新の方々、どのように連携していけるかと。そういうリーダーと、そういう執行部を作れるかどうかが判断のポイントだと」

 

 小沢氏は、これまでに出馬を表明した枝野前代表や出馬意向を固めている野田元総理大臣と会談を重ねていて、26日には、出馬の意欲を表明した当選1回の吉田晴美議員とも面会しています。

 

 代表選の構図が固まり次第、どの候補者を支持するか決定する見通しです。

 

 そのうえで、「それぞれの候補者が自分自身で努力すべきだ」と述べ、自身のグループから推薦人は出さない方針を明らかにしました。

 

URL: https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000368010.html

 

 小沢は例によって民民と維新の名前だけ挙げて、共産党の名前は出していない。

 泉健太支持者のグリグリ氏はこんなことを書いている。

 

 

 まあ共産党にとっては野田佳彦が一番都合が良いんだろうなとは容易に想像がつく。共産党幹部と同じ演台に立つイメージが一番強いのは野田であって、一番乗りそうにないのが泉健太だとは誰もが思うことだろう。

 あの右派政治家のイメージが強かった蓮舫共産党があんなに一生懸命に推したのは私にも驚きだった。

 今日はこのくらいで切り上げる。

*1:だから多くの人たちの主張とは異なり、私は野田佳彦は2011年の民主党代表選に当選したあと、早い段階で衆院解散を行なって「損切り」をやっておくべきだったと考えている。そのベストの時期は2011年12月頃だったに違いない。