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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

阪神、「コールド引き分け」でCSファイナルSへ(スポニチ改題)

昨年の「ヤクルト最下位、読売と星野楽天日本シリーズ」に続いて、今年も「ヤクルト最下位、読売と阪神クライマックスシリーズファイナルステージ」とは、私にとってはまさに「暗黒時代」もいいところでくそ面白くもない*1のだが、珍しい試合だったので阪神と広島のクライマックスシリーズ第1ステージについて触れておく。

阪神 1勝1分けでCSファイナルSへ 0―0で“コールド勝ち”― スポニチ Sponichi Annex 野球

阪神 1勝1分けでCSファイナルSへ 0―0で“コールド勝ち”

 セ・リーグクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦が12日、甲子園で行われ、セ2位の阪神が同3位の広島と0―0で引き分けた。勝ち星が同じ場合はレギュラーシーズン上位のチームが勝者となるため、通算成績を1勝1分けとした阪神がファイナルステージ進出を決めた。

 メッセンジャー前田健の投げ合いで投手戦となった第1戦と同じく、第2戦も能見が8回、大瀬良が7回零封と両先発が一歩も譲らず。阪神は呉昇桓、福原、広島はヒース、中崎と救援陣もそれぞれ意地を見せ無失点に抑えた。

 阪神は初回1死三塁、4回2死三塁と2度三塁へ走者を送った他、5回から4イニング連続で先頭打者が出塁したものの本塁へ届かず。広島は7回に1死満塁とこの試合最大の好機を作ったが、後続が三ゴロ、見逃し三振に倒れた。

 12回に同点で各ステージの勝ち上がりが確定した時点でコールドゲームとするルールが初めて適用され、12回表が終了した時点で試合終了。阪神は5度目のCS出場で、ファイナルステージ進出は初。15日から東京ドームでセ1位の巨人と対戦する。

スポーツニッポン 2014年10月12日 17:35)


この試合の結果と阪神の勝ち抜けは、昨日夕方携帯で見たニュースの見出しで知ったのだが、その時思ったのは、延長12回裏の攻撃はあったのだろうかということだった。しかし昨夜はスポーツニュースを見なかったので、今朝の新聞を見て、初めてコールドゲームだったことを知った。スポニチの記事の見出しには「“コールド勝ち”」とあるが、試合の記録はあくまで「引き分け」である。それをスポニチは「実質的には阪神の勝利だ」という意味でダブルクォーテーション付きの「“コールド勝ち”」と表現したのだろうが、引き分けは引き分けである。スポーツ紙は、特に読売や阪神に関する報道においては、こういういい加減な、というか読売や阪神に有利な印象を与える見出しをつけることがままあるから注意を要する。

なお、パシフィック・リーグでは裏の攻撃をやるそうで、実際3年前にそういう試合があったらしい。下記2件もスポーツニッポンの記事。最初のものは9月30日付。

セCS 同点コールド採用 勝ち上がり確定なら12回裏攻撃なし― スポニチ Sponichi Annex 野球

セCS 同点コールド採用 勝ち上がり確定なら12回裏攻撃なし

 セ・リーグは29日、クライマックスシリーズ(CS)の開催概要を発表した。ファーストステージは3試合制、ファイナルステージは6試合制で、引き分けを除いた勝ち数が同じ場合はレギュラーシーズンの上位球団が勝者。延長は12回まで行うが、12回裏の攻撃中に同点となり各ステージの勝ち上がりが確定すれば、その時点で試合を打ち切り、コールドゲームとする。ファーストステージは広島が2位の場合はマツダスタジアムで第1、2戦が午後1時、第3戦が午後2時開始で、阪神が2位の場合は甲子園で3戦とも午後2時開始。東京ドームで開催されるファイナルステージは全て午後6時開始で行われる。予告先発は行わない。

スポーツニッポン 2014年9月30日 05:30)


パ・リーグ規定では続行 3年前ソフトが“消化イニング”― スポニチ Sponichi Annex 野球

パ・リーグ規定では続行 3年前ソフトが“消化イニング”

 阪神が広島と引き分け、1勝1分けで球団初のファイナルS進出を決めた。ポストシーズンの引き分けは10年日本シリーズ、中日―ロッテ第4戦*2(2―2=延長15回)以来10度目。両軍無得点の引き分けは57年日本シリーズ、巨人―西鉄第4戦(延長10回)以来57年ぶり2度目になる。

 なお、プレーオフ、CSの引き分けは3度目だが、引き分けでステージを勝ち上がったのは今回が初めてだ。この2試合で阪神は21イニングを無失点。CSの連続無失点としては10年ファイナルSで中日がマークした22イニング連続無失点に次ぐ記録。

 パ・リーグのCSには「引き分けコールド」はなく、今回同様に12回表終了の時点でステージが決着しながら、試合を続行したケースが1度ある。11年ファイナルSソフトバンク―西武第3戦で、第2戦までにソフトバンクがアドバンテージ1勝を含む3勝0敗。12回表終了の時点で1―1と西武の勝ちがなくなり残り全勝でも3勝止まりとなったため、ソフトバンク日本シリーズ進出が決定。ソフトバンクは12回裏に長谷川の適時打でサヨナラ勝ちし、花を添えた。12回表終了時、喜びのあまりベンチを飛び出した選手もいた。

スポーツニッポン 2014年10月13日 05:30)


3年前のソフトバンクといえば、ダイエー時代、「プレーオフ」時代からどうしてもファイナルステージに勝ち抜けなかったソフトバンクがついに勝った年で、それ以前から私は、この球団が勝つならストレート勝ちしかないなと予想していたのが現実になった時だ。最後の試合がサヨナラ勝ちだったのはこの記事を見て思い出した。あの時、そりゃ引き分けても敗退決定の西武のピッチャーはやる気しないよなあと同情したものだ。

なお、「10年ファイナルSで中日がマークした22イニング連続無失点」というのは、やられたのは読売のはずだが、こちらは全然覚えてなかった。かつてなら読売の不名誉な記録はほとんどすべて覚えていたものだが(笑)。

ともあれ、セ・リーグ(読売リーグ)の「コールドゲーム」は合理的な制度であるとはいえる。

ところで、私がこの記事を書こうと思ったのは、阪神ポストシーズン、コールドの三題噺で思い出した試合があったからである。

それは2005年の日本シリーズ第1戦。千葉マリンスタジアムで行われた千葉ロッテ阪神日本シリーズ第1戦のラジオ中継を旅先で聞いていた。以前、2010年の日本シリーズの時にも書いた、千葉マリンスタジアムの「ウグイス嬢」、谷保恵美さんのコールに度肝を抜かれたのはこの日のことである*3

この試合は7回裏に千葉ロッテが大量5点を挙げて、スコアを10対1としたところで、濃霧が激しくなり、そのままコールドゲームとなったのであった。まるで高校野球の予選でのコールドゲームのようなスコアだったこともあって忘れられない*4。そんなことも懐かしく思い出した。

まあ阪神も、読売に勝つなら嫌味は言わないから、せいぜい頑張ってくれといったところだ。

*1:もっとも昨年はバレンティン、今年は山田哲人の打撃の記録はあったが。また、星野仙一楽天監督退任は喜ばしいが、今後星野がテレビにしゃしゃり出まくるだろうと思うとうんざりだ。

*2:原文ママ。「第6戦」の誤記である。

*3:その後、2013年6月2日に行われた千葉ロッテ対ヤクルトの「セパ交流戦」で谷保さんのコールを実体験させていただいた。

*4:ポストシーズンではないが、ヤクルトが優勝した1997年にも、阪神横浜スタジアムでの横浜戦で、9対0の5回降雨コールド負けを喫したことがある。また、「阪神、引き分け、優勝」の三題噺なら、1985年の阪神優勝神宮球場でのヤクルト戦の引き分けで決まったことが思い出される。