昨日(9/23)が仕事の大きな山だったので、一昨日と昨日は更新を休んだ。2日連続で更新を休むのはずいぶん久しぶりで、いつ以来かはちょっと思い出せない。
その間、反菅義偉政権、反自公側に意気の上がるニュースはほとんどなかった。菅政権の支持率の高さばかりが喧伝されている。
しかし、菅義偉が竹中平蔵と昵懇であること、たとえば菅が就任早々の人気とりの目玉と考えていそうな「携帯電話料金の値下げ」も竹中のお墨付きをもらっているらしい。菅と昵懇なことで調子に乗った竹中は、昨夜のTBS-BSの番組に出てベーシックインカムの導入と、それに抱き合わせる形での社会保障の削減の構想をべらべら喋っていたそうだ。
報道1930で竹中平蔵がベイシックインカムを紹介。
— あらかわ (@kazu10233147) 2020年9月23日
何かと思えば、月に7万円を国民全員に渡し、今受けている生活保護を無くし、年金も無くすというもの。
要は、厚生年金を無くし全員を国民年金にする、そして生活保護も極端に引き下げ、あとは自助で頑張れとするもの。さすが菅のブレーン。 pic.twitter.com/h1moQkdr7F
このあたりは、ベーシックインカム(BI)なる政策を新自由主義者が言い出す時の典型的な論法であって、7年くらい前に橋下徹がBIを言い出した時にも、社会保障を「バサーット削る」ことと抱き合わせになっていたはずだ。
しかし、若い世代についてはよく知らないが、ある程度以上の年齢層の人たちにとって竹中平蔵とは、それこそ怨嗟の的だろう。現に2008年末頃、中谷巌が新自由主義からの「転向」を表明して話題になった頃などは、テレビなどでも竹中平蔵がコテンパンに叩かれていた。確か2009年のTBSだったかの正月番組に竹中が出演した時に、番組のサブタイトルに「そんなに私は悪いのか」とあったのを新聞のテレビ欄で見て笑った記憶がある。
そんなネオリベ批判全盛の時期はほんのちょっとしか続かなかったが、それでも職場で自民党支持っぽい人たちと話をしていても、竹中平蔵の名前にだけはいたってネガティブな反応が出てくることが多い。
竹中と昵懇で、維新にも融和的な菅義偉政権では、どうしてもその新自由主義的な経済政策の是非が今後問われていくのではないか。これは、前の安倍晋三内閣と比較して、菅内閣の支持率が大きく下落しやすい要因であるように私には思われる。
ところで面白いと思ったのは、世論調査で日本維新の会の政党支持率が暴落していることだ。たとえばNHKの世論調査では、同党の支持率は前月(8月)の2.8%から1.7ポイント下落して1.1%になった。
この世論調査では自民党の政党支持率が4割を越えている一方、合流なった新立憲民主党が6.2%、共産党が1.7%、社民党が0.4%、そして新立民に多くの国会議員をむしり取られた新国民民主党はわずか0.1%の政党支持率となっている。新民民は、誤差範囲内ではあるが山本太郎の元号新選組の0.2%にも負けており、N国党にも0.1%で並ばれる惨状を呈していて、これには正直言ってざまあみろと思うが、野党全体としては惨憺たる状況というほかない。
しかし、それなら自民党にすり寄っている維新の政党支持率が上がっているかと思いきや、他の野党以上に支持率を落としているのだ。総理大臣に竹中平蔵と昵懇な菅義偉が就任して政権の新自由主義的な性格が強まったので、これまで維新の新自由主義政策を支持していた人たちの一部が、自民党政権が竹中平蔵的政策を打ち出すなら自民党の方が良いかと、維新離れを起こしたのではないかとも考えられる。
この仮説が当たっているかどうかは、今後の各政党の支持率の推移を見なければわからないが(特に都構想住民投票をテコにした維新の支持率がどのくらい変化するかを見なければならない)、政策を自民側に寄せたような野党(そもそも維新が野党といえるかどうかさえ疑問だが)の限界を示す現象であるように思われる。現に「提案型野党」のあり方を力説する新民民は、元号新選組やN国党と同程度の泡沫政党と化してしまった。