kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

新潮社、百田尚樹の最新「小説」の「ヨイショ感想文」を募集(呆)

 これはひどい

 

 

 しかし、新潮社のこのツイートには「ヨイショ感想文」なんて書いてある。「ヨイショ」って普通、批判や揶揄の意味で使われる言葉だろ。

 

 このサンプルなんかを見ると「褒め殺し」かと思ってしまう。

 

 

 だが残念ながら、新潮社は「本気」で百田を「ヨイショ」する「感想文」を募集してるんだろう。

 これもまた「批判する言説の絶え果てた『崩壊の時代』」の一コマ。

20世紀以降の気候変動(地球温暖化含む)に人為的影響が強いことは不動の定説/tanpei1130さんとのコメント欄でのやりとりより

 このところ毎年のように思うのだが、若い頃(私が念頭に置いているのは、最初に上京した1980年から1993年頃までの間のことだ)に比べて、東京(や横浜など)の首都圏の夏は、異様なまでに長くなった。

 昨年と今年の夏は、ゴキブリや蚊が異様に少なかった。特別に酷い酷暑だった去年は、そのことがテレビのニュース番組でも話題になったが、今年も梅雨明け後は、一昨年まで夏によく見かけた路上を這い回るゴキブリが、昨年同様に少なかった。昨年も層だったが、暑さのピークを過ぎてからよく見かけるようになった*1。昨今の猛暑には、ゴキブリまでもが音を上げているのかと思った。

 そしてここ数日の蒸し暑さ。偏西風の蛇行によるという話だが、衣替えの季節で出先への外出時に必要になったスーツにネクタイの格好をした昨日(3日)は、外の空気の蒸し暑さに汗をじっとりかいて不快極まりなかった。天気予報を見ると、今日と明日は昨日以上に気温が高くなって30度を超える猛暑日になるらしい。10月に猛暑日なんて、昔は考えられなかった。今年は5月末にも猛暑日が続いたことがあって、5月としては異例の猛暑だとかテレビで言っていたが、いつの間にか、1年の半分を占める長い長い夏と、普通の冬と、ごく短い春と秋からなる四季の国になってしまった感がある。ことに今年は梅雨が長かった影響か、湿度がとても高い夏だったので、夏季の平均気温自体はおそらく今年より高かったであろう昨年の夏よりも、もっと疲労が蓄積した。

 もちろん猛暑の要因には「たまたまの」偏西風の蛇行もあろうし、東京の場合は人口の過剰な集中によるヒートアイランド現象の影響が強くあるに違いないが、それらを差し引いても気候の変動が極端に激しくなったように思われる。地球温暖化を含む気候変動が議論されるようになって久しいが、ここ数年、それがはっきり体感できるようになってきたと感じる。

 

 今日は、少し前に公開した下記記事に対するコメントを取り上げる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 この記事で私は、平河エリ氏の下記ツイートを引用した。

 

 

 上記に引用されているグラフを見れば一目瞭然、科学者たちは気温の観測結果を、「自然起源強制力のみを用いたシミュレーションのモデル」と「自然起源と人為起源の両方の強制力を用いたシミュレーションのモデル」とそれぞれ比較し、後者によく当てはまっていると結論を出している。だから、下記ツイートを皮切りに何往復かやりとりした「民主主義万歳」氏(エンジニアの人らしい)の一連のツイートを「知性的な立場とは言えません」と一蹴している。

 

 

 しかるに、グレタ・トゥーンベリさんを取り上げたこの日記の記事に、下記のコメントをいただいたのだった。

 

tenpei1130

 

私は今の地球温暖化の議論に疑問を抱いています。それは温暖化の最大原因を二酸化炭素濃度の増加に求めている点です。もしも地球がこれまで氷河期を何度か経験したことをkojitakenさんが認めていらっしゃるとしたら、その後は温暖化をしたことも認めていらっしゃるはずです。その温暖化当時も今のように何らかの原因で二酸化炭素を排出していたのでしょうか?二酸化炭素濃度が温暖化の直接原因でないとすれば現在の対策は修正されなければなりません。私は何の根拠も無く「太陽の運動と地球内部の運動」が最大要因のような気がして、それなら対策は難しく、適応策を検討すべきと考えています。なお、人間の自然に対する影響は減らすべきだと考えます。ご意見伺えればうれしいです。

 

 このコメントに私は切れ、下記のように返答した。

 

id:kojitaken

 

tanpei1130さん>

コメントありがとうございます。しかし、いただいたコメントには全く同意できません。

理由は、あなたのコメントには、この記事からリンクを張って紹介した下記平河エリ氏のツイート(https://twitter.com/yomu_kokkai/status/1176691099873640448)に引用されている、温暖化に対する人為的影響のデータ(3枚のグラフに示されている)に対する反論が全く書かれていないからです。

ましてやあなたは、

>何の根拠も無く「太陽の運動と地球内部の運動」が最大要因のような気がして

などと書かれていますが、これは議論する姿勢がないと言っているも同然であって、論外です。

 

 この返答はコメントをいただいたあと、たまたま在宅していたのですぐに書いた。すると数日後、下記の返事を頂いた。

 

tenpei1130

 

私の表現が稚拙でkojitakemさんに議論を求めているように取られたら謝ります。私が言いたかったことは、もしも産業革命以前にも地球が温暖化したことがあったとすれば今回も同じことが起こっている可能性はないか?という自分の疑問に「こういう理由でそれは違うんだよ。」といつかkojitakenさんの温暖化の記事で教えて頂きたいと思ったのです。氷河期がなぜ終わったかとか縄文時代はなぜ暖ったかという理由が探せなかったものですから。こういう投稿は初めてで短くしようとしたらさらに稚拙になったようです。ご不快の念を抱かせたとすればお許しください。

 

 こういう反応をされると、それこそ困ってしまいます。というのは、私はtanpei1130さんの最初のコメントを読んで確かにカチンときましたが、tanpei1130さんに悪意を持ったわけでは全くないからです。むしろ、気候変動に全く関心を持たないか、またはブログ主の私を怒らせるのを恐れてコメントしない人たちよりも、反応していただいただけでも大いにありがたいと思っています。

 

 しかし、ちょうど平河エリ氏がエンジニアである「民主主義万歳」氏に対して、

資料も読まずに「思いつき」で疑問をツイートして、まるでいろんな議論があるかのように主張されるのは、知性的な立場とは言えません。

と指摘されたのと同じことを、tanpei1130さんのコメントを読んで思いました。

 

もしも産業革命以前にも地球が温暖化したことがあったとすれば今回も同じことが起こっている可能性はないか?という自分の疑問に「こういう理由でそれは違うんだよ。」といつかkojitakenさんの温暖化の記事で教えて頂きたいと思ったのです。

とのことですが、平河エリ氏がツイートで引用したグラフに20世紀以降の地球温暖化に与えた人為的な影響が大きいことがはっきり示されていて、まともに議論しようとする態度を持った人であれば誰でも、グラフから了解できる事柄だ、というのが私の返事になります。そのシミュレーション自体に問題があるかもしれないと思われる場合は、根拠を持ってそれを主張する必要があります。科学者の世界にも「同調圧力」は強くあり、データをモデルに合わせて捏造するケースもしばしばあるからです。地球温暖化懐疑論者から「クライメートゲート事件」などと騒がれた問題もかつてありました(この件には懐疑論者にとって否定的な結論が既に出ているようですが)。

 

 私としては、まずまともに議論しようとする姿勢を持って下さい、としか言いようがありません。地球温暖化を含む人為的要因による気候変動を否定したがるのは、今やアメリカの共和党支持者や日本の「小沢信者」の一部しかいない絶滅危惧種になっています。10年くらい前にはノビー(池田信夫)も「地球温暖化陰謀論」を唱えていましたが、今やノビーですら、勝ち目のないこの立場から撤退しています。

*1:蛇足だが、今年はG球団がプロ野球セ・リーグで優勝しやがった。

酷暑で棄権続出の世界陸上 批判止まず「開催決めた人間は今ごろ涼しい部屋で寝てる」(デイリースポーツ)

 TBSが毎晩世界陸上なんか放送してやがるが、全く見る気にならない。news23をやってないから仕方なく昨夜(10/1)は日テレのnews zeroを見たが、有働由美子が全然良くない。この人はやはりNHKでバラエティやってなんぼの人だ。以前有働が仕切るようになる前にこの番組を見た時、日テレにしてはまともなニュース番組やってるじゃないかと思ったが、その頃よりもずっと悪くなっている。news23星浩がアンカーになってから相当に悪くなったが、安倍政権のメディア支配の弊害はどの放送局にも及んでいるんだなあと改めて思った。

 世界陸上に話を戻すと、酷暑で競技の棄権者が続出しているようだ。以下、デイリースポーツから引用する。

 

https://www.daily.co.jp/general/2019/09/30/0012746642.shtml

 

酷暑で棄権続出の世界陸上 批判止まず「開催決めた人間は今ごろ涼しい部屋で寝てる」

 

 「陸上・世界選手権」(29日、ドーハ)

 

 過酷な環境下での競技が続く、マラソン競歩のロード種目の選手からは大会への批判が相次いでいる。ここまで3日間を終え、女子マラソン、男女50キロ競歩、女子20キロ競歩が行われたが、暑さを考慮しての“真夜中”開催にも関わらず、気温は30度以上、湿度70~80パーセントでの悪条件の中でのレースが続き、棄権者が続出。今後にダメージを残しかねない消耗戦を強いられた選手からは厳しい声がとんでいる。

 大会初日の27日にスタートした女子マラソンは出走68人のうち28人が途中棄権。完走率は過去最低の58・8パーセントとなった。優勝したチェプンゲティッチ(ケニア)のタイム2時間32分43秒は07年大阪大会の2時間30分37秒よりも2分遅い歴代最遅記録。英BBCによると5位だったマズロナク(ベラルーシ)は、レース実行に踏み切った国際陸連を批判。「アスリートに敬意がない。多くのお偉方がここで世界選手権をすることを決めたのだろうが、彼らはおそらく今、涼しい場所で寝ているんだろう」と、皮肉った。

 また、ロシアメディア「スポルトエクスプレス」によると、22位でゴールしたトロフィモワ(ロシア)は、レース後に「非人道的な環境だった」と語った。自身のインスタグラムで「10キロで少女たちがまるで“死体”のように道路に横たわるのをみた」と、嘆いた。日本のある代表コーチは「昼間にやっていたら死人が出ていたかも知れない」と、つぶやいた。

 翌28日にスタートした男子50キロ競歩を制した日本の鈴木雄介富士通)の優勝タイムは4時間4分20秒。17回目を数える大会で初めて4時間を超えた。大会記録だった2年前のロンドン大会の3時間33分12秒より30分以上遅い。スタートした46人のうちゴールしたのは28人。完歩率は60・8パーセントでやはり4割がゴールできず。鈴木ですら、残り10キロからは内臓へのダメージで歩きながら給水ができず、立ち止まって水分を補給した。

 銅メダルを獲得したダンフィー(カナダ)「かなり馬鹿げた、クレイジーな気象条件だった」と、振り返った。29日の女子20キロ競歩は当初23時半スタートだったものを、23時59分にずらした。それでも気温は32・3度、湿度も75・2パーセント。優勝タイム1時間32分53秒はこれもまた歴代最遅タイムだった。

 天気予報によれば、この状況は当面続くと見られる。残るロード種目は10月4日の男子20キロ競歩と、10月5日の男子マラソン。史上最も過酷な戦いは続く。

 

(デイリースポーツ 2019年9月30日)

 

 それは来年の東京五輪で繰り返される。この記事を読んだ誰もがそう思ったのではないか。

 カタールは「世界一の金持ち国」とやらだから、どうせ無理な大会招致をしたのだろう。日本では「お・も・て・な・し」などとプレゼンした人(私はあれで、一気にこの人の印象が最低ランクに落ちた)が下手したら「未来の総理大臣夫人」かと思うとぞっとする。果たして、来年の五輪を選手や観客の死者なしで乗り切ることはできるのだろうか。

阪神の逆転Aクラスと中日・大野雄大の防御率1位タイトルを「交換」したセ・リーグ最終戦に思う

 昨夜(9/30)、プロ野球の全日程が終了したが、セ・リーグの最終戦阪神のAクラス入りと中日・大野雄大投手の防御率1位のタイトルを「交換」するような試合となり、話題となった。

 昔(1982年)、中日の優勝と大洋・長崎啓二選手の首位打者のタイトルを交換するような試合があって、非難囂々だったことを覚えているが、今回はリーグ優勝ではなくクライマックスシリーズ出場権だったせいか、あまり騒がれていないようだ。しかし、大野は3回3分の1を完全に抑えていたし(しかも直近の阪神戦ではノーヒット・ノーランを達成していた)、シーズンの勝ち星が9勝で、二桁勝利に王手をかけてもいた。ここで防御率1位だけ確保しておこうというのはいささかせこいなあと思った。中日の与田監督と阪神の矢野監督はかつて「星野竜」とやらでチームメイトだったし、故星野仙一は中日監督時代、自軍の選手の個人タイトル獲得のために、ずいぶんせこい真似をやっていた。私はやはり釈然としないものを感じる。4位に終わった広島が、今季唯一読売に勝ち越していたチームだっただけに余計にその感が強い。もっとも、今季の広島はやることをやらずにムダな負けを随分重ねたし、年々野球が粗くなる一方のようにしか感じられなかった。最終戦で中日に負け、ジョンソンに自責点4がついた試合は、阪神のモチベーションを上げ、中日・大野のタイトル獲得へのハードルを下げた意味で、まさしく自滅。ジョンソンが勝ち越し点を与えて気落ちした時点で投手を大瀬良にでも代えて中日の追加点を防いでいれば、ジョンソンの自責点は2で済んだかもしれないし、それどころか広島が逆転するチャンスも増えた。だが、すっかり大雑把な試合運びに慣れた広島の緒方監督にはそのような采配はできなかった。

 思えば、2016年の日本シリーズ第3戦で、当時日本ハム大谷翔平を歩かせるでもなく勝負するでもなく「くさい球」を大瀬良に投げさせ、最初から悪球を狙っていたという、水島新司の漫画『ドカベン』の岩鬼を思わせる大谷の悪球打ちの餌食になってサヨナラ負けした試合があった。そこまでの2戦は広島が本拠地で2勝していて、3戦目もタイスコアだったが、試合内容は圧倒的に広島が押していた。しかしこの大谷のサヨナラ安打で流れは変わり、以後は試合が進むにつれて、全試合接戦ではあったものの日本ハムの勢いが増していき、最後はマツダスタジアムでレアードの満塁本塁打が飛び出して(この時にも明らかに投手交代が遅れた)、広島は4連敗でシリーズに敗退した。2017年のクライマックスシリーズDeNAとの初戦に勝ったあと4連敗し、昨年の日本シリーズでもソフトバンクに1引き分け1勝のあと4連敗した。すべては2016年の日本シリーズ第3戦の不徹底な大谷との勝負から始まった感がある。

 あの試合、テレビ朝日で解説していた、ヤクルトを最下位にして「監督失格」の烙印を押された古田敦也でさえ、「勝負するか敬遠するかはっきりさせた方が良い」と何度も言っていたし、翌日のスポーツ紙では宮本慎也が広島ベンチの采配を酷評する超辛口のコメントを発していた。私はあの年のシリーズ終了後、広島は宮本をコーチに招いた方が良いとこの日記に書いた記憶がある。宮本には、今年のヤクルトのような、もともと弱いチームを強くする能力には欠けるが、強いチームをさらに強くすることには長けていそうな気がする。だが、広島は強いチームをさらに強くしようとの努力をしなかったように思えてならない。おそらく来年からの広島は下り坂をたどるだろう。

 特にセ・リーグでは、強いチームをさらに強くしようとの貪欲さを持った球団は、残念ながら読売以外にはないのではないか。今も腹立たしく思い出すのは2011年の中日で、あの年この球団の社長だかなんだかは、リーグ連覇を目指していた当時の監督・落合博満を引きずり降ろそうと画策していた。それがペナントレースの終盤に発覚し、監督が代われば優勝できなくなると危機感を抱いた中日の選手たちを奮起させて、その煽りをヤクルトが食らって中日に大逆転優勝を食ってしまったのだった*1。このシーズンも、夏場のヤクルト・小川淳司監督の采配に「緩み」があった。勝てる試合を勝ちに行かず、8月下旬だったかに、相性の良かった中日との神宮での最終戦に思わぬ逆転負けを喫した時に、最初の嫌な予感がした。阪神戦で、阪神を苦手とする村中恭兵投手らを先発させ続けたローテーションも大いに疑問だった。これらが積もり積もって、最後の最後に中日に逆転を許した。1998年に38年ぶり優勝を遂げた横浜も、翌年の開幕戦から6連敗して、開幕11連勝の「星野竜」にいきなり大差をつけられたのが致命傷になった。要するに、このリーグでは読売以外の球団は強さが持続しないのだ*2。昨年までの広島は、セでは読売以外初めてのリーグ3連覇をなし遂げはしたが、それは個々の選手の力によるところが大きかったのであって、丸佳浩を読売に強奪された今年は、読売には勝ち越したものの波が大きい戦いぶりだった。特に阪神戦では試合終盤での逆転負けが多く(夏場の京セラドームでの2試合連続逆転負けなど)、阪神との対戦成績も1つ負け越した。シーズン全体として見ても「負けに不思議な負けなし」だったといえる。阪神は広島を上回ったことに胸を張って良い。一方、広島は監督を代えた方が良いし、フロントの考え方も変えなければならない。一方阪神は、昨年終盤の糸の切れたような戦いから一転して、今年は最後まで見事な粘りを見せた。矢野燿大金本知憲の監督の差がはっきり出たとしか言いようがない。中日も監督が与田に代わって良くなった。ヤクルトは今季でもこれらの球団に大差をつけられたのに、現状のままだと来年はさらに差をつけられてしまう。誰が考えても追うのは大仕事だから、高津臣吾も大変だろう。

 昨夜の阪神対中日戦については、下記記事を引用する。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191001-00010000-wordleafs-base

 

阪神CS出場と中日大野の防御率タイトル獲得“竜虎同盟”に意外と批判の声目立たず!

10/1(火) 5:00配信

THE PAGE

 

 阪神が30日、甲子園で行われた最終戦で中日を3-0で下し、逆転で3位に浮上、2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を決めた。中日は3回3分の1無失点に抑えれば逆転で、最優秀防御率タイトルを獲得できる先発の大野雄を、タイトル確保と同時に降板させ、直後に阪神が均衡を破り先制した。大野のタイトルと阪神のCS出場の交換ゲームのようになった展開にネット上で「竜虎同盟」という言葉がSNSのトレンドワードになった。意外と広島ファンを含む批判的な声は少なかった。

 

天敵左腕降板直後に勝ち越し!
 

 ベンチから出てきた与田監督の姿を認めると虎党が騒いだ。前回登板は、ノーノー。この日もパーフェクトに抑えこまれていた阪神の天敵左腕が降板するのだ。4回先頭の近本をアウトにとった時点で、3回3分の1を無失点に抑えた大野の防御率は2.58となり、タイトルを争っていた広島・ジョンソンの2.59を抜いたのである。

 チームは、この2試合で連勝すれば、4位の可能性があったが、前日のゲームを失った時点で目標はなくなっていた。完全な消化試合で指揮官が個人タイトルを優先するのは当然だろう。しかも、大野は初の防御率タイトルである。

 大野が降りた途端に阪神は水を得た魚になった。2番手の三ツ間、3番手の山本を攻めて、たちまちのうちに4、5回で3得点。大山のタイムリーに、ワイルドピッチで2点をもらうという展開。もう甲子園は勝負あったの雰囲気に変わった。

 モチベーションが異なるチームの戦いは、こうまで違うものか。先発の青柳から、島本、引退登板となった高橋聡、岩崎、ジョンソン、藤川と小刻みに目先を変えられ、中日打線は白旗をあげた。

 今季限りの退団を表明している鳥谷が、阪神ラストゲームを7回の代打出場(ライトフライ)からショートの守備につくという矢野監督の配慮もあって、さらに甲子園は特別なムードに包まれていた。
 今季ゲーム差は広島と最大6.5差あった。広島が先に全日程を終えた時点で1ゲーム差。阪神は残り3試合。3連勝がCS出場ノルマという過酷な条件を6連勝フィニッシュという異例の猛ダッシュでクリアしてみせたのである。

「セプテンバー・ロス」は、これまでの阪神の代名詞だったが、就任1年目の矢野阪神は、見事な粘りと、投手力で奇跡の逆転CS出場を勝ち取った。泣くに泣けないのは、この3日間、毎日、阪神の負けを祈っていた広島ファンだったのだろう。

 ネット上では「広島ファン」に続き、一時「竜虎同盟」という言葉がSNSのトレンドワードとなった。大野の最優秀防御率タイトルと交換で阪神がCS出場権を得た現象をファンが面白おかしく表現したもの。
 ツイッターの書き込みは「竜虎同盟最高!」「竜虎同盟ありがとう!」などとポジティブなものが多く、広島ファンも激怒というよりも総じて「今年はバティスタのドーピング問題もありCSにいけなくて当然です」「阪神さんおめでとう!」といった広島の4位転落に納得しているような声が目立った。

 ペナントレース終盤の勝敗度外視の個人タイトル優先主義には、否定的な議論がなされることが少なくないが、最終戦でチームの目標がない中日が、見事な復活を遂げた大野へのタイトルプレゼントにチームが一丸になった。今回は、ギリギリセーフだろう。

 阪神OBで評論家の池田親興さんも「順位がかかっているならまだしも、チームに目標がなくなった最終戦でタイトルがかかった選手がいるなら、配慮するのは、監督として当然の行為。与田監督が3回3分の1で、きっかりと大野をマウンドから降ろしたことに何も問題はないだろう。広島ファンにしては、納得がいかないかもしれないが、最終戦の中日戦に、自力で勝っておけば、こんな気持ちにならなくて済んだこと。例年ペナントレースの後半に繰り広げられるケースの多い醜いタイトル争いとは、ちょっと種類が違うと思う」と、与田監督の采配に肯定的だった。

 本当は“竜虎同盟”で巨人を引きずり下ろし、さらなる混戦に持ち込んでおかねばならなかったのだろうが、これもたまたまの巡り合わせ。143試合までスリル満点。そしてハッピーエンドにまとめた2019年の阪神劇場はエンターテインメントとして最高の結果を残した。 

 矢野監督は、試合後の全試合終了スピーチで、ラグビーW杯で優勝候補のアイルランドを破る大金星をあげた日本代表を引き合いに出して「阪神タイガースも、感動と子供たちに夢を与えられるようなチームになっていきます。選手たちが、粘りに粘ってつかんだクライマックスシリーズの切符。皆さんと最後までしっかりと戦っていきたいと思います」と挨拶した。

 阪神と横浜DeNAとのCSファーストステージは5日から横浜スタジアムで行われる。

 

 私はCSファーストステージでは当然ながらDeNAを応援するが、仮に阪神が勝ち抜いたなら、ファイナルステージでは阪神を応援する。

*1:当時、逆転される前にこの最終結果を言い当てる記事をこの日記に公開したことがあった。私は悪い予感だけはよく当たる。小池百合子の「排除劇」もその2か月前に言い当てていた。

*2:90年代のヤクルトの黄金時代でさえ、1年おきにしか結果を出せなかった。

立花孝志、人口増に「虐殺」言及(共同通信・ハフポスト日本版)

 立花孝志の暴言は記事にするのも気が重いが、書かないわけにはいかないだろう。立花がYouTubeで発した暴言を最初に取り上げたマスメディアは共同通信だったようだ。

 

https://this.kiji.is/550240360080917601

 

N国党首、人口増に「虐殺」言及

ユーチューブ動画で

©一般社団法人共同通信社

 

 NHKから国民を守る党の立花孝志党首が、増加する世界人口への対応に関し「ものすごくおおざっぱに言えば『あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう』みたいな」と発言していたことが27日、分かった。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された対談で語った。直後に「やる気はないけど」とも付け加えた。

 ジェノサイド(民族大虐殺)を想起させる内容で、与野党から批判が出る可能性がある。

 日本から貧困国住民への教育支援に疑問を呈し「犬に教えるのは無理。犬に近い。世界中の人間には、それに近い人が圧倒的に多い」などと強調した。

 

  立花は上記共同通信の記事に反論したらしい。以下ハフポスト日本版より。

 

www.huffingtonpost.jp

 

 以下引用する。

 

N国・立花孝志党首「あほみたいに子どもを産む民族は虐殺」「差別やいじめは神様が作った摂理」などと言及

立花氏は「そんなつもりはさらさらないし、そんなことをする人には大反対」と釈明している。

NHKから国民を守る党の立花孝志党首が、YouTubeにアップされた対談動画で、増加する世界人口への対応について「あほみたいに子どもを産む民族はとりあえず虐殺しよう、みたいな」と言及した。

その後、自身のYouTubeチャンネルで「そんなつもりはさらさらないし、そんなことをしようとする人には大反対」と釈明。
しかし、「虐殺」発言のあった対談の動画では、貧しい国や地域の人たちを「人間と思えない」と表現したり、「差別やいじめは神様が作った摂理」と話したりと、差別を肯定するような発言を繰り返していた。

■「虐殺しよう、みたいな」

対談は、元大阪府吹田市議会議員の神谷宗幣氏との間で行われたもの。神谷氏は2012年に自民党公認衆院議員選挙にも出馬していた。2015年には無所属で大阪府議会議員選挙に立候補したが落選している。

立花氏は、日本をはじめ先進国の人口が減少傾向にあるのに対し、世界全体の人口は増えていることに触れ「馬鹿な人ほど子供産むから、馬鹿な民族っていうかね」と話した。

そして、「人間の天敵はいないから、結局人間が人間を殺さざるを得ないのが戦争だと思ってる」とし、人口増加の抑制について「殺し合いをしなくていいようなコントロールをとにかくかけるしかないのかなと。ある意味ものすごい大ざっぱに言うと、そういうあほみたいに子どもを産む民族はとりあえず虐殺しよう、みたいな。やる気はないけど、それを目指したら、結局そういうことになるのかな」と言及した。

この発言を9月27日、共同通信が報じると、立花氏は反論動画を掲載し、「虐殺」発言について「そんなつもりはさらさらないですよ、そんなことをしようとする人には大反対」と釈明した。

■「差別やいじめは神様が作った摂理」

一方で立花氏は、神谷氏との対談の中で、人種差別を肯定するような発言を繰り返し行っている。

発展途上国などに対して、日本が教育支援を行うことを提案した神谷氏。「発展途上国、貧しい国行くとカオスなんで、これはちょっとどうもならんなと」と話したのに対し、立花氏は「だって人間と思えないでしょ。申し訳ないけど、別に批判しているとかじゃなくて」と同調した。

さらに、「うちで飼っている猫とあまり変わらない人いっぱいいますよ。そういう人はご飯をあげたら繁殖するんですよ、言い方悪いけど、いっぱい子供産むんですよ、やることないから。避妊に対する知識もないし」と続けた。

また、神谷氏が「人種差別をやめましょう、と世界に日本人が提案したのは日本人の誇るべきポイントだ」としたのに対し、立花氏は人種差別についても「人種差別やめようとは思ったことない」と応じた。

その上で、「差別やいじめは神様が作った摂理だから、本能に対して逆らうことになるでしょ。だって誰かを差別したり、誰かをいじめることによって自分が安心できるっていう、人間持っている本来の摂理なので、それが本当に正しいのかって言うのはすごく疑問がある」と話した。

この発言後、立花氏は「政治家と言う立場でしたらそんなこと言っちゃいけないんだけど。だから政治家やめたいんだけどね。いじめも差別もなくならないと思います」と付け加えた。

 

(ハフポスト日本版 2019年09月28日 11時45分 JST | 更新 2019年09月28日 11時55分 JST

 

 立花がどう「釈明」しようが、立花の発言は一線を越えている。議員辞職相当だ。

 

 平河エリ氏のツイートより。

 

 

 氏は玉木雄一郎をもきっちり批判している。

 

 

 もっとも、今朝(9/30)見ると平河氏はスタンスを少し変えたようだ。

 

 

 それは少し違うのではないか。別の候補者が繰り上げ当選しようが、立花をきっちり除名しておかなければならないのではないか。上記ツイートに反応した下記ツイート種の意見に私は同意する。

 

 

 この件に関しては、玉木雄一郎山本太郎、及び民民・元号党支持者各位を含むこの国に住む人間の一人一人がスタンスをはっきり示す必要があると思う。この「崩壊の時代」の日本においては「隠れ立花シンパ」が多数いるに違いないが、少なくとも議論が必要だ。

 この日記にも以前、「N国党支持者=ネトウヨ」という考えは間違っているという主旨のコメントを寄越してきた人間がいた。また、山本元号党のコアな支持者の中には少なからぬN国党・立花シンパがいるのではないかとの指摘があり、私もそれはありそうな話だと思う。そして誰よりも玉木雄一郎だ。この野党第二党の党首は「隠れ」どころかあからさまな「立花シンパ」だろう。いまだ立花を批判せず、動画の削除もしないという(既にこれらのアクションを玉木がとっているという情報があれば、コメント欄で教えていただきたい。記事本文に追記します)。実にふざけた話だが、民民も「野党共闘」とやらを構成する政党の一つだ。

 「崩壊の時代」は深刻さを増すばかり。

「よくもそんなことを」 トゥンベリさん、怒りの国連演説(AFP通信)

 ニューヨークで開かれた国連の「気候行動サミット」は、日本では例のアホの小泉進次郎が発した「セクシー」だの何だのというわけのわからない発言がまず騒がれた(もちろん海外では嘲笑の対象となった)が、世界的にはグレタ・トゥーンベリさんという16歳の高校生環境活動家の演説がサミットの基調を決定づけたとして話題となった。下記はAFP通信の記事*1

 

www.afpbb.com

 

 以下上記リンクの記事を引用する。

 

「よくもそんなことを」 トゥンベリさん、怒りの国連演説

2019年9月24日 5:35 発信地:国連本部/米国 [ 米国 北米 ]
 
 
【9月24日 AFP】スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)は23日、米ニューヨークで開幕した国連(UN)気候行動サミットで演説した。トゥンベリさんは、世界の首脳らが温室効果ガス排出問題に取り組まず、自分たちの世代を裏切ったと非難し、「よくもそんなことを」と怒りをぶつけた。

 アントニオ・グテレスAntonio Guterres国連事務総長が開催した同サミットは、実現が危ぶまれる地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」を再び勢いづかせる狙いがある。熱のこもったトゥンベリさんの演説は、サミットの基調を定めるものとなった。トゥンベリさんは「私はここにいるべきではない。大西洋の向こう側に帰って学校に通っているべきだ」と言明。時に声を震わせながら「あなた方は希望を求めて私たち若者のところにやってくる。よくもそんなことができますね」と批判し、「私たちは大絶滅の始まりにいる。それなのに、あなた方が話すことと言えば、お金や永続的な経済成長というおとぎ話ばかりだ。よくもそんなことを!」と怒りをあらわにした。

トゥンベリさんは、気候変動対策をめぐる政府の怠慢に抗議する若者の運動を代表する世界的な「顔」となっている。この運動では20日、世界各地で数百万人の児童・生徒が学校ストを行った。

 23日の国連発表によると、パリ協定に応じ、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を達成することを約束した国は、66か国に上る。

 気候サミットには、当初欠席する予定だったドナルド・トランプDonald Trump米大統領が急きょ、短時間ながらも出席した。トランプ氏は、地球温暖化が人為的な原因により起きているとする科学界の結論に対し、繰り返し疑念を示している。トランプ氏は会場で、インドのナレンドラ・モディNarendra Modi)首相の演説を聞き、拍手をした後に退場した。

 グテレス氏はこれに先立つサミット開幕時、「気候の緊急事態は、われわれが現在、負けている競争だが、勝つことのできる競争だ」と述べた。

 エマニュエル・マクロンEmmanuel Macron)仏大統領は、チリ、コロンビア、ボリビアの首脳と会談。会談では、世界銀行World Bank)、米州開発銀行IDB)、国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(Conservation International)が、世界の森林保護のため5億ドル(約540億円)を追加で投じると確約した。

(c)AFP/Issam AHMED

 

(AFP BBニュースより)

 

 この気候変動の深刻さは、私にとっては肌で感じる自明のことだ。この問題はヨーロッパでは深刻な問題としてとらえられているようだが、アメリカでは共和党や同党から選出された大統領・トランプが強硬な地球温暖化否定論者だし、日本ではなぜか「小沢信者」が地球温暖化懐疑論を異様に愛好する。この影響を受けて、小沢一郎の流れを汲む山本太郎も支持者が発する地球温暖化懐疑論に耳を傾けざるを得ない*2という憂慮すべき傾向が見られる。

 前のエントリでツイートを引用した平河エリ氏は、この件に関しても多数のツイートを発していて、これらは必見だ。いくつか氏のツイート及び氏がリツイートした他の方のツイートを以下に引用する。まずデータ編。

 

 

 

 グレタ・トゥーンベリさんに対する懐疑論や醜悪なバッシングが巻き起こったらしいことを、平河氏のツイート及びリツイート経由で知った。

 

 

 グレタさんに人格攻撃を仕掛けているのは、何も「崩壊の時代」にある日本のネトウヨや「小沢信者」ばかりではなく*3、世界中の保守派がそうらしい。以下、上記ツイートからリンクされた「NewSphere」の記事を引用する。

 

newsphere.jp

 

16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんを嫌う大人たち 人格攻撃も

 

 スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんは、2018年夏に気候変動への対応を政府に求め、学校を休み一人で議会前での座り込みを始めた。その活動が報じられると、共感した若者たちが世界中で学校ストライキに参加。いまやリーダーである彼女は、16歳の環境活動家として大きな注目を浴びている。その一方で、彼女のやり方や影響力の高まりを嫌う心ない大人の誹謗中傷も広がっている。

 

◆力強いスピーチ、しかし伝わらない大人も

 グレタさんは23日、ニューヨークで開かれた国連気候変動サミットでスピーチを行った。涙を見せ、厳しい表情と言葉で大人たちの対応の遅さを批判。若い世代が負わされるリスクの大きさを訴え、若者を裏切るのなら「あなたたちを許さない」と怒りを表した。

 そんなグレタさんに対し、アメリカの保守的な政治評論家マイケル・ノウルズ氏は米フォックスのテレビ番組で、「30年以上も(温暖化は)科学で明らかだったのに、なぜ背を向けてきたのか」というグレタさんの言葉に言及し、「科学の問題なら、むしろ科学者がリードすべき。政治家や親と左翼に利用されている精神異常のスウェーデンの子供の仕事ではない」と述べた。ほかのコメンテーターが発言を取り下げるよう求めたが、ノウルズ氏は受け入れなかった(ウェブ誌『デイリー・ビースト』)。フォックスはその後、ノウルズ氏の発言は「不見識」だったと謝罪している。

 

◆陰湿なバッシング 大人げない大人たち

 実はグレタさんは自分がアスペルガー症候群と公表しており、以前から大人による彼女への人格攻撃のような発言がしばしばあった(エネルギーと環境に関するメディア『E&Eニュース』)。彼女を気に入らない人々は、彼女の自閉症に言及。「モノトーンな声」だと指摘し、「世紀末的恐怖のまなざし」を持った「ミレニアル世代の変わり者」と呼んでいたという。

 アイリッシュ・タイムズ紙のコラムニスト、ジェニファー・オコネル氏によれば、ツイッター上でのグレタさんへの批判にも驚くべきものがあったとしている。たとえばオーストラリアの保守派の温暖化否定論者アンドリュー・ボルト氏などは、「非常に精神不安定」「異様なほど影響力がある」とコメントしている。意図的に自閉症と関連づける、最も悪意があり、最も愚鈍ないじめがネット上で行われているとオコネル氏は指摘している。

 専門家は、このような人格攻撃は、知的障害、発達障害がある人に公の場での発言を思いとどまらせるという深刻な二次的被害につながるとする。大人の「操り人形」だから、という遠回しな表現をグレタさんに使う人もいるが、それは明らかに、彼女の考え方は変わっているのでその発言を無視するべき、というシグナルを特定の集団に送ることになる。自閉症や脳の多様性に関する著書を持つスティーブ・シルバーマン氏は、これは典型的な自閉症バッシングだと述べている(E&Eニュース)。

 

◆グレタ批判は解決にならず
 グレタさんが、今回の会議出席のため、二酸化炭素排出量の多い飛行機を使わず、ヨットでやってきたことに関しても批判がある。米ロングアイランドの新聞ニューズデイのコラムニスト、キャシー・ヤング氏は、数人がこのヨットを持ち帰るために飛行機で戻る予定であることを指摘し、今回のグレタさんの旅は、彼女自身のまばゆい環境ブランドが持つエリート意識と、実用より象徴を好むことを典型的に表したと述べる。グレタさんの活動は疑似宗教的で、パニックを煽るものだとも述べ、今後の科学の発展に期待し、あまりに悲観的になる必要もないだろうと述べている。

 一方、前出のオコネル氏は、グレタさんのヨットでの旅は抗議行動の一つで、他人に同じことを強要するものではないとする。だからこそ、象徴的であり挑発的であってよいのだとしている。

 グレタさんが多くの人々の怒りを買うのは、気候変動が恐ろしいものだとわかっているからだと同氏は指摘し、否定は真実に向き合うよりずっと簡単だと述べている。グレタさんを批判する大人は多いが、本当の変人は、力強い世界的ムーブメントを自力で始めた活動家ではなく、安全なコンピュータのスクリーン越しに、アスペルガー症候群の子供をあざ笑う中年男性のほうではないかとしている。

 若さと決意と変化を意味するグレタさんを彼らは怖がっているのだと同氏は述べ、科学を見方につけた彼女にアイデアのない大人は勝てず、彼らがどんなにツイッターやブログで熱弁をふるっても、より大きな問題に取り組む彼女がそれに反応することはないとする。グレタさんは理想主義者であり若さゆえの行動も取るが、彼女のような意見は必要だとし、より穏健な不同意の声は否定することなく、彼女の主張に耳を傾けたいとしている。

 

(NewSphereより)

 

 豊かな国の子どもが何を言っているのだという誹謗もあるが、気候変動の影響をより強く受けるのが貧困国であることは、考えてみるまでもなく当たり前の話だ。

 

 

 

 こんな話もある。

 

 

 

 今やネトウヨの代表格になってしまった菊池誠は、この問題でも恥を晒しているようだ。

 

 

 下記ツイートでこのエントリを閉める。

 

 

 遅くなったので、立花孝志に関する記事は今夜以降(おそらく明日以降)に公開する。

*1:このAFP通信記事の日本語訳では「トゥンベリさん」となっているが、NHKは「トゥーンベリさん」と報じており、ネットで調べたところ、こちらの方がよりスウェーデン語の読みに近そうなので本エントリはNHKの表記に従った。NHKはかつて(1990年代初頭)にスウェーデンのテニス選手だったステファン・エドベリを「エドバーグと発音していたが(朝日・読売など大新聞は「エドベリ」と表記していた)、最近では当初「ワウリンカ」と表記されていたスイスの選手を大新聞より早く「バブリンカ」の発音に変更するなど、現地読みに近い発音にしようと努力する傾向が見られる。なお、「バブリンカ」表記についてはこの日記で取り上げたことがある。https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20150201/1422763427

*2:もちろん山本太郎自身が地球温暖化懐疑論を信じているわけではないと信じたい。

*3:むしろ彼ら(日本のネトウヨや「小沢信者」ら)は今回のグレタさんバッシングには関心がなさそうだ。

あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」、愛知県知事の再開意向表明直後に補助金不交付の方針が報じられる

 先週半ばは平日に休みをとってネットから離れていたのだが、その間に前回書いた電力会社の問題よりもっと重大な問題を安倍政権が引き起こしていた。あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」再開の意向を大村秀章・愛知県知事が表明した直後に、文化庁補助金を交付しない方針だと報じられた一件がそれだ。調べてみると、第一報はNHKが伝えたらしい。日時(9月26日12時45分)を参照すると、ちょうどNHKニュースのタイムスタンプの時刻には、私は山のてっぺんにいて開放感を満喫していた。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190926/k10012099321000.html

 

愛知 国際芸術祭への補助金 不交付の方針 文化庁

 

慰安婦を象徴する少女像などの展示をめぐって脅迫めいた電話などが相次ぎ一部の展示が中止された愛知県の国際芸術祭について、文化庁は、事前の申請内容が不十分だったとして、予定していたおよそ7800万円の補助金を交付しない方針を固めたことが、関係者への取材で分かりました。

 
愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」のうち「表現の不自由」をテーマにした企画展は、慰安婦を象徴する少女像などをめぐって脅迫めいた電話などが相次ぎ、先月、開幕から3日で中止されました。

「あいちトリエンナーレ」について、文化庁は、ことし4月、観光資源としての文化の活用推進を目的とした国の補助事業として採択し、およそ7800万円を交付する予定でした。

しかし一連の事態を受けて改めて検討を行い、愛知県からの申請は、少女像などの具体的な展示内容の説明がなく不十分だったとして、補助金を交付しない方針を固めたことが、関係者への取材で分かりました。

この補助金について菅官房長官は先月2日の会見で「審査の時点では、具体的な展示内容の記載はなかったことから、補助金の交付決定では事実関係を確認、精査したうえで適切に対応していきたい」と述べていて、文化庁の判断が注目されていました。
「あいちトリエンナーレ」に対する補助金の取り扱いについて、文化庁は、審査の結果「申請者である愛知県は、開催にあたり、来場者を含め、展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、事実を申告することなく、文化庁から問い合わせを受けるまで事実を申告しなかった」と指摘しています。

そして「審査の視点で重要な点である、実現可能な内容になっているか、事業の継続が見込まれるかの2点で、適正な審査を行うことができなかった」としています。

そのうえで「補助事業の申請手続きにおいて不適当な行為であったと評価した」として、補助金適正化法に基づき、全額不交付とする方針を固めました。

こうした方針について、文化庁は「文化資源活用推進事業」では、申請された事業は、全体として審査するもので「あいちトリエンナーレ」は、申請金額も事業全体として不可分一体な申請がなされているとして、総合的に判断したとしています。

表現の自由”めぐって議論

愛知県の国際芸術祭、「あいちトリエンナーレ」のうち「表現の不自由」をテーマにした企画展をめぐっては、主催者側を脅迫するファックスや脅迫めいた電話のほか、あわせて770通の脅迫メールが届きました。

また、政治家の発言が相次ぎ、憲法が保障する表現の自由をめぐって議論が起きました。

このうち名古屋市の河村市長は、先月2日、会場を訪れたあと記者団に対し「どう考えても日本国民の心を踏みにじるものだ。税金を使ってやるべきものではない」と述べ、この企画展の中止を求めました。

この発言について、愛知県の大村知事は先月5日の会見で「憲法違反の疑いが濃厚だ。公権力が『この内容はよくてこれはダメだ』と言うのは、検閲ととられても仕方ない」と批判しました。

また、河村市長の発言のほか、菅官房長官が先月2日の会見で芸術際への国の補助金について、事実関係を精査し、交付するかどうか慎重に検討する考えを示したことについて、日本ペンクラブが声明で「行政の要人によるこうした発言は政治的圧力そのものであり、憲法が禁じている『検閲』にもつながるものである」と指摘するなど議論を呼んでいます。

官房長官は先月5日の会見で、補助金をめぐるみずからの発言が主催者側の判断に影響を与えたと考えるか問われたのに対し「まったくない。国民の大事な税金を交付するので、事実関係を確認した上で適切に対応すると答弁しただけで、記者の質問に対して申し上げただけだ」と述べました。

そのうえで「暴力や脅迫はあってはならない。刑事事件として取り上げるべきものがあれば、捜査機関で適切に対応する」と述べました。

官房長官補助金文化庁で審査中」

官房長官は午前の記者会見で「展覧会を開催するかどうかについては、主催者において判断されるべきことだ。文化庁補助金の取り扱いについては、文化庁で審査中であると報告を受けている」と述べました。

憲法学者の木村草太さん「不交付は被害者を追撃したことに」

愛知県で開かれている国際芸術祭について、文化庁補助金を交付しない方針を固めたことについて、憲法学者で、首都大学東京の木村草太教授は「安全を害したから補助金を交付しないとなると、脅迫を受けた被害者を追加で攻撃していることになってしまう。脅迫は犯罪なので、警察や司法機関が適切に対応して解決すべき問題だ。文化庁は、寄り添うべき相手が加害者なのか被害者なのかという点を、もう一度冷静に考えるべきだ」と指摘しています。

そのうえで「補助金の交付は、芸術作品としての価値を基準に判断するのが原則で、今回のような理由で交付しないとなれば、不十分な理由での補助金の運用が横行して、補助金を通じて特定の思想表現には援助しないという排除が進む危険性が高い。交付しないのであれば、極めて慎重に、また十分な理由をもって判断すべきだ」と指摘しています。
 
NHKニュースより)

  

 決定した補助金の交付を事後に不交付にするなど前代未聞で、これは表現の自由への公然たる挑戦以外の何物でもない。平河エリ氏が下記の怒りに満ちたツイートを発信している。これがあいちトリエンナーレの一件を指していることは、その前後のリツイート疑う余地がない。

 

 

 平河氏は旧民主・民進支持系のライターで、私と意見が合わないことも少なくないが、このツイートに見る感度の鋭さや怒りの強さは他の件でもしばしば見られる。気候変動の件やN国党・立花孝志の暴言の件などがそうで、それらはこのあと引き続いて公開する記事で言及する。休暇を取って山に登ったり旅の電車の中でのんびり村上春樹なんぞを読んだりしていた先週は、実はとんでもない1週間だったようだ。慄然とさせられる。

 各野党があいちトリエンナーレ、立花、気候変動などの問題にどう反応したかも気になるところだ。特に最初の2つの問題では山本太郎*1やその支持者、最後の問題では玉木雄一郎*2や民民支持者の反応が気になる。彼らは平河エリ氏が示したような敏感にして強い反応を示すことができたのだろうか。

 この国の「崩壊の時代」はもうとんでもなく深刻な局面を迎えているのだ。 

*1:「表現の不自由展・その後」に中止の圧力をかけた名古屋市長・河村たかし小沢一郎系のお仲間だし、地球温暖化懐疑論は「小沢信者」の間に蔓延している。

*2:国民民主党代表・玉木雄一郎は、立花孝志との対談のYouTube動画をまだ公開された状態のままに放置しており、立花を批判する言葉も発信していないらしい。