kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

泉健太の立憲民主党が支持されない理由とは

 下記記事にいただいたコメントに関して私の意見を述べる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 suterakuso

昨日の記事についてのコメントで失礼します。泉でなぜ負けたのかについては、基本的に6月に立民の公約が発表された時にブコメに書いたことがやはり当たっていると思います。

立憲、安全保障強調の公約発表 衆院選敗北受け路線転換図る:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASQ636718Q63UTFK012.html

>素人目に恐ろしくセンスなさすぎ。物価:民主党政権スティグマを舐めすぎ。教育:有権者の最大の関心は「年金などの社会保障」。「柱」ならまずそっち。安保:届かないものに手を伸ばして手元のものを捨てるかよ?

物価については、やまもと党や参政党や民民などの「第三極」の小政党を利し、社会保障や安保については、「反自民」では維新を利し、それだけでなく自民も利したのではないかと思います。維新、自民を利したことに関しては、自ら世論のボリュームをそちら側にずらしていったということだと思います。野党共闘の失敗や、物価での悪手以上に、この道はジリ貧でしかなく、さらにはそれは社会への害悪でしかないという点で、こちらこそが泉が即刻後退させられなければならない理由だと思います。

ところで、私は笹川とのつながりから日本財団の息がかかった人を眉唾で見ざるをえないと考えていますが、次のようなツイートもありました。

https://twitter.com/hayakawa2600/status/1549783369877032960?cxt=HHwWgMCghfHw94ErAAAA
>早川タダノリ
@hayakawa2600
報ステの大越キャスター(元NHK)が国際勝共連合の名誉会長が設立した財団のアドバイザーだと判明」って、「名誉会長」=笹川良一、「財団」=日本財団なので、旧統一協会とつなげるのかなり無理筋。ほとんど釣りだろこれ。こんなのにのっかっるのはバカにされるのでやめたほうがいいよ
午前0:48 · 2022年7月21日·Twitter Web App<

https://twitter.com/hayakawa2600/status/1549973469336842240?cxt=HHwWgMDRsZCqzoIrAAAA
>早川タダノリ
@hayakawa2600
笹川良一勝共連合の初代会長」とか「勝共連合の構成員は信者」などのモメントは「事実」ですが、それをつないで醸し出されるストーリーは非常にうさんくさいもので、いわゆる「ハーフトルース」の手法が元記事には使われています。〈無関係とはいえない〉〈明らかに不自然〉はファクトでしょうか?
引用ツイート
>>ケン
@taitai19870201
· 23時間
返信先: @hayakawa2600さん
無関係とは言えない。勝共連合を組成し反共思想をリードするフィクサーの一人が笹川氏。ファクトとして多くの資料がある。

勝共連合は今でも議員会館で活動をしており構成員は信者。

思想的な影響は残ると考える方が自然でしょう。

大越さん明らかに不自然でしたけどね。それがファクトかな。<<
午後1:24 · 2022年7月21日·Twitter Web App<

あと、「こたつぬこ」からも同様の指摘があるのですが、時間がなくなってしまいました…。

どうなんでしょうか?

 

 まずコメントの前半について。泉健太立憲民主党が歴史的大惨敗に終わったのは、現象としては無党派層の心を全然つかめなかったばかりか基礎票も逃がしてしまったことが観察されていますが、その理由としては、仰るような政策の問題よりもむしろ、今のこの国に蔓延している閉塞感を泉の立民が「破ってくれそうな期待」をほとんど抱かせなかったことにあると思います。この国では、有権者は政策よりも(山本七平の用語だから嫌いなのですが)「空気」で動くので、政策的には全政党の中でももっとも有害な維新が、勢いを落としたとはいえ今回も議席を伸ばしました。考える手がかりになるのは、2017年の旧立民発足直後に行われた衆院選で、立民が維新支持層からかなりの票を奪い、それがあの選挙での維新退潮の大きな原因になったことです。その直前にあった「希望の党騒動」は野党内での権力闘争の結果生まれたものであり、それは市井の人々にはかかわることができないものなので、その権力闘争で「排除」された人たちが立ち上げた立民が「草の根」「ボトムアップ」などと言ったことで期待が集まったものだと思います。つまり、有権者の多くは「○○してくれそうな」人たちに依存するという受け身の姿勢が強くて、それはsuterakusoさんが繰り返し指摘されている通り日々の生活に余裕がないことが大きな理由ですが、それでも「政治に参加したい」というごく自然な欲求は当然ながら持っているわけで、それで立民が期待されたわけです。でも結局肝心な「草の根」「ボトムアップ」が実現しなかったことが立民の勢いが止まった最大の理由であり、その立民で「巧みな権力工作」で代表になった、つまり外へのアピールよりも党内での工作に長けた泉が支持されないのは当たり前だと思うのです。

 今回の参院選での「陰謀論御三家」のうち、もっとも伸びたのは極右の参政党ですが、ここは極右だから伸びたのではなく、党名に掲げている通り「自分も参加できそうな」政党であるとの幻想を振りまくPR作戦が功を奏したものです。2019年に×××新選組が伸びたのも同じ理由によりますが、新選組は一昨年のコロナ禍の始まりあたりから、独裁党首のわがままが目立つようになり、「本当に参加できそうな政党ではないな」と思わせたところから、今回3議席は得たものの勢いが止まったものでしょう。そしてこれらの政党(2017年の立民、2019年の新選組、2022年の参政党)が一時躍進したのと同じ機構をもっともうまく利用して(彼らにとっては)「成功」したのが維新でしょう。維新とは、あれだけトンデモな政党であるにもかかわらず、「閉塞感を打ち破ってくれそうな政党」というイメージが、特に大阪を中心とする関西ではすっかり定着してしまっています。大阪人の反骨精神を維新が回収してしまったというわけです。2017年の旧立民の躍進は、「本当はトンデモな維新から『立憲野党』が票を奪い返す」絶好の後期だったわけですが、肝心の立民党内や立民支持層の間に「決められる政治」志向ともいうべきものが強すぎて、枝野幸男が心ならずも(だと推測しています)自らの個人商店みたいな政党にしてしまったところに伸びが止まった最大の原因があり、この課題を解決しない限り立民が再浮上することはないでしょう。

 なお、立民と民民など「分かれるものは分かれてしまった方が良い」という違憲が根強くありますが、それだと小選挙区制で勝てないという根本的な問題が残ります。共産党もそれを直視せざるを得なくなったから2015年に野党共闘に踏み切ったものだと思いますが、立民の泉が内向きであるよりももっと極端に共産党も内向きになってしまっているので、いただいたコメントの末尾に名前が出ているこたつぬこ(木下ちがや)氏、氏は明らかに元来共産党系の人ですが、その氏に下記のツイートを発信されてしまう現状です。

 

 

 非自公の政党の支持率を高い順に並べると、維新4.5%、立民4.1%、民民1.9%、新選1.6%、共産1.3%、参政1.3%、社民0.5%、N党0.2%になります。そういえば、参政党にも得票率の低い政党の支持者がなどと某暴犬に嘲笑されましたが、その某暴犬が熱烈に信奉する(奴の思想信条は共産党よりも新選組の方がはるかに近いと私は思うのですが)共産党も、誤差範囲とはいえ政党支持率新選組に負け、参政党に肩を並べられているわけです。もちろん立民の4.1%というのも惨憺たる数字で、共産も立民もともに「刷新しないとどえらいことになる」危機にあるといえます。しかし泉からも志位からもその危機感が全然感じられません。

 本当はいただいたコメントの後半部について熱く論じたかったのですが(ちなみに結論を予め書いておくと、私は早川タダノリ氏の指摘を買う立場です)、ここまでで長くなってしまいましたので別記事に回します。そちらが本来記事を書こうと思った動機になったものです。