井戸まさえ*1氏のツイートはさすがにライターだけあって面白い。これから目を通していくようにしたい。
多くの落選者が(本当はそうは思っていなくても)「私の力不足」「私の不徳のいたすところ」と言うのは、とりあえずそう言っておかないと、この「だから、負ける」が三乗ぐらいになって返ってくることがわかっているからである。
— 井戸 まさえ(立憲民主党東京都第15総支部長) (@idomasae) 2021年11月4日
笑ってしまった。
たとえば比例代表の復活当選に関しての惜敗率は、選挙構図に寄る。そのために、運不運がどうしても左右してしまうこととなる。
— 井戸 まさえ(立憲民主党東京都第15総支部長) (@idomasae) 2021年11月4日
結果的に、冒頭に指摘したように、本来は政治の中枢を担えるだろう人材を10年もの間、中途半端に在野に置いてしまうこととなる。
たとえば東京15区は民主・民進系の候補にはとても厳しい選挙区だ。こう書くと、自民党入りした柿沢未途が民進党にいたではないかと言われるかもしれないが、柿沢は世襲政治家だし、民主・民進系で国政選挙を戦ったのは2017年の希望の党時代が唯一だった。立民は中央線沿線ではやたら強いが、城東地区では弱い。一方かつて井戸氏が当選した兵庫1区に私もかつて住んでいたことがあるが(有権者だったことはない)、今回立民候補が勝って「かつての1区現象の再来か」と某ツイッタラーに言わしめた、民主・民進系には比較的有利な選挙区だ。しかし、兵庫1区以前に私が住んでいた兵庫7区*2は実に嘆かわしいことになっていて、自民の当選者に維新の三木圭恵(みき・けえ)が肉薄し、三木は比例復活で当選した。西宮には阪神甲子園球場*3もあるが、西宮・芦屋といえば阪神間モダニズムの牙城にして朝日新聞の金城湯池、いわば「西の中央線沿線」みたいな土地柄だ。そこで三木圭恵という、維新であっても元たちあがれ日本の極右兼新自由主義者が選挙区当選寸前まで行くとは、私にとっては驚天動地の出来事だった。私は最近の関西については全く知らないため、ここまで状況が悪化していたとは想像を絶していた。だって土井たか子を輩出した地域だよ*4。そこでなんで三木圭恵なんかが選挙区当選寸前になるんだ。たぶん有権者は三木が元たちあがれ日本だったことなどろくに知らず、「維新」という所属政党名だけで投票したのではあろうけれど*5。その西宮・芦屋の政治風土を変えたのはおそらく芦屋市出身の小池百合子であって、このことが私が小池を激しく忌み嫌う一因になっている。
話が逸れまくった。選挙区の話に戻ると、辻元清美が落選した大阪10区を含む大阪の府の各選挙区は、民主・民進系の政治家にとって、いやそれどころか今や自民党の政治にとっても、きわめて「不運な選挙区」になってしまった。
また、東京東部や大阪どころではない、常連コメンテーターの方がお住まいの山口県のような極端な自治体もある。あの県で平岡秀夫氏が小選挙区で議席を持っていたのは奇跡とも思えるが、2012年衆院選であの憎むべき一族の人間である岸信夫に選挙区で敗れると比例復活も成らなかった。結局平岡氏は2015年に政界から引退した。選挙区がせめて岡山であれば、と岡山4区にも居住経験のある私は思ったものだ。
こうした選挙制度や政党の有りように対して、野党は特に敏感でならねばならないと思うが、実は多くの候補者から同様の声は多くあげられているが、ほぼ顧みられぬまま、現在に至るというのが、ほんとうに残念である。
— 井戸 まさえ(立憲民主党東京都第15総支部長) (@idomasae) 2021年11月4日
以前も書いたが、比例重複分については按分で交代制を取る等が行われても良いとも思う。
— 井戸 まさえ(立憲民主党東京都第15総支部長) (@idomasae) 2021年11月4日
もちろんそれは選挙前に候補者には確約を取らないと行けない話だが。
まあ、それよりも、比例については党が進める重要政策を推進できる人材を当てるべきというのが、制度設計における本来の趣旨だと思うが。
私がこの選挙で、本当に良かったと思ったのは徳志さんの近畿ブロック3位での当選だった。
— 井戸 まさえ(立憲民主党東京都第15総支部長) (@idomasae) 2021年11月5日
しかし、4位の辻元さんが落選となるなんて・・あり得ない。本当に悲しい。
小選挙区候補者は比例重複で「同率一位」というのが立憲の原則なのだが、今回の選挙を経て様々な議論はあってしかるべきだと思う。 https://t.co/vIdEXcB6kb
井戸氏がかつて書いたという「比例重複分については按分で交代制を取る」方法の具体的な内容は知らないが、たとえば大阪や山口の選挙区から立候補したばかりに比例復活もできないことは確かに問題だ。
小選挙区制比例代表並立制自体に根本的な問題があるとは思うが、それは次の選挙から急に変えられるものでもないので、まず立民のような規模の大きい政党から、比例重複の候補者の順位の決め方を見直す必要は確かにあると思う。
もっとも自民党のように、比例中国ブロックにトンデモ極右候補を2度の選挙で立て続けに比例名簿の上位に載せ、日本の政治に全く必要ないどころか有害きわまりない国会議員を排出した例もある。まああんなのを真似するまともな政党はないだろうけど。
朝から晩までポスター剥がしとご挨拶まわり。
— 井戸 まさえ(立憲民主党東京都第15総支部長) (@idomasae) 2021年11月4日
見かけたら、お声がけください⭐️
今日はグレージャケットだが。 pic.twitter.com/nG3fQEUQiJ
ご自身の顔が真っ二つに引き裂かれた画像を載せたこのツイートにも笑ってしまった。東京15区には合っているのではないか。少なくとも(中央線沿線や)阪神間や神戸市東部よりもこの地域に適性のある人のように思われる。
*1:ライターとしては本名の「正枝」ではなく「まさえ」なので、今後こちらの表記を用いることにする。
*2:ここにも井戸氏は縁があり、2003年の兵庫県議選に芦屋市選挙区から挑んで落選している。
*3:以前にも書いたが、甲子園球場は閑静な住宅地の近くにある。
*4:土井氏は神戸市生まれではあるが、中選挙区制時代は兵庫2区、小選挙区制になってからは兵庫7区で当選を重ねてきた。
*5:三木圭恵は西宮市出身だが三田(さんだ)市会議員を経てたちあがれ日本に参加した。その後旧日本維新の会の分裂に際して、当初は次世代の党入りの意向だったが直前に維新の党入りを選んだ経緯がある。極右路線か新自由主義路線かの選択で後者を選んだようだ。