kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

野球を知らない人間は黙れ

何やら、野球を知らない人間が恥ずかしいTwitterを書き散らしているようだ。「野球を知らない人間は黙れ」の一語で済まされる程度の話ではあるが、それでは腹の虫が治まらないので、この場で批判することにする。


https://twitter.com/yoniumuhibi/status/380979061276684288

世に倦む日日
@yoniumuhibi


加藤良三の辞任は当然として、問題はあのいかがわしい「統一球」。2011年度に導入されたときは「飛ばないボール」だった。それが2013年度から、とんでもなく「飛ぶボール」に変わった。ミズノと加藤良三が勝手に差配し、利権で私腹を肥やした。問題は、バレンティン本塁打記録だ。


2013年9月20日 - 1:57

これはまだいいだろう。


https://twitter.com/yoniumuhibi/status/380990857622458368

「統一球」の問題があるから、他の論者やマスコミのように、バレンティンの記録に「快挙」「おめでとう」なんて言えない。悩むね。本当なら、1985年にバースが記録を破るのが自然だった。阪神優勝に花を添えるべきだった。あれもおかしいし、今年のもおかしい。プロ野球はどんどんおかしくなる。


2013年9月20日 - 2:44

バースが王貞治の記録を破っているべきだったというのは同感だが*1、あの頃と比べて今年がおかしいといわんばかりの主張は全く理解不能だ。だがこれはまだ許容範囲内である。


https://twitter.com/yoniumuhibi/status/380980691405520896

この「統一球」。本当に今年のプロ野球に取り返しのつかない禍根を残した。もし、ボールの仕様を2010年度以前に戻すか、大リーグに準拠させれば、バレンティンの記録を破る者は永久に出ない。どうする気だろう。もう一つ、この「統一球」のため、日本の投手はWBCで調子を崩し、3連覇を逃した。


2013年9月20日 - 2:04

これは全く理解不能Twitter。「ボールの仕様を2010年度以前に戻」したら、多くの球場でホームランが量産されることになる。2010年のセントラルリーグ(読売リーグ)では、読売や阪神が飛ぶボールを使い、中日は飛ばないボールを使っていた。優勝した中日と2位の阪神との対戦において、ナゴヤドーム甲子園球場は同じように「広い球場」であるにもかかわらず、甲子園では打撃戦が多く阪神が優勢だった一方、ナゴヤドームでは投手戦が多く中日が阪神を圧倒していた。どちらのチームのファンでもない私は、球場ごとにこんなに使用球がバラバラで良いのかと呆れていたものだが、12球団全体でいえば中日が使っていた「飛ばないボール」は異端で、読売や阪神が使っていた「飛ぶボール」が主流だった。


https://twitter.com/yoniumuhibi/status/380993569214824448

野村克也が、「あんな大リーグをお払い箱になった奴に打たれやがって」と日本の投手陣を叱責していた。少し気持ちは分かる。バレンティン本塁打ハングリーになっていたから、ボールを振らせてやればよかった。ストライクを投げる必要はなかった。新人の藤浪が手本を見せているのに、榎田のバカが。


2013年9月20日 - 2:55

日本プロ野球界で、田中将大に次ぐ球界ナンバー2にして、セントラルリーグ(読売リーグ)ナンバー1の投手と思われる前田健太が、ボール球を振らせてやろうとバレンティンの顔のあたりに投げた釣り球を左翼席に叩き込まれたことを、この男は知らないらしい。


https://twitter.com/yoniumuhibi/status/380996834820243457

バースはいい打者だった。ミートもスイングも華麗で、かつクレバーで、広角に本塁打を量産した。選手権で所沢の左翼席に放り込んだ一発は見事。紳士でありながら、同時にあくまで米国人らしさを貫徹して、日本に媚びなかった。バブル経済直前のあの頃、米国は凋落していたが、バースは胸を張っていた。


2013年9月20日 - 3:08

今回もっとも私を激怒させたのはこのTwitterだった。どうやらつぶやきの主は、アメリカ・オクラホマの大農場主(大富豪にして民主党州議)である白人、ランディ・バースと、中米のオランダ領キュラソー島生まれの黒人、ウラディーミル・バレンティンを比較して前者に軍配を上げ、「米国人らしさ」がどうのとほざいているようだが、つぶやきの主は明らかに、白人にひれ伏して黒人を見下すという、アジア人(黄色人種)特有の奴隷根性ともいうべき差別意識を持っており、それをこのTwitterで剥き出しにしている。そう感じた私は、このTwitterに逆上した。

つぶやきの主の評価がフェアでないのは、その前のTwitterで、

野村克也が、『あんな大リーグをお払い箱になった奴に打たれやがって』と日本の投手陣を叱責していた。少し気持ちは分かる。

と書いていることからもうかがわれる。というのは、バースはメジャーリーグでわずか9本塁打、打率2割台前半の成績しか残せず、「大リーグをお払い箱になった」あと、阪神で素質を開花させた選手だったからである。バレンティンも同じようなキャリアの選手だが、メジャーリーグでの通算本塁打は15本である。9本対15本だからバレンティンの方が上だなどと主張するつもりは全くないが、少なくともバレンティンがバースを引き合いに出されて「あんな大リーグをお払い箱になった奴に打たれやがって」などとけなされる筋合いは全くない。

もっともこの件に関しては、つぶやきの主が引用した野村克也の発言に大きな問題がある。野村は、ヤクルトスワローズの監督をさせれば天下一品で、特に最後に優勝した1997年の魔術的采配には私も酔い痴れたものだが、ひとたび監督業を離れれば俗物そのものの人間であって、この男がテレビで喋ったり聞き書きを出版させたりしたものは、感心するところなど全くないばかりか、バレンティンに関する発言からもうかがわれるように、俗臭紛々、とても見るに堪えず、聞くに堪えない代物なのである。野村克也の価値は、現役時代のプレーも数え入れるべきなのかもしれないが、残念ながら私はそれを知らない。私の知る限り、野村克也の真価は、ヤクルト監督時代の采配そのものにしかない。あとは全くの評価の埒外である。ちなみにこの野村克也は、自民党支持者にして極右思想の持ち主である。だから黒人・バレンティンへの差別意識剥き出しの発言を平然とできるのだ。そんな人間の論外の発言に同調してどうすると言いたい。

余談だが、つぶやきの主がバレンティンに56・57号本塁打を打たれた阪神タイガース榎田大樹をこき下ろしているTwitterを見て、阪神は嫌いだけれども榎田だけは応援しようと心に決めた。1977年、王貞治に756号本塁打を打たれたヤクルトの鈴木康二朗は、翌年ヤクルトの初優勝に貢献した。榎田大樹も、藤浪晋太郎能見篤史を押しのけて、阪神タイガースのエースに成長してもらいたいものである。

*1:最後の2試合でバースが読売投手陣の敬遠責めに邪魔されたことは周知の事実。当時、報知新聞が「堂々勝負」とほめたたえた江川卓も、2四球を出していた。斎藤雅樹らその他の読売投手陣は論外。なおバースは130試合で54本、王貞治は140試合で55本だったから、1試合あたりの本塁打数ではバースは王を上回っていた。