kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

【甲子園】開幕2試合連続でクーリングタイム直後、選手に異変(スポーツ報知)

 昨年のプロ野球日本シリーズ第1戦でオリックスのエース・山本由伸が4回4失点で降板し、その後第7戦まで戦ってオリックスは日本一になったけれども、山本の二度目の登板はなかった。

 その山本の故障について、シリーズが第5戦を終えたあとのタイミングで公開した記事の末尾に、下記の文章を書いた。

 

そういえば夏の甲子園高校野球だが、あれは今後気候変動が今よりさらに激しくなったら、もう開催が不可能になる可能性が高まってきたのではないか。

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2022/10/29/102756

 

 その可能性がますます強まったことを感じさせる出来事が、当の「甲子園の高校野球」であったようだ。

 

news.yahoo.co.jp

 

 以下引用する。

 

【甲子園】開幕2試合連続でクーリングタイム直後、選手に異変 当事者の証言「休み過ぎてしまって。涼しい場所にいすぎたので、それが逆に」

8/6(日) 18:34配信

 

 第105回全国高校野球選手権記念大会が6日、甲子園で開幕した。今大会から5回終了後に暑さ対策でクーリングタイムを実施。10分間、ベンチ裏のスペースで水分補給など体調を整えた。だが偶然にも開幕から2試合連続でクーリングタイム直後に変調をきたす選手が出た。

 

 第1試合では6回に上田西の打者・黒岩大都中堅手(3年)が三塁ゴロで一塁を越えたところで、膝を抱えて倒れた。同じ回で土浦日大中堅手・香取蒼太(3年)が右飛のカバーに入るところで倒れこんだ。

 

 第2試合でも聖光学院の先発したエース左腕・小室朱生(3年)が6回1死、左足のふくらはぎとハムストリングスがつり、交代した。

 

 小室は「クーリングタイムのときにちょっと休み過ぎてしまって。涼しい場所にいすぎたので、それが逆にちょっと。ストレッチとかもできなくて。その影響はあったかなと思います」と話した。

 

(スポーツ報知より)

 

URL: https://news.yahoo.co.jp/articles/22d2416341981b88a18609fae2eecaf6cd9b1a7c

 

 ただでさえ「真夏の甲子園」はナンセンスだとの指摘が多いし、私もその通りだと思うが、それに加えて今年の猛暑は異常だ。特にここ数日は、台風の動きが遅く、いつまでも沖縄付近に居座っているために、高温多湿の異常な気候が続いている。そんな中で「クーリングタイム」を実施したところで「焼け石に水」どころか逆効果になっていることをよく示す事例だといえる。

 上記はYahoo! JAPANに配信された記事だが、ヤフコメの筆頭に表示されているのはスポーツライター・大島和人氏の下記コメントだ。

 

同じように夏場の屋外で開催されているサッカーの高校総体、クラブユース選手権などを取材していた限りにおいて選手が「足をつる」ケースはほとんど見ませんでした。走行距離の短い野球でなぜそういう現象が起こるのだろう?と不思議に思っていました。

 

鍛えられた選手の集まる全国大会で、クーリングタイム後に「足をつる」選手が立て続けに出るのは、おそらく再現性のある現象でしょう。振り返ると空調の効いた東京ドームで開催された都市対抗野球大会でも、プロ注目の有力選手が足をつっていました。つまり「暑さだけ」が理由ではないのでしょう。

 

「そもそも夏場の屋外で競技大会を開く是非」をまず問うべきという意見も出るでしょう。とはいえそれが医科学的にどういうメカニズムで、どういう対処が可能なのかがしっかり研究され、選手が悔いなく全力を尽くせる環境の整備が進んでほしいと願っています。

 

URL: https://news.yahoo.co.jp/profile/commentator/oshimakazuto/comments/a2a4d212-e007-4175-9478-3a69e1aa7b64

 

 大島氏はこのように書くが、「足がつる」現象は野球よりも走行距離が長いサッカーでおなじみの現象だろう。その原因が水分不足、ミネラル不足および筋肉疲労からくることも周知だ。

 野球で痙攣を起こしまくっているのはMLB大谷翔平で、彼はここ最近本塁打を打った3試合ですべてどこかの筋肉を痙攣させているが(但しその3試合目は指の痙攣で投手として降板したあと指名打者としてホームランを打った)、おそらく水分やミネラルの補給に関しては鬼のように管理しているであろう大谷の場合は、彼自身が口にした通り筋肉疲労が原因だろう。

 しかし今回の高校野球の場合はおそらく水分やミネラルが不足しているところに、下手に「クーリングタイム」を導入して体に温度や運動量の急激な変化という刺激を与えたことが「足がつった」原因なのではないか。

 これは、そもそもの原因である「夏場の屋外で、しかも日本でも有数の高温多湿地域である瀬戸内海の炎天下で競技大会を行う」ことに問題があるとしかいいようがない。

 それでも気候変動によって地球温暖化が進む以前にはまだなんとか開催できたが、現在の調子で温暖化が進めば、遠くない将来に「甲子園の高校野球」の開催を継続するか否かが問われることになるのは不可避だろう。

 私は、高校野球は毎週の週末に各地の球場でたとえば4月から9月までなどの長期間をかけて行い、期間の後半、つまり7〜9月には東京ドームで行う全国大会にすれば良いと思う。その間、読売球団がホームゲームを週末に開催するときには全国をドサ回りでもしてもられば良い。

 それはともかく、気候変動(地球温暖化)の脅威はもうここまできたということだ。

 なお、大谷翔平に言及したことで思い出したが、温室効果ガスを多く排出するのは富裕層が圧倒的に多いことはよく知られており、ことにヨーロッパなどでは問題視されている。彼らの間では「飛び恥」という言葉も生まれた。以下NHK千葉放送局のサイトより。

 

www.nhk.or.jp

 

 以下に、冒頭部分のみ引用する。

 

「ヨーロッパの意識の高い人たちの間では、『飛び恥(=Flight Shame)』という言葉まで生まれているんです」―。

 

航空業界の脱炭素に向けた取り組みを取材する中で、日本の大手航空会社の担当者から聞いた言葉だ。

「飛び恥」とは、気候変動を食い止めるため世界で脱炭素の取り組みが待ったなしの中、鉄道などに比べ二酸化炭素の排出量が多い航空機に乗るのは恥ずかしい、という意味。

毎日、成田空港の中にある支局の窓から、滑走路を行き交うたくさんの航空機を目にしている私にとって、こんな言葉が生まれているのはにわかには信じがたく、初めて聞いたときは、「極端な言葉だな」と思った。

でも取材を進めると、いまや、そんな世界の人々の意識を背景に、航空機の脱炭素の切り札とされる「SAF」という新しいジェット燃料が生まれ、その原料をめぐって日本を含む世界各国で争奪戦が起きていた。

争奪戦の出発点となっている環境意識の高い現場を見て、その熱を確かめてみたい。
私は、「クローズアップ現代」の取材チームに加わり、環境先進国ドイツに飛ぶことにした。

(成田支局記者 佐々木風人)

 

URL: https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/article/009/28/

 

 一方、日本やアメリカでは気候変動(地球温暖化)への関心が低いか、両国の保守層に至っては積極的に敵視までしている。安倍晋三政権は狡猾にも気候変動問題に徹底してスルーを決めこんだ。その効果があってか、もともとこの問題への関心が低かった日本では、安倍が長期間政権を維持した2010年代にますます関心が低下した。

 だから、今年の野球のWBCワールド・ベースボール・クラシック)でMLB大谷翔平ダルビッシュ有が「プライベートジェット」でアメリカと日本の間の移動を行い、それを志葉玲氏が「飛び恥」として批判した時、志葉氏に対する感情的な大バッシングが起きた。

 当時の志葉氏の記事はまだリンクが生きている。

 

news.yahoo.co.jp

 

 記事には、志葉氏が当時発した下記のツイート(現「X」)が埋め込まれている。

 

 

 

 ワースト1位のテイラー・スウィフトは33歳のシンガーソングライターだが、4位のA-RODはアレックス・ロドリゲスという、テキサス・レンジャーズから極悪球団ニューヨーク・ヤンキーズに移籍した48歳の元メジャーリーガーだ。A-RODがヤンキーズ入りした2004年にヤンキーズボストン・レッドソックスとのプレーオフで、今もMLB史上唯一の3連勝後の4連敗を喫して、レッドソックスの「バンビーノの呪い」を解くきっかけを作ったことは痛快だった。現在はそのヤンキーズ自体が2010年以来の「ゴジラの呪い」にはまりつつある。A-RODは2016年までヤンキーズに在籍して、そのまま他球団には移らずに引退した。

 以下、志葉氏の記事の後半を引用する。

 

 特に欧州では、プライベートジェットに対する抗議行動も行われ、例えば、環境団体「絶滅への反逆」は、2019年にスイス・ジュネーブ空港のプライベートジェット専用ターミナルの封鎖を行うなどの抗議を行っている。2021年11月にイギリス・グラスゴーで開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)では当時のボリス・ジョンソン首相がプライベートジェットを使ったことを、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが批判。また、今年1月には、各国の政財界のリーダー達が世界的な課題を協議する世界経済フォーラムでは、温暖化対策も重要テーマとされていたにもかかわらず、参加した政治家や企業トップらがプライベートジェットを使ったことが、メディアや環境団体等から批判された。

 

〇航空機からのCO2排出削減のために

 

 こうした中で、プライベートジェットを規制しようという動きもある。フランスでは、プライベートジェットに対する課税が検討され、EU内でもプライベートジェット利用の抑制が議論されている。なお、筆者が国土交通省に問い合わせたところ、日本では今のところ、プライベートジェットに特化した取り組みは検討されていないとのことである。

 

 飛行機によるCO2排出に関しては、日本も含む各国で、バイオ燃料や水素等、CO2排出を相殺、あるいは排出量が限りなく少ない燃料を使っていく方向での対策の研究開発が進んでいる。中長期的には、飛行機が「エコな乗り物」となることも、あり得なくはないのかもしれない。だが、それまではなるべく無用な利用を避け、列車などの、より環境負荷の少ない交通手段を使うべきだろう。

 

 また、どうしても飛行機を使わざるを得ないという場合、カーボンオフセットを行うことも重要だ。つまり、排出してしまった温室効果ガス量に見合った排出削減活動(植林や再エネ普及など)に投資すること等で埋め合わせすること。筆者も、今年2月にウクライナ現地取材を行った際、飛行機を利用したが、その分のCO2をカーボンオフセットした。例えば、JALは飛行距離に応じてカーボンオフセットするサービスを行っており(関連情報)、非常に簡単にできるので飛行機に乗った際には、こうしたサービスを利用するとよいだろう。

 

〇スター選手は社会の模範に

 

 恐らく、大谷選手やダルビッシュ選手はプライベートジェットの環境負荷の大きさやカーボンオフセットについて、あまり知らなかったのではと推察するが、報道関係者らは、この種の質問もするべきだろう。実際、フランスではワールドカップ代表として活躍したキリアン・エムバペ選手も、プライベートジェット利用で記者達から追及を受けた(関連報道)。日本全体ではCO2排出量から比べれば、大谷選手が今回1回だけプライベートジェット(以下、PJ)を利用しただけなら、その排出量は微々たるものではあるのだが、欧米では著名人のPJ利用が批判される中、日本では大谷選手のPJ利用に「流石」「凄い」と称賛までする報道もあったので、あえて本記事で指摘した。東京オリンピックやワールドカップの際もそうであったが、日本のメディアでは、「スポーツと政治、社会、環境問題等は別」という風潮があるものの、多くの人々の注目を浴びるスター選手だからこそ、社会の模範となる行動をしてもらいたいものであるし、報道関係者らがスポーツの熱狂で思考停止することは職務放棄ではないか。近年、毎年の様に起きている豪雨被害など、異常気象による災害と地球温暖化進行の関係について、気象庁も具体的に言及するようになった中で、スター選手や報道関係者の意識も問われている。

 

URL: https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e7192014d26ae52ec9122b473955d215285a6af0

 

 飼い慣らされた「ニッポンジン」の醜態には呆れるほかないが、反政権側を見ても気候変動への関心は薄い。それどころか、2011〜12年には飯田哲也(てつなり)が維新にすり寄って大阪府市の顧問だかに就任した「大恥」もあった。飯田はその後小沢一郎一派に接近し「日本未来の党」に参加して2012年の衆院選に出馬したが、小沢自身が「私の意見は橋下市長と同じ」と口癖のように言っていた人間だから、そこは整合性がとれている。飯田は衆院選の公示日に比例中国ブロックの名簿登載順位をめぐって元からの小沢一派の連中と「内ゲバ」をやらかす醜態を演じたが、結局彼らはほぼ全滅し、未来の党はもともと得票力を持っていた9候補が当選するだけの惨敗に終わった。

 そういえばその流れを汲む元号新選組も脱炭素には不熱心だよなあと思うが、一応2021年に脱原発と脱炭素を両立させる公約を掲げてはいた。

 

reiwa-shinsengumi.com

 

 以下引用する。

 

例年深刻化する気候変動にまともな対処をせず、「脱炭素」を言い訳に、 老朽原発の再稼働を地震国日本で推し進めるような不真面目な政治が引き起こす、人類存続の危機。これに対し、「脱原発グリーン・ニューディール」が必要。

 

原発を即時に禁止し、石炭火力発電を2030年までに廃止。省エネルギーと合わせてソーラーシェアリングや地域分散型の風力、小水力などを主軸とした自然エネルギー100%の社会を2050年までに実現することをめざします。

 

同時に25年以上のデフレや、格差・貧困の深刻化、労働環境の破壊、医療・福祉制度の弱体化、地方経済の衰退といった、日本が抱える様々な経済問題の解決を、圧倒的な財政支出と民間投資によって実現します。

 

URL: https://reiwa-shinsengumi.com/reiwa_newdeal/keiki/green/

 

 結構な公約ではあるが、組長の山本太郎は「当面は化石燃料で構わないじゃないか」みたいな口ぶりでコメントしたことがあるし、かつて一丁目一番地だったはずの「脱原発」に対してさえも、小沢と同じ自由党に在籍していた頃には党の同僚だった電力総連系議員に対して融和的なコメントも発していた。そんな山本からは「本気度」は全く感じられない。また、最後の段落で「圧倒的な財政支出」と謳いながら、その実やっていることは「減税真理教」を布教しているも同然だ。

 この「減税真理教」は日本維新の会の教義でもある。その維新は、大阪万博に対する政府の財政支出をおねだりしたり、万博の会場設営のために労働者の残業規制を撤廃することを容認ないし要求するなど「人民の敵」の極致ともいえるが、「身を切る改革」という自身の新自由主義の建前すらも党の利益のためなら平気で反故にする政党だ。この両党が「組」だの「会」だのという、昔のネットスラングでいう「ホニャララ団」のような党名を名乗っていることは暗示的だ。しかも片方は元号、もう一方は「維新」なる反動的な名前を自ら名乗っている。

 この両党が次の衆院選では躍進するだろうといわれているのだからどうしようもない。