kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

プロ野球・千葉ロッテの谷保恵美さんがレギュラーシーズン最後の場内アナウンスを終えた

 プロ野球千葉ロッテマリーンズのホームゲームで場内アナウンスを長年務めた谷保恵美さんが今季限りで引退し、昨日(10/7)公式戦最後のアナウンスを終えた。ちょうど2100試合目だったという。

 NHK朝日新聞も報じている。まずNHKから。

 

ロッテ 谷保恵美さん レギュラーシーズン最後の場内アナウンス

2023年10月7日 21時01分

 

プロ野球 ロッテで特徴のある伸びやかな声で33年間場内アナウンスを務め、今シーズンかぎりでの引退が決まっている谷保恵美さんが7日、レギュラーシーズン最後のアナウンスを終えました。

 

北海道出身の谷保さんは、1990年、当時の「ロッテオリオンズ」に球団職員として入社し、「オリオンズ」最後の年となった1991年から場内アナウンスを担当しました。

その年のオフに本拠地が千葉に移転して「千葉ロッテマリーンズ」となり当初は2人で場内アナウンスを務めていたということですが、1994年のシーズンからは公式戦のアナウンスを1人で務めるようになり、昨シーズン、7月17日のソフトバンク戦で通算2000試合を達成しました。

選手紹介での「サブロ~」や「佐々木、ろ~き~」など特徴のある伸びやかなアナウンスは、ロッテファンだけでなく広く野球ファンから人気を集めていました。

谷保さんは今シーズンかぎりでのアナウンス業務の引退を決めていて、7日千葉市ZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦でレギュラーシーズン最後の場内アナウンスに臨みました。

谷保さんはこれまでと変わらない伸びやかな声で先発出場選手の紹介などの業務をこなしていました。

試合はロッテが敗れたものの、最後には「レギュラーシーズン最後となりました。また今シーズン中にこの球場にいらしていただけることを願っております。今までありがとうございました」とクライマックスシリーズ日本シリーズでのホーム戦開催への期待を涙をこらえながらアナウンスし、最後の業務を終えました。

 

NHKニュースより)

 

URL: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231007/k10014218791000.html

 

 ブログにも何度か書いた記憶があるが、私が初めて谷保さんのアナウンスを聞いたのは2005年の千葉ロッテ阪神タイガース日本シリーズ第1戦のNHKラジオ中継であり、土日を利用して登った四国のさる山の山頂近くにある避難小屋でのことだった。試合のスコアへのリンクを下記に示す。阪神ファンの方は見たくもないだろうけど。

 

npb.jp

 

 1回裏、「1番ショート、にしおかー」と、表の阪神の攻撃の時とは全く違う調子のアナウンスが聞こえてきたのにぶっ飛んだ。もちろんそれ以前から「イーッチローーーーーーー、スゥゥキィ」というグリーンスタジアム神戸のアナウンスは知っていたが、当時「ウグイス嬢」と呼ばれていた女性のアナウンスであんなのを聞いたのは初めてだったからだ。ラジオによる音声にしか接することができなかったから余計に印象が鮮烈だった。

 さらにぶっ飛んだのは、続く「2番、サード、いまーえーーー」が阪神先発の井川慶から先制ホームランをかっ飛ばしたことだ。あの「334」はここから始まった。今江はこの試合で4打数4安打、続く第2戦にも4打数4安打でシリーズMVPに輝いた。そしてその5年後に行われた中日との日本シリーズ第5戦でも今江は1回裏に中田賢一から逆転二塁打を放ち、5年前の第1戦に続いてマリンスタジアムでの千葉ロッテ2桁得点の猛攻へ口火を切った。今江はこのシリーズでもMVPに輝いた。この試合が現在のところ、そしておそらくは今後も谷保さん最後の日本シリーズでのアナウンスとなった。

 私がパでは千葉ロッテを応援するようになったのはこの試合がきっかけだ。千葉マリンスタジアム(現在の呼称はZOZOマリンスタジアム)には2013年、2016年、2017年の三度訪れ、いずれもヤクルトスワローズとの交流戦を観戦したので、その時に谷保さんのアナウンスを聞いている。特に2013年の試合が印象深く、3対2とヤクルトがリードして迎えた7回裏に千葉ロッテが同点に追いついたが、終盤のそういう場面になると谷保さんのアナウンスのボリュームが上がり、選手の名前を伸ばして読む時間が長くなる。スタンドの応援もそれにつれて音量が上がり、相手チームの守備にプレッシャーをかける。その圧力に耐えるのが本来のロードゲームの観戦であって、ホームチームの声援をはるかにしのぐ音量の贔屓チームの応援を楽しむ現在の阪神ファンや数年前の広島ファンのあり方など邪道も良いところなのだ。だからそんな相手チームの応援をはね返すべく「イベント」に力を入れて、かつては神宮球場と同様に相手チームの応援に圧倒された横浜スタジアムのスタンドのあり方を一変させた横浜DeNAの経営陣は正しい。あの「イベント」にいちゃもんをつけた岡田彰布の方が傲慢もいいところのナベツネのような奴なのだ*1。もちろんDeNAのような経営努力をしないヤクルト球団のあり方が大問題であることはいうまでもない。

 なお前述の試合は同点に追いつかれたヤクルトが8回表に山田哲人三塁打で2点を勝ち越して勝った。ネット検索をかけたらその場面の動画がヒットしたので下記にリンクする。

 

www.youtube.com

 

 話がそれたが谷保さんの話題に戻る。NHKに続いては朝日新聞デジタルの無料記事。

 

www.asahi.com

 

涙声で告げたファンへの別れ ロッテ名物アナウンスの谷保恵美さん

平田瑛美 2023年10月7日 22時18分

 

 プロ野球千葉ロッテマリーンズで、長年本拠地の場内アナウンスを務め、今季限りでの「引退」を決めていた谷保(たにほ)恵美さん(57)が7日、レギュラーシーズンのゾゾマリンスタジアムでの最終戦のアナウンスを終えた。

 

 語尾を長く響かせて、選手名を読み上げる個性的なアナウンスは名物だった。

 33年間の日々。最もほっとする瞬間は「試合終了でございます」とのアナウンスだった。

 この日、そのあとに続く言葉を口にしようとして感情をおさえられなくなった。

 「いままで、ありがとうございました」

 本拠のスタンドを埋めた2万9169人に涙声で別れを告げた。

 もともと球団から試合後のあいさつや、セレモニーを提案されていたが、「自分は裏方」との思いから断っていた。

 それでも、最後は同僚らにグラウンドに連れていかれるサプライズが待っていた。

 吉井理人(まさと)監督、選手会長益田直也投手、キャプテンの中村奨吾内野手からそれぞれ花束を贈られ、満員のライトスタンドから「谷保コール」を浴びた。

 「こんなことは、もう来世でもないと思う。大事に心のなかにしまいたい。珍しい名字なので、全国の谷保さんが喜んでいると思います」

 持ち前の明るさで報道陣を笑わせることも忘れなかった。

 9日の最終戦クライマックスシリーズ進出を決められれば、ポストシーズンをゾゾマリンで開催できる可能性はあり、放送室は片付けないまま球場を後にした。

 谷保さんは1991年からロッテ本拠地の場内アナウンスを担当し、この日のアナウンスで通算2100試合に達した。選手とともに球場で戦った一人だった。(平田瑛美)

 

朝日新聞デジタルより)

 

URL: https://www.asahi.com/articles/ASRB77D16RB7UTQP022.html

 

 良いコメントだ。何より、お涙頂戴に走らないところが良い。

 「谷保」姓については日刊スポーツの記事にも出ていた。

 

www.nikkansports.com

 

【ロッテ】谷保恵美さん最後の公式戦 谷保コール「来世でもない」黒木コーチ「あの声は色あせない」

[2023年10月8日4時45分]

 

We love Baseball

ロッテのアナウンス担当33年。通算2100試合。今季での引退を決意した谷保(たにほ)恵美さん(57)が、レギュラーシーズンのマイクを置いた。最後の締めでは「今まで………ありがとうございました」と感極まった。

試合後はサプライズセレモニー。吉井監督、益田、中村奨から花束が贈呈された。ライトスタンドのファンからは「谷保コール」の大声援。「超満員の観客の皆さんからコールしていただけて、こんなことは2度と、来世でもないと思うので、本当に大事に心の中にしまいたいと思います」と感謝。「谷保って名前が珍しくてあまり呼んでもらえないので、『ヤッホー』とかはあるんですけれど。少ないと思うんですけれど全国の谷保さんが喜んでいると思います」と試合で使用した記念球を手に笑った。

見つめた黒木投手コーチも特別な思いで見つめた。親しみを込め「僕は『やほさん』って呼んでいるんです」。「(浦和での)寮生活の1年目から、やほさんと一緒に武蔵野線で球場に行ったり帰ったりしていた。単なるアナウンスとプロ野球選手の関係性じゃないくらいに僕は思っていますよ。あの声は誰しも記憶に残り、色あせることはない」。

ポストシーズンで谷保さんのアナウンスが続く可能性は残っている。益田からは花と一緒に「また帰ってきます」と言葉も伝えられた。「9日の試合はテレビで見ます。放送室も片付けていない」。2度経験した日本一は敵地で決定。まだ言えていない「千葉ロッテマリーンズ日本一です」のために、美声を整える。【鎌田直秀】

 

URL: https://www.nikkansports.com/baseball/news/202310070001705.html

 

 「ヤッホー」といえば、1995年頃に「Yahoo」なる文字列を最初に見た時にそう読んだ人が多かったのではないだろうか。

 でも確かに「谷保」姓は珍しい。ある人など「谷 保恵美」と読んで「たに」さんかと思ってしまったらしい。私は昔安倍昭恵の件で話題になった谷査恵子を思い出した。最初あの文字列を見た時に「たにさ けいこ」と読んでしまったのだ。

 そんなことを考えながら「谷保」姓について調べ始めたら、例によって記事が脱線に次ぐ脱線になって収拾がつかなくなったので別記事にすることにして、ここでいったん記事を切り上げる。

*1:エスコバーが近本に死球ぶつけたDeNA阪神戦で「なぜ三浦監督が謝りに来ない」と文句を言ったことを報じたスポーツ紙の記事に、ベイスターズファンが岡田をナベツネになぞらえたヤフコメをつけているのを見たが、私は強く共感した。そもそもあの試合ではエスコバー阪神ベンチに謝りに行っていたのだ。ただし岡田の場合は一種のパフォーマンスであり、あれで三浦大輔高津臣吾をびびらせるという、大昔に元読売の阪神藤本定義(1904-1981)が川上哲治(1920-2013)を「テツ」と呼んだやり方を踏襲しているだけで、三浦や高津に対して本気で倫理を振りかざして怒っているわけではないとの冷静な認識は必要だろう。だがそれを割り引いても、今や明らかに日本で一番多い阪神ファンの数の力に物をいわせているしか思えない岡田監督のやり方を私はどうしても好きにはなれない。もちろん三浦や高津にはあんな岡田の恫喝なんかにびびらない鉄面皮が要求されるし、三浦はどうだかわからないが高津はその点では心配無用だと思っている。ただヤクルトの場合は純粋に弱いこと、特に投手力阪神に全く及ばない点が問題なのだ。残念ながら。