kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

西側諸国にロシア文化、例えばチャイコフスキーが排除されるのだと憤って見せたプーチンだが、実際にはウクライナ系の作曲家・チャイコフスキーゆかりの街がロシア軍の攻撃と占拠で破壊された(怒)

 下記記事のコメント欄より。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 sumita-m

チャイコフスキーは実はウクライナ系ですよね。

 

 正直言って知らなかったが、実はそうなのだった。ウクライナの人ではないがウクライナ系の人。下記記事の書き出しに明記されているし、Wikipediaにも載っている周知のことらしい。

 

mcsya.org

 

 そして、上記記事のタイトルにもある通り、「チャイコフスキーゆかりの街が攻撃と占拠で破壊され」たのだった。冒頭にリンクした弊ブログにいただいた新しいコメントを以下に紹介する。

 

 maturi

https://twitter.com/chat_noir33/status/1512098300471967751

One of Russia’s most famous composers
Tchaikovsky’s house destroyed by Russian army in north-east Ukraine


西側諸国にロシア文化、例えばチャイコフスキーが排除されるのだと憤って見せても、実際ゆかりの土地や施設を大切にする気はまるでない。(例えば占領後に偉大なロシア文化をアピールするためにそこだけ破壊しないで残そうという選択肢もあり得たにも関わらず)

 

 昨年、つまりウクライナ戦争より前に公開された記事によると、プーチンチャイコフスキーを筆頭として西洋のクラシック音楽が大好きだという。

 

jp.rbth.com

 

 しかし、プーチンがもっとも好むクラシック音楽は、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番とモーツァルト交響曲第40番であり、いずれもクラシック音楽の入門次によく聴かれる曲であって、後者は本当の大名曲の一つではあるものの、モーツァルティアンたちが「モーツァルトから1曲選べ」と言われて挙げる曲ではない。ましてやチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は派手ではあるが内容の深さを欠く、作曲者の比較的初期の作品だ。

 やはりプーチンは音楽に造詣が深いとは全く言いかねる。そんなプーチンが「西側諸国にロシア文化、例えばチャイコフスキーが排除されるのだと憤って見せ」たところで、ロシア軍は実際に「チャイコフスキーゆかりの街を破壊」しているのである。前掲リンクの「MCA Young Artists」の記事を以下に引用する。

 

チャイコフスキーゆかりの街がロシアの攻撃と占拠で破壊される

 

チャイコフスキーはどこの作曲家ですか、ロシアです。しかしウクライナに祖先を持つということは覚えておいてよいでしょう。キエフの音楽院に「チャイコフスキー記念」という名前が冠されているのはそのためです。

 

チャイコフスキーの祖先はウクライナのコサック(軍人さん)でした。なおチャイコフスキーという名字の意味は、「チャイカの息子」とかそういう意味であり、チャイカという名字はウクライナによくあり「カモメ」を意味します。ピョートル・カモメの子さんであります。そう、リアル「わたしはカモメ」なのだ!

 

なに!!テレシコワさんか!!

 

「わたしはカモメ」と発言したことで知られる女性初の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワさんがまだご存命どころか現役の議員さんであることをご存知の方はさほど多くはありますまい。子供の頃私は世界偉人伝とかそういうのを読んで、自分のことをカモメと表現するとかすごくロマンチックだなと感動したんですが、実のところはコードネームが「カモメ」(チャイカ)だっただけです。「わたしはカモメ」ではなく「こちらカモメ」的な意味らしい・・・ガーン。もし左の一文があなたの長年の夢も壊したのだとしたら、ごめんなさい。

 

さて、チャイコフスキーは自分自身の出自がウクライナにあることを意識していたし、ウクライナを愛した事も知られています。

 

ハリコフから左上におよそ100km行ったところに、チャイコフスキーが「マイホーム」とまで呼んだ街、トロシュチャネツ(現在の人口2万人)があります。

 

チャイコフスキーがここに滞在したのは24歳のとき、友人のアレクセイ・ガリツィン公(ベートーヴェンに作品を委嘱した人物とは別人です。親族かもしれませんけど)の家に滞在し、ここで最初の本格的な管弦楽作品、序曲《嵐》(《雷雨》とも)を作曲しました。作品番号が76となっており、交響曲6番《悲愴》の74よりも後の数字なのは、この曲が死後になって出版されたからです。生前には演奏されなかったそうです。

 

そんなチャイコフスキーにゆかりのある街トロシュチャネツがロシア軍によってめちゃくちゃに破壊されました。1ヶ月にわたり激しい戦いが行われ、326日にウクライナが奪還。ディアパソン誌によれば、チャイコフスキーが滞在した家も一部が破壊されたが、別館というか、離れが壊れただけで済んだのだそうです。

 

https://www.diapasonmag.fr/a-la-une/une-ville-ou-a-sejourne-tchaikovski-detruite-par-larmee-russe-25222.html

 

上の動画でインタビューを受けている住人によると「すべては再建される」とのこと。力強いウクライナに栄光を。

 

(MCA Young Artists 2022年4月6日)

 

出典:https://mcsya.org/trostyanets-destroyed-by-russian-army/

 

 同情を引こうとしてプーチンが発する言葉に耳を傾ける必要などない。ロシアの文化や芸術を排除すること自体は確かに愚行ではあるが、チャイコフスキーゆかりの街を阿破壊させた張本人であるプーチンがそれを批判する言葉を発した時には「お前が言うな」の一語で片付けなければならない。