kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

FNN・産経合同世論調査で委託先が架空回答の不正/毎日のオートコールによる世論調査は結果のブレが激しく信頼性に疑問

 数日前、FNNと産経の世論調査の委託先が世論調査に架空回答の不正があったことが報じられた。下記三春充希氏の指摘通り、コスト削減のために手抜きしたのが真相だろう。

 

note.com

 

 以下引用する。

 

⭐委託先の「手抜き」と考えるのが自然か


 

www.sankei.com


 上の記事では、不正を行った委託先の社員は「派遣スタッフの人集めが難しかった」「利益を増やしたかった」と話していると報じられています。「利益を増やす」というのは、委託された際の予算に対し、調査を手抜いてその分を利益にすることでしょう。
 例えば正しい手法で一定数の回答を集め、その結果にあうような形で残りの回答を(「コスト削減」のため調査せずに)入力した場合、偏りは変化しないですし、本当に行われた調査をもとに水増しされているため他社の調査とも整合するようになります。(統計上は、精度が落ちるためデータがばらつくようになり、長期的に見れば「分散」や「標準偏差」などと呼ばれる指標が大きくなります。けれどそれはあくまでばらつくということで、支持率が変に上がったり下がったりするということではありません)
 ですから今回は、委託先で手抜きが行われ、その手抜きを防げなかったという問題ではないかと推測されます。



⭐産経・FNNの世論調査を除外した場合の変化


 

 しかし意図的でなかったとしても、データとしては不適格というよりほかにありません。そこで、各社世論調査の偏りを補正し、平均を計算しているこちらとしては、ひとまず産経・FNNの世論調査を除外する対応をとります。(後略)

 

出典:https://note.com/miraisyakai/n/n450b6954a44e

 

 世論調査では、毎日新聞がオートコールを導入し、それに他の方法を組み合わせて見かけ上もっともらしく見える結果を出す方法に転換したが、これもコスト削減が主な動機だったと思われる(同紙ではコールセンターで生じる作業の「3密」を避けるためとの大義名分を唱えていたが)。

 しかし方法を切り替えてからの毎日の世論調査結果は上下動が激しく、信頼性に欠けるというほかない。同紙の最新の世論調査安倍内閣支持36%、不支持56%で、支持率が9ポイントも上がったが、前回の世論調査で出た支持率27%という数字は、前々回と比べて17ポイントも低い数字だった。これでは毎日の世論調査結果に信を置くことはできない。直近の出来事に結果が大きく左右される傾向が強すぎるように思われる。前回は検察庁法改正案で安倍政権に逆風が吹き、今回は極右人士である横田兄弟(故滋氏の息子)の安倍政権擁護発言や北朝鮮・金与正の強硬姿勢、それに東京都知事選などが安倍政権への追い風になっていると思われるが、それにしても結果の変動が大きすぎるのだ。

 その毎日は今回の世論調査で「東京都知事にふさわしい人は誰か」なる問いを、なぜか全国規模で行った。結果は小池百合子51%、宇都宮健児10%、山本太郎8%、小野泰輔7%などだった。この手の問いで生データを出すことは行われないのが通例になっていたが、今回の調査でこれを行ったことの是非も論じられている。通例を重く見る人は批判しているが、前記三春充希氏は下記ツイートに見られる通り肯定している。

 

 

 私は、そんなことを調べて結果を発表するのは勝手だが、全国規模でやる意味は全くないと思う。たとえば小野泰輔を挙げた人は大阪府(や兵庫県などの関西)や、せいぜい熊本県でその比率が他の都道府県より高いと思われるが、大阪府民や兵庫県民は東京都知事選の選挙権がない。

 結局こんなのは単なる知名度の調査でしかない。東京都民でも、小野泰輔の名前など最近知ったばかりの人が大半だろうし、それどころか宇都宮健児知名度さえ決して高いとはいえない。ある時某都会保守氏(例のアブナイ人)のブログで、ある東京都知事選の記事が公開されたばかりのタイミングで目にした時、ブログ主が宇都宮健児氏の名前を失念していたらしく、宇都宮氏の名前だけが抜けた間抜けな記事になっていた*1小沢一郎が代表になる前から民主党びいきだったと思われる氏ですらこのありさまだ*2。宇都宮氏は選挙戦中の追い込みが特徴で、2014年都知事選では終盤に「名前だけの」細川護煕小泉純一郎に応援されていた)を逆転して2位になった(とはいえ舛添要一の半分に満たない得票だったが)。

 

 都知事選の話はこれくらいにしておくが、産経は論外としても、最近の毎日の混迷は、もともとの経営難に新型コロナウイルス感染症によるコスト削減の強い圧力がかかったためだろう。

 産経と毎日といえば、5年前に世論調査をめぐって激しいバトルを展開したことがあった。当時それに関する記事を3件公開したので、改めてリンクを張っておく。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

kojitaken.hatenablog.com

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 当時印象に残ったのは、産経の酒井充というダメ記者とは対照的だった毎日新聞の平田崇浩・世論調査室長の奮闘ぶりだったが、平田記者は今どうしているのだろうかと思って調べてみたら、今年「2度目の世論調査室長」に復帰したらしい。氏にはツイートサイトもあり*3、前記三春充希氏をリツイートしたりもしている。

 以前のような活発な意見発信をまた期待したい。

*1:その後気づいて宇都宮氏の名前を記事に入れたようだが。

*2:氏は最新の記事を「山本(太郎)氏には、安倍自民党批判もどんどん展開して欲しいと、ひそかに期待している」と締めた(https://mewrun7.exblog.jp/29061165/)。山本太郎はやはりこういう保守的な人に支持される傾向があるのだろうか。

*3:https://twitter.com/Hirata_Takahiro