kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

『AERA』が見出しでミスリード「経済オンチ菅首相が学んだ『小野理論』と消費税増税」

http://www.asahi.com/politics/update/0615/TKY201006150522.html


税制改革の落としどころは、どうせ直接税と間接税の同時引き上げになるのだろうと予想していたが、その通りの展開になりつつあるようだ。
増税の時期や引き上げ幅は明示していない」というところに、税調のせめてもの抵抗があるが、これはマスコミが「消費増税」を議題設定している現在では、逆手にとられて消費増税が先行するのがオチだろう。しかも、朝日新聞は露骨に「消費増税による財政再建」を求める主張を打ち出している。これは、日本経済の足をさらに引っ張る最悪の政策である。菅首相は、一方で景気・雇用対策を優先するとも言っているが、アクセルとブレーキを同時に踏む政治の誤りは、自民党政権時代から繰り返されてきたものだ。

ところで、『AERA』に、「経済オンチ菅首相が学んだ『小野理論』と消費税増税」というタイトルの記事が載っている。いかにも、阪大の小野善康教授が菅首相に消費税増税をそそのかした、と読めるタイトルだが、読んでみると内容は正反対だ。こう書いてある。

 菅氏は、小野氏と財務省の考えを見据えながら、微妙にバランスを保っている。その上で菅氏が真っ先に手をつけたい税制改革は、所得税の累進制強化だろう。

(中略)

 市民運動家から出発して総理にまで上り詰めた菅氏は、まず、金持ち優遇のこの構造を変えたい。圧倒的に人数の多い低所得者に加えて、連合組合員の多い中所得者の支持を集めるうえでは効果的な政策だ。高所得者を束ねる圧力団体もなく、比較的容易な改革でもある。

(『AERA』 2010年6月21日号 71頁)


これがどうして「経済オンチ菅首相が学んだ『小野理論』と消費税増税」というタイトルに化けるのか謎である。朝日新聞(や他紙)に載る『AERA』の広告は、何百万人の人の目に触れるけれども、『AERA』の記事を読む人なんて、せいぜい数万人だろう。こうして「小野善康=消費税増税菅首相に焚きつけた人」という誤った印象が増幅する。

AERA』編集部は植草一秀副島隆彦のファンなのであろうか?