kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

共産、衆院選東京8区で候補取り下げ。「東京8区騒動」の真相やいかに

 昨日(10/15)はスーパーに週刊文春が置いてなかったので週刊新潮を立ち読みしていたら、例の東京8区騒動で山本太郎と裏交渉をしていた立民都連の議員として手塚仁雄(よしお)の実名が書かれていた。

 もちろん信憑性はわからないが、選挙区の情勢からいえば明らかに長妻昭よりも手塚仁雄の方に裏取引を行う動機がある。前回は共産党が候補を下ろしたものの希望の党に刺客を立てられたせいで若宮健嗣に競り負け、今回は民民の擁立予定はないが維新が立て、そこに某組の中村美香子が候補予定者になっている。中村氏は山本太郎と同郷の兵庫県宝塚市出身だが、慶応大学に進んで東京都の職員になったから東京人になって30年ほどにはなる。某組の候補としてどの程度の強さがあるのかは全く知らない。

 山本太郎小沢一郎に相談したことは共同通信がはっきり書いていて、これは週刊新潮の記事とは違って信頼性が高い。

 一方、東京8区で吉田晴美が野党共闘の統一候補になった。土壇場まで原田暁(あきら)という共産党都議が同党東京8区の上保匡勇(じょうほ・まさたけ)候補の予定通りの出馬をほのめかすツイートをしていたようだが、共産党の場合民主集中制なので原田都議のようなキャラクターの人は珍しい。もっとも共産党といえども都議レベルでは、数年前に小池百合子を絶賛した豊島区の都議がいたし、トンデモと戦ったまでは良かったが、もともと共産党都議でありながら元号を常用するなど怪しげなところがあったところに、除籍されて大きく「右転回」した元都議もいた。元国会議員でも、その昔「喜八」と名乗ったブロガーに「共産党員すら一目置く平沼赳夫」だったか、正確な表現は覚えていないが、離党・議員辞職平沼赳夫すら絶賛するようになった筆坂秀世のような人物もいる。なお、記事公開当時の喜八は事実誤認をしていて、筆坂が平沼を絶賛した時点では筆坂は既に共産党を離れていた。だから当該記事はある時期にこっそりタイトルが書き換えられたため、今となっては当時の正確な題名を確認できない。なお、筆坂について調べてみたら、2007年に右翼の村上正邦小沢一郎側近の平野貞夫と3人で『参議院なんかいらない』という本を出していた。このあたりが当時の「『右』も『左』もない」のあり方をよく示している。右翼と小沢一派と「反『日共』」すなわち反共の三者が組んでいたのだ。現在からは想像がつかないかもしれないが、当時は「オザシン=反『日共』」というのが定番だった。たとえばブログ「雑談日記」の人など何かにつけて「日共」の悪口を書いていた。学生時代に全共闘に加わっていたりそのシンパだったりした人たちが、オザシンのマジョリティだった。

 話が逸れたが、原田都議の一連のネットへの発信は不正確で*1朝日新聞などが東京8区では立民・吉田候補への一本化交渉が進んでいると報じた方が正しかった。下記は時事通信の記事へのリンク。

 

www.jiji.com

 

 以下引用する。

 

共産、東京8区で候補取り下げ【21衆院選

2021年10月15日17時02分

 

 共産党小池晃書記局長は15日の記者会見で、衆院選東京8区に擁立を予定していた新人で元東京都杉並区議の上保匡勇氏について、立候補を取り下げると発表した。立憲民主党の新人を統一候補として支援する。小池氏は「市民の中で候補一本化をという声が非常に高まっている」と語った。

 

時事通信より)

 

出典:https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101500895&g=pol

 

 立民が共産党と話をまとめるにあたり、小沢一郎が立民にいることが威力を発揮した可能性がある。

 では、今回小沢はどう動いたのだろうか。

 ふと思い出したのが、毎日新聞の故岸井成格ナベツネから聞いた話(としか解釈できない言い方をしていた)として佐高信に語った、2012年衆院選での話だ。

 当時の小沢は「私の意見は橋下市長と同じだ」と口癖のように言っていたが、その一方で小沢は石原慎太郎をも口説いていたという。つまり橋下と石原の二股をかけていた。石原はそれを知って激怒したから自分から橋下と合流したというのが岸井の話だった。

 今回も小沢はそれをやった可能性がある。基本の「プランA」は吉田晴美への一本化交渉だったが、それが決裂した時に備えて、山本太郎を持ってきて野党統一候補にするという「プランB」も小沢は持っていたのではないか。つまり、山本なら共産党が降りてくれるだろうと小沢が計算したと推測する次第。そうすると、小沢が山本に「吉田さんと上保さんの調整がうまくいかない場合」との条件つきで、山本の東京8区からの出馬可能性をほのめかすくらいのことはやったかもしれない。いずれにせよ、今回の小沢は山本太郎一本槍という立場ではなかったと考えた方がストーリーを推測しやすい。

 一方、山本太郎衆院選が迫ってきたので焦っていた。山本はおそらく最初から東京8区しか狙っていなかったのであろう。そうなると、東京5区で維新と某組から候補を立てられて若宮との接戦を強いられている手塚仁雄と山本とは利害関係に共通点が出てくる。それで両者は手を組んだのではないか。

 そうなると、東京新聞にリークしたのは小沢ではなく山本だった可能性が強まる。

 結局、山本のフライングが失敗して「プランB」が消えた上に吉田晴美への同情論が強まったために一気に「プランA」で決着した。そういう流れだと解釈するのが一番腑に落ちるように私には思われるのである。

 もう3日後には衆院選が公示されるから、投開票日まではこの件はペンディングで良いかもしれないが、選挙後には関係者、特に立民と某組には経緯を隠さず真相を明らかにしてもらいたい。そうでなければ私が書いたこの記事のような憶測が生まれる余地だらけだ。今のままでは、立民も某組も、自民党と寸分違わないことをやる政党だとしかいえない。

 なお立民にせよ某組にせよ、どちらかが一方的に悪いという話だとはまず考えられないと、両党の支持者たちには強く言いたい。この件ではどちら側にも非があった。そう考えなければ今回の一件は解釈できない。

*1:一方、山本太郎の東京8区への乱入をいち早くキャッチしたり、東京8区の吉田晴美への一本化を早くから確信していた節があるこたつぬこ(木下ちがや)氏は、共産党執行部の多分あの人とのパイプがあり、正確な情報を知りやすい立場にいるのではないかと推測される。