コメント欄で教えていただいた元産経・木村正人の記事(5/14)によると、「K値」の査読前論文の発表は4月25日だったようだ。
以下に上記リンクの記事から一部を引用する。
「これなら日本の感染状況も推計できる、収束時期が予測しやすいと思いました。20日先ぐらいまで予測できます。K値と名付けたのはたまたまです」と中野教授。九大の池田准教授と一緒に4月25日、査読前論文を発表しました。
出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200514-00178372/
では、木村が日本で最初に「K値」を紹介した人かと言えばおそらくそうではない。それは、木村の記事が発表されたのと同じ日に、吉村洋文が下記のツイートを発していたことから推測される。これも前記と同じコメントにて教えていただいた。
「K値」は僕も注目してる。大阪モデルの数値基準の一つ(感染源不明者の7日間移動平均)も考え方は「K値」に近い。今後、重要になってくるのが第二波、第三波の兆候をできる限り察知して、的確な信号を出すこと。阪大の中野教授の意見を府の専門家会議で聞く準備に入る。 https://t.co/ELrxt6wejq
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) 2020年5月14日
中野貴志は阪大の学者だから、4/25と5/14の間に「K値」を大阪府に売り込む動きがあったはずだ。そしておそらく、この期間に在阪マスメディアから第一報が報じられたのではないか。
維新と安倍政権との連絡は緊密だから、「K値」は大阪府での採用決定とほぼ同じタイミングで、官邸も知るところとなったことだろう。もちろん官邸は省庁に情報を流し、省庁の中から「K値」を信奉する官僚が現れて、西村康稔がそれを受け入れるという手順を踏んだのだろうが。
現在大きな問題となりつつある新型コロナウイルス感染症の再拡大の種は、早くも3か月前に撒かれていたと思われる。
痛かったのは、未だに緊急事態宣言を不要とする教義に囚われてか、西浦博を「御用学者」と決めつける風潮が左翼の一部に根強く見られることだ。この彼らの言説は今も続いている。このため、「K値」のインチキに対する左翼からの批判は現在に至るまでごく弱いものにとどまっているように思われる。本当の「巨悪」は、維新とも安倍政権とも結びつき、宮沢孝幸のようなネトウヨ学者が声高に宣伝している「K値」陣営の方ではないかと私などは思うのだが。