今週は仕事がかなりきつかったため、統一地方選前半の維新躍進という大災厄についてあまり発信できなかった。
昨年の安倍晋三射殺に伴う(旧)統一教会と自民党との癒着で、岸田内閣支持率が一時大きく下落し、安倍内閣時代には当たり前だった支持率のV字回復も昨年中には起きなかったが、支持率は今年に入ってU字回復した。その要因として、まず年初の乃木神社参拝などで立民代表の泉健太がプチ炎上したあと、2党員除名騒動で共産党が大炎上したことが挙げられる。立民と共産への失望が、自民党内閣としては安倍晋三や菅義偉のような禍々しいイメージが薄い*1岸田は、安倍の系列でもないしまあいいかといった具合に消極的支持を取り戻したとしか私には解釈できない。
統一地方選での維新の躍進も、一昨年の衆院選や昨年の参院選で見られた維新の勢いがまだ残っているという要因もあろうが、それ以上に統一教会と癒着している自民党は嫌だけど立民も共産もダメだから、と「消去法」で維新を選んだ有権者が多かったためではないかと私は推測している。本当なら消去法で真っ先に消されるべき政党が維新なのだが。
社民党員・まことん氏のツイートより。
統一地方選での「維新」の大躍進。大阪府市の両議会での過半数確保。「反維新」の立場性に無力感が一杯。もう、左派やリベラルにありがちな、紋切り型の「維新」批判は通用しない。この結果は、庶民に「維新」路線を強く支持する流れがあるということ。その真相を理解し、真摯に学ばねば、先は無い。
— まことん┃持続可能な人生のため働く中年 (@makotonch) 2023年4月12日
最大の要因は「惰性力」だろう。周りがみんな維新を支持しているから私も、という阪神ファン的心理規制が支持政党選択にも働いているのではないか。それが今も全国的に働いているのが自民党であって、こちらには読売ファン的心理規制が働いている。
その意味でタイガースは維新に、ジャイアンツ*2は自民党にそれぞれ似ている。だから私はこの両球団は優勝させたくない。どうやら読売には48年ぶりの最下位のチャンスがめぐってきたようで、これは何がなんでも実現させたいが、それと同時に阪神の「アレ」も絶対に阻止したい。「アレ」(阪神優勝)を阻止するのがスワローズではなくベイスターズ*3やカープであってもそれは我慢する*4。7回まで完全試合の投手を降板させるという、16年前に落合博満がやったのと同じようなことをやる監督は評価できない。そういえばあの時岡田彰布は落合采配を肯定して「ウチなら(藤川)球児や」と言い放った。16年後にそれを実行したわけだ。
維新の政策については見るところは何もないし、実績もひどいものだ。象徴的なのは新型コロナによる大阪府内の大量死である。
下記川上浩一氏のツイートに、全都道府県における新型コロナ陽性率と致死率がプロットされている。
矢追記者、政令指定都市についで、各都道府県の陽性者、死者数比較。@kensuke_yaoi 再び致死率のバーを書き込みました。新潟、鳥取、島根、福井の健闘が光ります。政令指定都市でワーストだった、大阪市、堺市、神戸市、札幌市が属する大阪府、兵庫県、北海道は、都道府県でもやはりワースト。 https://t.co/M7WTZuC2VY pic.twitter.com/01lESc2aLc
— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) 2023年4月9日
リンクされているのは毎日新聞の有料記事に載ったグラフを同紙広島支局の矢追健介記者が発信した下記のツイートだ。
新型コロナの対応について、山陰・山陽のデータを見比べてみました。するとまたいろいろな状況が見えてきました。ぜひリンクをクリックしてご覧下さい。
— 矢追健介 (@kensuke_yaoi) 2023年4月7日
データでみる山陰・山陽-’23統一地方選:/4 新型コロナ対応 独自の医療体制が奏功 /広島 | 毎日新聞 https://t.co/sp7qeVn1Ab
そのグラフに川上氏が致死率0.1%、0.2%、0.3%の3本のバーを書き加えた。致死率は左上ほど悪い。致死率が全国最悪なのは北海道で、大阪は2番目だが、北海道の場合は全国平均の致死率が5%を超えた第1波の陽性者が多かった影響が残っているものだろうか。もっとも道知事も新自由主義で悪名高い鈴木直道だが、今回の同知事選挙で圧勝した。
大阪は第何波であろうが常に成績が悪い。新型コロナの致死率は全国平均で0.2%を少し超える程度だが、大阪では0.3%に達している。陽性率も全国平均の1.5倍くらいだ。掛け算すると、大阪府民の新型コロナ死亡リスクは全国平均の倍以上になる。他の自治体に住んでいれば死なずに済む命が、大阪に住んだために失われてしまう。「維新に殺される」のである。それが現実であるにもかかわらず、吉村洋文らは第4波の時には「第3波より致死率が低い」、第6波の時には「致死率は全国で中位だ」などと強弁していた。第4波の時に弊ブログがやったファクトチェックをより詳細に行ったnanijiro-iさんのブログ記事を下記にリンクする。
私は大阪府出身だが、それにもかかわらず全国で一番住みたくない自治体が大阪府である。「維新に殺され」てはたまらないからだが、大阪の民放テレビを見たくないというのもある。維新とタイガースの宣伝であふれ返っているに違いない。
そんな維新が今回の統一地方選で厄進したわけだが、誰に聞いても維新の良さなどわからない。
前記まことん氏のツイートには下記のコメントツリーがあった。但し維新支持者の発信ではない。
大阪からですが、若年層に受けの良い政策を並べてるんですよね。まー、見てくれだけですが、見てくれで判断する暇しか普通はないので。
— 銭の華は三分咲きの 蛮族のサル (@tamo2_1965) 2023年4月12日
維新の訴えの見栄えの良さはすごいです。イベントプロデューサーか演劇の監督でもついているみたい。
— 脱学校志向 (@deschoolorient) 2023年4月12日
駅前での訴えの格好良さ、新しさの演出。
後で「なんだ、保身じゃないか」と気づいた時にはもう遅い。
何か変と感じても、普通の労働者生活者は考える意志も能力も搾取されている。
「何か変だと感じても」維新を支持する最大の要因は「みんなが支持しているから」だろう。みんなが応援しているからタイガースを応援する、赤信号などみんなで渡ればこわくないから横浜スタジアムでルール破りの六甲おろし大合唱をやらかすわけである。それで批判されると逆上する。昨年の日本シリーズでバファローズファンが「ヤクルト打線を抑えられるのはバファローズ投手陣だけ」とヤフコメで自慢したら、そのコメントに激怒した阪神フーリガンが怒鳴り込んできたことがあったが、これを見た時には呆れ返った。もっとも現在のスワローズ打線は12球団最低のチーム打率に喘いでいるが。村上宗隆も山田哲人もタイガースの佐藤輝明ともどもバットは湿りっ放しだ。
バファローズを応援する立民支持者のぷろもはん氏はこの期に及んで維新にすり寄り続ける同党代表・泉健太にしびれを切らしているようだ。
今は維新と対峙すべき時間だと思うよ。
— ぷろもはん🕊🌈💙💛 (@promoterno26) 2023年4月14日
これ以上関西で統一地方選闘う人の足を引っ張るのはやめてほしい…#立憲ボイス@CDP2017 @izmkenta
しかし大阪府での維新支持率47%に対して立民支持率はわずか3%。ぷろもはん氏が在住する兵庫県でも、大阪よりは少しだけましかもしれないが大差ないだろう。少し前までは維新は大阪以外では通用しないなどと言われていたが、既に兵庫と奈良を攻略した。東京や神奈川ではまだまだ自民に遠く及ばないが、昨年参院選での得票率では立民を抜き去った。維新にすり寄る泉から私が連想するのは自民党にすり寄り続ける公明党の姿だ。これでもまだ立民が野党第一党であること自体信じられない。
ところで上記まことん氏のツイートへの最初のコメントに書かれた「若年層に受けの良い政策を並べてる」で私が連想したのがたかまつななだった。ひろゆきや成田悠輔もそうだが、たかまつななを合わせたこの3人は際立って「維新的」な人たちだといえるだろう。
弊ブログの下記記事にたかまつ支持者が寄越したコメントを紹介する。
名無し
コメント主の支持政党が維新かどうかは知らないが、自民か維新だろうなとは推測される。そうでなかったとしても保守系無党派層だろう。
あまり弊ブログにはこない種類のコメントだが、はてブが多かったようなので*5、普段は弊ブログにアクセスしない人が見にきて、記事に腹を立てて書いたものだろう。私はこのコメントを一昼夜ほど承認せずに寝かせていたが、記事に取り上げることにして承認した。するとさっそくsuterakusoさんが目ざとく見つけてくれた。
とりあえず鍋パーティーのブログに書いたことがある次の記事にリンクを貼ろうと思うけど、こんなつける薬のなさそうな人が現れた時にこれどうぞと提示できるもっとよいものがあるべきかもしれませんね。
これぞ新自由主義の論理
https://nabe-party.hatenablog.com/entry/2021/01/30/114640この人がそちら側の人とも思えないというのは置いておくとして、まさしく盗っ人猛々しいって話でしょうね。
あと、竹中とつるむたかまつの話で富裕層が海外に出て行くぞとか言われてもねとか、○○利権って結局、○○の方ではなくて、○○に群がる寄生虫どもが元凶であって、それがまさしく富裕層とその走狗だろうと。
「この人がそちら側の人とも思えない」というのは、コメント主が富裕層の人間だとは思えないという意味だろうが、私もコメントを読んで最初に思ったのはそのことだった。
こういう思考をさせる同調圧力をかけるところに維新や「成たかまつひろゆき」の危険性があるのではないだろうか。
あえて名前を挙げるが、こたつぬこ(木下ちがや)氏にせよnaoko氏にせよその他の立維共闘支持者にせよ、維新にはこんなに良いところがあるんだというメリットを示してくれるのであればそれをベースにした議論ができるのだが、単に総理大臣が安倍菅から岸田に代わって維新が自民離れしているとか、野党第一党と第二党が提携した方が得に決まっているとかいう程度の理由しか出てこないのではお話にならない。前者については、本音では安倍菅離れがしたい(に決まっている)岸田に対して、安倍菅政権の方がメリットがあった維新が反発しているだけなのであれば自民離れとはいっても逆方向の話になる。仮に部分的に反自民で一致するところがあったとしても「別個に進んでともに撃つ」だけで良くて共闘の必要など何もない。後者については、維新には若年層に不人気だという弱点はあるけれどもボリューム層の支持ではもはや立民を完全に上回っているので、この条件下での「共闘」は維新を利することにしかならない。
そして何よりも、維新の経済政策は結党から今に至るまで過激な新自由主義から一歩も動いておらず、その弊害が顕著に表れたのが前述の新型コロナによる死亡リスクだ。
維新の圧勝も、立民と維新の共闘も、ともに百害あって一利なし。この結論を変える言説にはまだ出会えていない。
>本当に優遇されているのはたかまつが属する一族のような富裕層なのだが、
そんな訳ないだろ。
富裕層への税率は所得税・住民税を合わせて最高で55%
富裕層への負担が多すぎる割に金持ち批判が凄いから、富裕層は嫌気がさしてドバイやシンガポールに移住する。
これ以上、富裕層虐めしたら本当に日本からいなくなる。
あとたかまつ自身は親から勘当されてるらしいよ。
高齢者優遇と言うよりも医療利権の問題なんだよね。
医療利権の恩恵に預かるのは高齢者が多いから高齢者優遇に見えてしまう。
胃瘻でいつまでも延命させたり、透析は金になるからと腎移植よりも早々と透析治療させたりと、とにかく医療利権を守るための制度が多い。
そのせいで社会保障費が膨らんで現役世代への負担がキツくなる。