kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

またまた田中龍作と山本太郎の話

 この間まで「野党共闘」に悪態をつきまくっていたのに、最近では「山本太郎支持クラスタ」に楯突くことが多いのだが、それは「野党共闘」はもちろん問題山積だけれども、「山本太郎支持クラスタ」、特にその先頭に立っているデマゴーグ・田中龍作はそれ以上に問題で、特に田中は絶対に看過できないと考えているからだ。先に田中自身の問題を蒸し返しておくと、しばらく前に書いた下記記事に、2013年の参院選での三宅洋平落選に絡めて田中が撒き散らした比例代表制に関するデマと、それを真に受けた「リベラル」系メディアその他への悪影響をまとめておいたので、改めてリンクを張って示しておく。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 しかし、たかだか1日のアクセス数が2千5百件程度のブログがいくら田中龍作のデマの悪質さを説いても「蟷螂の斧」でしかなく、昨日のこたつぬこ(木下ちがや)氏のツイートに噛みついた下記のような人が続出する。

 

 

 悪いがこのツイートには笑ってしまった。「都議選の時のような期待感をすでに立憲が喪ってる」って何だよ。一昨年の都議選の時には立憲民主党はまだ存在せず、都議選に圧勝したのは「都民ファ□ストの会」だった。

 ちなみに、ネット検索をかけると、さしもの田中龍作も小池百合子には一貫して否定的だったことがわかる。以下、2016年7月の都知事選を前にした『田中龍作ジャーナル』から引用する。

 

tanakaryusaku.jp

 

 選挙サンデーに湧く銀座で顔を合わせた元社民党国会議員の秘書が恥ずかしそうな顔で言った。

 「ねえねえ私、小池百合子の演説、2時間も聞いちゃった。さっき(日本橋三越前で。話の組み立てがうまくて、説得力があるのよ」。

 政治の知識があり、左派リベラルのスタンスを堅持する元秘書氏でさえこうだ。小池の演説は人を引き込む魔術のような力がある。短かくて分かり易いフレーズなのだが、内容は実に刺激的だ。

 「パラシュートも安全装置もなくて崖から飛び降りた。たった一人で戦っている」「誰も知らないところで物事が決まっている」「あそこの組織から何万票、こちらの組織から何万票では、しがらみに縛られて改革なんてできない」・・・小池は都議会と自民党を真っ向から批判した。(7月17日、秋葉原、浅草)

 告示から10日後の24日、巣鴨で行われた小池の街宣を聞きに来ていた男性は「いつもは野党に入れるが、今回は小池に入れる」と話した。小池は序盤戦で改革派のイメージを定着させることに成功したのである。

 翌25日、武蔵小金井駅前。「ゆりこグリーン」を身につけた聴衆が目につく。序盤戦の頃と比べると明らかに緑が増えた。3人の子どもと共に緑色の衣類を身にまとって小池の演説を聞きに来た母親もいた。

 首都直下型地震対策、待機児童問題・・・小池は政策を具体的に述べた。体制批判はいっさい口にしなかった。

 府中市の男性(70代)は「(小池は)考えが穏健だと思う」。

 小池は核武装論者で外国人参政権に反対するタカ派なのである。核武装については彼女のHPなどで必要性を説いていた。「核ミサイルの配備」まで飛び出した日本会議との鼎談は有名である。(HPからは削除しているようだが、ウェブ魚拓が残っている)

 外国人参政権については、街頭演説で「反対」と宣言しているのだ。(ただし序盤まで)(後略)

 

(『田中龍作ジャーナル』 2016年7月26日)

 

 小池百合子に「ワクワク」したのは、何も市井の「都会保守」ブロガー氏だけではなく、元社民党国会議員秘書氏までもがそうだった。いや、秘書どころか国会議員本人である辻元清美小池百合子の対談記事をネットで読んで憤然としたこともよく覚えている。この小池ブームに便乗しようとしたのが前原誠司小沢一郎であって、こたつぬこ氏なども、当然ながら反小池百合子の立場に立っていたとはいえ、2017年の民進党代表選に勝った前原誠司に一定の期待感を表明したり(結局期待を裏切られて怒っていた)、明らかに「希望の党」設立劇に関与した小沢一郎を早々に許したりするなどの誤りを繰り返した。これらについては当時この日記で散々に批判してきた。

 小池百合子ブームの時には正論を発していた田中龍作だが、現在田中がやろうとしていることは、3年前に田中自身が激しく批判していた小池陣営がやろうとしていることと同じだとしか私には思えない。しかも、田中自身が前述の比例代表制に関する悪質なデマを撒き散らした過去のある人物なのだ。

 小池百合子ブームの最中にも、この日記に田中龍作を批判する記事を公開したことがある。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記の記事を、私は下記の文章で締めくくった。

 

 まだまだ「マスゴミガー」や「ネットde真実」に汚染された括弧付き「リベラル」(実は単なる保守)たちが大勢いるようだ。彼らの多くは、ゆくゆくは安倍にとって代わろうとしている小池百合子を熱烈に応援しているのだろうが、小池では日本は何も良くならないのである。

 くたばれ田中龍作、くたばれ三宅洋平、くたばれ「ネットde真実」、ぐゎんばれマスコミ! ただし、くたばれ読売!!!

 

(『kojitakenの日記』 2017年2月24日)

 

 つまり、当時の私は(今も変わらないが)、田中龍作を小池百合子と同質の人間と見ていた。

 同じ記事で、山本太郎についても触れていた。田中龍作は熱烈に山本太郎を応援しているので、どうしてもそうなる。

 

 かつて三宅洋平と田中龍作が比例代表制をdisったこと(それは小沢一郎が導入した小選挙区制の間接的な擁護にほかならない)や、現在「瑞穂の國記念小學院安倍晋三記念小学校)」の件に安倍昭恵と昵懇な三宅洋平が貝になっていることは、まことに示唆的だ。その三宅洋平の製造責任があるのが山本太郎(山本は、かつて皇居に向かって90度の角度でお辞儀をした「保守ど真ん中」を自認する人間だ)であることも忘れてはならない。

 

(同前)

 

 「保守ど真ん中」とは、2013年10月に山本太郎自身が『東京スポーツ』のインタビューに答えて発した言葉だが、昨年にも下記の一件があった。

 

www.nikkansports.com

山本太郎氏が与党に「保守と名乗るな」と怒り絶叫

 

今国会最大の焦点だった、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案は8日午前4時すぎ、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。

各議員の投票の際、自由党山本太郎参院議員は、「牛歩」で最後の抵抗を試みた後、演壇の上から「(法案に)賛成する者は、2度と『保守』と名乗るな!。保守と名乗るな、『保身』だ!」と、与党席に向かって絶叫した。

与党が、安倍官邸の言うがままに法案成立に突き進んだ流れを踏まえ、「(賛成する議員は)官邸の下請け、経団連の下請けだ。この国に生きる人を、低賃金競争に巻き込むのか。恥を知れ」と、憤った。

改正案をめぐっては、受け入れ外国人の上限など制度の内容が不透明なままで、法務省側のデータの誤りも発覚。政府側の準備不足の実態が露呈した。しかし、来春からの法施行を目指す安倍晋三首相の肝いりのため、与党が野党の猛反発を押し切って法案成立に至った。内容よりも、「今の国会会期中の法案成立ありき」という日程が優先された、本末転倒の論理がまかり通った形だ。

 

(日刊スポーツより)

 

 いうまでもないが、自民党議員に「保守と名乗るな」と怒鳴るのは、自らが保守であるとの自己認識があるからだ。山本太郎自身はリベラル・左派の支持者たちの意向も記にしているようだが、山本と親しい三宅洋平は隠れもない民族主義系右翼で、安倍昭恵にいとも簡単に丸め込まれてしまったことはよく知られている。

 そういう下地のある山本太郎が、ポピュリストのスタイルを鮮明にしてきたる参院選に臨もうとしていることに対して、懸念が表明されることは避けられないと思う。以下、『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事から引用する。

 

hiroseto.exblog.jp

 

我らが市民連合のイデオローグの間で「山本太郎」現象への「戸惑い」とでも言うべきモノが広がっています。
残念ながら(?)、現時点でガツンと庶民寄りの経済政策を言っているのは山本太郎が一番に見えてしまう状況はあります。
そして、天皇制や自衛隊、安保でも共産党が独自色を押えている以上、別に山本太郎でいいじゃん、という人が多くなるのも当然です。
あるいは、立憲や国民のバックの連合が消費税増税推進であるために、がっかり、
という人も、いま、結構出てきています。
他方、連合へのアンチで維新などに入れていた非正規労働者や自営業者が多くおられます。そういう方々が山本太郎に流れているのも事実です。
連合が大手企業正社員・正規公務員中心でやってきたことが、大阪の非正規公務員が圧倒的に「ガツンと正社員・公務員の既得権を削って溜飲を下げさせてくれる」維新を支持する状況などを招いたのも事実です。
しかし、山本太郎が、今度は、ガツンと庶民寄りの経済政策を出しているから、維新から鞍替えという人も結構居られる。
共産党立憲民主党が、きちんと非正規職員らの思いを受け止められないと山本太郎の躍進は続くでしょう。「維新の票を食う」という意味でも山本太郎にも期待せざるを得ないと思います。
共産党立憲民主党全労連や連合などは、非正規職員の処遇改善から取り組んだらどうだろうか。そういう風に思います。ちなみに本社社主は、「自治労連広島介護福祉労組」の執行委員の末席を汚させて頂き、介護分野の非正規公務員や介護現場労働者の労働条件向上に微力を尽くさせて頂いています。
本社社主は、市民連合野党共闘とも山本太郎とも、一緒に立憲主義(平和主義、国民主権、個人の尊厳を守る)を守るとともに、当面は庶民の懐を暖め、庶民の生活不安を取り除くことに全力を挙げることができる構図をつくりたいものです。
(文中・敬称略)

 

webronza.asahi.com

(『広島瀬戸内新聞ニュース』2019年6月7日)

 

 記事からリンクされている木下ちがや(こたつぬこ)氏の「論座」への寄稿は有料なので読んでいないが、無料部分の最後に下記のように書かれている。

 

 しかしながら、このような「山本太郎現象」に対して、とりわけ国政野党陣営からとまどいの声があがっている。野党間の調整役をつとめている「市民連合」の中心メンバーである政治学者中野晃一は「彼のもっている独特の発信力や話題性は、「両刃の剣」という ・・・(以下有料部分)

 

 つまり、記事の冒頭に書かれている「我らが市民連合のイデオローグ」とは中野晃一氏を指すと思われるし、前記木下ちがや氏も含まれるだろう。

 問題は、果たして山本太郎が「一緒に立憲主義(平和主義、国民主権、個人の尊厳を守る)を守る」ことができる人かということだ。現在問われているのはこのことだろう。

 たとえば、2013年の秋の園遊会山本太郎が引き起こした「天皇直訴事件」、これこそ「ネオ皇道派」の極致のような行動だったとしか私には思えないのだが、この件について山本太郎が反省なり総括なりをしたという話を寡聞にして知らない。この事件など「非立憲」的行動の最たるものだ。

 「山本太郎現象」が現在どの程度の広がりを持ち、それが今後どの程度に拡大していくかについては一切わからないが、現時点では期待よりもはるかに大きな懸念を持たずにはいられないという私の立場を、改めて明確にしておく。