kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

国内の新型コロナウイルス感染症週間新規陽性者数17,708人、死亡者数685人(2021/1/30-2/5)〜 新規陽性者数は3週連続で減少するも、死亡者数は17週連続で増加

 毎週土曜日に公開している日本国内のCOVID-19の新規陽性者数と死亡者数の週報は、今週から昨年10月以降の週ごとの線形グラフと、昨年3月以降の7日間平均値の線形グラフ及び対数グラフの3つを表示することにする。月報では既にこのやり方に変えているが、それに合わせる。また、データはNHK(下記リンク)による。最新のデータに更新しているので、先週以前の記事とは数値が整合しないところがあるが、ご容赦願いたい。

 

www3.nhk.or.jp

 

 まず昨年10月以降、つまり第3波の週ごとのデータを下記グラフに示す。

 

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国内のCOVID-19週間新規陽性者数及び死亡者数(2020/10/3-2021/2/5, NHK

 

 ご覧の通り、新規陽性者数は3週連続で減少したが、死亡者数は17週連続で増加した。1月30日(土)から2月5日(金)までの1週間の新規陽性者数は17,708人(前週比34.3%減)、死亡者数は685人(同11.2%増)だった。死亡者数を新規陽性者数で割った値は3.87%で、前週の2.29%より大幅に上がった。これは死亡者数のピークが新規陽性者数のピークより遅れるためだから仕方ない。この値は昨年5月16日(土)から同22日(金)までの1週間には35%(新規陽性者数242人、死亡者数85人)を記録したこともある。今回も、再来週かその次の週くらいまでは、この「見かけの致死率」がさらに上昇すると思われる。但し、死亡者数自体のピークアウトは、死亡者数/新規陽性者数の比のピークアウトよりは早いはずだ。第1波や第2波のデータから推測して、来週は今週よりも死亡者数が減っても不思議はない。というか、そろそろ減り始める頃のはずだ。しかし死亡者数のピークはなだらかで裾野が広くなる。昨年5月には死亡者数がゆっくりとしか減らないことに苛立った記憶がある。

 第3波全体では、昨年10月1日以降の累計を用いると、致死率は2月5日現在で1.48%だ。しかしこの値も、今後死亡者がまだかなり出るはずだから、最終的には2%前後になっても不思議はない。なお第1波の致死率は5.3〜5.4%、第2波の致死率は0.9〜1.0%だった。第1波からの通算の致死率は2月5日現在で1.56%である。

 やはり夏(第2波)より冬の方が感染しやすい上、感染した場合の致死率も高い。それでも第1波と比べて第3波の致死率がかなり低くなりそうなのは、PCR検査拡充による捕捉率の向上と、治療法の知見が増えたことによって助かる命が増えたためだろう。

 以下に昨年3月1日以降の7日間平均値をプロットした、線形と対数の2種類のグラフを示す。

 

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国内のCOVID-19新規陽性者数及び死亡者数(2020/3/1以降7日間移動平均、線形=NHK

 

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国内のCOVID-19新規陽性者数及び死亡者数(2020/3/1以降7日間移動平均、対数=NHK

 

 第3波の新規陽性者数と死亡者数の状況を実感するには上のグラフの方が良いが、GoTo停止や緊急事態宣言の効果を、緊急事態宣言による制限が厳しかった第1波や、それとは対照的に国は何もせず、自治体が飲食店の深夜営業自粛の要請等をしたにとどまっていた第2波と比較して評価するには、下の対数グラフの方が適している。

 今回の緊急事態宣言や、その少し前のGoToキャンペーン停止だけでは、何もかもの動きを止めたかのような第1波の時ほど新規陽性者数の減り方は大きくないが、国が何もやらなかった第2波の時よりは減り方が大きいことをグラフははっきり示している。そして、菅義偉が感染を拡大させるに任せる時期が長すぎたせいで感染者が増えたためか、グラフのギザギザが小さくなってきている。

 しかし繰り返すが、菅義偉が感染を拡大させるに任せてしまったために、今回のような制限が強くない緊急事態宣言を1か月で解除するのは到底無理だった。今後1か月の延長は止むを得ないし、緊急事態宣言終了後も、現在夜8時以降の飲食店営業休止を10時以降に変更して続けるなどして、ワクチンが普及するまではなんとか感染拡大を防止する手立てをするしかないのではないか。国が何もやらなかった第2波への対応は論外だが、第1波の時だって緊急事態宣言を終わらせるのを急ぎすぎた。しかし江川紹子などは、5月6日だったかに終わらせる当初の予定だった緊急事態宣言の延長にまで反対していた。この頃から「経済を回せ」という圧力が、安倍政権ばかりではなく在野の必ずしも政権べったりとは思われていなかった人たちからも強まっていったのだった。しかしそれは大きな誤りだったことを、その後現在の緊急事態宣言再発出に至る結果が示している。

 そして、グラフを見てつくづく思うのは、菅義偉がもっと早くGoToキャンペーンを中止したり緊急事態宣言を出すなりしていれば、グラフの赤線に示された死亡者たちは死ななくても済んだのではないかということだ。

 このグラフを見るだけでも、緊急事態宣言終了と同時に菅義偉は辞意を表明すべきだという持論の正しさに対する確信がますます強まる今日この頃だ。