kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

衆院広島3区でライアン真由美氏を総支部長から下ろした「立憲広島の独裁者」森本真治はやはり泉Gの人間だった/井戸まさえ著『ドキュメント 候補者たちの闘争 - 選挙とカネと政党』(岩波書店)を借りた

 明日は衆院選3補選の告示日だし、また仕事でネットにあまり時間が割けなくなるので(というか今月前半はネットに時間を割き過ぎて仕事にしわ寄せがきている)、明日以降のしばらくは補選関係でも各種情勢調査の結果を中心に、これまでよりは少しおとなしくしようかと思う。

 しかし今日はまだおとなしくしない(笑)

 まずいただいたコメントから。

 

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 管見

「政局ばかり」という誹謗に気を悪くされたようですが、
古寺多見さんは、日本の極まった状況に一石を投じる活動をされてると思います。微力ながら支持しておりますので。

 

 ありがとうございます。

 まあ「気を悪くした」ってほどじゃないです。その気分を「ブンむくれた」という表現に込めたつもりです。一方、わざわざ宮武嶺さんのブログでの弊ブログに対するいささかネガティブなコメントを取り上げたのには、今の日本にまともな政策の議論なんかあるのかよ、と言いたいからでもありました。

 実際、MMT対反MMTの議論もどう見てもすっかり下火だし、「消費税減税」ないし「消費税廃止」、あるいは「反緊縮」等々の言葉の独り歩きばかりが目立つようになって、「減税真理教」さながらの様相を呈しています(これには山本太郎の責任が重いと思いますけど)。なんで「減税イコール反緊縮」なのか、2010年代前半以前の人たちが今のネット談義を見たら目を白黒させますよ。減税なんて財政出動の原資を絞るものにほかなりませんから、それこそ緊縮財政を生み出す側面の方が強いでしょう。だから、好況時にはむしろ再分配のための増税が必要なわけです(もちろん不況時にはダメですが)。そんな基本さえないがしろにされている今の日本の少なくとも「ネット論壇」にはまともな政策の議論などほとんどありませんよ。だから長谷川羽衣子が英保守党経済極右にしてあっという間に自らの政権を自滅させたリズ・トラスを、彼女の政権の末路を想像できずに絶賛した恥ずかしいXを発信するなどという珍妙な事態が起きるわけです。

 

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 ぎすぎす

コメント取り上げていただいてありがとうございます。

>私は旧立民が発足した時に一定の期待はかけつつも、同党のリベラル勢が枝野の保守政治家としての限界を乗り越えることを望んでいました。しかし2021年の衆院選結果を受けた代表選で元希望の党泉健太が選ばれ、期待とは全く逆の方向に進み始めた時にはひどく失望しました。同じ思いの人が少なくなかったからこそ、2022年参院選で立民は前年の衆院選で得た比例票のおよそ3分の1を流出させてしまったのではないでしょうか。
ここは全く同じ思いです。ただ、よく考えてみると、左派の有力な政治家が今の国会にはほとんどいないというのがあります。このブログでも西村智奈美氏や逢坂誠二氏、あと時々小川淳也氏(左派に入れていいのかな?)ぐらいは話題になりますが、立民の政局の中ではみんな小粒というか、脇役で、言い方は悪いですが、立民の中の「公家集団」というか、いいようにやられているという印象がぬぐえません。彼らに強かさを求めるのは(それ自体が彼らの良さを消しかねないので)無理があるのかもしれませんが、しかし、意思決定にしても当代表にしても、彼らが不利になるようなルールや環境が作られてしまっているところにも問題があるのでしょう。現状の政治システムがそもそもあまり日本人の気風に合っていないのかもしれませんが、少数の声の大きい人間によって多数の希望と異なるものが「全員の意志」として形作られていくことがこの国の常態としてあるような気がしています。

ところでMMTについてwebを検索していたら、松尾匡教授のこんなnote記事を見つけました。
https://note.com/matsuo_tadasu/n/n21b231b01d1b
>そうしたところ、1月23日、寝耳に水で「れいわローテーション」の報道があって、びっくり仰天しました。
>れいわ新選組から参議院比例代表で当選された水道橋博士うつ病で辞職された後任を、比例代表名簿の人が得票順で一年交代で務めるというもので、これにしたがえば長谷川さんは来年、一年間参議院議員をすることになります。
>二年間本腰を入れてじっくり充電しようと言っていた矢先ですので、予定が狂ってしまう話に戸惑いました。
>本人も直前まで聞かされていなくて、急な会議で言われて決まったことらしく、さあどうする。
この記事とは別の記事の話で恐縮ですが、「長谷川羽衣子の強力なアプローチに応じてローテーションの実施を発表」などの話は、事実と異なるのかもしれません。

松尾教授はMMT論者ではないですが、MMTを理論的に紹介して、彼らを育てたという意味で、製造者責任は取っていただけないかなーと思うこの頃です。

 

 その松尾氏のnoteは一度取り上げたことがあります。いちおう同教授の意見を取り入れた形でそれまで弊ブログが行っていた言説を訂正したものですが、それにもかかわらずまた訂正前と同じことを書いてしまったものかもしれません。

 

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 ただ、当時のXを見た印象では、長谷川氏には同志がいる一方、大島九州男氏を応援するアンチの一派もあって、新選組支持層内部で非常に激しい権力抗争が行われていた気配があります。それと、ローテーション制のルーツはドイツの緑の党にあり、その本家のドイツでも激しい党内権力抗争を惹起したのでした。ですから、確かに発案者は長谷川氏本人ではなかった可能性が高そうではありますが、緑の党での経緯をよく知っている人、つまり長谷川氏に近い立ち位置にいた人だった蓋然性はきわめて高いと思いますよ。

 それと、これは以前ある方に教えていただいた話ですが、松尾教授という人は結構な野心家で、自らの信者を増やしたい、との思いを持っている人だとのことです。氏自身はMMT論者でないのにMMTを理論的に紹介して彼らを育てたとのことですが、それも松尾氏の野望と関係するのかもしれません。以前の「薔薇マークキャンペーン」を思い出しても、信者を増やす云々は別にしても、実際の政治にコミットしたいというタイプの人ではなかろうかと思います。なので、ある時期から私は同教授をかなりネガティブな目で見ています。少なくとも日本版MMTには本家と違って経済極右がかなり入り込んでいますしね。ああ、でも同じ極右でも高橋洋一MMTを否定してたんでしたね。

 

 

 これ以降が今日の記事の本題になるのだが、一昨日に公開した下記記事で広島のさとうしゅういちさんのブログ記事を取り上げたところ、さとうさんご本人からコメントをいただいた。謝意を表します。勝手ながら引用に際してスペース及び改行のみ、多少体裁を整えさせていただいた上、一部を色付きボールドにするなどの改変をさせてきました。ご了承ください。

 

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 生存ユニオン広島 (id:lifeunion)

 ご紹介ありがとうございます。御明察の通り、引き下ろされたのはライアン氏です。立憲広島の事実上の独裁者ともいえる森本しんじ参院議員がライアン氏の対抗馬である斉藤国交大臣と仲良しと言うのもあるのでしょう。後継の支部長の方も「誰?」という方です。立憲民主党は勝つつもりはないのでは?広島では、立憲民主党自民党以上に、「維新よりひどい新自由主義者湯崎英彦広島県知事を持ち上げています。 

 そういう事情もあり、わたしは、地方政治限定ですが、立憲民主党や立憲に追従する共産党よりも自民党保守系無所属の知事批判派議員の方がまだ近いくらいです。新選組の応援演説はさせていただくことはありますが、あくまで自分は「無所属・庶民派保守」だが、国政では新選組が地方の庶民に最も優しい経済政策だというスタンスです。

 広島では金銭的な再分配よりも病院とか交通機関とか、そういう公共サービスの維持の方が関心が高いです。お年寄りも子どもも困っているのがそこですから。都会だと個人への直接的な経済的再分配の方が関心が高いのでしょうか。消費税廃止よりも、例えば病院や鉄道の再公営化とか、そっちをわたしは新選組の政策でも支持しています。そういう中で共産党が、知事による県病院廃止・巨大独立行政法人病院への統合を事実上容認。酷い裏切りです。そういう中で、先日の福山市議選では、立憲民主党共産党も大きく票を減らしています。これまでの経過を見ると仕方がないことです。

 わたし自身も共産党さんに出していた名簿は全て引き上げていますし、共産党を批判すべきところでは批判しています。かなりの大打撃になった、どうしてくれる、という方もおられますが、仕方がないことです。共産党の一部党員がわたしを取り囲んで脅すなどの事件も昨年起こしたりしており、そういう中で協力しろと言われても無理な相談です。社民党とは一定の協力はさせていただく余地はありますし、ブログ主様が支持されている秋葉忠利さんにはカラオケの師匠としてお世話になっております。

 

 上記コメントの最初の方に立民参院議員の実名が挙げられているので調べてみた。漢字では森本真治と書き、2019年参院選広島選挙区で自民党河井案里の応援をやり過ぎて(岸田文雄も河合の応援に加わった)岸田の一の子分だった当時現職の溝手顕正(故人)を追い落として(落選させて)しまった選挙で漁夫の利を得て当選した人だ。

 当選後は旧国民民主党(民民)に入ったが、旧立民との合同で新立民入りした。立民では泉グループに属している。やっぱりな、と思った。

 そんな人物が立民の広島県連を牛耳っており、共産党もそんな立民に迎合している。東京では下町の15区でさえ補選で共産の支援を受けた立民公認候補が当選するかもしれない情勢とのことだが、広島では上記のような状況らしい。

 そして広島3区での非情な総支部長交代。以前、さる泉支持者のXerが東京15区で支部長をなかなか再任してもらえない(結局最後まで再任されなかった)井戸まさえ氏に同情して、泉さんはそんな薄情な人ではないはずだから早く井戸さんを総支部長にしてあげてほしいと書いていたが、泉Gの実態は広島での例に見る通りなのである。

 泉はけっこうな印象操作のやり手で、いつだったか自分がよそ者として文化の違う立民にやってきていていかに苦労したか、などとXに書き、それに旧立民以来の立民支持者と思われる人が「そんな苦労をかけてたなんて」と同情していたのを見たことがある。現在も、昨年の今頃とは打って変わって、3補選に全勝できるかもしれない状況に対して産経が1つでも負けたら党内政局になりかねないみたいな政局記事を出したら、どうみてもリベラル系の人とか、以前には泉を批判していた記憶のある人までもが、組織防衛志向を強烈に出して産経の記事を叩いていたのを見たばかりだ。

 でもそのような党の最高権力者に対する大甘なあり方で良いのだろうか。本記事で見た通り、現に泉グループの広島県連の独裁者は、リベラル系の総支部長を下ろして「勝つ気がないのではないか」とさとうしゅういちさんに酷評された候補に差し替えた。この候補については私のネット検索でも全然引っかからず、どんな人かは全くわからなかった。立民党内の旧民民の権力者たちはそんなことを平気でやっているわけだ。よく党利党略というが、この例など派利派略としかいいようがないのではないだろうか。

 今回の補選で仮に立民が3戦全勝してもまだ昨年4月の4戦全敗、昨年後半の1勝1敗を合わせた1勝5敗の借金4を埋め合わせするには1つ足りないし、広島3区では上記に見るような敗退行為を平然とやっていることを思えば、9月の代表選で旧立民系が候補を出さずに無投票で泉を再選させるとか、そんなことをやっては絶対にならない。2008年の民主党代表選で小沢一郎が無投票再選にこだわってそれを押し通す暴挙をやったが、その再現など絶対にやってはならない。旧立民系と旧希望・民民系のガチンコ対決は絶対に行われなければならないと、声を大にして主張したい。

 ところで昨日、区内の図書館で下記井戸まさえさんの著書を借りた。

 

www.iwanami.co.jp

 

 まだ最初の方しか読んでいないが、井戸さんは2017年の「希望の党」騒動に際して、自分の処遇はどうなるのかを希望の党に問い合わせたところ、こんなことを言われたらしい。

 

 「東京は小池(百合子=引用者註)がすべて取ると言っていますから、民進党系は無理ですよ。希望の党の候補者は『きれいどころ』を揃えてます。転区を希望するなら、喜んで紹介します。女性候補が足りないので」

 

(井戸まさえ『ドキュメント 候補者たちの闘争 選挙とカネと政党』(岩波書店, 2018)65頁)

 

 結局、希望の党には入れてもらえそうにもなかった井戸さん(同党に問い合わせたのは上記の返答を受けた一度だけだったとのこと)は立憲民主党(旧立民)に参加して東京4区から立候補したが、この区の自民党候補は非常に強かったので比例復活もできずに落選した。しかし2017年末には早々と同区の総支部長に再任されたことが本書の巻末に書かれている。2021年衆院選後の処遇とはえらい違いである。後者には、従来旧立民系にほぼ全部を占められていた総支部長=次期衆院選公認予定候補=を、旧立民と同等の比率になるくらい旧希望・民民の人たちや泉グループが新たに発掘した人たちに差し替えたいとの狙いがあったであろうことには、疑う余地がないと思われる。

 井戸さんはそれまでにも、兵庫1区から宮城4区への国替えを強いられ、宮城では区の合併のために安住淳に追い出されて東京4区に再度の国替えを強いられていた。その間、東京への転句を希望しながら果たせなかったこともあったという。これらの国替えについては前記安住淳のほかにも、細野豪志松原仁の実名が出てきて彼らのなした行状(悪行)が暴かれている。

 こんな本を岩波書店から出した井戸さんが、旧希望・民民の新執行部に疎まれたのはそりゃ当然だろうなと思ったし、旧立民の政治家も前記安住淳その他の名前が上がっているから、旧立民の中にも井戸さんをよく思わない人たちもいるかもしれない。

 しかし、それらはあくまでも立憲民主党という野党第一党の国会議員、つまり権力者たちから見ての話に過ぎない。私を含む読者の大部分が立つべきは、党内のパワーゲームに起因する人事権の行使によって痛みを受ける候補者の側だ。何しろそのパワーゲームは外部からは見えないところで行われているので、2021年衆院選で井戸さんが経験したように、人事は青天の霹靂のように降ってくるのである。前にも書いたが、私も予期しない「青天の霹靂」の人事でえらい目に遭い、それによってその後の人生が大きく変わった経験をしているので、決して人ごととは思えない。そしてそのようなことは、こじこじさんからいただいたコメントにも書かれていたように、社会生活をしている人間には誰にも起こり得ることなのだ。しかしそれを「権力(人事権)を行使する側 vs. される側」の対立構造としてとらえる人間は、残念ながら自公政権批判側のはずの人々の間にもほとんどいない。極言すれば、大多数の人間は権力者たちが繰り広げるパワーゲームを娯楽として消費しているだけだ。

 私は東京15区補選で酒井菜摘候補に投票するが、本来この補選に出て衆院議員に返り咲けるかもしれなかった井戸さんのことも忘れてはならない。そう思ってこの本を借りたのだった。