kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本シリーズ第5戦、ソフトバンク王手。やはり「読売リーグ」は弱かった

日本シリーズ第5戦はソフトバンクが敵地で3連勝。ある意味予想通りだった。

マスコミは「外弁慶シリーズ」などというが、間違っても褒められたものではない。興行的にも最悪だろう。MLBを含めたこれまでのテレビ観戦においても、1996年のワールドシリーズといい2000年の日本シリーズといい、「外弁慶シリーズ」にはろくな思い出がない。私の嫌いなヤンキースと読売が勝ったシリーズだったからである。逆に、2001年のワールドシリーズダイヤモンドバックスヤンキース)や2003年の日本シリーズ福岡ダイエー阪神)といった「内弁慶シリーズ」は印象に残る良いシリーズだった。こういうシリーズは、やはり本拠地のファンが喜ぶ試合が続く方が盛り上がって良い。興行的にも2003年の日本シリーズなど最高だったのではないか。

「外弁慶」の1996年ワールドシリーズと2000年日本シリーズは、いずれも第5戦までホームチームが全敗していたが、第6戦にホームチームが勝って本拠地のファンの祝福を受けた。日米のシリーズを通して、ホームチームが6連敗したシリーズを私は知らない。もしそんなことになったら、せっかく今日王手をかけた福岡のファンは怒り狂うだろうし、名古屋のファンも「ホームで勝てよ」と思うだろうから、せめて第6戦はホークスに勝ってシリーズを締めくくってもらいたいと思う。万々一、第7戦までホームチームが全敗の「完全外弁慶シリーズ」になったら、プロ野球の人気はさらに大きく低下するだろう。

1996年のヤンキースにしても2000年の読売にしても戦力的には圧倒的に優位と言われていたチームが思いがけない連敗でスタートしたシリーズだった。それは今年の日本シリーズも同じだ。昨年、アドバンテージをもらったクライマックスシリーズで王手をかけながらホームで3連敗してロッテに日本シリーズ進出を許したソフトバンクの勝負弱さが残っていると感じた第1,2戦だった。

だが、第3戦からの3連戦では、中日が星野監督時代の1999年に当時ダイエーだったホークスにホームで3連敗した伝統を再現した。昨年のロッテ戦以来、ランナーを出すもののあと一本が出ない中日の、ホームでの日本シリーズの弱さは異常だ*1。2007年には日本ハムに3連勝しているとはいえ、あの年は日本ハムヒルマン監督のメジャー移籍が決まっていて、ハムの選手に覇気が全くなかった。参考にはならない。

この3連戦、いずれもホークスが初回に先制してそのままリードを守り切ったため、行なわれた27イニング全ての終了時点でホークスがリードしてイニングを終えたという珍記録が生まれた。しかし、1990年の西武対読売に前例があった(第1〜3戦)。さらに思い出してみると、日本シリーズ全試合を通じて1イニングたりともリードを奪えなかったチームも過去には存在した(2005年の阪神=対千葉ロッテ)。たいていのシリーズ通算チームワースト記録は1990年の読売と2005年の阪神が持っているから、今シリーズで2勝を挙げている中日の付け入る隙は少ない。同じ相手(ホークス)にホームで勝ち星なしの6連敗(1999年と今回)というのは他の例が果たしてあるだろうか。

で、その2005年に阪神が負けた頃からずっと思っているのだが、やっぱり読売リーグは弱い。読売リーグは、2002年以来、中日、読売、阪神の「3強時代」がずっと続いているのだが、3球団ともたいして強くないのである。しかしその強くない3球団にヤクルト以下の3球団がなかなか勝てない。昨年後半以来、ようやくヤクルトが「4強」と言われるようになり、今年は2位に食い込んだが、それでも終盤戦のナゴヤドームで中日に勝てなかった。それも、この3連戦での中日にそっくりな負け方をヤクルトは繰り返した。中日戦だけではない。勝てない相手や勝てない球場ではヤクルトはずっと勝てなかった。京セラドーム大阪での阪神戦、その阪神戦に登板する時の村中などである。そしてそのヤクルトにとって大きな壁だった阪神は中日戦には簡単に負け、その中日は本拠地でソフトバンクに歯が立たない。パシフィックリーグのチームとヤクルトの差は想像もつかないほど大きいと思われる。

これが現実なのである。やっぱり「読売リーグはダメだ」と思わされた3試合だった。プロ野球、特に読売リーグは、まず読売支配を打倒しない限り未来はないだろう。

*1:一方、昨年の第4戦、今年の第1,2戦と、敵地での延長戦には中日は強い。