kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本保守党、衆院東京15区に擁立表明 麗沢大客員教授の飯山陽氏(朝日)

 衆院東京15区補選に、日本保守党が飯山陽(いいやま・あかり)という人を擁立すると発表した。下記は朝日新聞デジタルの無料記事。

 

www.asahi.com

 

 以下引用する。

 

日本保守党、衆院東京15区に擁立表明 麗沢大客員教授の飯山陽氏

宮野拓也 2024年3月5日 19時51分

 

 公職選挙法違反の罪で起訴された柿沢未途被告=自民党を離党=の辞職に伴う衆院東京15区(江東区)の補欠選挙について、政治団体・日本保守党百田尚樹代表)が5日、麗沢大客員教授で新顔の飯山陽(あかり)氏(48)を擁立すると発表した。

 飯山氏はイスラム思想研究者として著書などがある。同日に記者会見し、同区選出の自民衆院議員が「政治とカネ」を巡る事件で相次ぎ起訴されたことを踏まえ、「政治の経験はないが、自分のお金のために政治をしている人よりはましなのではないか」などと話した。

 同補選を巡っては、共産党の小堤東氏と日本維新の会の金沢結衣氏の新顔2人が立候補を表明。国民民主党は、擁立するとした新顔の公認内定取り消しを発表している。(宮野拓也)

 

朝日新聞デジタルより)

 

URL: https://www.asahi.com/articles/ASS356H1CS35OXIE027.html

 

 最近は朝日や毎日の記事を紹介する時には、有料登録をログアウトしてから無料部分であることを確認して引用することにしているが、その状態でも辻田真佐憲氏のコメントプラスが途中まで読めるので、以下に引用する。

 

飯山陽氏は、記事にあるとおりイスラム思想研究者ですが、近年では保守論壇の新星として急速に台頭し、中東問題に限らず幅広く発言しており、『WiLL』や『月刊Hanada』の常連執筆陣のひとりとなっています。X上の論争でも日本保守党の関係者と連携(以下有料)

 

 飯山がどういう人物であるかはこれだけで十分だろう。つまらない極右アジテーターの一語に尽きるのであって、現在擁立が発表されている2人のうち、共産党の小堤東の得票には全く影響しないだろうが、維新の金沢結衣にとっては「いい迷惑」だろう。私など、飯山陽と言われても頼山陽(らい さんよう, 1781-1832)と飯山満(はさま, 千葉県船橋市の地名)のあいの子かいなとしか思えない。後者については、たまにこういう人名みたいな地名があるのは面白いなと昔から思っていた。地下鉄東西線に乗る人なら車内に表示される駅名表示でおなじみだろう。もっとも飯山満駅東葉高速鉄道東葉高速線の駅であり、同線は東西線に直通している。一方、頼山陽Wikipediaを見ると

詩吟剣舞でも馴染み深い「鞭声粛粛夜河を過る」で始まる川中島の戦いを描いた漢詩『題不識庵撃機山図』の作者としても有名で、死後刊行された『山陽詩鈔』(全8巻)に収められている。古代から織豊時代までの歴史事件を歌謡風に詠じた『日本楽府』(全1巻)がある。同書の第一は下記引用の詩に始まるが、易姓革命による秦(嬴氏、西楚の覇王に滅ぼされる)、漢(劉氏、新の摂皇帝に滅ぼされる)に代表される中華王朝の傾きに対比して、本朝の「皇統の一貫」に基づく国体の精華を強調している。

とのことだから、右翼思想の元祖みたいな人だった。だから飯山陽という名前は東京15区の極右候補にはふさわしいかもしれないと思った。とはいえ最近の右翼(極右)は皇室を敬愛など全くしておらず、前天皇や眞子氏や佳子氏らに至ってはむしろ積極的な敵視の対象であるかのようだ。彼らがひたすら崇拝するのは一昨年に銃殺された安倍晋三である。また飯山は東京都生まれらしいが、江東区とのかかわりはよくわからない。

 この補選に関して、東京スポーツが立民幹事長・岡田克也のコメントを伝えている。

 

www.tokyo-sports.co.jp

 

 以下引用する。

 

立憲・岡田克也幹事長 衆院東京15区補選に焦りなし「誰でもいいということではない」

2024年3月5日 18:54

 

 立憲民主党岡田克也幹事長は5日に国会内で開いた会見で、衆院東京15区補選(4月28日投開票)の候補者擁立について言及した。

 同選挙区は公職選挙法違反で逮捕・起訴された柿沢未途衆院議員(自民党を離党)の辞職に伴い行われる。

 選挙戦に向けては日本維新の会・金澤ゆい氏、共産党の小堤東氏が立候補。国民民主党は「法令違反に該当する可能性がある行為があったため」として元フリーアナウンサーの高橋茉莉氏の公認取り消しを発表した。

 日本保守党はこの日、麗澤大学客員教授の飯山陽氏を公認候補予定者として発表。一方で、いまだ候補者擁立に至っていないのは自民党地域政党都民ファーストの会」、立憲民主党の3党だ。
 いつまでに候補者を擁立するのか問われた岡田氏は「なるべく早くです。いい人材、勝てる可能性がある人を擁立するということが必須です。誰でもいいということではないんです。そういう人材をぜひ擁立したいと考えていますが、現時点ではそこに至っていない。(候補者擁立の期限は)与党の方もどうするかまだ見えてきていませんので、自分で期限を切っていつまでという必要はないと思います」と語った。

 

東京スポーツより)

 

URL: https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/294369

 

 やはり想像していた通り、立民は自民と都ファの動きを見ているというか「先には動けない」のだろう。昨年12月の区長選では「勝てるかもしれない」と思って酒井菜摘を野党統一候補として立てたら、都ファが自公と手を握って大久保朋果を出してきたために歯が立たなかった経緯もある。とはいえ、都ファ系の候補者が決まって無所属で須藤元気が出ると仮定して、立民が新選組と一緒になって須藤を支援するなどというなめた真似をやらかしたら(さすがに恥ずかしくて須藤は公認できないだろう)、与党候補はもちろん金沢にも歯が立たないだろう。小堤といい勝負どころか、下手したら頼山陽もとい飯山満もとい飯山陽にも負けるのではないか。

 軍畑先輩氏のXより。

 

 

 区民から見ると、腹が立つ以前に「空いた口が塞がらない」んだよね。柿沢未途が自らの罪状を認める作戦に転じたのは、それで公民権停止の期限を5年から3年に縮め、3年経ったらまた東京15区から立候補しようと考えているからではないかとの噂もある。そうなったらまた柿沢が当選しかねない、そんな選挙区なのだ。

共産党の民主集中制に関する醍醐聰氏のX「党員が党の決定に反する意見を(党外で)発表することを禁じるのは、党外から寄せられた党の方針に対する疑問について党員が自分の真意を語ることを禁じるに等しい。これも党員の思想表明の自由を侵害し、思想の交流を抑圧する前近代的掟である。」(2024/2/28)

 今日は共産党の話を少しする。

 まず、少し前にいただいたコメントを紹介する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 774

人は誰しも経験に引き摺られるものです。特にそれが自らの尊厳を損なうような苛烈な経験であればあるほど…。私は管理人様のいう「パワハラに遭ったことのない幸せな人生を送ってきた人」であるせいか、田村委員長の例の結語を読んでも「共産党は相変わらずだな。でも100年も続いてる政党なんだからそう簡単に変わるわけないか」と感じただけですが(もちろん共産党には本当の意味で民主的で風通しの良い政党に生まれ変わってほしいとずーっと願っています)、紙屋氏の「スターリナ…」にはここまで言われなきゃいけないのか、小池晃氏が公衆の面前で田村氏を叱責した時(パワハラの典型的状況)、誰が彼を「スターリン」と呼んだだろうか?と思いました。それはとどのつまり、私が田村委員長と同年代の同性であるためでしょう。私には彼女が日本共産党という、戦前から建前は女性同権を唱えながら実態は女性党員をハウスキーパーとして利用してきた政党の中で、どれだけの苦労や理不尽な思いをしてきたか、容易に想像できるからです。日本共産党は結党から100年も経って、やっと初めて女性が党首になったような政党なのです。今は不十分であろうとも、これは変化への第一歩だと「今は」前向きにとらえています。そして田村委員長に一歩でも二歩でも共産党を前に進めてもらいたい、そう思って見守ろうと思っています。

 

 2022年末に小池晃氏が田村智子氏に対して行ったパワハラ(これがパワハラであったことは共産党自身が認め、小池氏に対する処分も行われた)には古くからの「男尊女卑」の差別構造の要因があったことは明らかです。しかしその時の小池氏のパワハラに対して「スターリン」との呼び方がなされなかったことは、単にスターリンの粛清に性差による差別構造が関連する事例を誰も思い出さなかったからに過ぎないのではないでしょうか。あの件はパワハラとは言っても上位の職位にいる男性が下位の職位の女性に対して行った「個対個」のものであって、田村氏の地位が脅かされる等の事態はありませんでしたし。

 それに対して、田村氏による大山奈々子氏に対する「パワハラ」(共産党自身がパワハラを認めているわけではないんで括弧付きとしました)には「組織対個」の構図があり、特に昨年末に党内の福岡県の組織で「組織対個」の吊し上げを受けた紙屋高雪氏が、自らの経験をまざまざと思い出してXに「スターリナ」とポストしたのは、ごく自然な感情の発露だったに違いないと思います。

 今「感情の発露」と書きましたが、ここに至るまでの紙屋(神谷)氏の自らを律するあり方は、生易しく「感情の発露」をすることとはまさに対極にある、極端にストイックなものでした。時折氏のブログ記事を読んでいた私は、「うひゃあ、すごいなあ。俺にはとても真似できないよ」と感嘆したものです。

 では、神谷氏が実践した党の規則とはいかなるものだったか。最近、それを批判した醍醐聰氏のXが発信されました。以下にリンクします。

 

 

 

 ポストが2つに分かれていて見づらいので、以下に醍醐氏の民主集中制批判を抜き書きします。

 

  1. 自分の意見が党の決定と異なる場合、意見は保留できるが、党の決定を実行するよう求める*1のは、個人の思想と行為を引き裂く結社の越権的統制であり、内心の自由を無化し、思想表明の自由を侵害するものである。
  2. 党の信用を失墜させる言動は別として、党員が党の決定に反する意見を(党外で)発表することを禁じる*2のは、党外から寄せられた党の方針に対する疑問について党員が自分の真意を語ることを禁じるに等しい。これも党員の思想表明の自由を侵害し、思想の交流を抑圧する前近代的掟である。

https://twitter.com/shichoshacommu2/status/1762827420128944619

https://twitter.com/shichoshacommu2/status/1762833251234877918

 

 上記は間然するところがない(非の打ちどころがない)批判だと私は思います。

 神谷氏は、このような厳しい規則を守って自らを律し、「意見を保留する権利」を行使した上で「党の決定を実行した」のでした。つまり規約第5条(五)の前段は完全に守った。しかしその経緯をブログに発表したために、後段に違反していると党に認定されたものと推測されます。

 私は氏のブログ記事を読んだ時、意見を「保留する権利」が認められるだけなのか、自分だったらこういう政党ではやっていけないだろうなと思って氏の精神力に感嘆したのですが、「意見を保留するだけにとどめる」態度を維持するための精神的エネルギーは大変なものだったに違いないと思います。

 一方、当規約を盾にとって処分する側にはさほどの精神的エネルギーを必要としないように見えます。私は必要な精神的エネルギーの大小関係がこの逆でなければまともな組織とはいえないと思います。権力者には配下の人々の人生を大きく左右する力がありますから、権力を行使するか否かを多大な精神的エネルギーを用いて熟慮するのが本来のあり方なのではないでしょうか。

 なお、神谷氏や松竹氏を「反党裏切り分子」、党外からの党批判者を「反共分子」と罵倒するだけの意見を垂れ流す一部の人間の行為に至っては、ただ単に惰性でやっているだけですから必要とする精神的エネルギーはほぼゼロです。文章を書いて発信する時間を消費するだけでしかありません。従って私はそのような人間を誰よりも深く軽蔑します。まさに人間のクズ。あらゆる人間の中でももっとも劣悪な人たちだと思います。

 また、いうまでもありませんが、大山奈々子氏の件に関しては性差による差別構造もなく、ただ単に強烈な「組織対個」のパワハラの構図が認められるだけです。

 この件で感じるのは、おそらく大山氏の方が田村氏より精神的に優位に立っているんだろうなということです。数年前までの田村氏の意見発信とそれが撤回された経緯を思い起こすと、田村氏がどのような心理であのような結語を発したかは容易に推測可能だからです。

 

 他の方から弊ブログにいただいたコメントを以下に紹介する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 こっこ

本ブログで政党の権力抑止構造の話題になるたびに常々思うことですが、他ならぬ自民党の派閥こそはその執行部の権力抑止構造そのものでした。二大政党制=派閥構造の外部化を図った小沢一郎の手によって選挙制度が変えられ権力の源泉を失ってから数十年、小泉純一郎による「破壊」を経ても、不完全な形であれ今の今まで生き残ってきた派閥がとうとう真の意味で解体するのかどうかまだ分かりませんが、その有り様が示すのは、権力抑止構造とは権力の分割であり、新たな権威の創造に過ぎないということ、そして、権力は必ず腐敗する、ということです。民主集中制によって権力を中央に萃めている日共が「分派行動の禁止」を掲げて、それによる権力の行使が批判されているのは象徴的です。我々は今、集中的権威と分割的権威の二つの権力のあり方のそれぞれの極北を目の当たりにしていると言えます。

問題は制度ではないのだろうと僕は思います。立憲主義とか権力抑止構造とか、あくまで手続き的な、テクニカルなレベルの話であり、そこから入ると本質をとらまえた議論にならないのではないでしょうか。例えば派閥を党の綱領に書き込んで制度化したり、外部有識者による第三者監査委員会を常設したり、それによってガバナンスや透明性は一時的に改善するでしょうが、結局は権力の移し替えに過ぎず、プレイヤーが変わらなければ、いずれ同じことが繰り返されるだけでしょう。

 

 コメントの前段はともかく、後段がよく理解できませんでした。

 「問題は制度ではないだろう」から始まって「プレイヤーが変わらなければ、いずれ同じことが繰り返されるだけ」で終わるので、単純に考えれば「制度ではなく人の問題だ」、つまり旧ソ連であればスターリン個人、日本共産党であれば志位和夫個人、自民党であれば少し前までなら安倍晋三個人、現在では「安倍派5人衆」や、忘れてはいけない岸田文雄などの個人の責に帰(き)する問題というように読めるのですが、そうだとしたら同意できません。

 私はやはりこれは権力の構造の問題であって、制度を変えるしか解決法はないと思います。昨日、18世紀後半から19世紀前半にかけての権力と人間に関することに思いをめぐらせながら「権力悪」という言葉をブログ記事に書きましたが、その過程でかけたネット検索でみつけた、下記バートランド・ラッセルの「権力悪」の説明に感心した次第です。

 

バートランド・ラッセル「権力悪」

 

* 出典:牧野力(編)『ラッセル思想辞典
* Source: What is democracy? 1953.)

 

 権力者は、古今東西、恐怖心さえ抱かなければ、権力を持たない人間の幸不幸には無頓着である。上流階級の人々は、自分達が幸せに暮すためにどんな苦痛を他人に与えているかを生涯知らずに暮したり、知っても知らないふりをする。

 

 メルバーン卿はヴィクトリア女王(時代)の最初の首相で、私生活では、魅力的で、教養が豊かで、博識で、人情深く、気前よく、金持だった。だが、彼があのように優雅に暮せたのは、少年達がハシタ金のために暗闇の炭坑内で長時間働いたお陰だった。似た話はざらにある。プラトンの『対話篇』に出てくる洗練されたギリシアの若者たちを、英国の古典学者達は英国上流階級の青年の模範例にするが、若者らは短命なギリシア帝国を搾取して暮していた。また、十八世紀終りから十九世紀初めにかけて、英国の上下両院は地主貴族の代議士の集りで、貧農達が共同地で享受してきた権利を取り上げる囲地条令(囲い込み条例)を通過させた。これで農村の過疎化が起り、貧農は都会に流出して、長時間労働と低賃金の犠牲の下で産業発展にひと役買った。成人だけではなく、児童らも一日十二時間以上工場で働き、作業中眠り、機械に巻き込まれ、体を寸断された。

 

 右の例は、個人が悪いと言うよりも、権力悪のある社会の仕組みの結果というべきで、これを防止するには、政治的、経済的に権力を全市民に配分する民主主義しかない。

 

URL: https://russell-j.com/beginner/POWER-EV.HTM

 

 やはり個人ではなく制度の問題なのではないでしょうか。

*1:日本共産党規約第5条(五)前段=引用者註

*2:規約前条五後段=引用者

国民民主党(民民)所属の江東区議・二瓶文隆の極右色むき出しのXに驚き呆れる。やはり高橋茉莉氏は彼ら極右人士に「生活保護を不正受給した疑いがある」と言いがかりをつけられて「排除」されたのではないか

 現在の日本は、1945年の敗戦直後もそうだったのではないかと思えるような「言論・思想の空白期」というか「ポスト『崩壊の時代』」に入っている感がある。その境目になったイベント(事件)が2022年の安倍晋三暗殺だったことはいうまでもない。

 岸田文雄が決定的に失敗したのは、自らの権力を維持するために、その安倍の残党に頼ろうとしたことだ。だから、昨年春の一時的な支持率回復期を除いて一貫して内閣支持率が落ち続けて現在に至っている。

 泉健太がいつまで経ってもうまくいかず、直近の日経の世論調査では衆院選の投票先候補に立民を選ぶ人の比率が前回の世論調査より低下して維新に迫られる低調さが続いているのも、その自民党政権に対する「提案型野党」だの維新へのすり寄り路線だのを続けたこれまでのあり方が支持されていないためだ。

 昨日、岸田に対して「どういう社会にすることを目指しているのかさっぱりわからない」という批判を目にしたが、この批判は泉にもずばり当てはまる。

 岸田にしても泉にしても、おそらく組織内での権力工作には長けた人たちで、だから政党の党首の座に収まっているのだろうが、今の日本の社会はそういう類型の人物へのニーズなどないのである。岸田も泉も「お呼びでない」人たちだといえる。

 そんな人たちがトップに立っている自民と立民という2つの政党が不毛な神経戦をやっている。最近の東京での地方選はそんなパターンが続いているように思う。

 昨年12月の江東区長選では、立民が同党の江東区議のエース的存在だった酒井菜摘氏を共産、社民、新選組を含む「野党共闘」候補として立て、維新は維新で独自候補を立てようと意気込んだところに、自公が小池百合子直系の都ファ系候補に乗っかる作戦に出た。これに対して小池と緊張関係にある分派系の上田令子と元みんなの党渡辺喜美が率いる政治勢力が、この勢力における江東区議で、かつこの政治勢力自体の中でも次代を担うエース的存在ではないかと思われる三戸安弥を担いで、自公都ファ系、野党共闘系との三つ巴になった。この人は、野党共闘系よりも小池百合子に対するアンチ勢力との色合いが強い候補だった。都民には「右派系『反小池・反都ファ』」の一定のニーズもあるということだ。なお三戸は都ファ系の大久保よりも政治思想的には右寄りであり、旧みんなの党系でもあるから右翼新自由主義系の人士と認定される。従ってリベラル系の酒井菜摘とは色合いが全く異なる。都ファは、親玉の小池百合子は言わずと知れた「排除」劇で悪名高い強烈な極右新自由主義者だが、配下には江東区長の大久保を含めて右翼色はさほどでもない人物が多い(だから連合東京が乗っかるのだろうが)。

 都ファが出てきたために意気消沈した維新が仕方なく立てた公募候補はこの三派鼎立の対立構図に割って入ることができず、半ば戦意を喪失してノックアウト負け(供託金没収の惨敗)を喫したのだった。三つ巴とはいっても野党共闘系と都ファ分派系の2位争いが注目された程度の低調な選挙であり、私は酒井菜摘に投票したが、自公都ファ系の大久保朋果に勝てるとは全く思わなかったし事実完敗した。しかし三戸安弥には勝った。三戸はこの選挙結果にかなり悔しがっていたようだ。

 なお江東区長選では民民は自公都ファに乗っかった。

 八王子市長選では立民が都ファ系人士に頼り、共産・社民がそれに乗っかったようだが、都ファのボスの小池が自公側についたので、激戦の結果、自公都ファ系が勝った。

 こんな経緯があるから、衆院東京15区補選は自民(自公)と立民が都ファの動向をにらんだ神経戦を続けていて、だから両党とも候補がなかなか決まらないのだろう。

 昨日は、私のヲチ範囲に「須藤元気」の名前が出てきたのにビビった。たとえば政治おじいちゃんお化け氏のマストドン

 

fedibird.com

 

 須藤は、自公が都ファ系候補を立ててきた場合には「どうせ都ファには勝てないから須藤でも出しておくか」程度の候補ではないかと思う。

 だが、どうせ来年までには衆院選の本選があるのに都ファがこの補選で自公に助け舟を出すかどうかは微妙だ。江東区長選では自公都ファというか自公小池の圧勝だったが、小池と都ファとが割れた八王子市長選は大激戦になった。自民が公募でいくなら立民は区長選に続いて酒井菜摘を立てて共産に候補を下ろしてもらって区長選同様の野党共闘で臨むというシナリオもまだ消えていないのではないかと思われる。つまり、都ファ抜きの自公になら勝てるが、都ファあるいは小池百合子単独が自公を強く推すなら負けてもダメージが少ない須藤でお茶を濁す。そんなことでも考えてやがるんじゃないかと私などは邪推するのである。

 昨日(2/29)はBSフジのプライムニュースという番組にどうやら野田佳彦が出たらしく、もしかしたらそこで野田が須藤元気の名前を出したのかどうか(手塚仁雄野田佳彦系列の政治家だ)、泉健太支持者のnaoko氏のTwilogにずいぶん「反須藤元気」のXのリポストがあった。

 

 

 すごいなあ。そこまで言うか。私は山崎一輝と須藤元気との二者択一だったら絶対に須藤に入れるけどね。自公の腐敗堕落はそれほどまでにもひどいんだよ。もっとも山崎と須藤に「おっさん東大生」猪野隆がさらに加わったなら猪野に投票するけどね(笑)。

 

 

 

 

 なお、民民の候補者取り下げの件に関して、suterakusoさんから下記のコメントをいだいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 suterakuso

コメントを取り上げていただき、さらには記事のプレゼントまでしていただき、感謝です。蛇足ですが、当該記事のコメントプラス、富永京子助教授のコメントがどうも好きになれません。先日自ブログに記事を書いた、田中良紹というジャーナリストに感じた苛立ちと同じようなものだと思います。「安田さんの議論と言うよりは見出しの問題ですが」と断りを入れながらとはいえ、政治的無関心ときたら手癖のように若者のせいにする態度も「よほど」問題、と論じていて、は? よほどって何だよ、と思いました。おそらくは、たかまつななほどではないとはいえ、たかまつのように若者に寄り添う()ことが売りの論者なのかなと思いますが、いや、そりゃそうだが、賢しらな態度で論点逸らすことかよ、と思うというか、やはり、差別に対する怒りを賢しらに冷めさせる態度だと感じるのですよね。そもそも、あなたも、若者のせいにするというステロタイプへと記事を印象操作しているよね、とも思います。さしてそうでもない記事なのにですね。

記事本題の東京15区補選の話題になりますが、一昨日の記事のブコメが久しぶりにややバズっていることはご存じだと思いますが(そして、その場合、kojitakenさんは、それらを読まないことを公言していることを存じていますが)、その最後に、GL17さんによる次のブコメがついていました。

>Gl17 https://twitter.com/NiheiFumitaka/status/1762043382795493508 民民の地元区議は「戦後の、正しい歴史認識に基づかない教育に根本原因が」とか訳の解らない話をしてて、これだとウヨに拒絶されたとの見立てが多分正しい。

あまり、注目させて本人を喜ばせたくもないですが、リンクのツイートをコピペします。

https://twitter.com/NiheiFumitaka/status/1762043382795493508
国民民主党江東区議会議員にへい文隆
@NiheiFumitaka
国民民主党は25日、高橋茉莉氏を東京15区における衆院選公認内定を取り消しました。
江東区のみなさまには多大なご迷惑と混乱を招いたことに
江東区議会の国民民主党江東の幹事長として心からお詫び上げます。
党本部から公認決定がなされた後に複数の方や団体のみなさまに
私も同行してご挨拶をさせていただきましたが、このような結末となってしまい痛恨の極みであります。
最近の地方議員を含む候補者公募から認定までを政治全体で
みても、党制拡大という大義のもとに「政治理念」「国家感」
なき人物が多くなったと感じ、日本の政治の在り方についてい
憂慮していました。
それが、我が党、国民民主党にも同様だったことが露呈し
残念でなりません。
戦後の、正しい歴史認識に基づかない教育に根本原因があると
考えています。
今後、年長議員として政治家を志す者に日本の国柄や正しい
歴史認識を教えていかなければならないと感じています。
今後とも、国民民主党並びに二瓶文隆にご指導・ご支持
賜りますようお願い申し上げます。
【取消理由】
東京都連より、本人に聞き取り調査を行ったところ、本人が発言した過去の行為の中に、党として看過できない、法令違反に該当する可能性がある行為があったため、公認内定取消を行いたいとの申請があった。
午後6:14 · 2024年2月26日

これへのGL17さんのブコメと私のブコメをコピペします。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/NiheiFumitaka/status/1762043382795493508

>Gl17 相変わらず具体的説明ゼロだが『「国家感」なき人物』『戦後の、正しい歴史認識に基づかない教育』『日本の国柄や正しい歴史認識』極右思想と相容れなかったので切った、て話??? …自民のウイグル議員叩きみたいな。

>suterakuso そうかー、いよいよ、つくる会教科書で勉強した世代が、社会を担う時代が来たのか―、あれ?/キーワードは民社協会だろうね。やっぱ、連合会長芳野と富士政治大学と統一教会のことも、もっと掘り返すべきじゃない?

私のブコメは自覚的に雑、まあ、煽りですけどね。しかし、ブコメをつけた後、この「にへい」なる江東の民民幹事長をググってみましたが、N国に入党後、辞めて揉めたか、揉めて辞めたかのような、紛うことなき歴史修正主義者、反人権主義者のようです。こんなものを地方支部とはいえ、幹事長にするようでは、私の雑の煽りも、そんなに的を外した話でもないのかもしれないですね。

 

 Gl17さんの弊ブログ記事へのブコメと「にへい(二瓶)文隆」なる民民所属江東区議のXを下記に改めてリンクする。

 

高橋茉莉氏が衆院東京15区補選の民民公認内定を取り消された本当の理由とは - kojitakenの日記

<a href="https://twitter.com/NiheiFumitaka/status/1762043382795493508" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://twitter.com/NiheiFumitaka/status/1762043382795493508 民民の地元区議は「戦後の、正しい歴史認識に基づかない教育に根本原因が」とか訳の解らない話をしてて、これだとウヨに拒絶されたとの見立てが多分正しい。

2024/02/28 15:53

b.hatena.ne.jp

 

 

 二瓶は、2.26事件の日に下記のトンデモ極右Xをポストした。

 

 

 二瓶文隆とはいかなる人物か。プロフィールは簡単にわかる。1958年5月生まれの65歳で、国士舘大学を卒業し、1987年に拓殖大学修士号をとった。1999年から2011年まで東京都中央区自民党区議を3期務め、2019年に江東区で民民の区議になった。税理士としての自らのサイト*1にこんなことを書いている。

 

当職の理念は、幕末の思想家、吉田松陰がのこしたとされる「志を持って万事の源となす」という言葉です。したがいまして、お金をもうけたいという人より、「夢はあるのに、どうすれば実現できるのかがわからない人」を支えたいと考えています。

 

 出た、吉田松陰!!!

 あの排外主義右翼の本家本元のような幕末の長州人だ。

 私の反感はますます強まったのだった。

 民民とはこういう人たちで構成される政党なのだ。二瓶ら極右によって高橋茉莉氏が拒絶、あるいは「排除」されたに違いないとの私の心証はますます強まった。「生活保護を不正受給した疑いがある」とは、彼ら極右人士たちにとっては格好の言いがかりの材料だったのではなかろうか。残念ながら高橋氏には政党を見る目がなかった。

 そして泉健太とは、このような民民だの、民民以上に極右新自由主義色の強い維新だのといった政党とばかりつるもうとする政治家なのである。

*1:しかしそんな極右人士の二瓶も、自らの経歴に元号ではなく西暦を用いていることに気づいて笑ってしまった。いまや元号など前世紀までの遺物に過ぎないのだ。そんな元号を党名に掲げる某組のアナクロニズムは本当に信じ難い。

衆院東京15区補選の公認取り消しの件で、民民(玉木雄一郎)は「ご飯論法」を使っているのではないか/自民の候補公募に「待った」。またも小池百合子頼みか(呆)

 今日も衆院東京15区補選、後半は共産党の話。まず民民(国民民主党)の公認予定取り消しの券について、TBSのニュースから引用する。

 

newsdig.tbs.co.jp

 

東京15区補選候補者の公認取り消し 国民民主党「法令違反の可能性ある行為があった」

 

フリーアナウンサーに一体に何があったのでしょうか。4月に行われる3つの衆議院補欠選挙のうち、東京15区について国民民主党は候補予定者の公認を取り消したと発表しました。

フリーアナウンサー 高橋茉莉氏(今月12日)
「私、高橋茉莉ならびに国民民主党は、清く、正しく、政治活動を行っていくことを誓います」

今月行われた党大会でこう宣言した高橋茉莉氏。ところが国民民主党はこの高橋氏について「法令違反の可能性がある行為があった」として、一転して公認を取り消しました。

一方で、“法令違反”が具体的に何を指すのかは「プライバシーに関わる」として言及は避けました。

当の高橋氏はきのう。

高橋氏「X」より(現在は削除)
「『立候補を断念しろ』と言われ、涙を飲んで引き下がることに致しました。理由は、ラウンジで働いていた過去があるからです」

きょう、国民民主党は。

国民民主党 浜野喜史 選対委員長
「“ラウンジ嬢”をされていたからということをもって、我々がこんな判断をしたということではない」

柿沢未途被告の辞職にともなう東京15区の補選には、すでに維新と共産が候補者の擁立を決定。自民と立憲も擁立を検討していますが、今回の騒動で選挙戦の構図が変わる可能性があるため、他の政党の選挙戦術に影響を与えそうです。

 

(TBS NEWS DIG 2024年2月26日 18:34)

 

URL: https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1019527?display=1

 

 民民(玉木雄一郎)の「“法令違反”が具体的に何を指すのかは「プライバシーに関わる」として言及は避けました」というのは、実に卑怯な言い分だと思う。

 民民(玉木)は「ラウンジで働いていたからではない」という他に、「生活保護を受給していたからではない」とも言っていたと記憶する。これらの民民執行部(というか玉木)の言い方は、高橋氏が何やらとんでもない重大犯罪に手を染めていたかのような印象を与えるが、さすがにそんなことはあり得ないだろう。私は民民(玉木)が「生活保護を不正受給していた(疑いがある)からではない」とは言っていないことに注目したい。いわゆる「ご飯論法」を思い出した。民民は高橋氏の立候補取り消しについて、「ラウンジで働いていたからではない」と「生活保護を受けていたからではない」とは言っているのだが、それらの合わせ技である「生活保護を不正受給していた疑いがある」からではないとは言っていないのである。

 これは非常に悪質な印象操作だ。野党であっても、政党の党首や執行部は権力者であり権力機構であると私は考えているので(共産党に対しても立憲民主党=立民=に対しても私の基本はこの考え方である)、高橋氏の解任劇も一種のパワーハラスメントだとみなしている。

 なお「生活保護を不正受給している疑いがある」という言説自体に大きな問題があり、実際にはさしたる問題がないことが多いことに加えて、日本においては「生活保護の不正受給」とやらよりも、生活保護を受けられるのに受けない人が多いことの方がよほど問題なのだ。しかし残念ながら、2012年に片山さつきらの奸計によって多くの人々、ことに右派には圧倒的に多いが、少なくないリベラル・左派にも影響を与えた「生活保護の不正受給」のマジックワードは今も有効だ。そのマジックワードへの抵触によって高橋氏が排除されたというのがもっともありそうな話だろうと私は思っている。

 

 次いで、報じられていた自民党の候補者公募に党執行部から「待った」がかかったというニュースについて。これは知らなかったが25日に読売が報じていた。

 

www.yomiuri.co.jp

 

自民党本部、東京都連の候補者公募に異例の「待った」公明と小池百合子氏の支援に期待

2024/02/25 22:13

 

「公明の支援取り付け最優先」

 

 自民党東京都連(会長=萩生田光一・前政調会長)は東京15区補選の候補者を公募する方針を16日に確認した。しかし、小渕優子選挙対策委員長ら党本部側は「調整が必要だ」として、異例の「待った」をかけている。

 

 東京15区補選は柿沢未途・前法務副大臣(自民を離党)の議員辞職を受けて実施される。柿沢氏は2021年衆院選に同区から無所属で出馬して当選し、自民に入党した。昨年12月、江東区長選(昨年4月)を巡る公職選挙法違反事件で逮捕された。

 

 東京15区選出の自民衆院議員を巡っては、秋元司・元内閣府副大臣が19年12月、カジノを中核とした日本の統合型リゾート(IR)を巡る収賄容疑で逮捕され、自民を離党した。

 

 さらに、自民派閥の政治資金規正法違反事件も影を落としている。クリーンなイメージを重視する公明は自民候補の推薦に慎重姿勢だ。自民都連幹部は「公明の支援取り付けが最優先だ。誰かを無所属候補として出し、自公で推薦する形もあり得る」と語った。

 

小池氏に期待感

 

 自民にとって、同区の支持層が一枚岩ではないことも懸念材料だ。

 

 江東区長を務め、影響力を保持してきた山崎孝明氏(昨年4月に死去)や長男の一輝・前都議ら「山崎系」は、柿沢氏と長年の対立関係にある。公選法違反事件の影響で、選挙戦の実動部隊となる区議の多くが動きにくいことも厳しい情勢に追い打ちをかけている。

 

 今年1月の東京都八王子市長選では、自民、公明推薦の新人が、知名度の高い小池百合子東京都知事の応援を得て、辛勝した。自民幹部は「補選も八王子方式にできれば」と小池氏との協力に期待感をにじませる。

 

 自民は、小池氏が特別顧問を務める地域政党都民ファーストの会」が補選に候補を擁立した場合、自公で支援に回る方式も排除していない。

 

次期総裁選に影響

 

 東京15区補選は衆院島根1区、衆院長崎3区とあわせて実施される。

 

 自民は長崎3区でも候補者が未定だ。3補選の結果は、党総裁としての任期満了が9月に迫っている岸田首相の求心力に直結し、首相の次期総裁選や衆院解散の戦略にも影響する。

 

 首相周辺は「当選が難しいのなら、『負け』を減らす方策を考えざるを得ない」と語った。

 

野党乱立 取り消しも

 

 野党では、東京15区補選を巡り、日本維新の会共産党がすでに公認候補予定者を発表した。立憲民主党も擁立を模索しているほか、野党系の無所属参院議員の出馬も取りざたされ、乱立の様相を呈している。

 

 立民の泉代表は25日、甲府市内で「東京15区で自民には勝たせないという立場で、自分たちの候補者擁立を含め、最大限の努力をしている」と記者団に語った。

 

 国民民主党も東京15区補選で新人の高橋茉莉氏の擁立を発表していたが、取り消す方針だ。玉木代表は25日、自らのX(旧ツイッター)に高橋氏について、「法令に抵触するおそれのある事実が明らかになった」と書き込んだ。

 

(読売新聞オンラインより)

 

URL: https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240225-OYT1T50080/

 

 やはり自民党小池百合子公明党頼みのようだ。八王子市長選にもこのパターンで辛勝した。あの選挙では都ファから分派の候補者が出て、立民のほか共産や社民までこの都ファ出身の候補を応援したのには驚かされたが(もちろん半分は呆れた)、小池はこの元仲間を「赤旗に載った」として切り捨て、自公の応援を受ける元都職員の候補を応援したのだった。

 弊ブログにいただいたコメントより。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 となとな

立民都連については人的な問題もあるでしょうが、連合東京が都ファを支援している(組織内議員もいる)ことが大きいのでしょう。東京の選挙区では組合票が出にくいのであまり重視されてないとの話も目にしましたが、小池百合子が「労働者の味方」である以上、強くは出られないのでしょう。都内労働者としては忸怩たる思いです。

 

 連合東京が都ファを支援していることは私も知っていますが、

小池百合子が「労働者の味方」である以上、強くは出られない

とは、情けないことこの上ありませんよね。

 まあ小池が人気絶頂だった2016年から翌年夏頃にかけては、私がよく「都会保守」と決めつけて批判してきたさる民主・民進シンパ系ブロガー氏あたりもずいぶん小池に入れ揚げていましたが、どうして「自称中道」の都会保守氏(とはいえそれなりにリベラル色も強い)を含む世の「リベラル」系の人たちがあんな極右新自由主義者に惹かれるのか、私にはさっぱりわかりませんでした。そういえば久しぶりに書きますが、弊ブログは小池がリベラル派を排除することを、実際に排除劇を小池が引き起こした2か月前に言い当てていました。

 一方で、立民都連ではいまだに手塚仁雄が何やら画策しているのではないかとの観測もある。下記は軍畑先輩氏のX。

 

 

 2021年衆院選では東京8区で手塚が山本太郎と何やら変な密約をしていたらしいことから騒動になったが、今回の東京15区補選で一部から須藤元気の名前が封じられた時、ああ、たぶん手塚がまたぞろ妄動をやらかしてるんだろうなとは私も想像していた。

 ところで、この手塚は野田佳彦系の人間だ。その野田についてコメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 ラヴェンダー・ホリフィール

拙コメントを取り上げて戴き、ありがとうございます
さて東京15区補選ですが、、、

何の続報もありません(笑)
まるで「沈黙は金」みたいなステルス合戦になってるかのようです

それ以上に不透明な立憲のポスト泉ですが、余程の「彗星」が現れない限り野田佳彦に落ち着くような気がしてなりません

勿論ネットを斜め読みした印象だけだし本人もずっと固辞してますが、安倍国葬の弔辞で安倍から「俺は5年で返り咲いたけどアンタにもそういう時が来るよ」と言われた話をもち出したのはまんざらでもないからでしょう

政治ニュースはジャンク情報ばかりで「高市の勉強会は出席者が19人に増えた」って夕刊フジが喜んでる有り様ですが、それに比べるとイギリスのトラスの件は興味深いですね

トラスの主張が、ではなくイギリスって国が思いのほかコンスピラシーに厳しいらしい、ってことが

だって同じアングロサクソンでもアメリカはあのザマでしょ
ジュリアーニシドニー・パウエルでも「東スポレベル」と言われる与太話の肩をもつ、、、

おそらく米英の教育の違いに由来してるんでしょうが、アメリカが酷すぎるだけでイギリスが陰謀論込みのポピュリズムに中立なのかどうかはよく分かりませんね

 

 日本社会に変化を求める機運が高まっているとしか私には思えないんですが、そんな時に「野田佳彦(野ダメ)カムバック」ですか。どえらく後ろ向きですね。もし本当にそんなことになったら立民は本当に終わってしまうと思いますね。

 最後に、記事が出た時点では取り上げ損ねたのですが、以前にsuterakusoさんが興奮気味にコメントしていた、下記朝日の有料記事中に東大大学院の本田由紀教授がつけたコメントプラスが実に良いと私も思ったので、遅ればせながら記事をプレゼントしたいと思う。2月最後の日だが、月5回のプレゼント枠を使い切るのは今回が初めて。有効期限は3月1日午前8時01分だ。

 

digital.asahi.com

 

 本田教授のコメントプラスには449件の「いいね」がついている。結構長いコメントだが、呼び捨てで実名を挙げた箇所のみ以下に引用する(このくらいなら構わないだろう)。

 

杉田水脈など裏金自民党の議員たちや、小池百合子のように、権力を手にしている保守的な政治家が明に暗に差別を煽動していることが、何よりも許しがたい。

 

 そんな小池百合子が「労働者の味方」であってたまるものか。

 ふざけるな、連合東京!!!!!

トラス前英首相、「陰謀論」主張で波紋 議員辞職求める声も(毎日, 2/26)

 共産党に関しても東京15区に関しても、前者については弊ブログの記事に反応いただいた宮武嶺さんのブログ記事を初めとして、また後者については新しい情報を含めて書かなければならないことがたくさんあるが、今朝のところは、後者については政治おじいちゃんお化け氏のいくつかのXを、アクセスできるうちにリンクするにとどめる。

 

 

 これはわかりません。昨年1月9日に、衆院東京15区の支部長がまだ決まっていない件について井戸さんが何件かのツイート(当時)を発信した件を弊ブログで取り上げました(下記リンク)。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 何度も書きますが、当時、枝野前執行部のせいだとする泉健太支持者のnaoko氏と、泉現執行部のせいだとする泉批判派の「匿名希望のまいまい(蝸牛)氏の現Xでの議論を紹介しました。でもその後1年以上も東京15区支部長が空位であることを考えると、枝野前執行部のせいだというnaoko氏の説はもはや否定するしかないでしょう。泉執行部のせいか(たとえば総支部長未定の件を井戸氏にXで批判された泉がヘソを曲げたなど)、さもなくば立民の都連のせいでしょう。私は両方の責任だと思いますけど。今回の補選でも、どうやら立民は候補者を立てる予定などと報じられてはいますが、ここまで出遅れた以上、仮に負けでもすれば泉の責任問題にならなければおかしいと思います。

 

 

 これは本当にひどい。私も昨日、この件で民民(国民民主党)を持ち上げて元候補者を叩くヤフコメの数々を見て怒り心頭に発しました。

 民民(というか玉木雄一郎)とその信者どもは「社会悪」以外の何物でもないと確信しましたよ。本当にあれほど腹の立つ連中はいません。まさに人間のクズ。彼らに比べれば山本太郎元号新選組とその信者たちの方がよほど可愛げがあります。

 でもまあ、彼ら民民・玉木信者たちも玉木には絶対服従なんですよね。典型的な権威主義者たちだと思います。このあたりは自民・立民・共産・新選組など各党の支持層にも共通するかな。

 

 

 この意味深なXの意味がわかるほど民民まわりの事情は知りませんが、興味深いXだと思ったのでリンクしておきます。

 

 共産党関係では下記「リベラル21」に元高校教師の阿部治平さんが書いた下記リンクのブログ記事が参考になった。

 

lib21.blog96.fc2.com

 

 今日メインで取り上げるのは、一昨年のイギリス首相就任時に元号新選組の経済政策のブレーンと目される長谷川羽衣子が絶賛したリズ・トラスに関する毎日新聞の下記記事。短い無料記事。

 

mainichi.jp

 

 以下引用する。

 

トラス前英首相、「陰謀論」主張で波紋 議員辞職求める声も

毎日新聞 2024/2/26 09:04(最終更新 2/26 15:55

 

 英国のトラス前首相(保守党)が、自身は「ディープステート」(影の国家)のせいで退陣に追い込まれたと主張し、波紋を広げている。この言葉はトランプ前米大統領共和党)の支持者らが使う陰謀論で、米民主党幹部や小児性愛者らによる組織を指すとされ、この組織が「世界を牛耳っている」などと言われる。首相経験者が公然と陰謀論を肯定したことで、英国内ではトラス氏の議員辞職を求める声も出ている。

 

 トラス氏は2022年9月に首相に就任したが、財源の見通しがないまま大型減税の方針を打ち出したことで、通貨ポンドが急落するなど市場が混乱。その責任を取る形で、在任期間わずか50日で退陣した。

 

URL: https://mainichi.jp/articles/20240226/k00/00m/030/011000c

 

 この記事にはウケた。イギリス版「減税真理教」教祖ともいうべきトラスが保守党の前首相で、トランプばりの陰謀論を唱えたことから、トラスに「極右新自由主義者」とのレッテルを貼っても良いだろう。

 うらやましいのは、イギリスではそんなトラスに議員辞職を求める声が出ているらしいことだ。

 日本にも似たような重度の陰謀論者が自民党ではなく立民(立憲民主党)にいるが、泉執行部は何の処分もしない。まさか同じ右派の人士だから甘いということもある愛と思うのだが(当該の議員は極右だが泉執行部寄りの人ではないと認識している)。

 また、今も「人工地震」のXを削除していない新選組山本太郎は、おそらく本人はさほどの陰謀論者でもなかろうとは思うが、「信者」の陰謀論者たちを甘やかしまくっている。しかも前述の通り経済政策のブレーンの長谷川がトラスを持ち上げまくった恥ずかしい過去がある。

 そもそも彼らの政策も「減税真理教」以外の何物でもなく、新選組自体が新自由主義政党であると私はみなしている。その新選組が、40歳以下で左派を自認する人たちがもっとも心惹かれる政党だというのだから、日本の政治をめぐる現状は深刻の一語に尽きる。

衆院東京15区補選、「民民、立憲、自民が現状候補者白紙ってことでこれだと多少は地盤を作ってる維新金澤が有利なのかなと」(ラヴェンダー・ホリフィールドさん)

 衆院東京15区補選、結局高橋茉莉氏は「政界引退」だそうで、政界にいたことなんかあるのかよと思ってしまったが個人の判断だから仕方ない。新選組から出馬するなら彼女に投票しようかと一瞬思ったが(いうまでもなく私は過去に新選組公認あるいは同党が推薦する候補に投票したことは一度もない)、またしても実現しなかった。

 今回はコメント欄からいくつか紹介する。まず東京15区の件。

 

 ラヴェンダー・ホリフィール

この「ラウンジ」というお店ですが、「キャバクラ」との違いは料金システムと接客を1人でするか複数でするか、とのこと
複数で接客するのがラウンジだそうです

余談から入りましたが、選挙そのものが余談化しそうなほど低調ですね

国政選挙なので小池、都ファは独自候補は出さないのでしょうが3党ともこれに縋りたいのがミエミエ

コピペ作家新党がようやく「候補者を内定した」そうで、今日江東区で有本や河村と街宣したそうですが肝心の候補者の顔見せはなし

出てくるキャストが揃いも揃って「誰かにもたれかかる」ことと「姿を隠す」ことしかしないという、ホントこれじゃ投票本番はドネツク共和国なみかな、って印象です

 

 ネット検索をかけても東京15区補選は他の2つの選挙区の補選ともどもほとんど話題になってませんね。

 都ファは今回は見送りなのでしょうが、来年秋までには行われる衆院選の本選には自民の弱り目につけ込んで、この間の江東区長選と同様に、小池百合子の息がかかった候補を自公におしつけるであろう展開が予想されますが、その都ファに対して、ラヴェンダー・ホリフィールドさんがおっしゃる通り自民はもちろん民民も立民も(!)「縋りたいのがミエミエ」という現状には本当に腹が立ちます。

 特に立民は、本来小池百合子の「希望の党」から「排除」された人たちが結党した政党のはずなのにこのような惨状になっているのは、いうまでもなく「希望の党」出身の泉健太が2021年衆院選敗北の誤った総括の結果立民代表になってしまったからでしょう。これまでに失敗した泉の「提案型野党」路線や維新へのすり寄りも、前記衆院選の誤った総括の産物ですから、やはり立民がやらなければならないことは党代表の交代だと改めて思います。

 現状だと、本当に維新の金澤結衣が当選しかねませんよ。そんなことになったら、現在は党勢が低下傾向にある維新が勢いづき、また2021年秋や昨年春のように政党支持率が劇的に上向くこともあり得るでしょう。まあ大阪万博という大きなマイナス要因も維新は抱えてますけど。

 昨年も春の衆参補選で4戦全敗した泉が代表辞任を検討したことがあったらしいですけど、あの時に辞めてりゃ良かったのに。

 日経の世論調査によると、維新は関西で、立民は首都圏で政党支持率をそれぞれ暴落させているようです。立民の場合は東京都連が都ファに対して異様に迎合的だったり、江東区長選の他にも武蔵野市長選や八王子市長選でも負けています。立民は特に東京で支持離れが著しいんじゃないでしょうか。本当に早く辞めろよ、泉。

 

 共産党関係のコメントも紹介する。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 通りすがり

共産党は外部からの攻撃には強いが、内部矛盾の拡大には脆いのだと思います。
共産党の空中分解まであともうひと息です。

 

 管見

紙屋氏のブログを拝見して、スヴェトラーナさんの透徹した精神に感銘を受けました。個人の意思や思考を理解出来なかった、当時のクレムリン支配層の愚劣さには驚きです。
ロシア革命のこともスターリンのことも詳しくないのですが、スターリンは狂気などではなく、極めて悪辣な権力亡者だと思います。
スターリンの再来・プーチンにコロっと騙された西側指導者は見る目がなかったんですね。

 

 管見

通りすがり氏から、共産党の空中分解を期待してるコメントがありましたが、私は共産党には権威主義を克服して生まれ変わって欲しいと思っています。
民主党にも立民党にも、浅い期待すら裏切られ続けて野党らしい野党が存在しない状況では、やってられません。

 

 プーチンはいまやスターリン再評価に熱心なのだそうで、帝政ロシアの再興を夢見ているとされることを含めて、スターリンともども「権力悪の権化」だと思います。

 プーチンに対しては、西側指導者たちの「見る目のなさ」もそうですが、2012年だったか13年だったかに北方 4島についての「引き分け」発言を引き出してそれをほめそやしていた当時の朝日新聞主筆の故若宮啓文が熱心だったようです)やテレビ朝日の報道なども私は苦々しく見ていました。リトビネンコをはじめとする元スパイや政敵やジャーナリストの暗殺などが頭から離れなかったので、プーチンを信用したことなど一度もなかったからです。

 それから、共産党権威主義を克服して生まれ変わってほしいとは私も思っています。一番良いのは社民党が本当の社民主義政党として再生することですが、そんなのはいつになったら実現可能なのか全くわからないくらいの現状ですからね。しょうがないから立民リベラル派に期待しようと思ってもあのていたらくですし。本当に「やってられません」。

 何度も書きますが、共産にしても立民にしても、支持層が組織防衛志向に凝り固まっている現状では本当にどうしようもないかと。あれこそ「権威主義精神」の発露(というか露呈)以外の何物でもないと思います。