kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

NHKによると「江夏の21球」の試合は広島対阪急だったらしい

 今年のプロ野球日本シリーズでスワローズの相手はオリックスバファローズだった。スワローズの8度のシリーズ出場のうち4度が、阪急ブレーブス(1978)、オリックスブルーウェーブ(1995)、近鉄バファローズ(2001)、オリックスバファローズ(2021)だったことになる。スワローズはその全てに勝った。これは絶対に読売には真似できないことだ。読売もオリックスバファローズ以外の3つの時代に対戦しているが、ブルーウェーブには負けた。今後バファローズが名前をブルーウェーブに戻さない限り、読売がスワローズに並ぶことはできない。

 なおスワローズは西武ライオンズに2勝1敗だが、ソフトバンクホークスには1敗で勝ちがない。もっとも日本シリーズソフトバンクを破ったセ・リーグのチームは未だになく、ソフトバンクは2011年から2019年までの9年間でセ・リーグ6球団を総ナメした。そのソフトバンクとのシリーズで1勝しかできなかったのが阪神(2014)、ヤクルト(2015)、広島(2018、1引き分けを含む)だが、唯一勝ち星がないのが読売(2019)で、読売は2020年にもソフトバンクに4タテを食って恥の上塗りをした。なお今年の交流戦でヤクルトはソフトバンクを敵地で3タテしている。ソフトバンク交流戦でも不調だったが、読売と阪神の2球団はそれぞれ本拠地でソフトバンクに1勝2敗だった。あのあたりから今年の運が向いてきた。

 今年はオリックスが優勝したので、YouTubeで1978年の日本シリーズのハイライトなどを見たが、野球中継でセンターカメラからの映像が導入されたのはこの年だったんだなと懐かしく思い出したりもした。

 1978年のシリーズはその経過も今年とどことなく似ていて、ヤクルトが終盤に痛恨の逆転負けを喫した第1戦に始まり、西宮球場での第4戦、第5戦に連勝して、後楽園に戻った第6戦に負けたあと、あの上田監督が79分間抗議を続けた第7戦で決まったが、あの年の7試合から第3戦を除くと、今年と同じ星取りになる。

 当時のプロ野球は「人気のセ、実力のパ」とは言われていたが、プロ野球チームを4球団も擁した関西にあっても、この年球団創設以来初の最下位に落ちた阪神タイガースの人気が圧倒的だった。それは、同じリーグに読売という当時「全国区」などと僭称された球団がいたためだろう。

 パの阪急・近鉄・南海は不人気だった。かつて西鉄ライオンズが強くて日本シリーズで3年続けて読売を破った頃(1956〜58)には、西鉄のライバルにして西鉄以前から強かった南海ホークス阪神以上の人気を誇っていたようだが、読売の9連覇(1965〜73)が始まると、関西のプロ野球人気は阪神に集約されるようになった。それは現在も続いている。私が現在懸念しているのは、山本由伸もいずれ阪神に行ってしまうのではないかということだ。ヤクルトから読売への選手流出と同様、オリックスや広島から阪神への選手流出もろくなものではない。西勇輝も3年目にして馬脚を現した。

 1970年代から80年代にかけては、野村克也放出とともに弱体化した南海に対して阪急が強さを誇り、その阪急に近鉄が挑みかかったが、それでも一般には「3球団まとめて叩き売り」の状態が続いた。サンテレビABCラジオの長年の努力が結実して阪神が読売戦以外でも甲子園球場を満員にできるようになって、かえってパの在阪3球団との人気の格差は広がったともいえる。

 その痕跡は今でも残っている。私は阪神ファンにはならなかったが子どもの頃から江夏豊のファンで、江夏の動画はついつい見てしまうのだが、NHK-BSで12月5日に放送されたらしい「レジェンドの目撃者」でとんでもない画面を見てしまった。それは、あの「江夏の21球」の試合、1979年11月4日の近鉄対広島の日本シリーズ第7戦のスコアボードにつけられた字幕だ。下記にその画像を示す。

 

f:id:kojitaken:20211228100304p:plain

NHK「レジェンドの目撃者 江夏豊」(2021年12月5日放送)より

 

 「広島4 - 阪急3」っていったい何だよ。

 しかもスコアボードには「羽ばたけホークスGO! GO!」なる文字も見える。それは近鉄の本拠地だった藤井寺球場にナイター設備がなかったために、試合が南海の本拠地だった大阪球場で行われたためだ。スコアボードには当然ながら「Bu」(バファローズ)も表示されているから、同じ画面に「Bu」と「阪急」と「ホークス」が揃い踏みしている。

 そういえば今年の日本シリーズ第6戦が行われた神戸市でも下記の一件があった。

 

www.kobe-np.co.jp

 

日本S神戸開催、うれしさから勇み足? 「オリックスブレーブス」の誤植が話題 神戸市交通局「思い込みでした」

 

がけっぷちに立たされたオリックス・バファローズが競り合いを制したプロ野球日本シリーズ第5戦。第6、7戦(11月27、28日)は、オリックスが日本一となった1996年以来となる、ほっともっとフィールド神戸(旧グリーンスタジアム神戸)での開催です。そんな中、神戸市交通局が「オリックスブレーブス」と誤植し、かつてのチーム名が復活してしまう珍事が。これは吉兆かも?

ブレーブスと思い込んで

ほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区)の最寄り駅は、神戸市営地下鉄総合運動公園駅。球場への観客輸送を担う神戸市交通局は、東京ドームで第5戦が始まった11月25日午後6時ごろ、神戸市交通局のホームページに西神・山手線の地下鉄臨時列車増発のお知らせを告知しました。その際、「 『オリックスブレーブスVS東京ヤクルトスワローズ 18時00分試合開始』の終了時間に合わせて、臨時列車(3本)を増発します」 と、チーム名を誤記する痛恨のミス。手に汗握るシーソーゲームが終わった午後10時すぎ、気づいた人からミスを指摘するメールが届きました。

同様のメールが26日朝までに計4件あり、気付いた職員が26日午前8時すぎ、慌てて修正。しかしここでも「ブレーブス」を「バッファローズ」とする“ダブルエラー”。最終的に「バファローズ」と修正したのは午前9時でした。

神戸市交通局によると、担当者が「ブレーブス」と思い込んだのが原因といいます。SNS上では、かつてのオリックス・ブレーブスへの愛情を込めた投稿では?と推測する声もありましたが、「担当者はブレーブス時代を知る世代ですが、特段の思い入れがあったわけではありません」と説明しています。

ブレーブス」はオリックスの前身だった阪急のチーム名で、オリックスに親会社が移ったことで、1989年から1990年までは「オリックス・ブレーブス」、1991年から2004年までは「オリックス・ブルーウェーブ」でした。大阪近鉄バファローズとの球団統合に伴い、2005年からは「オリックス・バファローズ」がチーム名になっています。

神戸市交通局は「バッファローズと間違えたのは、早く直さないという焦りからちゃんと確認していなかったからです」と説明。オリックス中嶋聡監督が「神戸で決めたい気持ちもある」と話していたことを振り返り、「せっかく盛り上がっている日本シリーズに水を差すことになってしまい、申し訳ありません」と話しています。

一夜限りのブレーブスでしたが、黄金期を知るオールドファンには懐かしい気持ちになったのはでないでしょうか。

(まいどなニュース・伊藤 大介)

 

神戸新聞 2021/11/30)

 

出典:https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202111/0014871245.shtml

 

 まあスワローズにとっては、日本シリーズと読売戦に関しては神戸のスタジアムはゲンが良い。日本シリーズはこれで3戦3勝(1995年に2勝)だし、去年は開幕からしばらくした頃に新型コロナ対策として「移動距離を短くする」ために西日本遠征中の読売とヤクルトの日程に合わせて組まれた読売ホームゲームの神戸での3連戦に連勝して(初戦は雨天中止)一時首位に立った。去年はその後読売に8連敗だか9連敗だかを喫しただけに、神戸での連勝の印象が強い。首位に立った2戦目の勝利投手は、日本シリーズ第6戦に先発して5回途中で降板したものの山本由伸を相手に勝ち越し点を許さなかった高梨裕稔だった。高梨は日本ハム時代から神戸の球場とは相性が良かったらしい。日本シリーズ第6戦での球場の極寒は選手にも観客にも気の毒だったが、スワローズに運があった。