kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

音楽

「槇原敬之原発擁護?疑惑ソング」再論

日曜日の昼に書いた、槇原敬之の "Appreciation" は本当に「原発擁護ソング」なのか。「槇原叩き」に反論する - kojitakenの日記 は、「書き捨て」に近い記事だった。ただ、一部の「脱原発」論者たちが、槇原敬之の歌を紹介したとあるブログの記事*1につけた…

槇原敬之の "Appreciation" は本当に「原発擁護ソング」なのか。「槇原叩き」に反論する

http://zara1.seesaa.net/article/218774801.html という題の記事に、多数の「はてなブックマーク」*1がつき、ブコメの多くは槇原を叩くものだ*2。だが、私はそれに疑問を感じる。 リンク先の記事で歌詞を見たが、「原発擁護」であるとも必ずしもそうではな…

中村とうようとキャンディーズと吉田秀和と

中村とうようについてはあまりよく知らないので、下手に訃報の記事も書けないなと思っていたのだが、実は1か月ほど前、久しぶりに中村とうようが昔書いた文章を目にしたばかりだった。 中村とうようが死亡!「さよならキャンディーズ」が・・・? | ニュース…

カタリーナ・ワーグナーの大胆な試みとイスラエル室内管弦楽団

幸か不幸かワグネリアンではないので全然注目してなかったのだが、ワーグナーの「聖地」バイロイトで、もうすぐ「バイロイト音楽祭」が始まるらしい。なぜ突然取り上げたかというと、部屋の片隅から処分し損ねていた1月20日付の朝日新聞が出てきて、その「国…

「1986年」のマリリン、本田美奈子

大連立とラフマニノフ「ヴォカリーズ」と本田美奈子と - kojitakenの日記 に、id:furiskyさんからコメントをいただいた。 http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110610/1307633916#c1308160389 furisky 2011/06/16 02:53 kojitakenさんが本田美奈子さんのこと…

大連立とラフマニノフ「ヴォカリーズ」と本田美奈子と

大連立騒ぎに嫌気がさしていたところに、なぜか思い出したのがラフマニノフの「ヴォカリーズ」だった。この曲についてネット検索をかけてみたところ、4年前の当ブログの記事が引っかかった。 ヴォカリーズ - kojitakenの日記 上記はピアノ独奏への編曲で「ヴ…

「哀愁のシンフォニー」には試作バージョン「霧のわかれ」があった

実は、田中好子の死の直前にキャンディーズを思い出していた。というのは、例のサントリーのコマーシャルに使われている坂本九の「見上げてごらん夜の星を」が、曲の真ん中で突飛な転調をしていることに気づいて、これはキャンディーズの「哀愁のシンフォニ…

スーがリードボーカルを務めたキャンディーズ「なみだの季節」

昨日書いた元キャンディーズ・スー(田中好子)の訃報の記事に、23時台の1時間だけで2千件以上のアクセスがあったことに驚いた。キャンディーズといえば、シングル盤のデビューは1973年だった。石油ショックの直前であり、石油ショックを契機に時の総理大臣…

化粧品のコマーシャルをきっかけに「悲しき天使」のルーツを探ってみた

ようやく「AC」のコマーシャル一辺倒から解放され、テレビにも普通のコマーシャルが流れるようになった。その中で、化粧品のコマーシャルに使われている歌に聞き覚えがあった。確かロシア民謡かなんかじゃなかったっけ、と思ったが、調べてみると1968年に当…

「冬の旅」と「最後の一葉」

O.ヘンリーとシューベルトに関するお話。とはいってもユダヤ陰謀論とは何の関係もない(笑)。O.ヘンリーに「最後の一葉」という有名な小説があるが、彼はこの作品をシューベルトの最高傑作とされる歌曲集「冬の旅」の第16曲「最後の希望」にヒントを得て書…

タイガーマスクのエンディング「みなし児のバラード」の絶妙な拍子の変転

伊達と言われてもクルム伊達公子しか連想しなかったし、昔阪神タイガースに伊達というピッチャーがいたことは覚えていても*1、タイガーマスクの伊達直人なんて思い出しもしなかった。その「伊達直人」を名乗る匿名の寄付が、現在ニュースの話題になっている…

「早春賦」と「知床旅情」とモーツァルト

2006年7月に買ったものの、封も切っていなかったCDを今頃になってようやく聴いてみた。その頃からブログ書きにばかりかまけていて、音楽をあまり聴かなくなっていたことを最近反省している。 武満徹・響きの海-室内楽全集(3)アーティスト: アンサンブル・タ…

「イタリア人陰謀論」に取り憑かれていたモーツァルトの父親

反音楽史: さらば、ベートーヴェン (新潮文庫)作者:石井 宏新潮社Amazon 上記リンク先の本を読み始めた。2004年に山本七平賞を受賞していたり、巻末に稲田朋美の後援会長として悪名高い渡部昇一の解説がついているので、警戒しながら読み始めたが、結構面白…

奥が深かった「荒城の月」の半音上げと山田耕筰の問題

「荒城の月」問題に始まる音楽シリーズは、奥が深かった。「荒城の月」に滝廉太郎が書き込んだ「Eシャープ」のたった一音から、おそらくは真偽を取り混ぜた情報に次々と行き当たった。その中で私の注意を惹いた一つが、「荒城の月」の「Eシャープ」が「ジプ…

「木綿のハンカチーフ」と「ヨナ抜き音階」

「荒城の月」シリーズから、いきなり「木綿のハンカチーフ」の話に飛ぶ。「荒城の月」で、「はなのえん」の「え」についたシャープを取ることが、本当に旋律を日本的にしたのか、と考えているうちに、「ヨナ抜き音階」のことを思い出したからだ*1。1975年12…

日本人歌手たちよりもドイツのバンドの方が「日本が好き」なのかもね 〜 続々「荒城の月」論

無伴奏で歌へ君が代 〜 続「荒城の月」論 - kojitakenの日記 の続き。シリーズ第3弾である。 スコーピオンズは? - Living, Loving, Thinking, Again より。 「荒城の月」ってスコーピオンズもカヴァーしていたけれど、スコーピオンズは#をつけていたのかど…

無伴奏で歌へ君が代 〜 続「荒城の月」論

滝廉太郎の「荒城の月」を勝手に改変した山田耕筰の悪逆非道 - kojitakenの日記 の続き。コメント及びブコメに突っ込んでみる。 まず、公開早々コメントしてきた、id:riajyuという、いかにもリアルが充実してなさそうな人間は、ただのネット右翼だった。これ…

滝廉太郎の「荒城の月」を勝手に改変した山田耕筰の悪逆非道

NHKドラマ「坂の上の雲」をつけていたが、つまらなくてほとんど見ていなかった。だから、ストーリーもほとんど頭に入らなかった。ただ、番組中に出てきた滝廉太郎の「荒城の月」がピアノで演奏されたくだりに注意を惹かれた。というのは、歌詞でいうと「はる…

クロイツェル・ソナタ

そういえば、トルストイの『クロイツェル・ソナタ』って、まだ読んだことがないのだった。ベートーヴェンの有名なヴァイオリンとピアノのためのソナタに触発されて書いた、背徳を描いた小説だとは聞いていたが、ベートーヴェンの音楽の方はもうずっと昔から…

古賀政男も戦争に協力していた。そして現在最悪の好戦的音楽関係者は宇野功芳だ

昨日からシリーズになってしまった「戦争と音楽」のシリーズ。まず、id:AmahaYuiさんのコメント*1を紹介する。 AmahaYui 2010/10/03 11:20やれ、ブクマ見つかっていたんだ(^-^; 仕事先で見て携帯でこっそり貼ったんですが(^-^;いやまぁ、古関のところにも出…

戦犯同士の罪のなすり合い? 山田耕筰と音楽評論家・山根銀二が演じた醜態

http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kojitaken/20101002/1285985886 より。 wackunnpapa 音楽, 歴史 理解できるが同意できない。古関裕而が戦犯なら,山田耕筰の方が余程ですよ,はい。 / 「アイウエオの歌」はアニメ映画「桃太郎 空の神兵」のあれ…

「闘魂おろし」と古関裕而、軍歌と反戦歌

「巨人と阪神が合併したら | ログ速@2ちゃんねる(net)」という2ちゃんねる出典のサイトに、「球団歌は闘魂おろしになんの?」とあったのに吹いた。「六甲おろし」(もともとの名称は「大阪タイガースの歌」)と巨人の応援歌「闘魂こめて」の作者が同じ古関…

「島唄」に隠されたメッセージを今頃知った

1年前の記事を今頃知ったのだが、THE BOOMのヒット曲「島唄」で、音階の使い方にある工夫がされているとのことだ。 「島唄」に沖縄音階が一部使われていない理由 - ||: フェルマータ :|| 上記リンク先の記事は、朝日新聞の別刷「be」に掲載された記事を元ネ…

小澤征爾、桑田佳祐、食道ガン、1978年

指揮者の小澤征爾が食道ガンから復帰して、オーケストラを指揮したニュースが流れていた。音楽家の食道ガンというと、桑田佳祐が同じ病気にかかったことが報じられたばかりだ。小澤征爾は、現代の医学は進歩しているから桑田さんも大丈夫だと言っていた。桑…

藤澤ノリマサとヤクルトとドヴォルザーク

ヤクルトといっても、Bクラスに転落したプロ野球のヤクルトスワローズではない。乳酸菌飲料のコマーシャルで流れていた歌のメロディーに聞き覚えがあるなあと思ったら、ドヴォルザーク作曲の弦楽セレナーデの第4楽章だということに気づいた。超有名な曲では…

ユリ・ケインかなあ?

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100324/1269399406 より。 10年近く前に、或るCDの存在を知った。仏蘭西の或るジャズ・ミュージシャンがワーグナーの曲を室内楽に編曲してレコーディングしたというのだ。そのレヴューにはたしか、こういうワーグナーだっ…

1813年生まれの大作曲家ワーグナーの孫、ヴォルフガンク氏が死去

http://www.asahi.com/obituaries/update/0322/TKY201003220223.html より。 作曲家ワーグナーの孫、ウォルフガングさん死去2010年3月22日20時14分 ウォルフガング・ワーグナーさん(ドイツ作曲家リヒャルト・ワーグナーの孫)DPA通信によると、21日、…

イスラエル人音楽家とパレスチナ人学者の対話

さきほど読み終えた本。日曜日から読んでいた。くだらない城内実のブログ炎上騒ぎとのあまりの落差に頭をクラクラさせながら。 バレンボイム/サイード 音楽と社会作者: A・グゼリミアン,中野真紀子,ダニエル・バレンボイム,エドワード・W・サイード出版社/メ…