kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

下地幹郎、中国IR企業からの100万円受領を認めて維新に離党届を提出

 日本維新の会衆院議員・下地幹郎が中国のIR企業・500ドットコムから100万円を受け取っていたことを認め、維新に離党届を出した。以下沖縄タイムスの記事より。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/519254

 

下地幹郎衆院議員、辞職は近く結論 離党届を提出 IR事業中国企業から100万円受領問題

2020年1月8日 05:00

 

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、中国企業「500ドットコム」側から現金100万円の受領を認めた日本維新の会下地幹郎衆院議員(58)=比例九州=は7日、離党届を提出した。議員辞職に関しては支持者の声を聞いた上で近く結論を出すとしている。那覇市内で開いた後援会の会合後、記者団に語った。

 離党届が受理されたかは明らかになっていない。下地氏は党のイメージを考慮し、早めの離党を決めたと説明。「まずは離党し、辞職の問題に決着をつける。(支持者と)相談しながら検討する」と述べた。20日の通常国会開会までには判断する考えを示した。

 下地氏は2017年の選挙で沖縄1区で落選し、比例で復活当選した。離党する場合は党に議席を返上すべきではないかとの問いには「そういう声も真摯(しんし)に受け止めたい」と述べ、議員辞職の可能性に言及した。

  維新の松井一郎代表が辞職すべきとの考えを示していることには「党代表としてはそういう思いなんだろう」と述べるにとどめた。

 下地氏が離党すれば県関係の維新国会議員はゼロになる。下地氏は、自身の離党後も「県連総支部は存続していかないといけない」と語り、維新県連は活動を継続すべきとの考えを示した。

 この日は支持者ら約200人を那覇市内の後援会事務所に集め、辞職に関して意見を聞いた。下地氏によると明確に辞職を求める声はなかったが、意見は一致していないという。

 

沖縄タイムスより)

 

出典:https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/519254

 

 松井一郎が下地に議員辞職を求めたことについては「松井、お前の方が下地よりももっとひどいワルだろうが。お前が言うな」としか思えない。大阪の人たちはなんでこんな奴を支持するのだろうかと怒りが込み上げる。

 下地も国民新党にいた頃から大嫌いで、次の総選挙に出馬するのも難しいだろうからざまあみろとしか思わないが、下地が中国企業から受け取った金は、既に逮捕された秋元司の3分の1しかない。

 秋元司も現在でこそ東京15区(江東区)選出議員だが鹿児島県出身で、選挙には決して強くない。選挙区で勝ったのは2017年が初めてだった。しかし態度だけはでかい奴で、俺は300万円なんてはした金はもらわないとほざいて批判を浴びた。東京15区は国制に関しては本当に不毛の選挙区で、過去にもろくな選出議員がいなかった。2009年の衆院選ではオスプレイを絶賛した民主党小沢系の東祥三*1が当選し、2012年と2014年には親父の故柿沢弘治譲りの渡り鳥野郎・柿沢未途*2が連勝した。柿沢もIR議連の副会長で、ジャパンライフからも献金を受けている。野党より自民党の方がお似合いの政治家としか思えないが、自民党は秋元に見切りをつけて過去東京15区で3度当選した木村勉*3の娘・木村弥生(現自民党近畿比例ブロック選出衆院議員)を擁立するとの噂が自民党支持者たちの間に流れているらしい。

 以上からわかる通り、決して立場が強くない秋元は逮捕前、破れかぶれにでもなったのか、週刊朝日の取材に言いたい放題を言っていた。

 

dot.asahi.com

 

 以下引用する。

 

(前略)秋元容疑者は逮捕前に「300万なんてはした金もらわねえよ」と反論して、批判を浴びた一方、「500社は議員への働きかけ、ロビー活動はすごかった」などと語っていた。

 そして本誌に「直接、見たわけじゃないが」と断りつつ、こう打ち明けていた。

「約2000万円もらっている議員がいる。ケタが1つ、違うだろうっていう議員だっている」

「(自民党内の)IRの三羽烏って呼ばれる議員なんか、そりゃすごいんじゃないか。12月になって、俺の疑惑が報じられはじめたら、3人は俺の電話にすら、出なくなった。ひどいやつらだ」

 さらに驚くべき「闇」を示唆する証言をしていた。

「なんらかの形でカネもらったり、便宜を受けたリストに載っている議員は30人はいるんじゃないか」

 東京地検特捜部はすでに、自民党白須賀貴樹衆院議員や勝沼栄明前衆院議員の関係先を家宅捜索。事情聴取など突っ込んだ捜査が行われる見込みだ。前出の捜査関係者がこう続ける。

「500社は秋元容疑者以外にも、幅広くたくさんの国会議員に食い込んでいたことは捜査でわかっている。その数は少なくとも10人以上はいる。問題はそれらの議員がどのような便宜を図ったか?職務権限があったのか?という点。まあ、こんな多くの国会議員に働きかけをしようとすれば、費用だってかなりかかる。それほどIRの商売はカネになるという証明かもしれない」(後略)

 

週刊朝日 2020.1.6 08:00)

 

出典:https://dot.asahi.com/wa/2020010500017.html

 

 「IR三羽烏」って誰だ、ネットでは既に実名が割れてるんじゃないかと思って調べてみたが、最近は5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)もすっかり衰退しているらしく、野党の議員の名前を挙げるなどのくだらない書き込みばかりで見る気も失せた。金を渡しても権限を持たない野党の議員なんか役に立たない。週刊朝日の記事にも「(自民党内の)IRの三羽烏」と明記されている。中国マネーにどっぷり漬かっているのは自民党の議員たちなのだ。奴らは中国の脅威をがなり立てる一方、自分自身は中国企業からの黒い金をもらっている。

 秋元司もどうせ次の衆院選には立候補できないのだから、べらべら「自民党IR三羽烏」の実名を喋ってしまえば良いと思うのだが、逮捕後1月4日までの勾留がさらに10日間延長されて現在も勾留されているので、現時点ではどうしようもない。

*1:東祥三は元公明党。2012年に落選し、翌年の参院選にも落選して政界引退。現在は千葉科学大学危機管理学部教授で、安倍内閣支持を公言している。小沢一郎系の政治家はこんな奴ばかりだ。

*2:柿沢未途は2012年にはみんなの党、2014年には維新の党の公認で当選した。現在は無所属衆院議員。

*3:木村勉は柿沢弘治都知事選出場のための辞職を受け手行われた1999年の補選で初当選。2000年には復帰戦に臨んだ柿沢に敗れたが、2003年と2005年に連続して当選した。2009年に東祥三に敗れて落選し、政界を引退。

三宅雪子元衆院議員が自殺

 三宅雪子衆院議員の自殺は悲しむべきニュースだ。

 三宅氏は心身の不調を抱えていたらしい。人間、50歳を過ぎると身体に思うに任せないことが増える。しかも三宅氏は小沢一郎に対しては敬愛の念を持ち続けたようだが、小沢の取り巻きや「信者」とはトラブルを起こし、訴訟沙汰にもなっていた。

 この日記では昨日(1/6)、2016年に公開した下記記事が多くアクセスされたようだ。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記リンクの記事の冒頭で「電波芸者勝谷誠彦をdisり、本文ではきっこをdisっているが、勝谷誠彦も酒に溺れて一昨年(2018年)に57歳で死んだ。勝谷と同列に並べては三宅氏に失礼に当たるかもしれないが、メディアや政治という虚飾に満ちた世界で行き急いだ印象が共通する。本当はメディアや政治が虚飾の世界であってはならないのだが、今の日本ではそうなってしまっている。

 日記内検索をかけて、2017年の「希望の党」設立騒動から衆院選にかけての頃、三宅氏のツイートをよく見ていたことを思い出した。彼女のツイートは本当に「玉石混淆」だったが、時折、感心させられるメッセージを発信していた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記リンクの記事から2017年の三宅氏の一連のツイートを孫引きする。下記は、立憲民主党立ち上げの翌日に発信された4件のツイートをつなげて引用したもの。

 

https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/914973370470473728
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/914973644182347776
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/914973708896182272
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/914973815867719680

 昨日の枝野新党の立ち上げでほっとしています。保守リベラルの受け皿ができ、また、野党共闘が継続できるようになりました。共産党さん、社民党さんにはこの間ご心配をかけたと思います。小沢さん志位さんの関係は承知していません。自由党民進党合流、その後希望入りが報じられました。この件に関して、最初から小沢さんは最初から行く気はなかった、小沢さん志位さんの信頼関係は強固なものと今になって取り繕う人がいますが、そうであれば、早くに否定して3党で野党共闘を進めたはずです。どうも腑におちません。解党手続き指示も9人の希望入り申請も違うのならば、重要なことなのでその都度否定をすればよかったのではないでしょうか?今回、小沢さんの言葉や行動を勝手の「こうあって欲しい」と意訳する一部の方々がおり混乱しました。この件は志位さんに聞いていたのかいなかったのか含め、いつか語って欲しいと思っています。長いつきあいの経験からの志位さんは太郎さんと「報道で知った」ではないかと推測しています。根回し不足はずっと周囲の課題です。いらぬトラブルを生むからです。お2人及び社民党さんに説明していたかどうかは私たちは知るすべもありません。とにもかくにも、やっと受け皿ができてよかったと思います。

 

出典:https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20171003/1506985741

 

 三宅氏は、かつてフジテレビ報道局にいた。経済部所属だったようだが、小沢一郎を取材したことがあったらしい。小沢は自民党時代、新自由主義的な「改革」の旗手だったから、経済部の記者とも接触があったのだろう。その縁から2009年の衆院選に立候補して当選し、「小沢ガールズ」の一員となったという。

 それが、前述のように小沢の取り巻きや「信者」と衝突することになってしまったわけだが、上記4件のツイートを見る限り、敬愛する小沢一郎に対しても一定の距離感を持っていた三宅氏の方に理があったに違いないとしか私には思えない。

 もっとも、下記文春オンラインの記事を参照すると、三宅氏には精神的に不安定なところが多少ならずあったようだ。

 

bunshun.jp

 

 以下、記事の終わりの部分を引用する。

 

国政復帰への並々ならぬ執念を感じた

 とりわけ2015年4月、小沢氏率いる「生活の党」から離党する時は、私に延々と“被害”を訴えた。

「小沢さんは悪くないが、周りの秘書が悪い。私はブロックされている。小沢さんは騙されているんですよ」

「小沢さんの支持者からツイッターで脅されている。殺人予告もされています。これ記事にして、止めてもらえませんか」

 その頃から「被害者妄想」の傾向が出てきたように感じる。

「ストーカーに遭っているんです。これ、いずれ大事件になるから文春さんは取材すべきですよ」

 あげくに夜、泣きそうな声で「助けて! 追われてるんです」と電話をしてきたことがあった。「警察に言った方がいいですよ」と応じると、「そうですか……」と悲しそうに切るのだった。

 昨年夏の参院選では立憲民主党からの出馬を模索していたようだ。それはかなわなかったが、その反動からか、ある公認候補の悪口を言ってくるようになった。

「〇〇さんはとんでもない詐欺師。よく枝野(幸男・立憲代表)さんが許しましたね。あの人は取り入るのがうまいから、どうせ汚い手を使って公認とったんでしょう。なんで記事にしないんですか」

 私が最後に三宅氏を見かけたのは、昨年7月の参院選最終日、立憲民主党塩村文夏氏の演説会場でのこと。三宅氏は応援団を買って出たようで、スマホで演説の様子を撮りまくっていた。国政復帰への並々ならぬ執念を感じた。その悲壮感漂う姿に、私は声をかけることができなかった。

 2018年1月に亡くなったアナウンサーの有賀さつきとはフジテレビの同期で、若い頃はよく連れ立って、ゴルフなどに興じていたという。今頃、有賀氏と再会しているだろうか。

 

出典:https://bunshun.jp/articles/-/24273?page=2

 

 三宅氏は、最近難病が報じられた八木亜希子*1とも同期だった。以下三宅氏のツイートより。

 

 

 「八木ちゃん」はもちろん八木亜希子のことだろう。このツイートは三宅氏の自死4日前に発信されたが、八木氏を気遣うとともに、八木氏ではなく自らの死によってもう二度と会えなくなる旧友との思い出に感傷的になっている様子がうかがわれる。

 一部では例によって他殺ではないかとの陰謀論が流されているようだが、下記ツイートを見ると、覚悟の自殺だったことが確信される。

 

 

 このツイートに限らず、死の直前の氏のツイートには、あまりにも痛ましいものが多い。

 山本太郎が三宅氏の自死を悼むメッセージを発したことを、「広島瀬戸内新聞ニュース」で知った。

 

hiroseto.exblog.jp

 

 三宅雪子氏は、その山本太郎を諫めるツイートも発していた。

 

 

 この諌言に耳を傾ける度量を果たして山本太郎が持っているかが問われるが、私見では最近の山本太郎は、小沢一郎ではない誰か*2の影響を強く受けすぎているように思われるので懸念される。

 「極オ」という言葉も懐かしく思い出される。「極端なオザシン」の意で、これはおそらく三宅氏の造語だろう。

 三宅氏より少し年上の私も、昨今は思うに任せない身体のトラブルに悩まされることが増えた。それだけに、上記山本太郎に対するツイートもそうだが、言うべきことをきっちり言える資質を持った人の早すぎる死、それも自死が惜しまれてならない。

*1:https://www.asahi.com/articles/ASMDS2W2VMDSUCLV001.html

*2:私が思い浮かべているのは某新左翼関係者。

何が「日本野球の今そこにある危機」なのかさっぱりわからない

 この記事だが、悪いけど何が問題なのかさっぱりわからなかった。

 

toyokeizai.net

 

 記事に多くのはてなブックマークがついているが、私が全面的に同意できるブックマークコメント(ブコメ)があった。下記に示す。

 

急激な「野球離れ」で球界が直面する厳しい未来 | 日本野球の今そこにある危機 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

スポーツとして適正規模になるだけの話じゃない?

2020/01/05 14:19

b.hatena.ne.jp

 

 競技人口が減るのは、単に今までが多すぎただけの話だ。

 また、野球にはプロとアマがあるが、プロ野球の興行という観点から見れば、今世紀に入ってからは明らかに状況が前世紀よりも好転している。

 いうまでもなく、プロ野球には読売という悪の総本山があり、その権勢はマスメディアによって保たれてきた。しかし、読売の権威は確実に失墜してきている。

 福岡(1989年)や札幌(2004年)に球団が移転した時、特にそれまでプロ野球チームの本拠地になったことがなかった札幌では、「北海道の人は読売ファンばかりなのに、球団が移転してもファンが定着しないよ」などとしたり顔に語る人間が多くいたが、その前評判は覆された。仙台(2005年)然り。

 東京に近い横浜では、長く読売や阪神相手の試合では、相手球団のファンがホームチームのファンよりも数が多いという不健全な状態が続き、「球団を新潟に移転した方が良い」という説がまかり通っていたが、これもTBSから経営権を買ったDeNAが検討した結果「横浜で十分やっていける」という結論を出し、それが正しかったことが現在示されている。横浜スタジアムでは読売戦でも阪神戦でも相手球団の応援団やファンはレフト側・三塁側の一部にしかいない。唯一、近年人気の高い広島戦においてのみ、スタンドに占めるファンの割合が真っ二つになるだけだ。

 一方、凋落したとはいえ、まだ「かつての盟主」の威容を(残念ながら)残している読売はともかく、悲惨なのが中日とヤクルトだ。名古屋市のど真ん中にあったナゴヤ球場から郊外、それも西濃や三重からは不便な場所にあるナゴヤドームに移転したこともあって、中日の本拠地戦は読売戦や阪神戦であっても閑古鳥が鳴いている。中日に輪をかけてひどいのがヤクルトだ。立地は変わっていないのに凋落している。中日は新聞社と系列のテレビ・ラジオ、ヤクルトはフジテレビとニッポン放送を中心としたマスメディアによって人気を支えてきた、いってみれば読売型の球団経営をやるチームだったが、読売と歩調を合わせるように凋落しているのだ。だがこれらの球団の危機は、単に球団経営が時代遅れになっただけの話に過ぎない。

 スポーツ全体に占める野球の比重についていえば、甲子園の高校野球が不当にもてはやされてきた前世紀以来のあり方が異常だっただけの話だ。真夏の日中に、日本の中でも特に蒸し暑い地方で行われる、あの百害あって一利なしの馬鹿げた大会が、今の形で続くのは果たしていつまでだろうか。

 「読売」と「甲子園」の没落に悲しむべきことは何一つない。今はまだ、プロ野球の興行に関してさえ、広島やDeNAの例に典型的に見られるように、需要の掘り起こしが功を奏しつつある段階に過ぎない。それらが満たされた段階で、試合時間が長く退屈しやすい特徴を持つ野球の人気が低落する可能性は十分あるが、それはまだまだ先の話だろう。

 とりあえず現時点ではまだ、昔の不健全な状態に回帰しようとする惰性を今なお有する読売をdisりつつ観戦を楽しむ段階だろうと勝手に思っている。

米軍が提示した複数の選択肢からトランプが選んだのが「司令官殺害」だったというが

 下記の朝日新聞、というよりニューヨークタイムズの報道だが、にわかに信じ難い。

 

www.asahi.com

 

 最近は朝日(や毎日)の記事がコピペできないので、記事の核心部を拡散した共産党小池晃のツイートを下記に示す。

 

 

 トランプが何をしでかすかわからない人間であることは誰でも知っているのだから、「トランプが選ぶことが想定していなかった」というのはあまりにも無責任だろう。米軍による責任逃れだとしか思えないし、記事を書くなら、たとえば「選択肢として米軍が提示した」として、もっと米軍の責任を問うトーンを強めるべきだと思った。

 もちろんトランプは論外。トランプは米軍が提示した選択肢のうち「テロの実行」を選んだということだ。

 安倍晋三がどんな反応を示すかも注目される。

急に決め、政権内にも驚きが広がった様子を伝えている。「司令官が米国の外交官と軍人を攻撃する計画を進めていたため、防衛

ゴーン不法出国に続いて、アメリカがイラン・ソレイマニ司令官を爆殺。安倍晋三はゴルフと映画

 大晦日に発覚したカルロス・ゴーンの不法出国に続いて、正月3日にはアメリカが大統領・トランプの命令によってイラン・イスラム革命防衛隊のソレイマニ(スレイマニ)司令官をイラクのバクダッドで爆殺するという仰天の暴挙を実行した。

 ゴーン出国にもソレイマニ爆殺にも安倍晋三がコメントを出せず、ひたすらゴルフや映画にかまけていたことは、安倍が裸の王様である周知の事実を踏まえればあまりにも当然だが、野党もアメリカ非難のコメントをいち早く出したのは共産党(志位委員長)だけというお粗末さで、ダメさ加減にかけては枝野幸男玉木雄一郎山本太郎もみな安倍と五十歩百歩ではないか。田中角栄や、ましてや中曽根康弘など肯定的に言及したくは全くないが、それでも1973年の第4次中東戦争を受けての田中や中曽根らの動きさえ、現在のこの国の与野党政治家たちには望むべくもなさそうだ。

 ゴーンに関していえば、今後記者会見でゴーンが口を開くにつれ、この国の「人質司法」の問題が国際的非難に晒される可能性があるし、それに対しても安倍晋三が打つ手は何もないことは明らかだ。一昨年(2018年)にゴーンが逮捕された時に陰謀論者たちが流布した「スピン陰謀論」は論外だが、しかしながら日産経営陣らに泣きつかれた経産省の官僚たちが安倍晋三の威光をバックに東京地検に強い圧力をかけてのゴーン逮捕劇だった合理的疑いを否定する材料は何もない。経産省が、城山三郎が『官僚たちの夏』(1975)に描かれた、通産省と呼ばれていた当時から今も変わらぬ民族主義的な体質を持っており、だからこそ安倍晋三との相性が良いのだろうとは多くの人が想像するところだろう。逮捕は無理筋だったとの指摘もある。おまけに、ゴーンの勾留が異例の長期に及ぶにつれ、「人質司法」の悪弊が論じられることも多くなった。

 しかし、それらとは別に、ゴーンが日産で行った冷酷非情なリストラを忘れてはならない。「人質司法」にせよ、ことさらにゴーンの時にだけ問題にされるのは筋が通らない。また、以前にも妙ちきりんな変装をやったことがある、アルセーヌ・ルパンだかルパン三世だか巌窟王だかを思わせないでもないゴーンの脱出劇に快哉を叫ぶ向きがあることに対しては、強くその軽挙妄動を非難したい。こんな脱出劇は、ゴーンのような資本家階級の中でも特別に特権が強い階級がある者にしか実現できない。今回ゴーンの脱出に協力したパイロット4人と運航会社の幹部社員1人がトルコの捜査当局に逮捕されたが、うち運航会社の幹部は「引き受けないと家族に被害が及ぶ」との強い脅迫を受けた*1という。ゴーン一味から脅迫されなければ、彼らが法を犯して逮捕されることなどなかった。やはりゴーンはどこまでも大悪党でしかない。ゴーン及びその一味と、安倍晋三経産省・検察・警察等とは、きっちり両成敗しなければならないのだ。

 アメリカによるソレイマニ爆殺についても、過去にソレイマニに間接的に殺された人たちが多数いたために、ソレイマニの死を喜ぶツイートがあふれ返っている事実があることをもって、トランプ(アメリカ)を擁護しようとする人たちもいるが、彼らも同様に論外だ。

 ことに現在の日本では、トランプに圧力をかけられるであろう安倍晋三が、トランプに言われるがままに全面的にアメリカに追随するリスクがきわめて高いと思われるだけになおさらだ。どんなに生前のソレイマニが悪逆非道であろうが、過去に例を見ないとされるトランプの暴挙を許してはならない。

 最後に、トランプが4年前の大統領選の頃に、日本の陰謀論系反安倍・反自民論者たちの間に、「ヒラリーやオバマは戦争屋だが、トランプは戦争を止めようとする人間だ」とするトランプ擁護論が大流行したことを思い出しておきたい。下記は、当時ネットの一部の人たちの間で人気が高かった『マスコミに載らない海外記事』というブログが、レーガン時代に財務長官補佐を勤めたポール・クレイグ・ロバーツの記事の翻訳文を掲載した2016年8月のブログ記事だ。

 

eigokiji.cocolog-nifty.com

 

 以下引用する。

 

(前略)ひと握りの支配集団は、彼がロシアとの戦争を否定し、NATOの目的に疑問を投じ、アメリカ人の雇用の海外移転に反対し、アメリカ合州国を、まとまりの欠けた多文化組織へと変えつつある野放しの移民に反対しているがゆえに、トランプを憎悪しているのだ。巨大な政治力持ったひと握りの支配集団は、アメリカ合州国バベルの塔に変えようとしている。まとまりのない多様性の中では、ひと握りの支配集団の力が指数関数的に増大する。

言い換えれば、トランプは、アメリカのため、アメリカ人のためを思っているのだ。

ひと握りの支配集団と、連中のたいこもちが、トランプを憎悪するのはこれが理由だ。

ヒラリーに投票する大間抜けなアメリカ人は、戦争と自分自身の貧困化に投票しているのだ。

トランプに投票しても、同じ結果になる可能性もある。しかしトランプの場合は、それが確実かどうかは分からない。ヒラリーの場合、我々はまず確実にそうと分かっている。(後略)

 

出典:http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-9a55.html

 

 ここでロバーツは狡猾にも、「トランプに投票しても、同じ結果になる可能性もある」などと逃げを打っている。しかしその逃げは、上記引用文中の最初の2つの段落を免罪するには至らない。要するに、ロバーツは大嘘を書いたのだ。

 上記ロバーツと同様の意見を開陳していたのが、日本の陰謀論者・植草一秀だった。そういえば植草が山本太郎の経済政策のブレーンだとかいう話はその後どうなったのだろうか。人脈的に考えて、関係が切れているとは到底思えないのだが、もしそうだとすると山本元号党に過大な期待を寄せることは禁物だと、今年も繰り返し訴えなければならない。

 それでなくとも、「右」も「左」も「人治主義」から全く脱却できていないどころか、人治主義が問題だという問題意識すら持てていないことが、現在の日本の政治をめぐる状況の最大の問題点だ。それは何も山本元号党の支持者に限らず、自民・公明・維新・N国・立憲民主・国民民主・社民・共産その他どの政党の支持者にも当てはまる。政治家、特に政党の党首ともなれば、政党や政治家によってその強弱は違えども、大なり小なり権力者なのであって、その権力とは一定の距離を置くことが一般人には求められるのだ。それは、特定の政党や政治勢力の支持者であることとは何も矛盾しない。何も党員だから、党の支持者だからといって、政党の党首や執行部と自分自身の考えを一致させる必要など全然ないのだし、もし一致させようとする同調圧力があるなら、断固としてそれをはねのけよう努力しなければならない。

保釈中のカルロス・ゴーン被告がベイルート入り。無断出国か

 前のエントリに「今年の更新はこれで終わり」と書いたが、カルロス・ゴーンが日本を出国したニュースを取り上げないといけないので、挨拶文はいったん撤回する。

 まさか除夜の鐘に合わせたわけでもあるまいが、保釈中のカルロス・ゴーンが無断で日本を出国したらしいという仰天のニュースが報じられた。

 

www.afpbb.com

 

 以下引用する。

 

カルロス・ゴーン被告がベイルート入り、レバノン当局者

2019年12月31日 10:24 発信地:ベイルート/レバノン
 

【12月31日 AFP】(更新)会社法違反などの罪で起訴され保釈中の日産自動車Nissan Motor)元会長、カルロス・ゴーンCarlos Ghosn)被告がレバノンの首都ベイルートに到着した。レバノンの当局者と治安筋が30日、明らかにした。

 治安筋によるとゴーン被告は30日にベイルートの空港に到着した。レバノンの当局者はAFPに対し、「ゴーン氏はベイルートに到着したが、どのように日本を出国したのかは不明だ」と述べた。レバノンのメディアは、ゴーン被告はプライベートジェットでトルコからベイルートに入ったと報じている。

 2008年11月に逮捕され、現在は保釈中のゴーン被告は、来年春に始まるとみられる公判の準備をする間、娘と一緒に東京から出て日本国内を旅行したこともあった。しかし、保釈の条件には、ゴーン被告のパスポートは弁護人が預かると明記されている。

 逮捕前のゴーン被告は、両親の生まれ故郷であり、自身も子供時代を過ごしたレバノンに相当な時間と金を費やしてきた。

 ゴーン被告は、捜査は検察と日産が違法に共謀して行われたとして、全ての起訴内容について公訴を棄却するよう求めている。ゴーン氏の裁判に近い筋はAFPに対し、「カルロス・ゴーンは自身の責任から逃げようとしているのではなく、不公正な日本の制度から逃れようとしてるのだ」と語った。

 ゴーン被告の広報担当者は11月、裁判所が妻との面談を許可したことを受け、8か月ぶりに妻と面談したと明らかにしていた。(c)AFP

 

(AFP BBニュースより)

 

 ゴーンはもちろん無断出国だろう。逃げた方も逃げた方だが、逃げられた方も逃げられた方だ。「崩壊の時代」の大晦日にふさわしいニュースというべきか。

 

 大晦日の挨拶文はこちらのエントリに移す。これまた不細工な話だが仕方がない。

 

 この日記の今年の更新はこれで終わりです。12月は1日も休まず更新しましたが、新年は少なくとも4日までは(もしかしたら5日も)休みます。来年こそは安倍晋三政権を終わらせたいものです。

 それでは皆様、良いお年を。