kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

かつての新進党の失敗があり、2017年には新進党2.0(小池新党)の失敗がありました。今は一部の学者や政治家らに立憲と維新をつなげる思惑が見え隠れしているようですが、苦境に置かれた人々の方を見て政治とはいかにあるべきかを悩み考え打開しようとするのではなく、安直な数合わせと強者への迎合でしか政治を考えない人々はいつの時代もいるものです。(三春充希氏)

 渡辺輝人弁護士が三春充希氏のnoteを絶賛している。

 

 

note.com

 

 以下、三春氏のnoteから一部を抜粋する。

 

(前略)参院選投票率は昔から低かったわけではなく、1990年代に特異な落ち方をしたことが明らかです。この投票率の崩壊は日本政治史における特に重要な出来事なのでたびたび触れてきましたが、ここでも簡単に確認しておきます。

 1990年代に投票率の崩壊が起きた原因として、これまでの政治学では当時の政界再編や政治不信が挙げられてきました。55年体制のもとでは自民党社会党が二大政党としてしのぎを削ってきたものの、ソ連崩壊のあおりをうけて社会党の弱体化が進むと、しだいにその地位を得る次の勢力が模索されるようになります。こうしたなかで政党が集合離散し、少なからぬ人々が従来からの支持政党を失って無党派層になったことが、投票率の低下の一因と考えられてきたわけです。

 

 しかしながら、そうしたことはあくまで当時の問題です。かつて多くの人が政治から離れたのは事実だとしても、そうした状態が30年後の現在まで続いている理由が説明されなければなりません。そのためには当時の一時的な政党離れや政治不信ではなく、この1990年代という時期に、人々をとりまく環境に大きな変化があったと考える必要がありそうです。

 

 そこでもう一度当時の状況を振り返ると、浮かび上がるのはバブルの崩壊です。バブルの崩壊で日本経済が打撃をこうむると、大資本を守るために雇用の非正規化や労働者の権利の切り下げが進められました。当時、社会に出ていった若者たち――今、ロスジェネ(失われた世代)と呼ばれてる人たちは不安定な仕事や長時間労働を強いられ、いわばバブル崩壊で生じた打撃をおしつけられたのです。社会党の後を担う勢力が模索されたのはそういった時代でした。そのとき目指されたのはあくまで保守二大政党制であり、そのどちらも、つまり自民党新進党もが新自由主義的な政策を掲げました。二大政党の地位をめぐる争いはロスジェネ世代や苦境に置かれた労働者を取り残したものであり、そうした人たちに失望がもたらされたからこそ、若者や都市部ほど投票率の低下は激しかったのです。

 

 本来であれば、政治は苦境に置かれた人々に目を向け、失業者たちを新たな産業へと引き込んでいくために、社会の様々な「もの」や「こと」を組織するべきでした。それができなかった結果、生じたものが投票率の崩壊であり、その後30年も続く日本の衰退であったのです。(投票率の崩壊に関する議論は、詳しくは「武器としての世論調査』リターンズ―2022年参院選編 3 投票率の底から」で展開されています)

 

 かつての新進党の失敗があり、2017年には新進党2.0(小池新党)の失敗がありました。今は一部の学者や政治家らに立憲と維新をつなげる思惑が見え隠れしているようですが、苦境に置かれた人々の方を見て政治とはいかにあるべきかを悩み考え打開しようとするのではなく、安直な数合わせと強者への迎合でしか政治を考えない人々はいつの時代もいるものです。政治に失望した膨大な棄権者層をとりこむことが政権交代への道なのにそのように考えない――そうした姿勢こそが失望を失望のまま固着させ、政権交代を不可能にする道にほかならないのですが、以上のような頭の働かせ方をしない学者や政治家らが多い現状には、なにか極めて政治の堕落を思わざるを得ません。

 

出典:https://note.com/miraisyakai/n/n0a5bbbc89e2f

 

 要するに、かつて小沢一郎らが目論んだ「保守二大政党」の構図から弾き出された層が国政選挙に投票しなくなったが、その小沢が主導した新進党や、状況証拠の数々が小沢の関与を強く示している「希望の党」の失敗が過去にあったにもかかわらず、現在「一部の学者や政治家」(三春氏が誰を念頭に置いているのかは知らないが)らに「立憲(弊ブログの表記では「立民」)と維新をつなげる思惑が見え隠れしている」。これほど腹立たしい話はない。

 この動き及びそれに安易に同調する立民支持者たちのあり方に私は激怒している。だからこのところ彼らを強く批判(非難)し続ける次第。実際の投票行動では、私は新旧いずれの立民にも比例票を投じたことは一度もないが、選挙区では立民の公認候補に結構投票してきた。ことに参院選東京都選挙区では、維新(や新選組都ファ)の候補を落選させるための戦略的投票として、民進党時代の2016年を含めて3回連続で民主・民進系候補に投票した。しかし泉健太体制が維新へのすり寄りを続ける限り、このような投票行動をとるのは止めることにした。

 思い返せば、昨年の立民代表選で小沢一派は泉を支持し、小沢は手の者に元気よく号令をかけていた。その見返りがろくにもらえなかったらしく現在の小沢は泉から離反しているが、泉が「二大保守政党制を目指す、小沢一郎の息のかかった立民代表」であることに変わりはない。

 そんな代表及びそんな人が思うがままに動かす政党なんか、金輪際支持も理解もできないのである。