kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

2.26事件、「事件の直前になって急遽安藤輝三の参加が決まった」とする松本清張の説は覆されるか

 NHKスペシャル、昨夜(8/15)は2.26事件を特集したらしい。放送時間には帰宅しておらず、見ていない。

 

hiroseto.exblog.jp

 

まさに、歴史の転換点になった事件。
海軍は一週間前には事件発生を把握していた。そして、事件発生後も詳細に情報を収集し
記録していた。最後の「事実とは何か?」というメッセージがNHKスタッフの良心の叫びのように
聞こえました。
 

http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20190815

私たちが知っていたのは、“真相”の一断面に過ぎなかった―。
今回NHKは、あの歴史的事件の一部始終を記録した「極秘文書」を発掘した。1936年2月26日、首都・東京の中枢で首相や大臣が襲撃された、近代日本最大の軍事クーデター「二・二六事件」。これまで、事件に関する主な公的記録は、完全非公開で“暗黒裁判”と言われた陸軍の軍事裁判資料とされ、事件をリアルタイムで記録した1次資料はなく、多くが謎とされてきた。事件から83年がたった今、見つかった「極秘文書」によって、青年将校たちの反乱と、その鎮圧にいたる「4日間」の詳細が明らかとなったのだ。
文書を密かに記録していたのは海軍。事件発生直後から現場に解き放った「調査部隊」や、密かに設置された「見張所」からまさに分単位で緊迫の状況を記録していた。陸軍の幹部が事件の裏で行っていた知られざる会談や、海軍が、反乱を超えた大規模な内戦まで想定して備えていたことなど、文書に残されていた「新事実」の数々に、解析に当たった専門家も息を呑んだ。  

二・二六事件後、軍国主義を強め戦争に突入していった日本。首都東京を大混乱に陥れ、国家の運命を分ける転換点となった歴史的事件の全容に迫る。
 

 

 2.26事件といえば松本清張の『昭和史発掘』。全9巻の文春文庫新装版では、第5巻から第9巻までの5冊を割いて、膨大な史料渉猟と考察が展開されている。私の読書記録を参照すると、一昨年(2017年)の4月28日から5月24日までかけて、この5冊を読んでいた。いずれも図書館で借りて読んだが、あまたの清張作品の中でもこの『昭和史発掘』だけは、いずれ座右に置いて(=金を払って買って)再読したいと思っている。

 清張といえば原武史。氏のツイートを見ると、番組に触れた3連発があった。

 

 

 

 

 清張自身は「2.26事件の青年将校たちは大嫌いだ」と発言していたと記憶するが、清張が描いた安藤輝三像が多くの読者の心をとらえ、一種の「安藤輝三ファン」(場合によっては「信者」)を生み出した側面は否定できないと思う。私は彼らに対して、「安藤輝三と言ったって所詮はテロリストじゃないか」としか思えず、強い反発を感じている。原武史も呟いている通り、史料が公開されて研究が進むことを願う。

 上記3件目のツイートについた反応。

 

 

 憲兵隊も海軍も、2.26事件のクーデタを起こるがままに任せたということか。

 こんなツイートもある。

 

 

 ところで、上記ツイートが載っている下記のツイートまとめサイトを見ると、NHKは番組中で要らぬ誤解を招く演出をやらかしていたようだ。

 

https://diary.cms.am/archives/12770

 

 

 いや、安藤は自害に失敗して生き延びて処刑されたんだろ。NHKの再現映像の見せ方が悪かったんだろうか。

 NHKの再現映像といえば、一木支隊の回のそれがいただけなかった。ことに番組の一番最後の方で、「あの」辻政信が「善玉」であるかのような誤解を視聴者に与えかねない再現映像を見て、NHKはいったい何を考えてるんだ!、と激怒したために、翌日の『日本新聞』の回を見逃したのだった(放送開始時刻に気づいたが見なかった。再放送されたらしいことを知ったが、それも放送日時を過ぎていた)。

 まあNHKスタッフもそれなりに奮闘しているとは思うが。