kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

柿沢未途が首班指名で岸田文雄に投票。柿沢が自民党入りを目指す公算高まる(やはり!)

 岸田文雄新内閣発足を決めた4日の衆院本会議で、無所属の柿沢未途岸田文雄に投票した。同じ日、柿沢は立憲民主党などの会派を脱会した。

 

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 柿沢が選挙区としている東京15区は、前回選挙区で当選した秋元司(元自民)がカジノを含むIR事業をめぐって汚職事件を引き起こし、一審で実刑判決を食った。このため秋元は自民党を離党した。しかし今月の衆院選には出馬する。

 自民党の後釜は決まっていなかった。柿沢は都議時代には民主党に属していたが、2008年に酒気帯び運転による自損事故を引き起こして都議辞職に追い込まれた。しかしそのわずか1年後、衆院選みんなの党から立候補して当選した。柿沢は東京15区ではオスプレイを絶賛したことで悪名高い東祥三民主党小沢系)と木村勉(自民)に負けて3位だったが、ネオリベが蔓延した東京ではみんなの党への比例票がかなりあったので比例復活で当選した。このあたりに柿沢の処世術が垣間見える。

 柿沢はその後、維新の党、民進党希望の党へと進んだ。早くから「小池都知事を評価する」と公言してきた柿沢は、希望の党設立劇に際しては、いわゆる「チャーターメンバー」には数え入れられていないようだが、その他の議員の中ではもっとも早く希望の党入りを表明した「準チャーターメンバー」だった。民主・民進系議員の中でももっとも新自由主義色が強く、政治思想的にも右翼に分類される。だから、秋元が逮捕されて空いた自民党に柿沢が入ろうとしているのではないかとの噂は、以前から流れていた。私がその噂をキャッチしたのは比較的最近だが、弊ブログに書き留めておいた。下記は今年9月12日公開の記事へのリンク。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 だから柿沢の自民党入りは全く驚くには当たらない。もっとも、いつもの自民党のやり方からして、今回は柿沢を公認せず、秋元司と無所属同士で争わせて、得票で秋元に圧勝できれば柿沢の自民党入りを認めるプロセスになるのではないか。柿沢には折悪しくというべきか、直近の自民党内政局で二階派は凋落した。それでなくても、細野豪志はいまだに自民党入りを許されていない。細野はそれなのに自民党に尻尾を振り続ける醜態を晒している。これが権力欲に目が眩んだ人間の哀れな姿だ。

 

 

 そうかぁ? 柿沢を「野党系の国会議員」として信頼していた人なんかどれくらいいるんだろうか。ずっと地元に住んでいた人だったら、柿沢が元新自由クラブ柿沢弘治のドラ息子で、都議時代に酒気帯び運転をやらかして議員辞職した癖にいつの間にか国会議員になってたり、ジャパンライフから献金を受けてたりするいかがわしい奴だってことなんか百も承知なんじゃないですかねえ。東京15区は、最近はオスプレイ東祥三(オザシンに絶賛されていたが第2次以降の安倍内閣時代には東は熱心な安倍支持者と化していた)だのカジノ汚職の秋元司だのジャパンライフ柿沢未途だの、到底まともとはいえない国会議員ばかり排出してきたヤクザな選挙区だ。そんな選挙区に構図もへったくれもない。

 

 

 それは騙される方が悪い。私なんかは、今回のように柿沢が堂々と馬脚を現してくれたことを歓迎している。今回の選挙ではどうせ柿沢が秋元や共産・維新などの候補を圧倒して当選するんだろうが、柿沢の前途は決して明るくない。中期的な未来に柿沢がのさばる見通しが薄れてきたことは、今回のこの選挙区をめぐる事情では唯一のプラス材料だ。

 

 

 なんで?

 つい昨日まで立民の会派に入っていたって言っても、柿沢はそもそも希望の党の準チャーターメンバーだったから、立民にとっては本質的には、それが言い過ぎなら潜在的な、と言い替えても良いけど、「敵」であり続けたんじゃない? 別に柿沢に「刺客」を送る筋合いなんか全くないと思うけど。この選挙区からは共産党が小堤東(こづつみあずま)を立てるんだから、野党は共産党候補に一本化すれば良い。

 そもそもこの選挙区には立民の浸透が至って弱く、全然準備していなかった立民候補の票が柿沢を上回れないことなど当然だし、それどころかずっと準備を進めてきた小堤東の票を上回れるとも全く思えない。

 その小堤氏のツイートより。

 

 

 

 そう、「市民と野党の共闘の枠内で活動していた」かのように偽装していた柿沢が正体を現したことを、野党支持者はむしろ歓迎すべきなのではないだろうか。

 

 

 まあ上記ツイートは、おそらくいきり立つ立民支持者(柿沢未途に何か幻想でも持っていたのだろうか?)への皮肉であって、山本太郎はこの選挙区に立候補しようとは全く思っていないだろうけれども、仮に山本が立候補してきた場合でも単なる「お邪魔虫」に過ぎず、柿沢には歯が立たないだろう。立民支持層も山本(某組)支持層も、いい加減自分たちが支持する勢力や政党の実力を正しく認識した方が良い。

 

 

 だから立民系にせよ山本にせよ、民主・民進系が候補を立てること自体が間違ってるんですよ。

 

 

 高野勇斗って都議選で投票どころか同じく落選した自民党の2人目にも得票数で引き離されて惨敗した人じゃないですか。なんでそんな人に柿沢が倒せるんですか。

 

 だんだん感情的になってきたのでこのあたりでやめておく。

 今回の柿沢未途の件で一番笑ったのは、というと一昨日読書ブログで取り上げた「ローマン・ホリデー」の本当の意味*1みたいでいささか悪趣味ではあるが、下記のツイートだ。

 

 

 なるほど、これは意味深だ。

 前述の9月12日の弊ブログ記事に、私は下記のように書いた。

 

 今年の都議選で、4年前に落選した柿沢の妻・幸絵が立候補しなかったのは、おそらく下手に立候補したら夫・未途の選択の範囲を狭めてしまうからで、幸絵は未途の犠牲になったに違いないと私はにらんでいた。どうやらその通りだった可能性が高そうだ。

 

 果てさて、どうなることやら。

*1:"Roman holiday" には「他人の犠牲において楽しむ娯楽」という意味がある。バイロンの詩が原典とのこと。