結局、衆院東京15区補選に自民党は公認はおろか推薦も出せずに終わった。不戦敗確定である。
悪評紛々の乙武洋匡だったが、さすがに小池百合子が助け舟を出した。つまりまず地域政党の都民ファ◻︎ストの会が乙武に推薦を出し、自民党から推薦が出ないと見たからかどうか、国政政党のファ◻︎ストの会からも推薦が出た。このあたりは馬鹿馬鹿しい話で、乙武は3月28日にファ◻︎ストの会の副代表に就任している。
自民党は結局乙武を推薦しなかったが、江東総支部の猛反発に配慮したとのことで、執行部が一種の詫び状を出していた(要するに選対のドリル小渕優子が自らの失態を認めたわけだ)。その江東総支部で、私が国政選挙への出馬を警戒していた山崎一輝が7月7日の都知事選と同日に行われる都議補選に出馬すると内定したとの情報を、コメント欄にてラヴェンダー・ホリフィールドさんに教えていただいた。
kojitaken.hatenablog.com
そういや私もとうとう盗泉の水を飲んでXのアカウントを開設したので、山崎のXにもアクセスできるのだった。
伝え聞くところによれば、都議を経て区長を長く務めた亡父の山崎孝明(死去直前にドラ息子の一輝ともどもゴルフ場私物化問題を文春砲にぶっ放された人だ)に倣ってか、一輝は国政には出たがらないとの話は聞いたことがある。しかし支持者たちの間では彼の国政進出への待望論が強くあるようだし、中には消極的な一輝を国政に引っ張り出すのが萩生田光一の仕事だろ、などと書いた人間までいるので警戒を怠らずにはいられない次第。もっとも山崎一輝は世襲貴族の一員とはいっても下級貴族のようなものだから、安倍一族だの小渕一族だのに対するほどの強い嫌悪感はこちらも持っていない。
一輝は昨年4月の区長選に出る前は都議だったので、この補選は彼自身の区長選出馬に伴うものだろう。選挙ドットコムを見ると、「予想される顔ぶれ」に載っているのは今のところ彼だけだ。
go2senkyo.com
自民党が乙武の推薦を取りやめるや、民民(国民民主党)が二転三転だか七転八倒だかわからないが、取りやめたはずの乙武を「やっぱり推薦する」ことにしたらしい。Xの「日本のトレンド」に「国民民主党」がかなり長時間上がっていて、私が見る限り民民はネトウヨの総攻撃にさらされていたが、ネトウヨの宣伝をするつもりはないのでここではそれらは取り上げず、代わりに朝日新聞デジタルの無料記事を紹介する。
www.asahi.com
国民民主、乙武氏へ推薦決定 衆院東京15区、都民ファとの連携重視
2024年4月12日 21時00分
国民民主党は12日、衆院東京15区の補欠選挙(16日告示、28日投開票)で、無所属での立候補を表明している乙武洋匡氏(48)への推薦を決めた。小池百合子・東京都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」も推薦を出しており、国民民主は各種選挙でタッグを組んできた都民ファとの連携を重視した形だ。
国民民主は、裏金問題を抱える自民党との相乗りは避けたい考えで、乙武氏を自民が推薦するなら「応援できない」(榛葉賀津也幹事長)としていた。
12日に自民が乙武氏への推薦決定見送りを発表したのを受け、国民民主幹部が乙武氏本人と会い、推薦を決めた。榛葉氏は12日の会見で「都民ファとはいろんな連携の可能性がある」と語った。
(朝日新聞デジタルより)
URL: https://www.asahi.com/articles/ASS4D3QB7S4DUTFK01BM.html
ブログ『日本がアブナイ!』には下記のような感想が書かれていた。
mewrun7.exblog.jp
笑ってしまうのが、国民党だ。<国民党は、国会で自民についたり、立民についたりするコウモリ政党なのだが。ここでも、同じようなことをやっている。^^;>
都議会で都ファと連携している国民党は、当初、乙武氏を推薦する意向を示していたのだが。自民党が推薦するという話をきいて、「自民と相乗りはできない」と。推薦はやめることに。
で、立民党の候補を応援することも考えたのだが、共産党が立民候補を応援するとわかって、共産党と同じ候補は応援できないと、こちらもとりやめ。
で、自民党が推薦を見送ると発表した途端、じゃあ、やっぱ、乙武氏を応援しようと、推薦を出すことに決めたという。(~_~;)
<国民党には、「自分たちの政党と考えが合う候補を支援する」という発想はないのだろうか?(・・)>
(『日本がアブナイ!』2024年4月13日)
URL: https://mewrun7.exblog.jp/30892217/
その少し前の同ブログにはこんなことが書かれていた。
mewrun7.exblog.jp
また都ファと連携している国民党は、当初、乙武氏を推薦するつもりでいたのだが。自民党が乙武氏を推薦する場合は、国民党は推薦しないと言い出した。
もしかして、立民党の酒井菜摘候補を応援するかなと思ったら、昨日、共産党が自党が擁立を予定していた候補をおろして、酒井氏を支援する意向を表明。
国民党は、共産党との共闘を嫌っているため、もしかしたら乙武氏の推薦または支持を考えるかも知れない。^^; <共産党よりは自民党なんだよね。(・・)>
(『日本がアブナイ!』2024年4月8日)
URL: https://mewrun7.exblog.jp/30888212/
ご名答!
でも、「もしかしたら民民が酒井菜摘を応援するかも」とは私は毛ほども思わなかった。それどころか、民民が酒井氏を応援することだけは絶対にあり得ないと思っていた。
ブログ主のmewさんは民民(玉木)が「共産党との共闘を嫌っているため」と書いているが、共産党のことなんか実は玉木にとってはさほど重大ではない。思い起こしていただきたいのは、2019年末にピアノの演奏で玉木と志位和夫とが意気投合していたことだ。しかもそれは玉木側が流したYouTubeの動画だった。
玉木を動かしている最大の原動力は、「あんたが大将」と散々おだてられていい気になっていた彼が、いつまで経っても本当の「大将」にはなれないことへの怨念だ。なにしろ玉木は、同じ「希望の党」出身で自分より格下だと思っていたに違いない泉健太が立民代表になった時に、露骨に不機嫌な表情をしていた。
玉木がもっとも敵視する対象は泉健太なのである。
これは、山本太郎が本当に敵視しているのは枝野幸男だ、とこたつぬこ氏が下記Xで指摘しているのと同様の心理機制による。
もっとも、上記Xでこたつぬこ氏が野田佳彦の名前を枝野幸男と同列に挙げていることに関しては私は疑問を持つ。たとえば山本は野田佳彦グループに属する手塚仁雄とは昵懇だ*1。しかし山本は枝野に対しては本気で敵視している。それは「希望の党」騒動で枝野がヒーローになったからだ。本当は俺がなるべきヒーローに枝野がなりやがった、許せない。山本は間違いなくそう思っている。だから、2019年に現元号を冠したあの忌まわしい名前の政党を立ち上げた直後から立民を目の敵にしたのである。そして立民代表が枝野から泉健太に代わったあとは、山本は泉への個人攻撃などほとんどしていないという印象を私は持っている。
そして上記山本と同様の心理機制によって、玉木は泉が立民代表になったことが許せないのである。だから泉を利することなど絶対にやらない。高橋茉莉氏を立てるから支援しろと立民に迫ったのも、そうやってマウントを取って泉より優位に立ちたかったからである。権力への妄執を持つ人間の心理など、山本であろうが玉木であろうがみな同じだ。そして彼らのような権力の亡者たちこそ、私が嫌ってやまない人間の類型なのだ*2。
なんだかすっかり玉木雄一郎と山本太郎の悪口の記事になってしまったが、今日はそろそろ終わりにしたい。とにかく私にとっては「権力者の善意」ほど信じられないものはない。本当は宮武嶺さんのブログ記事でおほめにあずかった、関西出身の私が東京下町の現在住地に地元愛を持つに至った経緯とか、同じブログ記事のコメント欄で私が「ブンむくれて」見せた月のうさぎさんのコメントに書かれていた大阪(私の出身地である)や東京といった都市部と地方との対比についても書くつもりだったが、またの機会に回す。そうそう思い出したが、告示前の現時点で「優勢かも」とみられているらしい*3酒井菜摘さんは福岡・北九州市の出身で(たしかsuterakusoさんの出身地の近くじゃないかな?)、その点では「生まれも育ちも江東区」という須藤元気よりも不利かもしれない。他の候補の中にも江東区出身者はいない。他の有力候補では維新の金沢結衣は(その姓に反して石川県ではなく)神奈川県相模原市の出身だし、乙武は東京ではあるが新宿区の出身だ。全くの泡沫候補である頼山陽だか飯山満だか知らない極右の人は、東京出身であることだけはわかったが、東京のどのあたりかまではわからなかった。私と一番出身が近いのは参政党の吉川里奈で、チラシを見ると大阪府大阪市出身とのことだ。私は大阪府の出身だが、大阪市の出身ではない。
そうそう、昨夜は酒井氏の選挙事務所に明かりがついていた。また吉川の事務所前には、プロ野球の読売なんとか軍を思わせる忌まわしいカラーの選挙カーが複数止まっていた*4。数日前の夜には、何年かぶりで江東区役所近くにある秋元司の事務所に明かりがついているのを見た。
山本-枝野の関係性について、ブログ主とこたつぬこ氏は主張が異なると思います。それは、山本-野田の関係性への見解の相違にはっきり現れています。
こたつぬこ氏は、野田氏が消費税増税の三党合意の立役者だから、消費税減税原理主義のれ新からすると攻撃対象、と言いたいのでしょう。つまり、(経済・財政)政策の違いによる対立と言っているわけで、枝野氏についても同様に2021年衆院選の時の野党共闘で消費税減税の踏み絵を踏まなかったことが対立の根源だ、という見解に相違ありません。これはブログ主の言う、
>それは「希望の党」騒動で枝野がヒーローになったからだ。本当は俺がなるべきヒーローに枝野がなりやがった、許せない。
という、よく言えばライバル意識、悪く言えば妬み根性による感情的なしこりとは全然別次元の話です。
じゃあブログ主の言われるように、手塚仁雄氏はどうなんだ、というので、そういえばこの人の見解を見たことが全然ないなと思ってweb検索してみたのですが、あまりの振れ幅にちょっと笑ってしまいました。
2012年
https://www.t440.com/%E5%86%85%E9%87%8E%E5%B8%AD%E3%83%BB%E5%A4%96%E9%87%8E%E5%B8%AD/2012%E5%B9%B412%E6%9C%883%E6%97%A5-%E5%86%85%E9%87%8E%E5%B8%AD%E3%80%8C%E5%AE%98%E9%82%B8%E7%A7%98%E8%A9%B1%E3%80%82%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%E3%81%AF%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%A6%E6%B1%BA/
>野田さんとも何度も官邸で議論したけど、最後に言うんだよ。『ヨッシーさぁ、次の選挙より、次の世代のことを考えようよ』ってね。『ずっと棚上げしてきたんだろ、自民党が』その時、ストンと腑に落ちたんだよな。子どものことが頭に浮かんでさ、そうだ、誰かが覚悟を決めないと、政治は動かないんだって
2021年
https://mainichi.jp/senkyo/49shu/meikan/?mid=A13005001001
>問13:現在10%の消費税率について考えに近いのはどれですか。
>回答:引き下げるべきだ
山本氏にしてみれば「改心した」ということなのかもしれませんが。しかし子どものための覚悟はどこに消えてしまったのでしょうね。