国会原発事故調が菅直人を参考人に呼んだが、予想通り得られるところは何もなかったようだ。昨夜は、『報道ステーション』で東電原発事故の国会事故調査委を、あの橋下徹の手先・野村修也が務めていることを、彼が菅直人に質問していることによって初めて知った。この映像を見ただけでドッチラケてしまったのだった。菅直人の参考人招致については、いまさら菅直人に何を聞いたって新しいことなど出てこようはずがない。そんなことはわかりきっていた。28日に菅直人の参考人招致が行われることは以前から知っていたが、私は特に何の注目もしていなかったのだった。
朝日新聞(5/29)3面には、「幕引きにはほど遠い」とする竹内敬二編集委員(元論説委員)の論評が掲載されている。以下一部引用する。
(前略)
事故調査の基本は、機器がどのように壊れて事故がどのように進んだかを再現することだ。しかし政府、国会のいずれの公的な事故調も独自の解析をしていない。模擬プラントをつくって実験をする話も立ち消えになった。
これまでの調査は、情報と解析を東電に頼りすぎている。東電は不都合な情報は出したがらない。国会事故調は清水正孝社長(事故当時)の聴取さえしておらず及び腰だ。国会事故調は国政調査権という強制権をなぜもっと使わないのか。
(中略)
先に報告書を出した民間事故調は、事故を「日本の国家としての生存そのものを脅かす広がりと複雑さをもつ危機」と表した。
政府はこうした危機への対処を意識しているか。調査結果をふまえた対策をたて、安全規制を立て直すのが筋だ。しかし、現政権は調査とは関係なく仮の安全基準をつくり、原発の再稼働にばかり注力している。事故を生み出した「3・11」前の社会構造にもメスを入れなければならない。
その通りだと思うが、電力総連が民主党を、電事連が自民党をそれぞれ支配している現状では、こういう茶番になる他ないのだろう。
民主党が何をやっているかというと、たとえば昨日公開の下記ブログ記事のタイトルに書かれているようなことだ。
前原が野田に小沢への妥協封じ&原発再稼動促す+菅が再稼動を批判+女バレ、ダービー : 日本がアブナイ!
執念深い私は、昨年の民主党代表選で前原誠司が何を言っていたかよく覚えている。『報道ステーション』のインタビューで、前原は「私は考えを変えた」と言い、「脱原発依存」を匂わせていた。しかし、それは人気取りのための方便に過ぎなかった。今では前原誠司は、代表選当時から「原発維持派」と見られていた野田佳彦(「野ダメ」)の尻を叩いている始末だ。
また、小沢一郎の派閥にしても、上記リンクを張ったブログ記事に、
しかも、消費税増税に関しては、民主党内で小沢Gが反対の声を上げ続けており、野田政権が暴走するのを防ごうとしているのだけど。
原発再稼動に関しては、なかなかそのような声が上がって来ないのが不満なところ。(-"-)
と論評されるていたらく。リンク先のブログ主さんは、私とは違って小沢グループにかなり好意的なのだが、それでもこのように論評されている。私自身は、民主党代表選で原発推進派の海江田万里を担いだ小沢一郎には全く何も期待していない。
自民党にいたっては、もう何も言うことはない。現民主党政権も信用できないけれども、自民党政権に戻してしまっては、ほとんどすべての原発が再稼働されるだろうとは誰もが思っていることで、だから橋下(この男も本心から「脱原発」に熱心なわけでは決してない)にそこを突かれて「人気取り」に利用されてしまう。
どうしようもない。