kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ばら撒きか必要以上の緊縮か、二者択一しかない人には困りますね。「どうせなら、バブルの時に赤字国債対策をすれば良かったのに」と思うのは素人考えでしょうか?(管見人さんのコメントより)

 下記記事のコメント欄より。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 生存ユニオン広島 (id:lifeunion)

私も税金の使い方や取り方の見直しが先だと思います。広島に落とし込むと例えば湯崎英彦知事による巨大病院構想より医療従事者の給料を上げるとか。お金を刷ることは否定しませんが、一方で使い道の議論がおろそかになってはいけない。個人的には消費税廃止は良いが、かわりにべらぼうなゼイリツノ物品税をお金持ちが買うマンションや高級車、特別地方消費税をお金持ち向けサービス飲食にかけるとかの議論もすべきと思います。

 

 管見

生存ユニオン広島さんのおっしゃる通りと思います。
ばら撒きか必要以上の緊縮か、二者択一しかない人には困りますね。

不思議なのは、バブル崩壊後に財政再建論がやかましくなったことです。
ニュース番組で、「赤字国債がヤバいから何とかすべし」という主張を聞いたのもその頃だったかな。
その頃、橋本政権が消費税率を5%に上げて景気回復の腰を折った記憶してます。
「どうせなら、バブルの時に赤字国債対策をすれば良かったのに」と思うのは素人考えでしょうか?

 

 前者の「生存ユニオン広島」さんはさとうしゅういちさん。「べらぼうな税率の物品税をお金持ちが買うマンションや高級車、特別地方消費税をお金持ち向けサービスにかけるとかの議論」がなされ、それで消費税減税ないし廃止分の税収が賄えることが示されるなら、私もおそらく消費税減税(または廃止)に賛成するでしょう。現在はそれらの議論がおろそかにされて「消費税減税(廃止)」のワンフレーズポリティクスと化しているようにしか見えないので支持できませんが。

 後者の管見人さん、こちらは弊ブログのコメント欄常連の方ですが、「待ってました」と言いたくなりました。

 私はおそらく管見人さんより年長なので、財政再建論が既に1970年代に盛んに言われていたことを覚えています。当時の言い出しっぺは福田赳夫大平正芳でした。日本の景気はといえば、1973年までは高度成長期、74年から78年までがおおむね不況期で、特にその前半は「スタグフレーション」、つまり不況下の物価高の時代でした。しかし大平内閣時代の1979年は好況期でした。佐藤内閣で福田赳夫財政再建を言い出したのが確か1970年頃、大平正芳が一般消費税創設を争点にして衆議院を解散しようとしたものの、それが不評を買うと撤回するなど元を左右にしたために衆院選に敗れたのが1979年でしたから、二人とも好況機に財政再建を目論んだ点では教科書通りでした。ただ、清和会も宏池会も基本は「小さな政府」論に立脚する財政右派である点を忘れてはならないと思います。福田も大平も大蔵官僚上がりの人でしたし。ですから弊ブログはブログ『日本がアブナイ!』などが待望する宏池会と立民の連立に強く反対します。清和会はそれに加えて極右なので論外ですが。

 で、私が「待ちに待った」と書いたのは、コメント中で赤字ボールドにした

どうせなら、バブルの時に赤字国債対策をすれば良かったのに」と思うのは素人考えでしょうか?

という部分であって、弊ブログは管見人さんのご意見と同じことをこれまでブログ記事に何度書いたかしれません。しかしこの主張にコメントをいただいたことは、私の記憶では一度もありませんでした。

 でも、財政の基本だと私が思っている事柄に忠実に考えれば、好況期にこそ引き締めをやって財政再建すべきだというのは当たり前であって、それなのに時の竹下登政権は「これだけ税収が多いなら使うのは当たり前」とばかりバラマキ政策をやったわけです。これではバブルが加熱した方が当たり前で(竹下政権は火に油を注いでいたわけです)、その事態を招いた竹下内閣は後世から厳しく批判されて当然だと思います。

 しかし、今の「積極財政派」から当時の竹下政権を批判する声はほとんど聞きません。

 一方、今の「財政再建派」から不況期に財政再建をやろうとして1998年の参院選に惨敗した橋本龍太郎政権を批判する声もほとんど聞きません。

 これでは、両派とも全く信頼に値しないとしか私には思えません。

 管見人さんが仰る

ばら撒きか必要以上の緊縮か、二者択一しかない人

ばかりであるようにしか見えないわけです。

2022年の元号新選組代表選に出馬した古谷経衡氏が「新党くにもり」と新選組は共闘するなと力説

 そうか! 古谷経衡氏は2022年に行われた元号新選組の代表選に出た人だったなと、氏のXを見ていて思い出した。

 

 

 埋め込みリンクでは文章が切れてしまっているが、古谷氏は

「消費税廃止」だけでれいわ新選組が共闘するなら、絶対に内紛になるし、双方の支持者を失うだけです。

 

悪いこと言わないから、この両者は手を組まないほうが良い。今から言っておきます。

と書いている。私が両党が対消滅すれば良い、つまりどちらも「内紛になるし、双方の支持者を失」えば良いと思っていることはいうまでもない(笑)。

 上記古谷氏のXは、チャンネル桜(新党くにもり)の下記Xへの反応だった。

 

 

 古谷氏のXに戻る。

 

 

 

 上記Xへの下記反応に注目した。

 

 

 そうか、そんなことがあったのか。

 それである時期から急に石垣氏が新選組信者界隈からボロカスに言われるようになったんだな。私はそんな経緯を知らなかったからびっくり仰天したものだ。

 

 

 確かにそんな傾向はある。もっとも立民にも共産にも同様の傾向はあるかもしれないが。でも新選組にはそれに加えて、仮説に過ぎないとしか私には思えない現代版MMT理論を金科玉条にしているかにみえる危うさがある。謙虚さがないんだよ。

 

 古谷氏のXに戻る。

 

 

 悪いが笑ってしまった。

 まあ古谷氏も十分右派の人だから、新選組が「進歩的」政党とはいえないことは確かだろう。もっとも「進歩派」という言葉自体、今や意味をほとんど持たなくなっていると思うけれども。

酒井菜摘氏が昨年12月の江東区長選に出馬する意思を仲間に表明しようとした時、支持を表明した区議は高野勇斗氏だけだった

 立民・高野勇斗江東区議のXを紹介する。

 私は江東区の立民区議の間で分裂劇があったこと自体は何かで目にしたことがあって知っていたが、詳細は知らなかったし、正直言ってあまり関心もなかった。区長選では酒井氏に投票したものの、所詮は支持政党なしの人間に過ぎないからだ。

 だから、立民区議たちの分裂がどうやら昨年12月の区長選への酒井菜摘区議(当時。元衆院議員)の立候補にあったらしいことに気づいたのはつい最近だった。そこからいろいろ、こうでもあろうかと事情を推測(憶測)したことはいうまでもない。そして下記高野区議のXを読んで、やはりそういうことだったかと思った。私の推測はほぼ正しかった。

 高野区議のXは下記。

 

 

 以下にXの前半を引用する。全文は上記にリンクしたXを直接参照されたい。

 

【「悔し涙を嬉し涙に変える」の本当の意味】本日は晴天の下、有明防災公園で皆さまとお会いでき嬉しかったです。酒井なつみも多くの人に迎えられてお祝い頂き、終始笑顔でした。この半年間は、酒井なつみと高野はやとの悔し涙を嬉し涙に変える戦いでもありました。何度見たかわからないほどの酒井なつみの涙。この「悔し涙」ですが、実は区長選に落選したことではありません。区長選に落選した時に本人は泣いてないし、次の日の朝も至って冷静でした。それは結果がわかっていたからかもしれません。もちろん2人とも汗を流し本人は命を削って一生懸命にやりました。ですが、悔し涙を流したのは、もっと前に遡ります。

 

それは、江東区議会の会派控室で酒井が、区長選への出馬を会派のメンバーに表明しようとした時です。その時の対応に対し、私も初めて声を荒げ、最後に支援を求めましたが、会派の控室内に酒井の支持をその場で表明する人は誰一人いませんでした。酒井と私だけ控室を後にしました。この瞬間こそがまさに「悔し涙」と表現しています。それから約半年後。ついに酒井なつみの嬉し涙を見ることができました。開票立会人だったので事務所におらず、動画やボスである蓮舫から送ってもらった写真で見ることになりましたが。

 

今回の補欠選挙でも、区議会において会派ごとの支援する候補は分かれました。

 

だがしかし、私はさまざまな場面や個々の政策においても、立憲民主党を応援しなかった方々とも議論して協調できるところはしていきたい。(後略)

 

URL: https://twitter.com/takano_hayato38/status/1786290838080995777

 

 私が想像した通り、酒井氏を正面切って応援したのは高野区議だけだった。

 その後、酒井氏が出馬表明した後には、高野区議以外にも酒井氏応援をXにポストした区議もいたが、その人でさえ高野区議が興した江東区議の立民会派には入らなかった。そして衆院補選では誰を応援することもなく中立を守った。

 新しいことに挑む時の周囲の態度とはこういうものだ。

 区長選出馬表明の時には応援したのに衆院補選では中立を守ったのは、前者の場合あとから都ファ系の候補(大久保朋果現区長)が出てきたのに対し、後者の場合は同日の発表とはいえ先に都ファ系の乙武洋匡が出馬表明したのに挑む形で酒井氏が出馬表明したからだろう。つまり、区長選では最初は小池百合子に弓を引くつもりはなかったであろうのに対し、衆院補選ではあからさまに小池に弓を引いたからだろうというのが私の推測(憶測)だ。現区長がほかならぬ都ファ系の人だから、衆院選都ファに挑む候補を応援する態度表明はなかなかできなかったのではないだろうか。

 私は、高野区議が蓮舫野田佳彦G)の元秘書であることを知っていたので、従来はあまり評価していなかった。昨年春の最初の区長選で木村弥生氏(元区長)を応援したのもマイナスポイントだった。

 しかし、今回の衆院補選で高野氏を大いに見直した。

 そういえば、 7月の都議補選に高野氏が出馬するとの噂があるようだが、それは本当なのだろうか。

ネット軍師は「共産と組めば中間層が離れる(維新にしろ)」と執拗に繰り返すが、酒井候補の得票で多かったのは無党派、立憲共産の方が維新より中間層支持はずっと多い。(Gl17氏)

 弊ブログの下記記事にいただいたブコメより。「より」といってもいただいたのは1件だけだが。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

日本維新の会が候補者を出せば出すほど、保守票が割れて、立憲民主党が優位になって来ます。逆に、自民党と立憲民主党の一騎討ちの方がキツイです。維新との候補者調整など一切不要です。橋下徹氏が言うことには説得力はありません。(池戸万作氏のX) - kojitakenの日記

ネット軍師は「共産と組めば中間層が離れる(維新にしろ)」と執拗に繰り返すが、酒井候補の得票で多かったのは無党派、立憲共産の方が維新より中間層支持はずっと多い。自民不支持の層と第二自民の相性はそりゃねェ。

2024/05/04 02:04

b.hatena.ne.jp

 

 記事で取り上げたNHK出口調査は、特に無党派層での酒井菜摘候補への投票率が高い結果ではあったのだけれど、他社の調査を見ても、2割強(毎日)から3割強(NHK)の範囲で、毎日の調査で須藤元気が微差でトップだったのを除いて、いずれも酒井候補(現衆院議員)が一番獲れていた。特に、維新の金沢結衣と都ファ民民の乙武洋匡に対しては大差をつけていた。

 このことから、少なくとも東京15区では「『共産と組めば中間層が離れる(維新にしろ)』と執拗に繰り返」した「ネット軍師」の主張が間違っていたことが示されたといえる。

 

 維新の脅威に日々苦しめられているであろう、兵庫県在住のぷろもはん氏も下記Xをポストしている。

 

 

 上記は、まる氏の下記Xを受けてポストされた。

 

 

 まあこれが妥当な認識だろう。

 東京は、15区に限らず小池百合子が何か言い出したら民民はひたすらそれに付き従うだけというのがパターンだったので、立民と民民とが手を組むこと自体があり得なかった。

 私はこれまで、どうやら中国地方出身で首都圏に在住らしい、さる泉健太支持の方がたまたまTwilogを使っておられるので、それを見て泉支持者の言説を把握しようとしていたが(これをやったのは、私が長くXのアカウントを持っておらず、なかなかXのポストにあくせすできなかったからだ)、その方はご自身の考え方は右派よりもリベラルに近いので、立民右派支持層のサンプルであるとはいえなかった。

 それを痛感したのが補選を受けて本当の立民右派支持層のXを目にした時であって、彼らはいかに立民と共産を引き離すかなどという議論も行っていた。そのうち酒井氏がdisられたのを目にして気分が悪くなったのでそれ以上見るのを止めたが、立民がそういう支持層も少なからず抱えていることはよくわかった。しかし、だからと言って党が割れてしまえば良いというものではない。なぜなら衆院選小選挙区制中心の選挙制度をとっているからだ。弊ブログは比例代表制をベースにした制度に変えるべきだともう20年近くも主張しているけれども、当面は現制度下で衆院選が行われるので、制度に合った戦い方が求められるのは当然のことだ。

 2012年に小沢一郎民主党を割ったが、あれも小沢が割りたくて割ったのではないと私は考えている。あの年初めに、「このままでは次の衆院選に勝てない」と考えた小沢グループの議員たちが「新党きづな」だったかを作って分裂して出て行ったが、それは小沢が民主党の代表選に勝ち抜く可能性を陣笠議員たちが自ら潰す愚挙だった。結局小沢は無能な部下によって党分裂に追い込まれたと弊ブログは断じた。そして「日本未来の党」に合流した「新党きづな」の議員は全員落選するだろうと予想し、その通りの結果になった。それどころか、きづなに加わらなかった小沢グループの議員もほぼ全員が落選し、2012年の衆院選日本未来の党が得たのはわずか9議席だったのだ。

 ところで、いつもは前記右派には含まれない泉健太支持者にもポジティブに評価される元毎日新聞の尾中香尚里氏の下記記事(弊ブログも昨日紹介した)が、今回はスルーされている。

 

president.jp

 

 そりゃそうだろうなあ。尾中氏は「『希望の党』騒動がようやく終焉を迎えた」と書いたけれども、泉健太はその「希望の党」の側についた人だからなあと思ったのだった。

 もっとも昨日も書いたが上記尾中氏の記事には難点もある。私は下記ブコメを書いた。

 

なぜ自民も、維新も、小池氏も勝てなかったのか…衆院3補選が示す「自民にすり寄る野党勢力」の終わり 次期衆院選は「政権選択選挙」になる

立民への評価がやや高すぎるのが難点だが、共感できる部分の多い良い記事。潮目は昨年夏頃には既に変わり始めていた。東京15区民としては実に感慨深い。ブログ記事を書いた。<a href="https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2024/05/03/093339" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2024/05/03/093339

2024/05/03 09:44

b.hatena.ne.jp

 

 「立民への評価が高すぎる」ことは下記ブコメも指摘している。

 

なぜ自民も、維新も、小池氏も勝てなかったのか…衆院3補選が示す「自民にすり寄る野党勢力」の終わり 次期衆院選は「政権選択選挙」になる

改めて小池百合子-希望の党騒動は酷かったと再認識する。玉木・前原の軽率さと毒饅頭を食わなかった枝野の差は明らか/しかし立民の評価が高すぎる点については同案多数。泉健太体制、特にリベラルでもないだろ…。

2024/05/03 13:00

b.hatena.ne.jp

 

 東京都知事就任後の小池百合子は国政では2017年衆院選の「希望の党」騒動、2022年参院選東京選挙区への荒木千陽氏擁立、今回の衆院東京15区補選への乙武洋匡氏擁立にすべて敗れて3連敗だが、故石原慎太郎たちあがれ日本などで勝てなかったことが思い出される。

 しかし石原は都知事選では無敵だった。小池百合子都知事選では過去二度とも圧勝であり、今回の補選の結果にもかかわらず、都知事選での小池打倒は依然として非常に難しいと私も思うが、どうなるか。

 

[追記]

 書き忘れていた。前記兵庫県在住の立民支持者・ぷろもはん氏は、維新ともども新選組とも組めないと書いていた。

 

 

 

 

 関西出身だがもう長く東京に住んでいる人間としては、維新や新選組*1に加えて、ファ及び都ファとも絶対に組んではならないと思う。

 それを今回の補選で痛感した。小池百合子の音声が録音された電話がかかってきた時には、本当にぞーーーーーっとした。都議会で都ファが自公と一体になって立民や共産の都議が発した小池批判を議事録から削除する動議を出すなどの悪行は絶対に許せない。

 だから希望の党から立民に移った人たちに対しては偏見を持ち続けるし、今も小池から頼まれれば直ちに応じてしまう民民の玉木雄一郎など全く受け入れられない。

 もっとも私は立民支持者とまではいえないから、外野は余計なことを言うなと言われるかもしれないが。

*1:新選組は支持層の半分くらいはまともな人だと思うが、ネットでは変な連中ばかりが濃縮されている。

雇用情勢が良いなかでは、赤字国債に頼る安易な道は取るべきではない。雇用がひどくなり、ほんとうに赤字国債を出さざるを得ないときのために備えるべき。(黒川滋氏のXより)

 弊ブログは消費税の話はあまり書かないことにしている。それは税制全体の議論をしないで消費税の話だけをするようなあり方は有害無益だと考えているからだが、現在山本太郎衆院補選の東京15区で最後に須藤元気が2位に滑り込んだことで調子にでも乗ったか、消費税減税を武器に論戦を仕掛けようとしている気配が見られることから(宮武嶺さんのブログ記事のコメント欄にもその手のコメントがあった。コメント主はオザシン=小沢一郎信者=系の人と思われる)、少しだけ書くことにした。

 

 

 上記Xに「(不況時においては)国債発行も主な財源」とあるが、私は不況時であればそれで良いと思う。問題は不況時でもない時の赤字国債発行にある。

 それを指摘しているのがくろかわしげる(黒川滋)氏のXだ。

 

 

 上記Xに書かれた

雇用情勢が良いなかでは、赤字国債に頼る安易な道は取るべきではない。雇用がひどくなり、ほんとうに赤字国債を出さざるを得ないときのために備えるべき。

というのが普通の考え方だと思う。

 私は日本版MMTの議論が宗教じみているが嫌なので近寄らないことにしている。だから全然知らないのだけれど、不況時であろうが好況時であろうが赤字国債をどしどし発行しまくれ、というのが日本版MMTの教義の一つなのだろうか?

 好況時には財政再建を行い、不況時には赤字国債を「出さざるを得ない」というか出すことを辞さないというのが普通の政策だと思うのだが*1、どうも新選組はそれとは違う理論に基づいていて、それを消費税減税のワンフレーズポリティクスにすり替える詐術を使って「野党共闘」のイニシアチブを取ろうとしているのではないかと疑われる。

 これが「くにもり」や日本第一党に近いという倉辻さんの指摘はその通りであって、少し前に紹介した古谷経衡氏の記事にも「くにもり」と新選組の親和性に言及があった。

 

news.yahoo.co.jp

 

 以下引用する。

 

 また2020年に設立された政治団体『新党くにもり』は、反グローバリズム反自民党を鮮明にし、日本保守党関係者と緊張状態にある。従来「くにもり」は岩盤保守の中でも少数勢力とされていたが、近年では政治的進歩派(れいわ新選組など一部の野党)の支持層の一部に食い込んでいることから、こちらも無視できる数ではなく、巨視的に言えば反百田派に分類されてよい。

 

URL: https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2968cce475c2c18b5435e61e3ec8053da9ef3b49

 

 くにもりの安藤裕は自民党時代には安倍派の政治家だった。山本太郎は以前からこの安藤を高く評価していて、総理大臣になってほしいなどと言っていた。くにもりは日本保守党に対しては敵対しているらしいが、安藤裕が自民党安倍派出身であることから明らかなように、安倍晋三を崇め奉る側に属している。そして自民党において親安倍かつ積極財政派の政治家として、高市早苗がいる。つまり、山本太郎高市早苗との距離は、さほど遠く隔たってはいない。

 左派の間にこんな説を唱えた人がいる。

 

三宅芳夫

 

衆院補選自民全敗か、やれやれ

 

 江東区は関係者からも「ぎりぎり」と言われて少し焦ったが、得票率30%だから、一応「勝利」とは言える。

 ただし、極右候補が三人、格闘家が一人出ての、「勝利」ではあるし、投票率の異常な低さを考えると、自公や維新へのオルタナティヴが可視化された、とは言い難い。基本は相手が「勝手に転んでくれた」。

 さて、国政レベルでは岸田で総選挙ができるのか、について自民の党内闘争がさらに激化するだろう。

 一つの悪いパターンは、連合をバックに、国民・立憲右派(場合によっては全体)、維新、自民を割れた安部派の「共闘」が成立すること。実際、経済安保法案などは与党の公明、立憲全体との「共闘」が成立している。

 これは選挙前でもあるいは選挙後でもあり得るシナリオ。もし、このブロックが政権を獲るような事態になれば、いよいよ破局への最終段階は「秒読み」になる。

 対する側は維新・安倍派排除を最低条件に、短期・中期で戦略を組み立てておくべきだろう。

 しかし、今は地平社「挙兵」に合わせた衆院自民全敗は、「幸先がよいこと」(山木攻略というところか)ということにする。

 

URL: https://www.facebook.com/miyakej/posts/1487754602173820

 

 この方は、連合をブリッジにして、自民党を追われた安倍派と民民・立民右派(あるいは立民全体)・維新が「共闘」する場合を想定し、それに警戒せよと言っているようだ。

 しかし、申し訳ないがその想定はリアリティを全く欠く。懸念するとしたら、自民が分裂した時に、宏池会と民民と立民が組むことだ。この場合には安倍派と維新は連携のの埒外になる。そして、新選組は参政党などと一緒に安倍派や維新と連携する可能性がある。

 昨日遅く、ブログ記事の下書きをしながら、自民党の立場に立った場合、どうやったら東京15区で酒井菜摘を倒すことができるだろうかというケーススタディをしていた。私はもちろろん酒井氏を応援する側に立つ人間だが、敵だったらどういうことを考えるだろうかと思いを巡らせたのだった。そうしたら、今回の補選で2位に食い込んだ須藤元気を自公が担げば酒井氏に勝てることに気づいた。その場合に、新選組と参政党が自公と組む可能性が出てくる。もちろんそうなったら櫛渕万里新選組を離れて立民に加わるだろうけれども。須藤氏は特にリベラルでないばかりかむしろ保守派に近いので、自民党との相性は決して悪くないはずだ。

 宏池会と民主系との共闘については、ブログ『日本がアブナイ!』がよく待望論を書いている。民民の玉木雄一郎は同郷(香川県)の大平正芳を敬愛しているし、立民の枝野幸男も「保守本流」と言いたがる。保守本流宏池会の人たちが形成する集団を指すことは常識だ。そして立民支持層には宏池会流の財政再建志向が強すぎる人たちが多い(私はそれには批判的だ)。以上、どう考えても民主系と距離が近いのは宏池会の方だ。

 これに対して維新や新選組や参政党が近いのは安倍派の方だ。だから、三宅芳夫氏が「維新・安倍派排除を最低条件に」と仰るなら、より強く警戒すべきは民民や立民ではなく元号新選組(や参政党)だということになる。

 古谷経衡氏は新選組を「進歩派」と評しているが、山本太郎の自己認識は「保守ど真ん中」だから右翼の側面もある。党(組)に左寄りの部分が目立つのは、支持層に新左翼を多く含む左側の人士が多いからに過ぎず、山本自身の志向は2013年の天皇直訴に典型的に見られた通り、極右的な傾向すら含んでいる。政治勢力全体として見ても、新選組民族主義的なあり方は相当に危険である。また外交や安全保障政策では新選組は日本で唯一の親露・反宇の政党だが、これに至っては致命的なまでに危険なありようだ。

 最近、しんぶん赤旗新選組の経済政策を批判する記事を紙面に掲載したが、これは最近の共産党には珍しく良い傾向だと私は評価している。

 なお、私は維新や安倍派を含むあり方は最低最悪だと思うけれども、それと同時に宏池会と民民と立民の連携が生じたとしたら、それも十分すぎるくらい有害だと考えている。

*1:不況時でも国債発行をケチって財政支出を抑えようとする流儀が本来「緊縮派」として批判されるべき対象だと私は理解している。現在の山本一派による「緊縮派」のレッテルは、それとは用法が違っているとしか私には思えない。

なぜ自民も、維新も、小池氏も勝てなかったのか…衆院3補選が示す「自民にすり寄る野党勢力」の終わり(尾中香尚里)

 これは、立民への評価が高すぎるという難点はあるが、共感できるところが少なくない記事だ。記事のタイトルを見ただけで著者が誰かはわかった。

 

president.jp

 

 著者は元毎日新聞記者の尾中香尚里氏。

 私が特に共感したのは下記の部分だ。

 

希望の党騒動」がようやく終焉を迎えた

 

東京15区は自民候補不在のなか、9人が乱立する混戦を立憲が制した。維新は3位に沈んでおり、長崎3区同様「立憲vs維新」の構図での評価も可能な選挙だが、筆者はこの選挙を別の観点から注目していた。2017年秋に当時の野党第1党・民進党民主党から改称)を大きく分裂させ、政界に「多弱野党」状態を生み出した「希望の党騒動」が、この選挙でようやく終焉を迎えた、と思えたのだ。

 

東京15区補選は「希望の党騒動」をめぐる主要登場人物が、ほぼオールスターキャストで登場した選挙だ。希望の党を結党した小池百合子東京都知事、当時の民進党代表として希望の党への全党合流を決めた教育無償化を実現する会の前原誠司代表、のちに希望の党の共同代表を経て国民民主党を結党した玉木雄一郎代表。そして希望の党から「排除」された枝野幸男氏らが結党した立憲民主党の議員たち――。

 

騒動の震源地だった東京で、立憲が再び「希望の党」側を退けて勝利した。勝敗より注目すべきはその構図だ。「排除」された側の立憲が、その後さまざまな仲間を迎え入れ「野党結集の軸」となりつつあるのに対し、「改革保守勢力の結集」を模索した希望の党側は、無所属と維新の二つの陣営に分裂した。

 

野党結集の軸が「非自民・非共産の改革保守勢力」から「連合から共産党まで幅広く包含する『改革保守からの脱却』勢力」に移った。それを「希望の党騒動」の終焉という形で見せてくれたのが、東京15区補選だったと筆者は考える。

 

URL: https://president.jp/articles/-/81308?page=2

 

 そうだな。昨年末から今に至るまで、私が住む東京都江東区で起きた政治に関する一連の出来事は、まさに「希望の党」騒動の再来だった。だから4月はそれにずっと熱狂し続け、月が変わってもまだ記事を打ち止めにできずにいる。

 尾中氏の記事の引用に戻る。

 

自民にすり寄る小池氏の敗北

 

東京15区補選に戻ろう。

 

小池氏はこの選挙で、自らが特別顧問を務める地域政党都民ファーストの会」が国政進出を目指して設立した「ファーストの会」が作家の乙武洋匡氏を擁立する、と発表した。乙武氏推薦に動いたのが、玉木氏率いる国民民主党だった。

 

小池氏と玉木氏。「希望の党騒動」後に同党の共同代表を務め、たもとを分かった2人が再びタッグを組んだ。だが、当時と違うのは、希望の党が「政権交代」を目指したのに対し、現在の2人はともに自民党に色目を使っていることだ。

 

玉木氏は言うに及ばず、小池氏も最近の都内の地方選挙を「自民+公明+都民ファースト」の枠組みで戦って勝利し、裏金問題に苦しむ自民党に恩を売ってきた。乙武氏についても、小池氏は当初、両党に支援を求める腹づもりだった(この経緯については4月15日公開「『与党でも野党でもない候補』は結局、自民党になびく…乙武洋匡氏の『無所属出馬』にみる拭いがたい違和感」をお読みいただきたい)。

 

URL: https://president.jp/articles/-/81308?page=4

 

 赤字ボールドにした、小池百合子が都内の地方選で最初に自民党に恩を打ったのも、ほかならぬ江東区で昨年12月に行われた区長選だった。

 この時の都ファ・自公側の選挙事務所は、江東区役所のすぐ隣の居酒屋跡に設けられた。告示直前に貼られたポスターには、小池百合子の顔写真だけが大々的にあった。候補者の大久保朋果現江東区長も自民党公明党も完全な脇役だった。小池の小池による小池のための選挙だったのだ。ポスターは告示日に差し替えられたが、差し替えられる直前の異様な大久保選挙事務所予定地に何十枚も貼りめぐらされたポスターの禍々(まがまが)しい印象は、今も鮮烈に残っている。ああ、写真を撮っておけば良かったな。私は事務所開きの日の夕方に、大久保朋果氏とも接近遭遇した。氏は戦う前から余裕綽々の表情だったように見えた。その時の事務所は、来月中旬に丸亀製麺うどん屋になる。

 その区長選で大久保朋果に敗れた4候補のうち、一番得票が多かったのが酒井菜摘氏だった。2位とはいっても大久保氏には大きく水を開けられた。今回の補選での酒井氏のポスターには「区長選惜敗」と銘打たれていたが、あれはどう考えても完敗だったよなあと思ってしまった。でも今回の勝利にはあの選挙での完敗の経験が生きたようだ。

 小池はその後八王子市長選でも自民、特に萩生田光一に恩を売った。しかし江東区長選のような圧勝にはならず結構な接戦だった。

 3月に都議会では都ファと自公が一体となって、立民と共産の都議が発した小池批判の発言を議事録から削除する動議を出すなど、都ファと自公とが一体となって立共に襲いかかってくる構図がはっきりしてきた。そんな中で行われた衆院東京15区補選だったから、立民は共産や社民の支援、それに新選組櫛渕万里氏の個人支援などを得て*1選挙戦を戦うほかなかったのである。立民右派支持者の中にはこの構図を良く思わない人たちがいるようだけれども。

 尾中氏の記事の引用に戻る。

 

一方、この選挙区ではすでに、維新の金沢結衣氏が出馬を表明していた。前原氏率いる「教育無償化を実現する会」は金沢氏を推薦。ここに着目すれば「希望の党騒動」の中心人物だった小池氏と前原氏が敵対することになった、と言える。

今もなお「野党を結集して自民党から政権を奪う」構えを崩さない前原氏にとって、自民党に近づく小池氏の姿はどう見えたのだろうか。

 

改革保守」政治からの脱却

 

希望の党」で改革保守を結集しようとした勢力が、分裂して戦った東京15区補選。両陣営とも、かつて自らが「排除」しようとした勢力から誕生した立憲の酒井菜摘氏に及ばなかった。金沢氏は3位、乙武氏は5位に沈んだ。

 

選挙戦最終日の27日、酒井氏の最終演説に駆けつけたのが、立憲の創設者である枝野氏だった。「民間に委ねればうまくいく、というのは『昭和の政治』だ。『自己責任だ、小さな政府だ』なんて、いつの時代の話だ」と訴える枝野氏の演説は、明確に「改革保守」の政治を切り捨てていた。

 

URL: https://president.jp/articles/-/81308?page=4

 

 私は豊洲で行われた酒井氏の最終演説には行かなかった。東陽町門前仲町の間を往復して、飯山陽や金沢結衣の街頭を横目に見ながら歩いていたのだった。酒井氏は最終演説のあと、江東区役所前でマイク納めをやったらしいから、東陽町門前仲町の間の散歩などやらない方が家からはずっと近くて酒井氏のマイク納めと遭遇することができたかもしれない。しかしそこまではやらなかったというかやれなかった。前日の26日まで仕事がハードだったためにかなり疲れていたからだ。やっと少し元気が出てきたので散歩する気になったのだった。そしたら、たまたま飯山陽や金沢結衣の最終街宣や、最終街宣を終えて門前仲町にあったらしい選挙事務所に戻ってくる乙武洋匡陣営が永代通りを練り歩いてくるのと遭遇した。乙武氏とは接近遭遇したが、昨年12月に大久保朋果氏と接近遭遇したのと同じくらいの距離ですれ違った。そして選挙結果は真逆だった。

 尾中氏の記事のうち、最後の部分には少し異論がある。

 

「従来保守vs改革保守」の構図は無理筋

 

「非自民・非共産の改革保守勢力の結集」というお題目は、小選挙区制度の導入以降、野党陣営に重くのしかかっていた。希望の党騒動に沸き立ったメディアは、騒動が惨めな失敗に終わった後は、今度は維新にその役目を背負わせ、ここ2年ほどは明らかに歪んだ「維新上げ、立憲下げ」を繰り返してきた。

 

しかし、自民党が2大勢力の一翼に厳然と存在するなか、彼らは常に「自民党との距離感」を問われ続け、やがて「与党寄り」「野党寄り」に分裂していった。

 

そろそろ「従来型保守vs改革保守の保守2大政党制」は無理筋だ、と認めるべきではないか。政界の自然の摂理に反している。「自己責任」の社会を志向する自民党vs「再分配を重視する支え合いの社会」を掲げる立憲民主党、という大きな対立軸をつくり、衆院選有権者が「日本の目指すべき社会像」を選択する。こちらのほうが「非自民・非共産の改革保守より、政界の構図としてはるかに安定するはずだ。

 

もっとも現在、筆者は「改革保守勢力の結集」それ自体が、全く意味を失ったとは考えていない。筆者が想像したよりはるかに早く、自民党が崩壊過程に入っているからだ。

 

いつか自民党が分裂するとか、派閥解散どころか党自体が解散するとかいう事態になれば、もしかしたらその時には「自民党に代わる新たな保守勢力の再編」が必要になるかもしれない。立憲民主党中心の政治勢力との対立軸となるために。

 

URL: https://president.jp/articles/-/81308?page=5

 

 異論は、記事中で青字ボールドにした部分にある。私には今の立民を「再分配を重視する支え合いの社会」を掲げる政党だとは思えないのだ。そういう人たちもいるが、そうではなくそれと対立する、引用文中で赤字ボールドにした「自己責任」の社会を志向する人たちとか「非自民・非共産の改革保守」を目指す人たちが少なからずいるのではないかと思うのである。もちろん衆院選小選挙区制が中心だから、そういう人たちも含んだ政党の中で「再分配を重視する支え合いの社会」を目指すことが大事だろうとは思う。「再分配を重視する」といえば、私はこのスローガンを銘打った共用ブログを立ち上げようとしてうまく行かなかった経験があるので特に強くこだわるのだが、そういう立場の人間として思うのは、旧希望の党泉健太代表を党首にいただいている今の立憲民主党において、党内での同調圧力が強すぎるのではないかということだ。党内で主導権を握っているのは泉氏が属する保守系であって、少し前までは「ホップ、ステップ。5年後の政権交代を目指す」などと悠長に構えていた泉氏のグループに属する「広島立民の独裁者」であるらしいさる参院議員が、衆院広島3区支部長だった千葉県からこられた方を一度落選しただけで総支部長から外すという、どこかの東京15区を思い出さずにはいられないような冷酷非情な人事をやったとの話も聞いた。しかも新任された総支部長は「誰それ。立民は勝つ気があるのか」と思わせるような人だという。このような党保守派による権力工作をブログ記事で指摘することなどで、弊ブログはおそらく少なくない立民支持の方々に反感を持たれているのではないかと思うが、事実を直視したり、党内で忌憚なく議論することなどが立憲民主党という政党内で果たしてできているのだろうかとの疑問を禁じ得ない。そういうことができないような政党が果たして「再分配を重視する支え合いの社会」を目指すことなど本当にできるのだろうか。

 このような異論も持っているが、全体としては良い記事だった。

 記事についた「はてなブックマーク」のコメント(ブコメ)より。

 

なぜ自民も、維新も、小池氏も勝てなかったのか…衆院3補選が示す「自民にすり寄る野党勢力」の終わり 次期衆院選は「政権選択選挙」になる

今回の東京15区補選を“希望の党騒動の終焉”と総括するのは慧眼であり、納得感がある→“2017年秋に当時の野党第1党を大きく分裂させ、政界に「多弱野党」状態を生み出した「希望の党騒動」がようやく終焉を迎えた”

2024/05/03 06:11

b.hatena.ne.jp

 

なぜ自民も、維新も、小池氏も勝てなかったのか…衆院3補選が示す「自民にすり寄る野党勢力」の終わり 次期衆院選は「政権選択選挙」になる

これは余りに楽観が過ぎると思うが、希望以降の&quot;非自民・非共産&quot;が結局、「ジェネリック自民」もしくは自民の下請けに堕し、結集を謳った挙句に四分五裂したのは事実で、彼等の言う&quot;現実主義&quot;は空虚そのものだった。

2024/05/03 05:35

b.hatena.ne.jp

 

なぜ自民も、維新も、小池氏も勝てなかったのか…衆院3補選が示す「自民にすり寄る野党勢力」の終わり 次期衆院選は「政権選択選挙」になる

今回でそこまで潮目が変わったとも思えない / 立憲は活動歴の長い候補を揃えてたし、自民の候補によるここ数年間のやらかし続きのせいで、東京15区では与党やそれに類する政治勢力への忌避感は特に大きかったろう

2024/05/03 06:22

b.hatena.ne.jp

 

 最後のブコメネガコメだが、「立憲は活動歴の長い候補を揃えてた」という文章を見て目が点になった。島根と長崎の2人はそうかもしれないが、東京15区の酒井菜摘氏は2019年江東区議選初当選でまだ5年しか活動歴はない。そりゃ乙武洋匡や飯山陽よりは長いけれども、活動5年で「活動歴が長い」といえるのだろうか?

 私は最初、酒井氏は来年の都議選(あるいは今年の都議補選)に出て、彼女なら定数1の都議補選はともかく*2、定数4の来年の都議選本選には当選できるだろうし*3、その方が良いのではないかと言って、最初は彼女の補選への出馬にブログ記事中で反対したほどだ。

 ブコメ主は「そこまで潮目が変わったとも思えない」と書いているが、私は潮目はとっくの前に、昨年夏あたりに岸田内閣支持率が長期低落し始めた頃にはもう変わり始めていたと思っている。だから昨年は4月の5補選には自民4勝1敗、維新1勝、立民4戦全敗だったのが10月には参院徳島・高知で野党圧勝、衆院長崎4区で自民辛勝にまで変わっていた。それなのに泉健太はその2補選が終わったばかりの11月初めに「ホップ、ステップ。5年後の政権交代を目指す」などと悠長なことを言っていたのでブログ記事で批判したわけだが、潮目なんかとっくの昔に変わっていて、今回の3補選はそれが一気に噴出しただけだと思っている。

*1:同じ新選組でも山本太郎は酒井氏に敵対して須藤元気を応援した。この構図は2020年都知事選の再現である。酒井氏の選挙事務所には、告示日前日までは酒井氏と宇都宮健児氏と立民都連会長の長妻昭氏の三連ポスターが貼られていた。一方山本は都知事選で宇都宮氏と戦うとともに、須藤元気の応援を受けた。

*2:この補選には酒井氏の宿命のライバルになるかもしれない都ファ分派系つまり反小池百合子にして保守系の三戸安弥と、「江東御三家」の山崎家の××息子であられるらしい自民党山崎一輝が出るらしい。

*3:とはいえ江東区では普通の立民候補ではこの定数4の選挙区で議席を獲ることができないくらい立民の党勢は弱い。

憲法改正 しぼむ世論「賛成」27% 2年連続減少 毎日新聞調査

 毎日新聞より。

 

mainichi.jp

 

 以下引用する。残念ながら有料記事なので、無料部分のみの引用になる。私は全文を読んだけれど。有料部分には支持政党別の賛否の比率その他が書かれているが、それらには特に意外性はない。

 

毎日新聞世論調査

憲法改正 しぼむ世論「賛成」27% 2年連続減少 毎日新聞調査

毎日新聞

2024/5/3 東京朝刊

 

 日本国憲法は3日、1947年の施行から77年を迎えた。毎日新聞が4月20、21の両日に実施した全国世論調査では、岸田文雄首相の在任中に憲法改正を行うことについて尋ねたところ、「賛成」との回答は27%で、「反対」との回答の52%を下回った。

 

 2022年4月の調査は「賛成」が44%、「反対」は31%と賛成が上回っていたが、23年4月の調査では「賛成」が35%、「反対」は47%と賛否が逆転している。2年連続で「賛成」が減少する一方、「反対」が増加した。首相は自身の自民党総裁任期中に憲法

 

URL: https://mainichi.jp/articles/20240503/ddm/001/010/086000c

 

 当然の結果だ。

 私は、自民党の議員たちが「経済政策では理解が得られないから憲法改正に力を入れよう」と言っているらしいと知った時から、「経済政策もできない無能な政党が憲法改正なんておこがましいんだよ」と書いてきた。

 そんなことは誰だって思うことだろう。

 バッカじゃなかろかルンバ♪