kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

都知事選での宇都宮健児惨敗に乗じて、維新・新選組との連携を狙う(?)玉木雄一郎と山尾志桜里の妄動/「無税国家論を唱えるMMTer」大西恒樹

 7日に菅原琢氏が先の都知事選での小池百合子圧勝を分析したブログ記事を公開した。

 

blog.sugawarataku.net

 

 前回自公の推薦を受けた増田寛也に投じられた票の多くを小池百合子が吸収し、一部(都心3区など)が小野泰輔に流れたという分析だ。まあこれは当たり前というかその通りだろう。

 菅原氏の翌日にnoteを公開した三春充希氏の分析もほぼ同様だ。

 

note.com

 

 今回の都知事選に小池百合子の圧勝以外の結果が生じようがないことは最初からわかり切っていた。もちろんこの日記でもずっとそれを指摘していたわけだが、投票する気を殺ぐつもりか、との反感を持った人もおられるかもしれない。しかし最初から勝ち目が全くなかったことは事実だから仕方がない。上記の選挙結果の分析等が指摘する、長期的な戦略がなければ勝ち目がないということも当たり前で、だから山本太郎後出しじゃんけんをやったのは、選挙に勝つのが目的ではなく資金集めが目的であることもはっきりしていた。しかしそれをしっかり指摘した反小池及び反安倍政権の論者は少なかった。たとえば山岡俊介氏などは「邪道だ」と明確に指摘しているが、こういう筋の通った人は決して多くなかった。

 

 

 但し、「野党1本化なら何かの風が吹けば勝てる」というのは、悪いけれども山岡氏ご自身が仰っている通り「幻想」でしかないだろう。

 問題は、山本太郎にせよ宇都宮健児にせよ「惨敗」しかしようがなかった都知事選の結果に乗じて、権力欲をむき出しにした御仁が案の定続出し始めたことだ。

 その最悪の例の一人が玉木雄一郎である。

 

www.sankei.com

 

 また始まったか、玉木の病気が。本当に嫌になる。私は昔、小沢一郎にすり寄って右派反自民系政治評論家の鈴木哲夫に持ち上げられていた頃から玉木が嫌いだったが、3年前の「希望の党」騒動の時に浮かれていたのを見て、心底大嫌いになった。

 その後も「政党支持率3%とか言われているが、『右へ右へ』と翼を広げる」などと発言した途端に政党支持率が1%前後に下がり、その後も政党支持率が上向く気配が全くないまま今に至っている。現在は維新や某新選組との連携を模索しているとの見方もある。

 

 

 これを裏付けるかのように、国民民主党(民民)は山尾志桜里を入党させた。3年前の立憲民主党枝野幸男に続き、玉木雄一郎も自ら爆弾を抱え込むという愚挙をやらかしたわけだ。山尾はさっそく「野党共闘」に挑戦状を叩きつけた。

 

 

 私は山尾に対しても一貫して批判的だった。立憲民主党ができて衆院選で躍進してから間もない2017年の暮に、早くも下記記事を公開している。今読み返すと山尾よりも蓮舫に対する批判がメインの記事ではあるが、当時から山尾が小林よしのりとつるんでいたことは確認できる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 当時の山尾はスキャンダルによって民進党を離党していた流れから、人脈的には本来希望の党に入って当然だったのに無所属での出馬を余儀なくされたのだった。比例復活のない衆院選は大苦戦だったが共産党が候補を立てなかったことに助けられて当選した。すると当選後に立憲民主党に入ったのだから私は呆れてしまったのだった。なぜ呆れたかといえば、山尾が「前原誠司の秘蔵っ子」(by「日本がアブナイ!」)だったことを私も知っていたし、2012年に山尾が落選した衆院選の前に山尾の主張を調べた時、「こんな右翼だったら落選しても構わないな」と思った印象が強かったためだ。しかし山尾は2014年衆院選で比例復活して国会に戻ってきた。そして2017年の立民入りで、山尾が恩人である前原誠司を平気で裏切れる人間であることも示した。もちろん私は前原誠司も大嫌いだが、人間として信用できないという点では山尾は前原よりさらにひどいといえよう。

 その山尾が3月の新型コロナ特措法改正案に反対して立民から「造反」し、山本太郎と「山・山コンビ」を組んで緊急事態宣言反対論をブチ上げて一部から拍手喝采を受けたが、私は評価しなかった。この改正案の問題点は、単に「改正」など必要なかったのに、「民主党政権時代の法案の適用は嫌だ」などと変な意地を張ったらしい今井尚哉らのゴリ押しで、貴重な時間を無駄にして行われたことに過ぎなかった。そして緊急事態宣言は旧法のままでも可能だったのであり、なおかつ新型コロナウイルス感染症のような感染力が極端に強い感染症に対しては、緊急事態宣言を出す必要があったことはその後の経緯からも明らかだろう。これについても、問題点はむしろ安倍晋三がコロナよりも五輪開催権の確保を優先するなどして緊急事態宣言発令を含むコロナ対策が遅れたことだというのが現在の定説になっている。結局、「山・山コンビ」の主張に拍手喝采をする必要など一切なかったのだ。

 その山尾が民民に入って、「経済」と「憲法」で示す骨太の国家像であり社会像とやらを示すという。「『経済』で示す骨太の」と言われて竹中平蔵を思い出さない人間などいるだろうかと思うが、山尾の頭の中には山本太郎が唱える「消費税減税」があるに違いない。だが消費税減税は実施までに時間がかかる。今必要なのは消費税減税ではなく納税猶予だろう。私も直接税より比重が増えてしまった消費税の税率は下げた方が良いとは考えているが、それは平時の話だ。ところが山本太郎は「消費税減税で一致できなければ『野党共闘』はしない」という。山本が消費税を政争の具としてしか扱っていないことは明白であって、こんな政治家を信用できないのは当たり前だろう。要は山尾にせよ山本にせよ「私が、私が」「俺が、俺が」というタイプの人間でしかないということだ。

 

 その山本太郎の某新選組をめぐっては、例の大西恒樹の一件がある。これについてネット検索をかけたら、昨年の参院選の頃に公開された「長周新聞」*1の馬鹿長い記事が引っかかった。大西の演説を文字起こししたものだ。

 

www.chosyu-journal.jp

 

 はっきり言ってこんな馬鹿長い記事を読む気は起きないが、大西が「無税国家」に言及していたのが目に入ったので、その部分を引用する。

 

 税金とはなにか。ほとんどの人が、使うために必要だから集めると思っている。実際には、日本政府はこの50年間ほとんど赤字でやっている。前回の東京五輪の翌年に建設国債を発行してから、何年かの例外を除いてずっと税収よりも多い予算を組んで、足りない分を政府の借金で賄ってやってきた。足りない分お金をつくってきたし、それができていた。それができるなら別に集めなくてもいい。全部借金でお金を作って使うこともできる。本当は使うために集めているのではない。
 
 だから無税国家にすることも可能だ。政府通貨でお金をつくって全部の政府支出を賄えばいい。税金をゼロにするとみなさんが余計にお金を手にして余裕が生まれ、働く時間を減らし、そのお金と時間を使って休んだり、より文化的な生活が送れる。すると消費が増え、輸入が増える。赤字になるかもしれないが、もしそれで大した赤字にならなかったら、そのまま無税国家ができる。日本は世界一の黒字国だから赤字にしていい国なのだ。
 
 ただ、だからといって税金をゼロにすればいいとは思わない。税金にはもっと大事な、思想の反映とか国家の形をつくるという側面がある。つまり税金は使うために集めるのではなく、国の形をつくるためにある。それはわれわれの考え方に従って決めるものだ。

 

出典:https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/12166

 

 ああ、こんなこと言ってたわけね。大西はその前にMMTにも言及している。もしかしたら大西は山本太郎にとっては経済理論に関する指導者に当たり、だから除名などの強い処分をとれないのだろうかと思ってしまった。山本は大西の著書の帯に推薦文を書いてるらしいしね。

 あと、「税金をゼロにすればいいとは思わない」と言っているとはいえ、大西は「無税国家論を唱えるMMTer」の範疇に入るかもしれない。少し前に、この日記に下記記事を公開していたのだった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 それよりも何よりも大西の優生思想が許されないものであることはいうまでもないが。少し前までの山本シンパ・岩上安身にも痛烈に批判されているし、外野からの応援団としては特に熱狂的な部類に属する田中龍作も、山本太郎と連絡がとれないという。

 そんな政党に加えて維新とも提携し、「民民・維新・新選組」でタッグを組もうとしているのが玉木雄一郎であり山尾志桜里であり、これが万一具体化するようなことがあれば前原誠司も乗ってくるかもしれない。

 このような動きは、むしろ民民の党内でも少数派であり、立民との連携強化を求める勢力の方が多数派であるようだが、とはいえ党代表が前記の少数派に属している影響は大きい。一頃成立確実とされながら頓挫した立民と民民の合流は、両党の幹事長同士で合意していたのを玉木がひっくり返した経緯があったとも聞く。

 この玉木というのも、山尾志桜里山本太郎らと同様、権力欲でぎらついている人間のようにしか私には見えない。

 だからいくら玉木が積極財政論を唱えようが、玉木を信用する気など一切起きないのだ。玉木が想定する連携の相手には「緊縮の鬼」以外の何物でもない維新がいるのだから当然だろう。

 玉木が民民の代表に居座っている限り、立民と民民の合流が衆院選前に行われる可能性はほぼないといえるのではないか。

*1:日本共産党(左派)」の事実上の機関紙。同党は日本共産党から民主集中制に違反する「分派」の認定を受けたため、共産党とは激しい対立関係にある。