kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

アッパーミドルの労働者に対して、このたび自民党が発した「黙っていれば『安心』はさせてやる」とでも言うようなメッセージはとても恐ろしい (匿名意見さん)

 今回もコメントの紹介から始める。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 匿名意見

(前略)ブログ主さんの最新記事ではパナ組合の方の総理補佐官就任がとりあげられ、自民党が大企業正社員層の取り込みに成功すれば、それ以下の階級との間に巨大な断層ができるだろうという指摘があります。
こうして明確に示されると極めてショッキングな事態が進行しつつあるのだと思わずにはいられません。
自分に権力はありませんが、おそらくアッパーミドル層の下の方には居て、大過なく過ごせば今のところは老後も「安心」できる見通しが立つ労働者です。
こうした立場にいる労働者に対して、このたび自民党が発した「黙っていれば『安心』はさせてやる」とでも言うようなメッセージはとても恐ろしいもののように感じます。
先が見えない世の中ですから、まずは自分が生きるぶんのお金を確保して、愚かな世襲貴族にも目をつむって跪けば、辛い競争に晒されることなく庇護を受けた人生を歩むことができるとでも思わせるような、極めて危険な甘い誘惑だと感じます。
このような誘惑に抗いながら、自由に、そして次世代に対する責任をもって生きるには、明確な理念と、信頼できる仲間がどうしても必要です。小学校でも教えられる幼稚なことのように思われるかもしれませんが、泉氏には理念がなく、信頼できる仲間だとも思えません。他方、志位氏の「理念」とは何なのか、共産党の辞書に「仲間」という言葉はあるのか、ふたつながら不明です。
一定以上の規模をもつ野党にはインサイドワークも必要なのでしょう。しかし、自民がここまでの手を繰り出してきたのなら、野党はもう誰に何と言われようが徹底的に青臭く戦うしかないのではないでしょうか。
今回、自民が繰り出した手は、一度限りの持続的でないものかもしれません。ただ、日本は国家社会主義的な伝統もある国です。「自民で良いんじゃないか」という強い気持ちを、これまでよりも多くの人々に呼び起こす強力な一手だと思います。
戦術的にも、立民は変わらなければならない時期が来たと言えるのではないでしょうか。
権力に寄り添いながら富を確保する道を歩んできた労組は、労働者の味方であることを完全にやめることになるかもしれません。「自民」になれるのですから。でも、そのことで完全に消滅するのかもしれません。自民じゃないんですから。

 

 アッパーミドルの労働者に対して、自民党岸田文雄政権が発した「黙っていれば『安心』はさせてやる」とでも言うようなメッセージはとても恐ろしい、というのは本当にその通りだと思います。

 私が見る限り、団塊世代のアッパーミドルにはまだ自民党には靡かないという矜持がありました。民主党政権時代(2009〜12年)には当時の民主党内権力構想について、小沢派と反小沢派の人たちが口喧嘩をやっていたのも耳にしたことがあります。当時ネットでオザシンと反オザシンがやり合っていた論争と似たようなものです。中には自民党支持者もいて黙っていただけかもしれませんが、学生運動華やかなりし頃に学生生活を送った彼らの多くは自民党に靡きませんでした。自民党エスタブリッシュメントのための政党だと正しく認識していた(あるいは割り切って考えていた)ためだろうと私は推測しています。

 ところがそれより下の世代になると怪しくなります。年代が下がるにつれて自民党支持が増えます。私の世代なんかはもう相当に怪しくて、中学や高校の頃から、そして大学でも自民党支持者が結構いました。それが私よりさらに下の現在30〜50代になると、おそらくこのあたりがもっとも反動的な世代であって、日本維新の会はこの世代の支持に支えられています。彼らが現在の社会の中核をなしており、マスメディアの論調も彼らが支配しているのでしょう。だから現在の日本では反動的な方向への同調圧力がきわめて大きくかかり、それが私が批判してやまない立民・共産支持層の組織防衛志向の大きな原因になっていると思います。

 しかし、匿名意見さんも仰る通り、現在の立民・泉健太代表は「理念がなく、信頼できる仲間だとも思えません」し、共産党についてもも「志位氏の『理念』とは何なのか、共産党の辞書に『仲間』という言葉はあるのか、ふたつながら不明です」。

 泉健太について、彼が立民代表選に勝ってブルーリボンバッジを誇示するかのように着用しているのを見た時、私は「この人は『確信せる右翼』か」と思いましたし、昨年「維新八策」を「大部分協調できる」と「評価」した時には「どうしようもない新自由主義者だな」と思いました。しかしその後の姿を見ていると、理念も何もなくただ「流れに乗ろうとしているだけの人」にしか思えなくなりました。彼の出発点は日本社会党を応援する北海道のリベラル派学生だったそうなので、誰かさんが力説する通り「根は(というか心情的には)枝野幸男よりリベラル」だった可能性もありますが、いかんせん強い理念もなければ大局観もない人なので、メディアの論調等に影響されて漂流しているだけに見えます。特に彼は自分と同世代の人たちの主流に強い影響を受けているのではないかとも推測されます。こんな人が野党第一党の党首に適格だとは私には思えません。

 また志位和夫については、2021年の衆院選に負けた責任を認めなかった頃から暴走を始めたように見えます。彼は自らが敬愛するソ連の大作曲家・ショスタコーヴィチと似たところがあって、ショスタコが書いたのは「面従腹背」の音楽で、現在ではその「腹背」の面が評価されていますが、生き延びるためには何でもやった「面従」の側面は音楽にも反映されていて、時にものすごく暴力的になるのがショスタコーヴィチの音楽の特徴の一つです。2021年秋以降の志位和夫にもそうした面が強く現れるようになったように思います。

 最近はXからアカウントを持たない人間がXから疎外(排除)されているのでので、ネット検索の手間を余計にかけなければXのポストにアクセスできなくなりましたが、共産党パワハラ問題を訴え続けている田平まゆみ氏が下記のXをポストしていました。

 

 

 下記は上記ポストから張られたリンク。

 

www.jcp.or.jp

 

質問への回答

 

 田平まゆみ氏(前富田林市議)から、富田林市議選(2023年4月)の対応について、質問が寄せられました。

 党中央が、「検討すべき問題があると判断」し、「現地党機関に方針の是正を提起した内容」の回答を掲載します。

2023年9月20日 日本共産党中央委員会書記局

 

田平まゆみ 様

2023年8月29日 日本共産党中央委員会書記局

 

 田平さんからの志位和夫委員長宛「文書回答を求める質問書」への回答が遅れたことに対してお詫びいたします。

 この間、党中央・常任幹部会として富田林市議選の対応について調査・検討してきました。

 そのうえに立って回答いたします。

(1) 調査の結果、富田林市議選の対応には検討すべき問題があると判断しました。
 その中心的内容は、大きくいって次の点です。

 ひとつは、岡田英樹氏が自らの行為である田平さんへのハラスメントについてどういう態度をとったかということです。

 岡田氏による田平さんへのハラスメントはあった――これは、本年2月27日に大阪府常任委員会が田平さんに回答したとおり明確です。岡田氏もハラスメントを認めて田平さんに謝罪しました。しかし、田平さんへのハラスメントをいったんは認めた岡田氏は、離党し無所属立候補に向けて態度を翻し「パワハラは虚偽」と言い出しました。これは、岡田氏が田平氏へのハラスメントを反省していないことを如実に示すものです。

 ふたつは、こうした岡田氏に対して、府・地区委員会が「地区委員の解任」「警告処分」「離党を認める」という態度をとり、岡田氏の離党・無所属立候補の道を開いたことです。岡田氏への対応は、ハラスメント行為をおこなったうえ、離党表明している以上、党規約に照らしてもっと厳しい対応が求められたと考えています。しかも、選挙戦では、「岡田さんを支援する党員を止めないし、処分もしない」という方針がとられたことです。

 これは、ハラスメントを反省していない岡田氏に対して、党規約を踏まえた原則的な対応をせずに離党・無所属立候補に道を開いたという点で、党の方針に照らしてまったく間違ったものでした。

 さらに、こうした一連の問題に現地で活動していた中央の関係者が関わったことも誤りでした。

(2)こうしたことから党中央・常任幹部会は、大阪府常任委員会、河南地区常任委員会に誤りを指摘し、方針の是正を提起しました。この提起を受け、大阪府常任委員会、河南地区常任委員会は、市議選対応を自己検討し反省を明らかにして方針の是正に努力しているところです。

 党中央としても、誤った対応に中央の関係者がかかわったことを深く反省しています。

 

今回の問題の根本には、ハラスメント問題に対する認識の甘さがあると考えています。

 わが党は、第28回党大会でジェンダー平等について議論して党綱領に位置づけました。それと深くかかわって、「第28回党大会・第2決議」で「市民道徳と社会的道義を守ることを規約で掲げている党として、その努力をいっそう強め、個人の尊厳とジェンダー平等などの社会的・国際的到達点を学び、あらゆるハラスメントを根絶する」ことを決めました。今年6月の第8回中央委員会総会では、「ジェンダー平等、ハラスメント根絶を党活動のなかでも重視する」「ハラスメントが起こったときには、事実と党規約にもとづいて、真摯に解決に向き合うことが求められます」と決定しました。

 この立場で、努力を続ける決意です。

 

URL: https://www.jcp.or.jp/web_jcp/2023/09/post-141.html

 

 以下は「ですます」調をやめて常体で書く。

 田平氏の辛抱強い訴えに、ようやく共産党中央も重い腰を上げたようだ。「誤った対応に中央の関係者がかかわった」ことを共産党中央がようやく認めた。

 しかしここまでくるのにずいぶん長い時間がかかった。田平氏自身もいつだったかツイート(当時)していたように、時間がとれない党員だったらこうはいかなかったに違いない。

 自民党の岸田政権がやろうとしているのは、シュリンクし始めてからかなりの時が経った現在の日本社会において、「自民党に付き従えばお前らにも椅子取りゲームの椅子を確保してやるぞ」とアッパーミドル層に言っているに等しい。

 そんな社会なのに、政党が党員を理不尽に排除しかねない体質を露呈してどうすると思う。

 然るに共産党支持層には支持政党に忠誠を捧げることばかりに熱心で、党内で起きた、あるいは起きているパワハラ劇等に目を向けようとしない傾向があまりにも強過ぎる。

 これでは党勢拡大など夢のまた夢にしか私には思えない。党員を自ら疎外あるいは排除するような政党を支持したいと誰が思うものか。

 立民支持層にしてもそうだ。少なくともXの立民支持層主流には、同調圧力をかけたがる性向がきわめて強いことを最近の記事で見てきた。だが彼らは木を見て森を見ずだ。立民の政党支持率は21年衆院選から22年参院選までに泉健太が「提案型野党」路線を掲げて票を大きく流出させたあとも横バイで、政党支持率は今も維新にかなりの差をつけられ、他の野党とどっこいどっこいになったまま再浮上の兆しも見られず現在に至っている。

 その結果どうなっても構わないのなら勝手に自滅しろよと毒づきたくなる今日この頃。